公開日:2021年 7月 3日
更新日:2021年 8月20日
本日は突き指について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
突き指の原因は、瞬間的に指先に縦方向の強い力が加わることです。スポーツや転倒などによって、ボールが指にぶつかったり地面に手をついたりした時に起こることが多いです。
指には縦方向の力を和らげる構造はありません。そのため、指の第一関節を伸ばすための伸筋腱がダメージを受け、損傷するのです。
1. 直接的な衝撃による突き指
バスケットボール、バレーボール、野球などでボールが指先に当たり、指が強制的に押し込まれる、転倒した際に指を強く地面に突いてしまう、サッカーや格闘技で相手の体に指が当たる、ドアに指を挟むなどが原因で起こります。
2. 過度な伸展・屈曲による突き指
指が強制的に後ろに反らされる、バスケットボールやバレーボールでスパイクを受ける際に指が大きく反る、指が無理な方向に曲げられる、相手との接触や衝撃で指が不自然な方向に曲がる、衣服やネットに指が引っかかり、急に伸ばされるなど原因で起こります。
バスケットボール→ボールのキャッチミス、相手との接触
バレーボール→スパイクのブロック時、サーブレシーブ
野球→捕球時に指にボールが直撃
サッカー→キーパーのセービング、相手との接触
柔道・格闘技→指をつかまれる、投げ技の際の衝撃
突き指の症状は、指に加わった力の強さや方向によって違います。そのため、個人差が非常に大きいです。
突き指の程度が軽い場合は、伸筋腱の損傷は少しです。症状として痛みや腫れが現れますが、放っておいても自然に回復する程度です。
突き指の程度が重い場合は、伸筋腱の損傷も大きいです。多くの場合、伸筋腱が切れたり末節骨に剥離骨折が起きたりしています。第一関節が常に曲がった状態になり、放っておくと第二関節が過剰に伸び指が変形する可能性があります。
第一関節に亜脱臼が起きたり、中節骨にまで力が加わり骨折や脱臼が起きたりすることもあります。このような場合は、指を動かすことが難しくなり、激しい痛みや腫れが起こります。
・軽度(打撲・軽い捻挫)
軽い腫れや痛みのみで、動かせますが違和感があります。
・中度(靭帯損傷・腱損傷)
関節周辺の腫れや痛みで、指を動かすと痛みが強まります。関節の安定性が低下し、ぐらつきます。
・重度(脱臼・骨折・腱断裂)
指の変形や関節のズレが明らかになり激しい痛みと腫れが現れます。指を動かせなくなったり異常な動きをしたりします。
突き指の改善方法は突き指の程度によって違います。程度が軽い場合は、突き指をした部分を冷やします。痛みが強い場合は消炎鎮痛薬や湿布を使って改善を行います。
伸筋腱が切れている可能性がある場合は、一定の間第一関節を伸ばすために固定をすることが必要です。
骨折や亜脱臼をしている場合は、指に針金を入れ骨折している部分を固定したり、亜脱臼を改善し指を伸ばすための手術を行ったりすることが必要です。
突き指は、軽い場合は冷やして市販薬での改善が可能ですが、重い場合は手術が必要になるのです。
・怪我直後の応急処置
安静にして無理に指を動かさず、氷や冷水で15~20分冷やし、テーピングや包帯で軽く固定し、腫れを最小限に抑えましょう。指を心臓より高く上げると、腫れや内出血を防げます。無理に指を引っ張ったり温めたりしないようにしましょう。
・急性期(1週間以内)
痛みが強い場合は、整形外科にいきで骨折の有無を確認します。テーピングや固定具を使い、関節の安定を保ちましょう。湿布や鎮痛剤を使います。
・回復期(1~4週間)
炎症が落ち着いたら、指の動きを回復させるリハビリを行います。ゆっくり手を開閉するグーパー運動を行ったり反対の手で指を優しく伸ばす指の屈伸運動、ゴムボール握りや指にゴムバンドをかけゆっくり開閉するゴムバンドエクササイズなどを行いましょう。
突き指は時間が経つとともに段々と痛みが引いていきます。しかし、骨折している場合は、段々と痛みが強くなります。
怪我をした直後の5~15分以内に、指の形が変わるくらいまでの強い腫れが起こった場合は骨折をしている可能性が高いです。
骨折している可能性がある場合、そのままにしておくと後遺症が残る可能性もあるため、痛みの強さに関係なくなるべく早く病院に行くことが大切です。
一般的に突き指は、約1週間で痛みや腫れはおさまります。もし1週間以上経っても痛みや腫れなどの症状が続いている場合は病院に行くことをお勧めいたします。