公開日:2022年 6月 3日
更新日:2022年 6月16日
本日は大腸憩室炎について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
大腸憩室炎の原因は、大腸憩室炎の中で細菌が繁殖することです。大腸憩室炎の中で細菌が繁殖すると炎症が起こり、症状が現れるのです。細菌が大腸憩室の中で繁殖する要因は、便が入り込むことなどです。
大腸憩室の発生は先天的なこともありますが、多くは後天的に発生します。後天的に大腸憩室が発生する要因は、食生活や加齢によって大腸が衰えることであると考えられています。
特に食生活は発生に深く関係しているとされており、食物繊維が少なく肉が多い食事は大腸憩室が発生しやすくなると言われています。これは、食物繊維が少ないと便秘のリスクが高まるためです。
便を出す時にふんばると、大腸の中の圧力が高まり腸管の壁の弱い部分が押し出され、大腸憩室が発生するとされています。
さらに、遺伝や体質、人種も関係していると言われており、いろいろな要因が関係して発生すると言われています。
大腸憩室炎は、大腸の壁にできる小さな袋状の突出部が炎症を起こす病気です。
憩室の形成:憩室は、大腸の筋肉が弱くなることで形成されます。年齢とともに筋肉が弱くなり、内圧が高まることで憩室ができやすくなります。また、遺伝的な要因や生活習慣も憩室の形成に関与しているとされています。
高圧:便秘や排便の際の圧力が高いと、大腸の内圧が高まり、憩室に便が詰まる可能性があります。便が詰まることで、憩室内の細菌が増殖し、炎症を引き起こすことがあります。
低繊維食:食物繊維が不足すると、便が硬くなり、排便が困難になります。これにより、大腸の内圧が上昇し、憩室炎のリスクが高まります。西欧諸国やアメリカでは、低繊維食が一般的であり、大腸憩室炎の発症率が高いことが報告されています。
遺伝的要因:遺伝的な要因も大腸憩室炎の発症に関与しているとされています。家族に大腸憩室炎の発症者がいる場合、自身も発症するリスクが高まることが報告されています。
生活習慣:喫煙や運動不足、肥満も大腸憩室炎のリスクを高めるとされています。適度な運動やバランスのとれた食事、禁煙など、健康的な生活習慣を心がけることが予防につながります。
大腸憩室炎の原因は、憩室の形成、内圧の高まり、低繊維食、遺伝的要因、生活習慣などが絡み合っています。予防や早期発見のためには、これらの原因に対処することが重要です。以下に、大腸憩室炎の予防や早期発見に役立つ方法をいくつか紹介します。
食物繊維を豊富に摂取する:食物繊維は、便を柔らかくし、排便を促進します。積極的に野菜や果物、全粒穀物などの食物繊維が豊富な食品を摂取しましょう。
水分を十分に摂る:水分不足も便秘の原因となるため、1日に1.5~2リットルの水分を摂取することが推奨されています。
適度な運動を行う:運動は、大腸の蠕動運動を促し、便通を改善します。ウォーキングやジョギング、スイミングなどの有酸素運動を週に数回行いましょう。
喫煙をやめる:喫煙は、大腸憩室炎のリスクを高めるだけでなく、全身の健康にも悪影響を与えます。禁煙を心がけましょう。
大腸憩室炎は、生活習慣の改善や早期発見によって、症状を軽減させることが可能です。
大腸憩室炎の症状は、下腹部の痛みや下痢、便秘です。軽い発熱が現れることもあります。
症状が進み悪くなると、大腸憩室が破裂して小腸や子宮、膀胱などの臓器との間が穴でつながってしまうケースもあります。穴ができる場所で多い場所は、大腸と膀胱の間です。
大腸と膀胱の間に穴ができると、腸内の細菌が膀胱にも入り込み、尿路感染症にもつながります。
場合によっては、大腸憩室の動脈が破れ大量出血が起こったり腹膜炎が起こったりすることもあります。
大腸憩室炎は、大腸に存在する憩室と呼ばれる小さな袋状の突出部分が感染、炎症を起こす病気です。大腸憩室炎の症状について詳しく解説します。
・腹痛
大腸憩室炎の最も一般的な症状は、腹痛です。特に、感染した憩室が存在する部位に応じて、痛みが左側、右側、または両側の下腹部に現れることがあります。この痛みは急性または慢性的なものであり、しばしば悪化することがあります。
・発熱
感染症を伴う憩室炎の場合、発熱が生じることがあります。体温が38度以上に上がることがあり、これは感染の兆候として認識されるべきです。
・腹部膨満感
大腸憩室炎を発症すると、腹部の膨満感や不快感を経験することがあります。これは、炎症が腸の動きを悪化させることで生じる場合があります。
・便秘または下痢
便通に関する問題も、大腸憩室炎の症状として現れることがあります。便秘は、繊維質の少ない食事を摂取していることが原因である場合があります。一方、下痢は感染によって引き起こされることがあります。
・悪寒
悪寒は、感染症に伴う発熱の兆候として生じることがあります。これは、体が感染と戦おうとしている証拠です。
・吐き気と嘔吐
吐き気と嘔吐は、大腸憩室炎の症状として現れることがあります。これは、感染が腸の機能を悪化させることで生じる場合があります。
・腹部を触ったときの異常
大腸憩室炎では、腹部を触ると局所的な圧痛や硬直が認められることがあります。これは、炎症が腹膜に影響を与え、周囲の組織にも痛みや圧痛が生じることを示します。
・出血
稀に、大腸憩室炎では便中に血液を含むことがあります。これは憩室内の血管が破れることにより、出血が生じることが原因です。便中の血液は、鮮血やタール状の便として現れることがあります。
・腹膜炎の徴候
大腸憩室炎が進行し、憩室が破裂すると、腹膜炎が発生することがあります。腹膜炎の徴候には、急性の強い腹痛、硬直した腹部、および発熱が含まれます。
大腸憩室炎の症状は、個人差があり、重症度も異なります。
大腸憩室の改善方法は、炎症の程度によって違います。程度が軽い場合は、安静にして抗菌薬を使い、絶食などの食事管理を行うことで改善することがほとんどです。
薬で改善が見られない場合や程度が重い場合は、手術を行います。腸管の破れている部分を手術で取り除き、周りの正常な部分とつなぎ合わせることで改善するのです。
炎症がひどい場合などでは、すぐにつなぎ合わせられないこともあります。そのような場合は一時的に人工肛門をつくり、その後つなぎ合わせる手術を行うこともあります。
大腸憩室と他の臓器が穴でつながっていて、周りの臓器にも影響が現れている場合は周りの臓器に現れている症状に対しても改善を行うことが必要です。
大腸憩室炎の改善方法について詳しく解説します。
大腸憩室炎の初期段階の一般的な改善方法は以下のようなものです。
a. 抗生物質: 感染を抑えるために抗生物質が処方されることがあります。通常、数日間から1週間行われます。
b. 解熱鎮痛薬: 発熱や痛みを緩和するために解熱鎮痛薬が処方されることがあります。痛みに耐えられるようになるまで、続けることが一般的です。
c. 絶食または低残渣食:、症状が改善するまでの間、絶食や低残渣食が指示されることがあります。これにより、腸の負担が軽減され、回復が促進されます。
さらに、大腸憩室炎では、繊維質の多い食事が推奨されることがあります。繊維質は、便のかたさを調整し、腸内の圧力を低下させることで、憩室の炎症や感染のリスクを減らします。
食品には、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、リンゴ、オレンジなどの野菜や果物、オートミール、全粒パン、全粒麺類、玄米などの全粒穀物、ひよこ豆、レンズ豆、黒豆、キドニービーンズなどの豆類:などが含まれます。
なかなか改善が見られない場合や、再発が続く場合、合併症が発生した場合、手術が検討されることがあります。手術の種類には以下のものがあります。
a. 切除吻合術: この手術では、炎症のある大腸の部分が切除され、健康な部分同士が縫合されます。これにより、炎症が起こりにくい状態が作られます。
b. 腹腔鏡手術: 腹腔鏡手術は、小さな切開を通して特殊な器具を挿入し、炎症のある大腸の部分を切除する方法です。これにより、回復期間が短くなり、痛みや合併症のリスクが低減されます。
c. ステント留置: 憩室炎による腸閉塞の場合、ステントを留置することで、大腸の通過を改善し、症状を緩和することができます。これは一時的な措置であり、後に切除吻合術が行われることが一般的です。
また、大腸憩室炎の再発を防ぐためには、繊維質の多い食事、適切な水分摂取、定期的な運動、喫煙の禁止などが推奨されています。
大腸憩室炎の改善方法は、病状や年齢、健康状態によって異なります。
大腸憩室炎を予防するためには、大腸憩室ができないように心がけることが大事です。
食物繊維が少なく動物性のタンパク質や脂肪が多い食事は大腸憩室が発生するリスクを高めるといわれています。そのため、大腸憩室ができないようにするためには、食物繊維を多く含む食べ物を積極的に食べることが大事です。
大腸憩室炎を発症し改善した後も、食物繊維を多く含む食べ物を積極的に食べることで再発の予防につながるため、食生活を改善することも非常に大事です。
大腸憩室炎の実際の改善例について、紹介します。
事例1:60歳の男性
症状:下腹部痛、発熱、便秘
軽度の大腸憩室炎を発症し、最初に、抗生物質と解熱鎮痛薬で改善が行われました。加えて、絶食が指示され、その後徐々に低残渣食に移行しました。症状が改善されると、繊維質の多い食事に戻りました。彼の症状は徐々に改善され、数週間後には完全に回復しました。
事例2:75歳の女性
症状:下腹部痛、発熱、便秘、便中の血液
重度の大腸憩室炎を発症し、薬などでは症状が改善されず、再発も続いたため、手術が検討されました。腹腔鏡手術による切除吻合術が行われ、炎症のある大腸の部分が切除され、健康な部分同士が縫合されました。術後の回復が順調で、病院を退院し、退院後は繊維質の多い食事と適切な水分摂取を続けることで、再発のリスクを低減しました。
事例3:55歳の男性
症状:急性の強い腹痛、硬直した腹部、発熱
大腸憩室炎が進行し、腹膜炎を引き起こしている状況で病院に搬送されました。緊急手術が必要であり、開腹手術による切除吻合術が行われました。炎症のある大腸の部分が切除され、健康な部分同士が縫合されました。同時に、腹腔内の感染源を除去し、感染の拡大を防ぐために、腹腔の洗浄も行われました。術後は、抗生物質と鎮痛剤が投与されました。
回復が順調に進んだため、その後、絶食から低残渣食へと徐々に移行し、症状が改善されると繊維質の多い食事に戻りました。退院後は、繊維質の多い食事、適切な水分摂取、定期的な運動を続けることで、再発のリスクを低減するよう指導されました。
これらの事例は、大腸憩室炎の改善方法は、状態や症状によって異なることを示しています。軽度から中程度の症状の場合は、薬などの方法で改善を行うことが多いですが、重症や合併症が発生した場合は、手術が必要になることがあります。年齢や健康状態、症状の程度に応じて、適切な改善方法を選択することが大事です。