公開日:2023年 2月21日
更新日:2024年 3月 2日
本日は大腿骨頭すべり症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
大腿骨頭すべり症の原因は今のところ分かっていません。原因となっている可能性が高いと考えられていることは、成長板の脆弱化です。
成長板が弱くなる要因はいろいろあります。外傷や股関節の変形、肥満による合併症、炎症などです。正常な場合、思春期のころに血液の中のホルモン濃度の変化が起こります。このホルモンの変化によっても成長板は弱くなります。
大腿骨頭すべり症は、青年期の早期に発症することが多く、リスク因子は肥満です。
・機械的ストレス
成長期の子供の大腿骨頭にかかる過剰な機械的ストレスは、骨の成長版に影響を与え、すべり症のリスクを高める可能性があります。
・ホルモンの変化
思春期にはホルモンの変動が見られ、これが骨の成長と成熟に影響を与え、大腿骨頭すべり症のリスクを高める可能性があります。
・肥満
体重の過剰な負荷は大腿骨頭にかかる圧力を増加させ、すべり症を引き起こす要因となり得ます。
・遺伝的要因
家族歴や遺伝的な要因も、大腿骨頭すべり症のリスクを高めることが示唆されています。特定の遺伝的な状態や、家族内での同様の症例がリスク要因となり得ます。
・内分泌障害
甲状腺機能低下症や成長ホルモンの異常など、内分泌系の病気が関与している場合もあります。
・栄養不足
栄養不足や特定の栄養素の欠乏は、骨の健康に悪影響を及ぼし、すべり症のリスクを高める可能性があります。
大腿骨頭すべり症では、初めに股関節のこわばりや軽い痛みが現れます。痛みは、膝や太ももから来ているように感じることもあります。
大腿骨頭すべり症で起こる痛みは安静にすると軽くなり、歩いたり股関節を動かしたりすると悪くなります。症状が悪くなっていくと足を引きずるようになり、股関節から太ももの内側を伝って膝まで痛みが広がります。
また、大腿骨頭すべり症では、大腿骨頭すべり症を発症した側の足が外向きにねじれるという見た目の変化も起こります。
・股関節、太もも、または膝の痛み
大腿骨頭すべり症の最も一般的な症状は、股関節の痛みですが、痛みは太ももや膝に放散することがあります。多くの場合、膝の痛みが唯一の症状であるため、誤診されることがあります。
・歩行時の異常
歩く際にびっこをひくか、異常な歩行パターンを示すことがあります。また、股関節の運動範囲が制限されるため、正常に歩くことが困難になります。
・股関節の可動域の制限
特に内旋と屈曲の動作において、股関節の可動域が制限されます。患者は股関節を正常に動かすことができず、特に内側に回転させることが難しくなります。
・足を外側に開く
立っている際や歩行時に、自然と足を外側に開く姿勢をとることがあります。これは、痛みを避けるための無意識の調整です。
・肥満
大腿骨頭すべり症は、特に肥満の子どもに多く見られます。体重が増加すると、成長板にかかるストレスが増え、SCFEのリスクが高まります。
・片足への負担
片側の股関節にのみ症状が現れる場合、痛みを避けるために他方の足に体重をかけることがあります。
大腿骨頭すべり症の改善方法は、手術です。
大腿骨頭すべり症を調べる時には、X線で両方の股関節を撮影します。大腿骨頭すべり症の場合は、大腿骨頭が大腿骨の残りの部分からずれたり、分離したりしていることがわかります。
その分離した大腿骨頭の縁をそろえるためには、手術を行って金属製のネジで止めることが必要なのです。
大腿骨頭すべり症の改善方法は、主に外科的介入により行われます。改善の目的は、大腿骨頭のさらなる滑りを防ぎ、股関節の機能を保持し、将来的な合併症を最小限に抑えることです。以下に、大腿骨頭すべり症の主な改善方法を説明します。
・保存的方法
大腿骨頭すべり症の初期段階では、保存的方法が適用されることがありますが、この病気の改善においては非常に限定的です。保存的ほほうの選択肢には、活動制限やクラッチを使用して体重を支えることが含まれます。しかし、多くの場合、保存的方法だけでは症状の進行を防ぐことができないため、外科的方法が推奨されます。
・外科的方法
内固定: 最も一般的な改善法は、内固定術です。これは、滑り落ちた大腿骨頭をその位置で固定するために金属のピンやスクリューを使用する手術です。これにより、さらなる滑りを防ぎ、骨が正しい位置で癒合するのを助けます。
単側対応: 滑りが片方の股関節にのみ見られる場合でも、両側が影響を受けるリスクがあるため、片方の股関節のみに症状が見られる場合でも、予防的に反対側の股関節にも内固定を行うことがあります。
・修正手術
骨切り術: 進行した大腿骨頭すべり症や重度の変形がある場合、股関節の解剖学的な位置関係を正常に戻すために、骨切り術を行うことがあります。この手術では、骨を切断し、適切な位置に再配置して固定します。
・リハビリテーション
物理的方法: 手術後、通常、股関節の運動範囲と強度を回復させるためのリハビリテーションプログラムを受けます。物理的方法法は、股関節の機能を改善し、将来の合併症のリスクを減少させるのに役立ちます。
・合併症の管理
長期的なフォローアップ: 大腿骨頭すべり症は、将来的に関節炎などの合併症を発症するリスクが高いため、定期的なフォローアップが必要です。これには、痛みの管理や活動レベルの調整が含まれることがあります。
大腿骨頭すべり症の手術後のリハビリテーションは、股関節機能の回復と全体的な運動能力の改善を目指します。リハビリテーションのプロセスは、状態や手術の範囲に応じて異なりますが、一般的に以下の段階を含みます。
・初期段階(手術後直後)
炎症の管理: 氷の使用や軽度の圧迫包帯による腫れの管理。
疼痛管理: 痛みを管理するための適切な薬。
可動域の維持: 股関節と膝関節の運動範囲を維持するための軽度の運動。初期は非荷重運動に限定されることが多いです。
・中期段階(回復期)
筋力強化: 手術を受けた股関節の周囲の筋肉(特に臀部筋群、大腿四頭筋、ハムストリング)を強化する運動。
可動域の拡大: 徐々に股関節の運動範囲を拡大するストレッチや特定の運動を実施。
部分的荷重: 専門家の指導のもとで、徐々に荷重を増やしていきます。クラッチや歩行器などの支援具を使用しながら、安全に体重をかける方法を学びます。
・後期段階(機能回復期)
完全荷重歩行: 安定したら、支援具なしでの完全荷重歩行へ移行します。
バランスと調整訓練: バランスを改善し、正常な歩行パターンを取り戻すための運動。
活動レベルの徐々な向上: 日常生活における活動レベルの徐々な向上を目指し、最終的にはスポーツやレクリエーション活動への復帰を目標とします。
・スポーツへの復帰
スポーツ特有の訓練:従事するスポーツや活動に合わせた訓練。
徐々に負荷を増加: スポーツ活動への復帰に向けて、徐々に運動強度を増加させます。
大腿骨頭すべり症には急性の場合と慢性の場合があります。急性の場合は、骨折した時のような激しい痛みが起きることもあります。
慢性の場合は、すべりが少しずつ起こって軽い股関節の痛みが現れたり足をひきずって歩くようになったりします。
ただし、転びそうになった時などに急にすべりが悪くなることがあり、その時激しい痛みが起こることもあります。
・陽陵泉
・環跳
・居髎
陽陵泉は、足の痛みや疲れなどの症状に効果的なツボです。さらに股関節炎にも効果を発揮するため、大腿骨頭すべり症で起こる股関節の痛みに効果が期待できます。
足の筋肉が引きつっている時やスポーツで足を酷使している時にも有効です。
環跳の効果は、股関節周りの血行を良くすることです。股関節周りの血行が良くなるとたまっていた老廃物が流れて筋肉の緊張がほぐれることにもつながります。そのため、股関節の痛みにも役立ちます。
さらに、ひざの痛みや頭痛、神経痛などにも有効です。
居髎は、股関節のまわりの痛みや腰痛に効果を発揮するツボです。ぎっくり腰の改善のためにも使われるツボです。
長い時間の立ち仕事をしていて疲れている時にも効果的なツボです。
陽陵泉は、膝の下の外側にある骨の突起のすぐ下にあるくぼんでいる場所にあります。
押すときは、足を曲げた姿勢で両手の親指を使って押します。少しずつ力を強めて押していき、少しずつ力を抜きましょう。
環跳は、横向きに寝て足を深く曲げた時にできる足の付け根のしわの外側にあるツボです。力を入れるとえくぼができる場所です。
押すときは、親指の腹を使って押します。力加減は強めに押しましょう。
居髎は、腰骨の一番前と大腿骨の出っ張った部分の間にあるツボです。筋肉の張っているところにツボがあります。
押すときは親指を使って押します。ゆっくりと力を入れていきましょう。痛みが強い場合ときは無理に押さないようにすることも大事です。
11時から21時
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