公開日:2022年 9月10日
更新日:2022年 10月22日
本日は褥瘡について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
褥瘡の原因は、皮膚の同じ部分に圧迫が続くことです。自分で体位を変えることができずに、長い期間寝たきりで、栄養状態が悪かったり皮膚が弱くなっていたりする場合、褥瘡になりやすいと言われています。
ベッドのマットや布団、車いすなどによって圧迫を受けると、体の中で皮膚や皮下脂肪、筋肉などを押しつぶそうとする力や左右に引っ張ろうとする力などがかかります。
このような力が複雑に関係して、血流が悪くなって滞り、皮膚や皮下組織、筋肉などに酸素や栄養が届かなくなることで褥瘡が発生するのです。
褥瘡になりやすく注意しなければならないと言われている病気には、うっ血性心不全や骨盤骨折、脊髄損傷、糖尿病などがあります。
褥瘡は、一般的に床ずれとも呼ばれます。長い時間同じ姿勢を続けることによって、体の一部分に圧力がかかり続け、血流が悪くなることによって皮膚やその下の組織が損傷する状態のことです。
圧迫による血流不足:長時間、体重がかかることで特定の部位に圧力がかかり続け、その部分の血流が阻害されます。血流が悪くなると、組織が酸素や栄養素を十分に受け取れず、組織の壊死につながります。
摩擦とせん断力:皮膚がシーツなどに摩擦されることや、体が滑る際に皮膚が引っ張られることで、皮膚やその下の組織が損傷します。
湿潤環境:汗や尿、便による湿潤環境は皮膚のバリア機能を低下させ、褥瘡のリスクを高めます。
栄養不良と脱水:栄養不良や脱水状態は皮膚や組織の健康を損ね、褥瘡の発生や悪化につながります。
感染:既存の褥瘡が感染することで、状態が悪化し改善が困難になります。
褥瘡は主に、動けない高齢者や長い期間ベッドにとどまる必要がある場合に発生しやすいです。褥瘡は特に、尾てい骨、踵、肘、肩甲骨の周りなど、骨が皮膚に近い部位に発生しやすいとされています。
褥瘡の症状は、皮膚の赤みや内出血、水ぶくれなどです。症状が現れた直後から約1~2週間の時期を急性期、急性期をすぎると慢性期といいます。
急性期に皮膚の赤みや内出血、水ぶくれなどが現れ、急性期をすぎると、たどる経過には3つのパターンがあります。
1つ目は慢性期に移行せず赤みが消えて改善するケース、2つ目は慢性期に移行し浅い褥瘡が発生するケース、3つ目は慢性期に移行し赤みが黒色に変わって深い褥瘡が発生するケースです。
褥瘡の症状は、損傷の深さや範囲によって異なり、通常、以下の4段階に分類されます。
第1段階:皮膚は完全で、圧迫された部位に赤みが現れます。この赤みは、圧力を取り除いても消えない特徴があります。圧迫部位が温かくなったり、硬くなったり、痛みやかゆみを伴うことがあります。
第2段階:表皮や真皮が損傷し、水ぶくれや開放創が見られます。皮膚の表層が剥がれるまたは浅い潰瘍が形成され、赤みや痛みが強くなります。
第3段階:損傷が皮下組織まで及び、深い潰瘍が形成されます。この段階では、皮下脂肪が見えることがありますが、骨や筋肉は露出しません。潰瘍はより深く広範囲にわたり、壊死組織が形成されることがあります。
第4段階:最も深刻な段階で、損傷が筋肉や骨、腱や関節包などの支持組織まで達します。深い潰瘍や広範囲の壊死、感染が見られ、改善が非常に困難になります。
その他の症状としては、痛み、不快感、悪臭、潰瘍からの分泌物があります。重度の褥瘡は感染を起こしやすく、発熱や悪寒などの全身症状を引き起こすこともあります。
褥瘡の改善方法は、塗り薬ややけどや褥瘡を覆う素材を使う方法と手術です。
医師だけでなく、看護師や栄養士、薬剤師などさまざまな職種で連携をとり改善を行います。
手術を行うかどうかは、深度と関係があります。褥瘡が表皮の赤みや水ぶくれだけの場合は、塗り薬ややけどや褥瘡を覆う素材を使う方法で改善を行うことが可能であると言われています。
褥瘡の改善法は、褥瘡の段階、健康状態、および褥瘡が発生している部位によって異なります。
圧力の軽減:褥瘡の発生または悪化の主な原因は圧力です。圧力を軽減するために、定期的な体位変換、専用のクッションやマットレスの使用、体位支持具の活用が重要です。
清潔と乾燥の維持:常に清潔に保ち、適切に乾燥させる必要があります。感染のリスクを減らすために、傷の洗浄と消毒が行われます。
壊死組織の除去:壊死組織や感染した組織は回復を妨げるため、外科的に除去することが必要です。これにより、健康な組織の成長が促進されます。
適切な創傷カバー:保護して回復を促進するために、様々なタイプのドレッシングやゲル、軟膏が使用されます。これらによって湿潤環境に保ちながら外部からの感染を防ぐ効果があります。
栄養と水分の補給:適切な栄養と十分な水分摂取は、皮膚と組織の修復を助けます。特に、タンパク質、ビタミンC、亜鉛などは、傷の回復に必要な栄養素です。
感染の管理:感染が疑われる場合は、抗生物質の投与が必要になることがあります。感染の管理は、褥瘡の回復において非常に重要です。
リハビリテーション:活動性を高め、長期間の臥床を避けるために、適切なリハビリテーションが行われます。
褥瘡の回復は、多職種によるチームアプローチが必要であり、医師、看護師、栄養士、専門家などが連携して行います。
褥瘡の改善には、色々な薬が使われます。薬は、状態や感染の有無に応じて選択されます。
抗菌軟膏:感染のリスクがある場合や、既に感染が起こっている場合に使用されます。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に効果的なムピロシン軟膏などがあります。
銀を含むドレッシング:銀は広範囲の抗菌作用を持つため、感染予防や改善に効果的です。
ハイドロゲル:乾燥した潰瘍に湿潤環境を提供し、回復を促進します。
デブリードマン剤:壊死組織を化学的に除去するために使用されます。コラゲナーゼを含む軟膏が一例です。
局所鎮痛薬:痛みを緩和するために使用されます。リドカインを含むトピカル製剤があります。
抗生物質:感染が広がっている場合や、重度の感染には経口または静脈内で抗生物質が投与されます。
疼痛管理薬:重度の痛みに対して、非ステロイド性抗炎症薬やオピオイド鎮痛薬が処方されることがあります。
栄養補助薬:栄養状態の改善を目的として、ビタミンやミネラル、タンパク質の補給が行われることがあります。
褥瘡のできやすい部位は骨が飛び出ている部分です。褥瘡のできやすい部位の皮膚が赤くなっている場合、人差し指で赤くなっている部分を3秒間押してみることで簡単なチェックができます。
押したときに白く変わり指を離すと再び赤くなる場合は褥瘡ではありません。しかし、押しても赤みが消えないときは初期段階の褥瘡であると考えられます。
褥瘡の可能性がある場合は、すぐに病院に行くことをおすすめします。
・太淵
・肩髃
・曲池
太淵は、太淵は肺の臓と経絡に関係するツボです。効果を発揮する症状は、皮膚炎や鼻炎、呼吸器の病気などです。
湿疹や蕁麻疹などに対して効果を発揮するツボのため、褥瘡の改善にも効果が期待できます。
肩髃は、皮脂欠乏性湿疹や蕁麻疹などの症状に対して効果を発揮するツボです。の乾燥することによって起きる痒みやアレルギー症状によって起きるかゆみに効果的なのです。
他にも肩や腕の疲れなどにも効果を発揮します。
曲池は、肌荒れやにきび、吹き出物、乾燥肌などに効果を発揮するツボです。皮膚に対する症状に効果を発揮するため、褥瘡に対しても効果が期待できます。
他にも、ひじの痛みやテニス肘、腱鞘炎、腕の筋肉痛、頭痛などに効果的なツボです。
太淵は、親指の付け根あたりにあるツボです。手のひら側にある手首にできる皺の端にあります。触ってみると、軽く脈打っていることを感じることができると思います。
お灸もオススメのツボです。
肩髃は、肩の前面部にあるツボです。腕を水平に上げたとき腕の境目あたりにできるくぼみにツボがあります。
押すときは、片手で腕を支えてもう一方の手の親指を使って押します。
曲池は、肘の関節部分の上側にあるツボで、 ひじを曲げた時の横シワの延長上にツボがあります。
揉むように刺激したりお灸をしたりすると良いでしょう。
11時から21時
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