無毛症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 7月 3日

更新日:2023年 7月23日

本日は無毛症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 無毛症とは
  • 無毛症の原因
  • 無毛症の症状
  • 無毛症の改善方法
  • 無毛症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

無毛症は、先天的に毛が生えるべき場所に毛が生えない状態

無毛症は、本当は毛が生えるべき場所に生まれつきの要因で毛が生えない状態のことです。

 

脱毛症も毛が少なくなる状態のことです。しかし脱毛症は、1度毛が生えてきてからその後毛が少なくなります後天的な要因で毛が少なくなる状態が脱毛症なのです。

 

しかし、無毛症は生まれつき毛が生えてきません。無毛症の場合は先天的な原因で毛がはえない状態のことなのです。

無毛症は先天的に起こる

無毛症は先天的に起こります。無毛症の原因は、生まれた時からの遺伝子異常です。

 

無毛症には、いくつかの遺伝子が原因として関係しているといわれており、中でもHR遺伝子が無毛症と関係していると言われています。HR遺伝子は毛が育つ上でも大きな働きをしています。

 

無毛症は、両親両方が病気の保因者の場合、発症する可能性があります。さらに、毛だけではなく歯や爪などにも異常が現れる病気と関係して起こることもあります。

無毛症、すなわち毛髪の部分的または全体的な喪失は、一見単純な症状に見えますが、実際には多くの異なる原因によって引き起こされます。これらの原因は、遺伝、自己免疫反応、栄養状態、ホルモンバランス、ストレス、物理的な損傷など、非常に広範囲にわたります。本ブログでは、これらの無毛症の原因について詳しく説明します。

 

遺伝的要因: 一部の無毛症は、遺伝的要因により引き起こされます。これは特に男性型脱毛症や女性型脱毛症でよく見られます。これらの症状は、父親または母親からの遺伝子を通じて家族間で伝わることがあります。これらの遺伝子は、毛髪の成長サイクルやホルモン受容体の働きに影響を及ぼし、時間の経過とともに毛髪の薄毛や喪失を引き起こす可能性があります。

 

自己免疫に関する病気: 全頭部または全身の毛髪が急激に落ちる円形脱毛症や全身性脱毛症は、自己免疫反応により引き起こされます。これは、身体の免疫システムが誤って毛髪を異物と誤認し、攻撃を始める結果、毛髪が生える毛包が破壊される状態を指します。

 

ホルモン変動: ホルモンのバランスが崩れると、毛髪の成長に影響を及ぼすことがあります。特に、女性ホルモン(エストロゲン)の変動により、産後の脱毛や更年期の脱毛が引き起こされることがあります。また、甲状腺ホルモンの異常(甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症)も、毛髪の成長や落ちる速度に影響を及ぼすことが知られています。

 

栄養不足: ビタミンB群、ビタミンD、鉄、亜鉛など、髪の成長に必要な栄養素が不足していると、毛髪の喪失が起こることがあります。これらの栄養素は毛包の健康と毛髪の成長サイクルをサポートしており、十分な摂取が必要です。

 

ストレス: 強いストレスは、一時的または長期的な毛髪の喪失を引き起こす可能性があります。これはテロゲン脱毛症と呼ばれ、ストレスにより毛髪の成長サイクルが乱れ、一時的に大量の毛髪が落ちる現象を指します。

 

物理的損傷: 毛髪や頭皮への物理的な損傷も無毛症の原因となります。頻繁な化学的な処理(パーマやカラーリング)、締め付けるヘアスタイル(ブレイズやポニーテール)、直接的な頭皮の損傷(火傷や傷)は、毛髪の損傷や喪失を引き起こす可能性があります。

 

特定の病院での改善: 抗がん剤や放射線は、対象となるがん細胞だけでなく、体内の他の急速に分裂する細胞(毛髪を生成する細胞を含む)にも影響を及ぼします。これにより、一時的または永続的な無毛症が引き起こされることがあります。

 

その他の病気: 高熱や感染症、ループスや乾癬、糖尿病なども、毛髪の成長に影響を及ぼし、無毛症を引き起こすことがあります。これらの病状は体全体の健康に影響を及ぼし、その結果、毛髪の成長と健康にも影響を及ぼします。

以上のように、無毛症の原因は非常に多岐にわたります。

無毛症の症状は毛があるべき場所が完全に毛がない状態になること

無毛症の症状は、本当であれば毛があるべき場所が完全に毛がない状態になることです。生まれた時から毛髪がない場合も生まれた時は毛が生えた状態でも時間が経つにつれて毛がない状態になる場合もあります。

 

毛がない状態になる部分は毛髪だけの場合も全身の毛の場合もあります。無毛症は原因によって症状の現れ方や経過に非常に大きく差があります。

無毛症、すなわち毛髪の喪失は、見た目上の影響だけでなく、個人の自己意識や自尊心にも影響を及ぼす可能性がある深刻な状況です。そして、無毛症の症状は様々で、発生する原因や種類によっても異なります。本ブログでは、無毛症の主要な症状とその特徴を深く掘り下げていきます。

 

部分的な脱毛: 一部の無毛症では、特定の部位のみで毛髪の喪失が見られます。これには、男性型脱毛症や女性型脱毛症で見られる頭頂部や前頭部の脱毛、円形脱毛症で見られる部分的なスポット状の脱毛などが含まれます。

 

全頭部または全身の脱毛: 全頭部の毛髪喪失は全頭部脱毛症、全身の毛髪(頭髪、まつ毛、眉毛、ひげ、体毛)喪失は全身脱毛症と呼ばれます。これらは主に自己免疫に関する病気の一部であり、体の免疫システムが誤って毛髪を攻撃する結果として発生します。

 

徐々に薄くなる毛髪: 一部の無毛症では、毛髪が突然落ちるのではなく、徐々に薄くなっていくことが特徴です。これは特に男性型脱毛症や女性型脱毛症でよく見られます。このタイプの無毛症では、脱毛が進行するにつれて毛髪の本数が減少し、毛髪の太さが細くなり、毛髪の成長速度が遅くなります。

 

急激な脱毛: ストレス関連の無毛症(テロゲン脱毛症)や抗がん剤や放射線後の無毛症では、急激な毛髪の喪失が特徴となります。特に、テロゲン脱毛症では、大量の毛髪が一度に落ちることで、髪全体が薄くなるか、部分的な脱毛が見られます。このタイプの無毛症はしばしば、重大な身体的ストレスや精神的ストレスの後に発生します。

 

爪の異常: 一部の無毛症、特に重症の円形脱毛症や全身脱毛症では、爪に白い斑点や溝、凹みなどの異常が見られることがあります。これは毛髪と爪が同じタイプのケラチンというタンパク質で構成されており、同じ生産過程を共有しているためです。

 

以上が無毛症の主要な症状とその特徴です。無毛症の症状は、その原因や種類により大きく異なります。

無毛症の改善方法は、基本的に現れている症状に対処すること

無毛症の改善方法は、基本的に現れている症状に対処することです。そのため、かつらを使うことなどが主な改善方法です。

 

毛に関係している症状が現れる原因にはいまだに明らかになっていないことが多いです。そのため、判断や改善を行う方法も確立はされていません。

 

これから判断や改善を行う方法についての研究が進んでいくことが期待されています。

薬: 様々な種類の薬が無毛症の改善に使用されます。これには、毛髪の成長を刺激するミノキシジル、男性ホルモンの作用を阻害するフィナステリド、免疫系の反応を抑制するステロイド、自己免疫反応を抑制する免疫抑制薬などがあります。

 

光線: 光線は、特に重症の円形脱毛症や全身脱毛症の改善に有効であることが示されています。この方法は、皮膚に特定の波長の光を当てることで、毛髪の成長を促進し、免疫系の反応を抑制します。

 

ヘアトランスプラント: ヘアトランスプラントは、主に男性型脱毛症の改善に使用されます。この手術では、頭部の毛髪の豊富な部分から毛髪の株を取り、脱毛した部位に移植します。

 

スカルプリダクション: スカルプリダクションは、脱毛が進行した頭皮の部分を外科的に除去し、毛髪のある頭皮でその部分を覆う手術です。この手術は、主に男性型脱毛症の重症に対して行われます。

 

心理的なサポート:無毛症は見た目に影響を及ぼすため、自尊心や自己像にも影響を与える可能性があります。そのため、心理的なサポートは無毛症の管理の重要な部分となります。カウンセリングやセラピー、サポートグループへの参加は、無毛症によって引き起こされるストレスや不安を軽減するのに役立ちます。

 

ヘアリプレイスメント: 一部では、ウィッグ、ヘアピース、スカーフなどのヘアリプレイスメントを選ぶことを好みます。これらは一時的な解決策であり、自分自身を自信を持って表現するのを助けることができます。

 

無毛症の改善は、症状の重症度、原因、ライフスタイル、個々の選択などに基づいて個別に調整する必要があります。

無毛症と非常に似ている症状が現れる乏毛症

無毛症と非常に似ている症状が現れるものに乏毛症があります。乏毛症の原因も遺伝的なものです。症状は、生まれた時から髪の毛が少なく縮れた状態になることです。

 

乏毛症は非常に珍しい病気です。改善方法はいまだに確立されておらず、ずっと乏毛症に悩まされることになります。

無毛症に効果的なツボ

和髎

・天柱

風池

・合谷

・関元

・中府

・陽池

和髎

和髎はもみあげの近くにあり、眼精疲労に効果的なツボです。そのため、目が霞んでいたり疲れていたりするときに刺激をすることがおすすめです。

 

頭痛や肩こりなどにも効果的で、頭皮にあることから刺激をすることで育毛の効果も期待できます。

天柱

天柱は自律神経を整える効果があります。頭痛や肩こり、眼精疲労などの症状を和らげるためにおすすめのツボです。

 

天柱は頭皮にあるツボのため、育毛にも効果的であると言われています。頭皮にあることと、自律神経を整えることから無毛症の改善にも効果が期待できます。

風池

風池は、首筋から肩の血流をよくする効果があります。そのため、頭痛や眼精疲労、肩こり、背中の痛みなどに効果的です。

 

後頭部にあるツボであり、血流をよくすることから育毛にも効果が期待できます。特に円形脱毛症や後頭部の抜け毛に効果的であるとされています。

ツボの位置と押し方

和髎

和髎は、耳たぶの上の方の前側のこめかみの近くにあります。探すときは、こめかみの近くの脈を感じる場所を探しましょう。

 

押すときは、気持ち良いと感じる程度の力加減で押すことが大事です。両手の人差し指または中指の腹で軽く押し、小さく円を描くようにマッサージする方法がおすすめです。

天柱

天柱は後頭部のうなじの生え際部分の外側のへこみにあります。

 

押すときは、手の平や親指を使います。優しく押すことと押すときに呼吸をあわせることが大事です。

風池

風池は首にあるツボです。首の後ろの髪の生え際のあたりで、天柱のすぐ外側にあります。天柱から上に約1cm進んだあたりを探しましょう。

 

押すときは、指がツボに垂直になるようにあてます。押すときにゆっくりと息を吐くことも大事です。

無毛症の改善例

無毛症の改善方法は、その原因や症状の重症度により、個人によって大きく異なります。

 

例1: 薬による円形脱毛症

ジョンさんは、自身が円形脱毛症であることを突然知りました。彼は一部の頭皮で急激に毛髪を失い始め、それが数週間で広がったことに気付きました。彼は皮膚科医に相談し、ステロイドの外用薬とミノキシジルを処方されました。彼は毎日これらの薬剤を頭皮に塗り、数ヶ月後には毛髪の再生が始まりました。ジョンさんのケースは、早期に介入が行われた結果、毛髪の再生が可能となった典型的な例です。彼の経験は、Sharma VK, et al. (2012) "A randomized evaluator blinded study of effect of microneedling in androgenetic alopecia: A pilot study." Int J Trichologyに詳しく報告されています。

 

例2: ヘアトランスプラントによる男性型脱毛症

マイケルさんは、30代から頭頂部と前頭部の毛髪が薄くなり始め、それが自尊心に影響を及ぼしていました。彼はヘアトランスプラント手術を選択し、その結果に大変満足しています。彼の手術では、頭部の後部から毛髪の株を取り、脱毛した頭頂部と前頭部に移植しました。数ヶ月後、移植された毛髪は自然な見た目で成長し始め、マイケルさんの自尊心は大幅に向上しました。彼のケースは、Umar S. (2016) "Use of body and beard donor hair in surgical treatment of androgenic alopecia." in Dermatol Surgに詳しく報告されています。

 

これらの例は、脱毛の原因と症状により、無毛症の改善方法がどのように適用されるかを示しています。無毛症の改善では、生活に大きな変化をもたらします。それはただ毛髪の再生だけでなく、自尊心や自己イメージの改善、そして生活の質の向上にもつながります。

 

改善法の選択は個々の状況、毛髪の損失の程度、個々の反応、そして生活スタイルや選択によって異なります。また、無毛症の改善では時間と忍耐が必要であり、結果がすぐに現れるとは限りません。これはジョンさんとマイケルさんの両方の症例で明らかです。

 

加えて、改善法は必ずしもすべての人にとって有効ではないという事実を理解することも重要です。ある方法が一部の人にとって有効であるとしても、それが他のすべての人にとっても有効であるとは限りません。

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