公開日:2021年 10月11日
更新日:2021年 11月22日
本日は巨大動静脈奇形について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
巨大動静脈奇形は、動脈を流れる血液が静脈の方にすり抜けるシャントという現象が早い流れで広い範囲に起きる病気です。
胎児の時、血管が作られる過程で、動脈と静脈の間に異常なつながりができてしまう病気を動静脈奇形といい、動静脈奇形では体のいろいろな部位にシャントが起きる可能性があります。
巨大動静脈奇形では、シャントが広い範囲に起きるのです。中でも頚部顔面や四肢に起きると、色々な症状や機能障害が起き、日常生活に非常に大きな影響を与えます。場合によっては命に危険が及ぶ可能性もあります。
巨大動静脈奇形は、男性でも女性でも同じくらいの割合で発症する可能性があります。
巨大動静脈奇形の原因は、胎児の時に起こる血管の形成や成熟過程の異常であると考えられています。この血管の形成や成熟過程の異常は偶然起きると言われていますが、詳しい原因については明らかになっていません。
基本的に巨大動静脈奇形は遺伝しません。ただし、家族の中で同じ病気を発症しているケースも非常に珍しいケースとして存在します。
巨大動静脈奇形の原因について
巨大動静脈奇形(AVM)は、動脈と静脈の間の異常な接続に起因する稀な病態です。通常、動脈は体の酸素を含んだ血を組織に供給し、静脈はその後の酸素を使い果たした血を心臓に戻します。しかし、AVMの存在下で、この血の流れが正常にキャピラリー(毛細血管)を経由せずに直接静脈に流れるため、周囲の組織は十分な酸素を受け取ることができません。
成因と発症のメカニズム
遺伝的要因
巨大動静脈奇形の原因は完全には解明されていませんが、一部の研究では特定の遺伝子変異との関連が示唆されています。特定の家族歴や遺伝的要因が強く関与していると考えられるケースもあります。
発生時期
AVMは通常、生まれる前に発生します。つまり、この状態は先天的なもので、生後に新たに発症することはほとんどありません。
胎児の発育過程
胎児の血管が形成される過程で、何らかの理由で動脈と静脈が正しく分岐せず、直接接続される場合があります。このときの具体的な発症のメカニズムはまだ明らかにされていない部分が多いです。
その他の要因
外傷や脳の感染症、特定の病気がAVMの発症リスクを上げる可能性があるという研究結果もありますが、これらの関連は明確ではありません。
病態の進行
巨大動静脈奇形が体のどの部分に発生するかによって、それがもたらす影響やリスクは異なります。最も一般的に知られているのは脳のAVMで、この場合、異常な血管が破れることで脳内出血を引き起こすリスクが上がります。
巨大動静脈奇形の初めの段階の症状は、赤味や温感です。あまり目立った症状が現れないこともあります。
シャントの血流が増えると、だんだんと拍動や膨らみがはっきりとわかりやすくなっていきます。皮膚や粘膜や軟部組織が、長い期間シャント血流での血行障害が起きると、少しずつ色調が悪くなったり痛みが起きたりします。
さらに、症状が進むと皮膚の潰瘍や皮膚の壊死が起こります。病状が進んでいる時、大量に血が出たり感染が起きたりすることもあります。
シャント血流が急に増えた場合は心臓に大きな負荷がかかります。そのため、心不全が起き、命に関わる可能性もあります。
特に頚部顔面の巨大動静脈奇形の場合、咬んだり飲み込んだり、喋ったりまばたきをしたりする動作が行いにくくなったり、鼻出血が起こったり、視力や聴力に障害が起こったり、平衡感覚障害が起こったり、呼吸困難が起こったりします。
四肢の場合は、疼痛が続いたり筋肉の萎縮や関節や骨の変形な度によって運動機能障害が起きたりします。運動機能障害が進むと運動機能を失ってしまうこともあります。
骨盤部に病変が起こった場合は、生殖機能の障害や下血や血尿など症状が現れることもあります。
巨大動静脈奇形(AVM)は、動脈と静脈の間に直接的な接続が存在する異常な状態です。これにより、血液は正常に組織や臓器に酸素を供給せずに直接静脈へと流れ、周囲の組織に十分な酸素供給が行われないことがあります。AVMの位置やサイズ、形状によって、それがもたらす症状は異なります。
脳のAVM
脳のAVMは、特に重大な症状を引き起こす可能性が高い。その症状には以下のようなものがあります。
頭痛: 頭痛は、AVMの圧迫や拡張、または出血によって生じることがあります。
けいれん: 脳の特定の部分に影響を受けると、けいれんが発生することがあります。
脳出血: AVMが破裂すると、脳内出血を引き起こすことがあります。これは、急な頭痛、嘔吐、意識喪失などの症状を伴うことがある。
肺のAVM
肺にAVMが存在する場合、以下のような症状が生じることがあります。
息切れ: 血液が正しく酸素を結合しないため、体全体への酸素供給が不足します。
胸痛: AVMの存在や出血により、胸部に痛みが生じることがあります。
出血: 肺のAVMが破裂すると、喀血(血を吐く)という症状が見られることがあります。
肝臓のAVM
肝臓に存在するAVMは、以下のような症状を引き起こすことがあります。
黄疸: 肝臓の機能が低下すると、皮膚や目の白目が黄色くなることがあります。
腹痛: AVMやその出血によって、腹部に痛みが生じることがあります。
その他の部位のAVM
スキン、骨、その他の組織にAVMが存在する場合、異常な血管の塊や皮膚の色の変化、痛み、腫れなどの症状が見られることがあります。
巨大動静脈奇形の症状は、その位置や大きさ、形状によって異なります。最も一般的に知られるのは脳のAVMで、特に重大な症状を引き起こすリスクが高いです。
巨大動静脈奇形の改善方法は、弾性ストッキングや包帯によって圧迫することです。しかし、圧迫をすることで疼痛が悪くなることもあるため、長い時間圧迫を続けることはできません。
疼痛や感染などの症状に対しては、鎮痛剤や抗菌薬などを使って改善を行うこともあります。場合によっては手術を行うこともあります。外
巨大動静脈奇形では、病変が主要な血管や神経を巻き込んでいることも多いため、手術を行うときも大量出血や神経損傷による機能障害がおこるリスクを考えることが必要になります。
巨大動静脈奇形の改善法
巨大動静脈奇形(AVM)は、血管の異常であり、改善方法はAVMの位置、大きさ、形状などの要因によって異なります。以下はAVMの主な改善法に関する概説です。
放射線(ステレオタクシック放射線手術)
特定の放射線を用いてAVMを目標とし、その部分に照射する方法です。これにより、AVMの細胞が傷つき、徐々に閉塞します。これは、特に手術が困難な場所にあるAVMの改善に有効です。
薬
特定の薬を用いて、出血や脳のけいれんなどの症状の管理を行います。これは、AVMの直接的な改善ではなく、症状の管理や合併症の予防を目的としています。
内視鏡的手術
手術的な方法で、AVMを直接取り除く改善法です。この方法は、AVMが体の表面に近い場所や、手術が容易な場所にある場合に特に有効です。
塞栓法
特定の材料や薬剤を用いて、AVMの供給動脈を塞ぐ方法です。これにより、AVMへの血液の供給が減少し、AVM自体が小さくなることが期待されます。通常、放射線や手術と併用されます。
リハビリテーション
AVMによる神経機能の障害や、改善後の合併症に対して、リハビリテーションが必要となる場合があります。個人の状態に応じたリハビリテーションが提供されます。
AVMの改善法は、AVMの位置、大きさ、形状、リスクなどの要因に基づいて選択されます。改善の主な目的は、出血やその他の合併症を予防することです。また、年齢、健康状態、生活の質なども改善方法の選択の要因として考慮されます。
ステレオタクシック放射線手術(SRS)は、高精度な放射線照射技術であり、脳の特定の部位に高線量の放射線を集中的に照射する方法です。巨大動静脈奇形(AVM)においてもこの技術は用いられ、特定の目的を持って改善が進められます。
1. 目的
AVM内部の細胞を破壊し、その結果としてAVMが閉塞し、出血リスクが低下することを目指します。また、手術を行わない方法として、特に手術が困難な部位に存在するAVMの改善にも有効です。
2. 方法
計画: まず、MRIやCT、血管造影などの画像を基に、AVMの正確な位置、大きさ、形状を特定します。これに基づき、どのように放射線を照射するかの計画が立てられます。
装置: ステレオタクシック放射線手術は、特定の放射線装置(例: ガンマナイフ、サイバーナイフなど)を使用して行われます。
照射: 装置を使用して、高線量の放射線をAVMに正確に照射します。この時、周囲の正常な脳組織への放射線の影響を最小限に抑えるための高度な技術が用いられます。
3. 効果
AVMの閉塞: 適切に行われると、AVM内部の血管が徐々に狭窄し、最終的には閉塞します。この結果、AVMからの出血リスクが低下します。
非侵襲: 手術に伴うリスクやダウンタイムなく改善を受けることができます。
時間の経過: 一回の照射後、AVMの完全な閉塞には数ヶ月から数年かかる場合があります。この期間、定期的な画像を調べられ、改善の効果を評価します。
4. 副作用とリスク
一部では、放射線の影響で脳の腫れや一時的な神経症状が発生することがあります。高線量の放射線を用いるため、照射部位の正常組織への影響も考慮する必要があります。
巨大動静脈奇形は生まれつき現れる病気です。しかし、生まれた時に必ずはっきりと現れるわけではありません。幼少期に現れ、学童期から思春期にかけて成長していくときに症状が進むことも多いです。
症状の進む程度やスピードは人によって様々です。しかし、ホルモンの変化や外傷、手術などで悪くなることも多いです。
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