前立腺肥大症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2019年 12月23日

更新日:2022年  2月24日

本日は前立腺肥大症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 前立腺肥大症とは
  • 前立腺肥大症の原因
  • 前立腺肥大症の症状
  • 前立腺肥大症の改善方法
  • 前立腺肥大症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

前立腺肥大症は前立腺の病気の中で1番多い

前立腺肥大症は前立腺の病気の中で1番多い病気です。前立腺肥大症とは、歳を取るにつれて前立腺が少しずつ大きくなり、尿道を圧迫して尿が出にくくなる病気です。

 

普通、前立腺はくるみ大ほどの大きさです。この大きさから肥大してくるとみかんや卵大以上の大きさになります。尿をした後スッキリしない、トイレの回数が増える、などの症状が現れ、症状が進行すると尿が全く出なくなることもあります。

 

排尿に関係する症状が見られるようになると、日常生活の中で問題が起き、ストレスになることも多いです。しかし、中には、症状がみられない人も多くいます。

前立腺肥大症は年を取ると多くなります。

 

頻度としては、50歳から増加します。組織学的な前立腺肥大が見られる年齢は、30代から始まり、50代で30%、60代で60%、70代で80%、80代では90%だと言われています。50代以降の男性には珍しくない病気なのです。

 

しかし、全ての人が改善しなくてはならない症状があるという訳ではありません。前立腺の肥大と排尿に関係する症状があり、改善が必要な前立腺肥大症の頻度は、全体の約4分の1であると言われています。

 

前立腺肥大症は肥満や高血圧、高血糖や脂質異常症との関係があると言われており、最近ではメタボリック症候群との関係も考えられています。

 

前立腺肥大症の原因はホルモンの働きが関係している

現在、前立腺が肥大する原因はまだはっきりと分かっていません。しかし、男性ホルモンの働きが関係していることは確かだと言われています。

 

歳をとり、中高年になって男性ホルモンのホルモンの働きが変わり性ホルモンのバランスが変わることによって前立腺が肥大すると考えられているのです。

 

前立腺肥大症の明らかだとされている原因は加齢で、歳をとることによって男性ホルモンの分泌が減るため、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れるからだとされています。

 

現在、前立腺肥大症の人の人数は増え続けており、50歳以上の男性の2割以上が前立腺肥大症であると言われています。

 

生活習慣病と前立腺肥大は関係があるという意見もあり、予防として毎日の生活の中で食事や運動を考えることが大事だとも言われています。タバコやアルコールの摂取量、性生活にも関係があるかどうかについては明らかになっていません。

 
 

他にも遺伝的な原因や食生活、肥満や高血圧、高血糖、脂質異常なども原因として考えられます。

 

野菜や穀物、大豆などに多く含まれているイソフラボノイドは前立腺肥大症の発症を抑える効果があると言われています。

 

しかし、タバコやアルコール、性生活と前立腺肥大症の関係はまだはっきりとは分かっていません。

前立腺肥大症の症状は尿を出すことに関係したもの

前立腺肥大症は、排尿困難をはじめとする尿を出すことに関した症状が現れます。排尿困難とは、尿が出にくい症状の総称です。

 

尿の勢いが弱かったり、尿が出始めるまでに時間がかかったり、出したくても尿が出なかったり、尿が分かれて出たり、排尿の途中で尿が途切れたり、力を入れなければ尿が出なかったり、などの症状があります。

 

尿を出すことだけでなく、尿を出した後にも症状が現れます。尿をした後、すっきりしなかったり尿が残っているような感じがしたりする残尿感です。

 

尿が終わったと思っても少しずつ尿がもれて下着が汚れることもあります。この症状は、排尿後尿滴下と呼ばれています。

 

多くの前立腺肥大症では、症状として頻尿が現れます。頻尿には、1日に何回以上トイレに行くというはっきりと決められている回数はありません。

 

しかし、朝起きてから夜寝るまでの間にトイレに行く回数が8回以上の場合昼間頻尿、寝た後に1回以上排尿のために起きる場合夜間頻尿、であると考えられます。

 

急に我慢できないような強い尿意が起こることを尿意切迫感と言います。尿意切迫感があり、トイレに間に合わずに尿が漏れてしまうことは切迫性尿失禁と言います。

 

尿意切迫感と頻尿が一緒に症状として現れている場合を過活動膀胱と言います。前立腺肥大症の人の約50~70%が過活動膀胱を起こしていると言われています。

前立腺肥大症の改善方法は主に2種類

前立腺肥大症の改善には、薬を使った方法と外科的な方法の2種類あります。症状が軽い場合は、薬を使い様子を見ることが1番です。改善のために使用する薬にも種類があります。

 

前立腺や尿道の筋肉を緩めることによって尿の通りを良くするためにα1遮断薬やホスホジエステラーゼ5阻害薬を使い、男性ホルモンの働きを抑えて肥大した前立腺を小さくするために抗男性ホルモン薬を使います。

 

前立腺の炎症を抑えためには漢方薬や植物製剤などが使われることもあります。漢方薬や植物製剤は即効性はないという点では考慮が必要です。

 

しかし、副作用が少ないという良い点もあります。漢方薬や植物性剤はα1遮断薬と合わせて使われることが多いです。

症状が進んでしまい、薬での改善に効果があまり見られないときは外科的方法を使います。外化的方法とは手術です。

 

尿道から内視鏡を入れ、肥大した前立腺を電気メスで取る手術や開腹手術、内視鏡とレーザーを使って前立腺を切る手術、狭くなった尿道にステントと呼ばれる管を入れる手術などで完全を試みます。

 

症状や状態に合わせて1番良い方法で改善します。また、前立腺の肥大はあっても特に症状や合併症がないこともあります。そのような場合には、早急に改善する必要はないと考えられています。定期的に様子を見て判断することが多いです。

前立腺肥大症で気をつけること

前立腺を切る手術をした後に合併症を起こすことがあります。体調が良くなかったり、気になる症状があったりした場合は早めに医師に相談することが重要です。完全に手術による傷が回復するには約2~3ヵ月の期間がかかるといわれています。

 

手術をした後、1ヵ月は出血や感染症などが起こりやすい状態のため、食事や運動、仕事など生活するにおいて医師から言われたことをしっかり守り、注意して生活することが大事です。

前立腺肥大症はまだ分からない部分も多い病気です。しかし、前立腺や膀胱、尿道への刺激が繰り返し起こると症状が出やすいです。
長い時間寒い場所や冷たい場所にいること、水泳などの身体を冷やす行為、長い時間イスに座っていることなどは刺激となるため、避けた方が良いです。また、短時間での大量の水やアルコールの摂取なども良くありません。
前立腺の病気は食生活や運動などと関わりがあると考えられています。自分の生活をしっかり考え、生活することが大事です。

前立腺肥大症に効果的なツボ

・中極

膀胱兪

上髎

次髎

中髎

・下髎

中極

中極は、腎機能の働きを高める効果があります。そのため、中極は泌尿器に現れる症状の改善などに非常によく使われています。

 

前立腺の肥大が始まっているとき、中極を押すと尿道口に軽い痛みが感じられます。

 

中極は前立腺肥大症の他にも、頻尿や尿失禁、性機能障害や生理痛、生理不順などにも有効です。

膀胱兪

膀胱兪は、膀胱に関係する問題を改善するためによく使われていたことから名前がつけられたと言われているツボです。

 

 膀胱兪は、頻尿や尿漏れ、性機能障害や便秘、下痢、坐骨神経痛や腰痛に効果を発揮します。

上髎

上髎は生理痛や子宮内膜炎、子宮後屈などに効果的なツボです。坐骨神経痛に対して使われることも多いです。

 

上髎は腰の血行をよくする働きもあるため、冷えに対しても有効です。腰の血行を良くする効果から前立腺肥大症の改善に対しても役立つ可能性があります。

ツボの位置と押し方

中極

中極は下腹部にあるツボです。へそから指幅4本分下に下がったところにあります。

 

押すときは垂直に押すことをイメージして押しましょう。お灸などで温めることも効果的です。

膀胱兪

膀胱兪は、仙骨の上から2番目のくぼみから指1.5本分外側に進んだところにあります。

 

押すときは、誰かに押してもらうことをお勧めします。その場合、垂直に押すことを意識して押してもらうと良いでしょう。

上髎

上髎は仙骨にあるくぼみの中で1番上にあるくぼみです。

 

押すときは、親指または中指の指の腹で押します。2~3秒かけてツボを押し、3~5秒保ち、2~3秒かけて離すと良いでしょう。

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