公開日:2023年 3月13日
更新日:2025年 1月14日
本日は子癇について解説させていただきます。
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
子癇の明らかな原因はわかりません。ただし、リスクとなることとして考えられていることはいくつかあります。
それは、妊娠高血圧症候群や10代での妊娠、初産婦、双胎妊娠、子癇の既往歴、HELLP症候群などです。
子癇は、妊娠高血圧症候群の進行によって引き起こされます。妊娠高血圧症候群は、高血圧、蛋白尿、浮腫が起こる病気で、進行すると、母体の臓器や血管に強い負荷がかかり、最終的に脳血流障害や脳浮腫を引き起こしてけいれん発作が生じます。
妊娠高血圧症候群では、血管内皮が障害され、血管の収縮と血流障害が起こります。すると、脳への血流が悪化し、けいれんが起こります。血管内皮障害によって腎機能が低下し、蛋白尿も発生します。
血圧が異常に上昇することで脳内の血流が乱れ血液脳関門が破綻し、脳浮腫を引き起こします。
重症の妊娠高血圧症候群の場合、血小板が消費されて減少し凝固系が異常をきたします。
子癇の症状は痙攣発作です。痙攣発作が起きる前には、頭痛や眼華閃発、上腹部の痛みや反射亢進などが現れることがあります。
子癇発作が繰り返し起こると、脳浮腫が悪くなり脳ヘルニアを引き起こすことがあります。また、発作が起きているときは、呼吸が止まった状態になるため、胎盤に酸素が届かずに胎児機能不全や胎児低酸素血症などにつながることもあります。
他にも、常位胎盤早期剥離や肺水腫、多臓器不全などにつながる可能性もあります。
① 全身けいれん
手足を突っ張るような強直性けいれんが起こり、その後全身がガクガクと震える間代性けいれんへと移行します。1~2分程度の発作が多いですが、発作後に意識が戻らないこともあります。
② 意識障害
けいれん発作後、一時的に意識を失ったり、発作後も意識が混濁したままになることがあります。
③ 呼吸障害
けいれん中に呼吸が一時的に止まり、発作後に低酸素状態になることがあります。長時間の呼吸停止は低酸素血症を引き起こし、母体および胎児に深刻な影響を与えます。
④ 嘔吐
けいれん中または発作後に嘔吐することがあります。嘔吐物が気道に詰まると窒息の危険があります。
① 頭痛
前頭部や後頭部、こめかみなどに激しい頭痛や鈍い痛みを感じます。
② 目の異常
視界がぼやける、光がちらつく、暗点が現れます。
③ 浮腫
顔、手、足など全身にむくみが見られます。
④ 上腹部痛、肝痛
みぞおちや右上腹部に痛みを感じます。
⑤ 高血圧
血圧が急激に上昇します。
⑥ 蛋白尿
尿中に大量のタンパク質が排出されます。
子癇が起きた時には、呼吸できるようにするため、気道の確保をして酸素を送り込みます。また、誤嚥を防ぐのために顔を横にすることや舌を噛無事を防ぐために舌圧へらなどを使うことも大事です。
子癇発作は強い光や大きな音に反応して起こることもあります。そのため、静かな暗い部屋で安静にしたりアイマスクなどを使ったりすることで発作を防ぐことにつながります。
発作を防ぐために、硫酸マグネシウムを持続点滴して血圧を下げるための薬を使うこともあります。
けいれんの抑制:硫酸マグネシウムを投与します。
血圧の管理:降圧薬を使用して母体の血圧をコントロールします。
分娩の準備:母体と胎児の状態が危険な場合は、分娩(緊急帝王切開など)を行います。
妊娠している時や分娩中に子癇胎児の状態に注意することが大事です。子癇発作をおこした後は、胎児の状態が急速に悪化することもあるため、早期の娩出を考えなければいけいないこともあります。
すぐに分娩をすることが難しい場合は、原則的には帝王切開で分娩を行います。分娩後は血圧が下がり、寛解することが多いです。