公開日:2021年 2月23日
更新日:2024年 6月 9日
今日は不眠症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
・不眠症とは
・不眠症の原因
・不眠症の症状
・不眠症の改善方法
・不眠症のまとめ
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
不眠症は睡眠障害の1つです。日本には、不眠の症状で悩んでいる人が約5人に1人いると言われています。
不眠で悩んでいる人は、男性より女性に多い傾向にあり、20~30歳代から年齢を重ねるによって増加していきます。中年、老年になると急激に増えると言われています。
不眠症では、夜寝つきが悪い、一晩中眠っていることができない、朝早く目が覚める、眠りが浅く眠った感じがしないなどの症状が起こります。さらに不眠が続くと、不眠恐怖になりさらに症状が悪化してしまうこともあります。
不眠症は、よく眠ることができないことによって、日中の眠気や注意力の散漫、疲れ、集中力の低下、倦怠感、意欲の低下、食欲の低下など、色々な体調不良が起こることです。
不眠症の原因は非常に様々です。環境で起こる不眠症の場合、原因になることは、時差がある場所や枕が変わること、布団やベットなど眠る場所が変わること、寝室の温度や湿度、光などの明るさ、騒音などです。
身体的なことが原因になって起こる不眠症の場合は、高血圧や心臓病、糖尿病、呼吸器疾患やアレルギー疾患などの病気、年齢や頻尿、性差、痛み、かゆみなどが原因です。睡眠時無呼吸症候群や気管支喘息などの病気が原因のこともあります。
精神的なことが原因で起こる不眠症の場合は、うつ病や悩みや緊張、ストレスなどが原因です。精神的な原因には、性格も関係しています。神経質な性格の傾向がある場合は不眠症につながりやすいです。
生活習慣が不眠症の原因になっていることもあります。不規則な生活や運動不足、睡眠を妨げる作用のある薬の使用、薬の副作用、アルコールやカフェイン、ニコチンなどの嗜好品など生活習慣の中にあるが原因です。
・心理的要因
ストレス: 職場や家庭での問題、人間関係のトラブルなどがストレスとなり、不眠を引き起こすことがあります。
不安やうつ: 不安障害やうつ病などの精神疾患は、睡眠の質や量に悪影響を及ぼします。
・生活習慣や環境要因
不規則な生活リズム: 夜勤やシフト勤務、頻繁な時差のある旅行などが体内時計を乱し、不眠を引き起こすことがあります。
不適切な睡眠環境: うるさい環境や明るすぎる部屋、寝具の不適切さなどが睡眠を妨げる要因となります。
カフェインやアルコールの摂取: カフェインは覚醒効果があり、アルコールは一時的には眠気を誘いますが、後半の睡眠を浅くします。
・身体的要因
慢性的な痛み: 関節炎や腰痛など、慢性的な痛みが睡眠を妨げることがあります。
呼吸器系の問題: 睡眠時無呼吸症候群など、呼吸に関連する問題が不眠の原因となります。
内分泌の問題: 甲状腺機能亢進症や糖尿病など、ホルモンバランスの乱れが影響することがあります。
・薬物や物質の影響
薬物の副作用: 一部の薬(抗うつ薬、降圧薬、ステロイドなど)は不眠を引き起こす副作用があります。
薬物乱用: 一部の薬物や物質(例えば覚醒剤や興奮剤)は睡眠を妨げることがあります。
・加齢
年を取ると、自然に睡眠の質が低下し、夜間に目覚めることが増えることがあります。また、昼間の活動量が減るため、夜に疲れにくくなることも影響します。
・その他の原因
遺伝的要因: 家族歴がある場合、遺伝的に不眠症になりやすいことがあります。
神経系の問題: 神経変性疾患(パーキンソン病やアルツハイマー病など)も不眠症を引き起こすことがあります。
夜中に何度も目が覚める朝になっても疲れが取れない、多くの人が悩ませれる不眠症は年齢を重ねると顕著になることがあります。
加齢によって睡眠パターンが変化するのは自然な現象です。
睡眠不足は万病の元です。年齢を重ねると寝ているようで寝れていない人も多いです。原因を探して適切に対処してほしいです。
1体内時計の変化
体には睡眠と覚醒のリズムを調整する体内時計があります。体内時計は加齢に伴って機能が低下するため、眠くなる時間や起きる時間が以前より早くなるのです。その結果、夜中に目が覚めたり朝早く目が覚めたりするようになります。
2睡眠の質の変化
高齢になると深い睡眠ノンレム睡眠の割合が減り、浅い睡眠レム睡眠の割合が増えます。このため雑音や動きで目が覚め、睡眠が断続的になります。
3加齢による健康問題
高齢者は関節痛、頻尿、心肺機能の低下などで身体的な問題を抱えることがあります。これが睡眠を妨げる要因になります。
4薬の副作用
多くの高齢者は複数の薬を併用しています。その中には睡眠に影響を与えるものもあります。耳鳴り、腰痛、関節痛の薬、コレステロールの薬や血圧の薬など色々な薬を飲むと薬の副作用の頻尿や睡眠障害などの睡眠を妨げる副作用が出ることがあります。
メラトニンという睡眠ホルモンの分泌量は年齢とともに減少します。メラトニンは睡眠の質を高めるホルモンです。メラトニンの分泌量が減ると睡眠が浅くなります。
5日中の少ない活動量
意外かもしれないが日中の活動量も関係しています。高齢者の人は活動量が減ることも多く、これが睡眠に関係しています。
また、日光に当たる時間が減ることも睡眠に影響します。日光は体内時計をリセットし、睡眠ホルモンの分泌を促す役割があります。外出を控えることで睡眠リズムが乱れることもあるのです。
6食生活の変化
高齢者の人は消化機能の低下によって食事が軽くなりがちです。栄養不足が睡眠に影響を及ぼすこともあります。特にビタミンD、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル不足は睡眠に影響を及ぼします。
7精神的な要因
高齢になると、孤独感、喪失感、不安感などが高まることが多いです。このような感情は精神的なストレスになり睡眠を妨げてしまいます。高齢者は家族や友人などとの交流が減ることが多く、これが精神的な健康に影響を与えると言われています。
1規則正しい生活習慣を心がける
毎日同じ時間に起き、同じ時間に寝ることで体内時計を整えることができます。
2日中に適度な運動を取り入れる
最低でも1日に8000〜10000歩は歩きましょう。それくらい歩かなければ体は疲れません。ウォーキングや軽いエクササイズは夜の深い睡眠を促進します。
深い睡眠を取るにはアデノシンの蓄積が大事です。アデノシンは体のエネルギータンクの貯蔵されているA T Pの分解物です。エネルギーを多く使わなけばアデノシンは蓄積されません。アデノシンの蓄積によって深い睡眠を取れるかどうか決まってしまうため、エネルギーをたくさん使いましょう。
3睡眠環境を整えること
静かで暗くて快適な温度、湿度を整えましょう。
4寝る前にリラックスする時間を作る
読書、深呼吸、瞑想などが役立ちます。睡眠を促進させるような気功も有効です。
不眠症には4種類の症状のタイプがあります。
1つ目は、寝床についても30分~1時間以上眠りにつけない症状のある入眠障害、2つ目は、1度眠ってから朝起床するまでの間の夜中に何度も目が覚める症状のある中途覚醒、3つ目は、起きようと思っている時間の2時間以上前に目が覚めて眠りたくても眠れない症状のある早朝覚醒、4つ目は、眠りが浅く眠った感じがしない症状の熟眠障害です。
寝床についても1時間以上眠りにつけず、眠ったと思ったら夜中に何度も目が覚めるなどというように、4種類の中から1つのタイプの症状だけを持っているのではなく、人によっては複数のタイプを合わせて持っている人もいます。
不眠症では、生活習慣を正しく整えても1ヶ月以上不眠の状態が続き、体や心に不調が現れます。
現れる症状は、日中の眠気や倦怠感、注意力の散漫、疲れ、集中力の低下、意欲の低下、食欲の低下、目眩や抑うつなどです。これらの症状によって日常生活にも影響が出ます。
眠れないということに対しての不安や焦りから不眠への恐怖が悪化していくこともあります。
不眠症の改善には、適度の運動や自律訓練法、アルコールに気をつけること、寝室の環境を整えることなどが効果的です。
食事も睡眠と大きく関係しています。トリプトファンを豊冨に含むミルクやチーズ、卵、肉類、豆腐や納豆などの大豆製品の摂取が健康な睡眠に効果的です。
精神を安定させ不眠を和らげる効果のあるカルシウムが含まれるヨーグルトや小魚、ノリやワカメなどの海藻類の摂取、入眠を助けるビタミンB、ビタミンEなどを含む食品の摂取も心がけると良いでしょう。
さらに、食事をする際には、摂取量や時間にも気をつけることが大切です。
・規則正しい睡眠習慣
毎日同じ時間に寝起きする: 休日も含め、同じ時間に寝て同じ時間に起きる習慣をつける。
昼寝を避ける: 昼寝をする場合は、20-30分以内に留める。
・健康的なライフスタイル
適度な運動: 毎日の適度な運動(ウォーキング、ヨガなど)は睡眠の質を向上させる。ただし、寝る直前の激しい運動は避ける。
バランスの取れた食事: 健康的な食事を心がけ、夕食は消化の良いものを選ぶ。就寝前の重い食事やカフェイン、アルコールの摂取を避ける。
・快適な寝室環境
適切な温度と湿度: 寝室の温度と湿度を適切に保つ。
暗く静かな環境: 光や音を遮るために、カーテンや耳栓を使用する。
快適な寝具: 自分に合ったマットレスと枕を使用し、寝具を清潔に保つ。
・リラックス法
瞑想や深呼吸: 瞑想や深呼吸を行い、リラックスする時間を設ける。
リラクゼーション音楽: リラックス効果のある音楽や自然音を聞く。
・認知行動療法(CBT-I)
不眠症のための認知行動療法: 不眠症に特化したCBT-Iは、睡眠に対する否定的な考え方や行動を改善するための方法で、多くの研究で効果が証明されている。
・薬
睡眠薬の使用: 医師の指示のもと、適切な睡眠薬を使用することがある。長期使用は避けるべきで、習慣化しないよう注意する。
・補完方法
メラトニン補充: 自然の睡眠ホルモンであるメラトニンの補充を検討することがある。
ハーブ: カモミールやラベンダーなどのハーブティーを飲むことがリラックスに役立つことがある。
・生活のリズムを整える
規則正しい生活: 日中の活動を増やし、太陽の光を浴びることで体内時計を整える。
スクリーンタイムの制限: 就寝前の1-2時間はスマートフォンやパソコンの使用を控える。
・社会的サポート
家族や友人とのコミュニケーション: 不安やストレスを話し合うことで軽減することがある。
専門家のサポート: 精神科医や睡眠専門医に相談し、専門的な助言や改善を受ける。
不眠症の症状によっては、改善のために薬を使うこともあります。睡眠薬は上手に使うと、不眠解消をするために最も直接的で最も有効な方法になります。
睡眠薬には、多くの種類があります。睡眠薬は眠れない場合、睡眠をとるために最も有効な方法ですが、合成された睡眠薬の多くは正しい眠りのリズムを変化させてしまうという欠点もあります。
合成薬ではない睡眠薬として、植物性の生薬からつくられた薬があります。植物性の睡眠薬の場合、合成薬のように無理に催眠を誘う作用はなく、体の仕組みを整えて睡眠の質を少しずつ改善していく作用があります。
植物性の睡眠薬は依存性もないため、睡眠薬を初めて試す際の選択肢としてはお勧めです。もちろん、症状や状況によって改善に使う薬は違うため、合成薬を使用することも、悪いことではありません。
睡眠薬に対してよくないイメージもありますが、睡眠薬は適切に使えば安全なのです。
〈睡眠導入剤〉
・ベンゾジアゼピン系
トリアゾラム(ハルシオン): 速効性があり、短期間の不眠症に有効。
エスタゾラム(ユーロジン): 中等度の持続時間で、入眠困難および睡眠維持困難に使用。
フルニトラゼパム(ロヒプノール): 効果が強く持続時間が長いが、依存性や耐性のリスクが高いため注意が必要。
・非ベンゾジアゼピン系(Z薬)
ゾルピデム(マイスリー): 速効性で短時間作用。入眠困難に有効。
ゾピクロン(アモバン): 持続時間がやや長く、入眠および睡眠維持に効果的。
エスゾピクロン(ルネスタ): ゾピクロンの一種で、長時間作用し、睡眠維持に効果的。
〈メラトニン受容体作動薬〉
ラメルテオン(ロゼレム): 体内時計の調整を助け、入眠を促進する。依存性や耐性のリスクが低い。
〈 オレキシン受容体拮抗薬〉
スボレキサント(ベルソムラ): 覚醒を促すオレキシンという神経伝達物質を抑制し、入眠および睡眠維持を助ける。依存性が低い。
〈抗うつ薬〉
トラゾドン: 非常に低用量で睡眠を促進するために使用されることがある。特に不安やうつを伴う不眠症に有効。
ミルタザピン(リフレックス): 低用量で鎮静効果があり、睡眠障害を伴ううつ病に使用されることがある。
〈抗ヒスタミン薬〉
ジフェンヒドラミン(レスタミン、ドリエル): 一部の市販薬に含まれる抗ヒスタミン薬で、睡眠を促進する効果がある。ただし、翌日の眠気や認知機能の低下があるため、長期使用は避けるべき。
〈ハーブやサプリメント〉
メラトニン: 睡眠ホルモンであるメラトニンを補充するサプリメント。時差ボケや体内時計の乱れに対して効果がある。
バレリアン(セイヨウカノコソウ): 鎮静効果があるハーブ。入眠困難や軽度の不眠に対して使用される。
①両足は肩幅まで開きます。
②手の形を作る。(※下記画像参照)
③この状態でお腹の方に膨らませて30秒維持する。
これを維持することで足の筋肉に刺激を入れている状態になります。足がつらくなりますが、いっぱいのエネルギーを使っている証拠です。額に汗もかいてきます。
腰が曲がりがちですが、きちんと伸ばして維持しましょう。この体勢は太極拳、機構でよく使われる体勢です。立禅といい丹田にエネルギーを貯める動作になります。
※手の形
医師から処方される薬も悪くはないですが、セルフケアを取り入れることでより深い睡眠を取ることができます。
不眠症には、鍼灸が非常に効果を発揮します。東洋医学では、不眠症は失眠、または、不寝といいます。心や肝の機能の変調や、陰と陽がアンバランスになることによって起きると考えられています。
鍼灸では不眠症に対して、主に精神的な興奮や自律神経の乱れを鎮めることによって、正しい体のリズムを取り戻すように改善を行います。
日本人の睡眠時間の平均は大体6~8時間だと言われています。しかし、中には3時間程の睡眠時間でも特に影響なく生活を送っている人もいます。全員に当てはまる理想の睡眠時間はないのです。
日常生活を送る上で悪い影響が出ないことが重要なことです。生活の中で自分にあった睡眠時間を理解して自分にとって十分な睡眠を取ることが大事なのです。
・失眠
・関元
・労宮
・内関
失眠は、高ぶった神経を落ち着かせる作用があります。そのため、眠気を誘うために有効です。中々眠れないというときにおすすめのツボなのです。
他にも、神経症や浮腫、膝関節痛、下半身の冷えなどにも効果的です。
関元は、気力を育てる場所です。そのため、元気のないときに刺激することがおすすめです。他にも、不眠や情緒不安定、便秘、頻尿などに効果的です。
中々眠れない、寝汗をかきやすいなど眠れないことに対して悩みがあるときに、刺激をすることで改善が期待できます。
労宮は、精神に働きかけ、精神を安定させる効果のあるツボがあります。自律神経のバランスを整える作用もあるため、イライラしたときやストレスで疲れているとき、眠れないときなどに効果的です。
血流を促す作用もあります。労宮を刺激することで体全体に酸素が届くため、筋肉の疲労回復や脳の活性化にも有効です。
失眠は、足の裏側にあるツボです。かかとの中央の少しのへこみにあります。
押すときは、椅子に座ったり寝転がったりして押しやすい体勢で押しましょう。椅子に座った状態で壺を押す場合は、片手で足首を持ってもう片方の手で握りこぶしを作りツボを叩いて刺激すると良いです。
関元は、へその真下から指3~4本分下に下がったところにあります。
押すときは、服の上から押しても良いです。へその下に優しく手をあて、へその下を温めましょう。
労宮は、手を握ったときの人差し指と中指の先端の間にあります。
押すときは、指先をツボに当て、中指の骨の裏側に指を入れるような意識で押します。人差し指の付け根に向かって押し上げるイメージで押すと押しやすいです。
11時から21時
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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11時~21時迄 | ◯ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
年末年始