公開日:2019年 12月23日
更新日:2024年 5月 6日
本日は上腕二頭筋長頭腱炎の鍼灸について解説させていただきます。
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
上腕二頭筋は、1つの筋肉が長い長頭、短い短頭の2つに分かれ、長頭が上腕骨の間を通っています。上腕ニ頭筋長頭腱炎は、結節間溝と上腕二頭筋の長頭の腱が擦れあって起こります。
当院ではベンチプレスか野球をしている人に発症が多いです。ベンチプレスを行ったときに痛くて、整骨院に通って病院に行って注射をしてもなかなか痛みが取れなくて来院するパターンが多いです。
・アームカール
・後ろに手をのばす
・胸を大きく開く
などで腕の骨、上腕二頭筋の腱がぶつかり、肩の前に痛みを感じます。
過度の使用: 上腕二頭筋は日常生活やスポーツなどで頻繁に使用されるため、過度の使用が上腕二頭筋長頭腱炎の主な原因となります。特に反復的な動作や重い物の持ち上げなどが原因となることがあります。
姿勢の問題: 姿勢が悪い場合、肩や腕に不必要な負荷がかかり、上腕二頭筋長頭腱に過度のストレスがかかることがあります。例えば、前かがみの姿勢や肩の内側に傾斜した姿勢が維持されると、上腕二頭筋長頭腱への負担が増加します。
急激な運動増加: スポーツや運動を急激に増やすと、上腕二頭筋長頭腱に負荷がかかりすぎることがあり、炎症が生じることがあります。
加齢: 年齢と共に組織の柔軟性や強度が低下するため、加齢によっても上腕二頭筋長頭腱炎が発症するリスクが高まります。
外傷: 転倒やスポーツ中の怪我などの外傷が原因で、上腕二頭筋長頭腱に損傷や炎症が生じることがあります。
腕の痛み: 上腕二頭筋長頭腱炎の最も一般的な症状は、腕の前面や肘の内側に痛みが生じることです。特に腕を曲げたり伸ばしたりする動作や、物を持ち上げたり押したりする際に痛みを感じやすいです。
肩や腕の運動制限: 痛みや炎症のため、腕を動かす際に制限を感じることがあります。特に腕を曲げたり、回したりする動作が制限されることがあります。
痛みの増加: 特に活動が増えたり、疲労したりすると痛みが増すことがあります。また、夜間にも痛みを感じることがあります。
腫れや熱感: 上腕二頭筋長頭腱に炎症が生じると、痛みとともに腫れや赤み、熱感が現れることがあります。
痛みの放散: 腱炎が進行すると、痛みが腕や肩、さらには首や背中にも放散することがあります。
強度の低下: 上腕二頭筋長頭腱炎の影響で、腕の力が弱まることがあります。特に把持力や握力が低下することがあります。
痛みの増悪: 炎症が悪化すると、痛みが増悪し、日常生活や活動が困難になることがあります。
1つ目は、上腕骨の結節間溝と長頭の腱が擦れあって起こるパターンです。この場合、肩の前に痛みがでます。
力こぶの筋肉を使いすぎてしまい張力が高まり、結節間溝の骨の部分と狭くなってぶつかって痛みが出ます。
当院でも1番多く、ベンチプレスを上げたときなど、動いたときのみ痛みが出るのが特徴です。重症になると、動かさなくても痛みを感じるようになります。このパターンは上腕二頭筋だけの問題のため、鍼灸によって早い回復が期待できます。
2つ目は、肩から力こぶ全体が痛くなるパターンです。
結節間溝と長頭の腱が擦れ合って起きるパターンと力こぶの筋肉にこりができてしまい肩だけではなく力こぶ全体が痛くなるパターンがの両方が当てはまります。
痛みをかんじた当初は肩の前側だったのが徐々に広がり、力こぶまで鈍痛、引きつりを感じるようになります。動いたときのみ痛みを感じやすく、スポーツを頻繁にやっている方に多いです。こちらも鍼灸は非常に有効です。
3つ目は、上腕二頭筋長頭腱が悪化したパターンです。このパターンでは、腱と骨がぶつかり合うことでどんどん悪化し、肩の前側だけに起こっていた痛みが肘下の方まで響いてくる状態になります。
原因は、①と同じです。ひどくなってくると神経を刺激されどんどん手の方まで響いてきます。
また、他の症状が併発している可能性があります。
疑われるケースはこちらです。
4つ目は、胸まで痛くなるパターンです。上腕二頭筋長頭腱炎と短頭腱炎の併発型です。長頭腱と結節間溝が骨でぶつかるところが短頭の烏口突起のついているところまで痛みを及ぼします。
このパターンは、長頭腱炎だけではなく短頭腱炎でもあるため両方改善する必要があります。
ハードな筋力トレーニングを積極的にやっている方に多く、整形外科のリハビリでは対応できないケースです。長頭炎が悪化することで短頭も固くなり、症状がでます。この状態でも、上腕二頭筋の単体の問題のため、鍼灸で比較的早期の回復が可能です。
5つ目は、肩の後ろ側も痛むパターンです。このパターンは、肩の可動できる範囲が少なく、痛みも非常に強いです。
五十肩や四十肩と混同されることも多く、病院の先生や整体師、整骨院、鍼灸院などで上腕二頭筋長頭腱炎であると判断された後に実は五十肩、四十肩だったということがわかることもあります。
上腕二頭筋長頭腱炎と五十肩、四十肩は全くの別物であるため改善法を変えることが必要になります。→五十肩の鍼灸【原因・予防・漢方について】
上腕二頭筋長頭腱炎かどうかを判断したり重症度を測ったりするためには、腕を伸ばしたまま後ろの方にテンションをかけます。これで骨と腱の間がより狭くなるため、痛みが出ます。
上腕二頭筋長頭腱炎の場合は、肘を曲げると腱と骨の間に空間ができるため痛みが軽減するという特徴的なサインがあります。
上腕二頭筋長頭腱炎を確認する方法はヤーガソンテスト、スピードテストを行います。
上腕二頭筋長頭腱炎を改善するために守らなければいけないことが2つあります。
1.徹底的に冷やす
2.ストレッチをしない
この症状は骨と腱の間でぶつかってしまい、炎症が起きて痛みが出ます。そのため、冷やして炎症を徹底的に引かせることが大事です。
ストレッチが良いなどと言い、マッサージをしている人もいますが、逆効果です。とにかく炎症を引かせてその後に筋肉の緩みを出しましょう。
腱と骨があたって痛みが出ているところにストレッチをすると骨と腱の間が狭くなり、また痛みが出ます。ストレッチをした後は少し楽になった感覚はあるが俯瞰してみると楽になっておらずまた痛みを引き起こして再発している人が多いです。
まず、痛いところをちゃんと把握して氷で冷やしましょう。
冷やすときは湿布ではダメです。湿布は皮膚表面から消炎鎮痛剤を弾かせて炎症を引かせようとするが、薬剤で麻痺させて楽にさせる一面もあります。
この症状では炎症を徹底的に引かせることが大事であるため、当院では氷水や氷嚢で冷やすことをお勧めしています。
長頭をほぐして欲しいが、間接的に短頭も張っていることがあるため長頭と短頭どちらもほぐすこととが大事です。
内側と外側を人差し指と親指でぐりぐり皮膚をつまみましょう。長頭側は痛いこともあるが痛くても行って構いません。
筋肉ではなく皮膚を伸ばしましょう。たるみが出るくらいゆっくり伸ばします。痛いところに対して行っても良いがこの方法は筋肉アプローチのため、筋肉と皮膚の間を開けてあげるように上腕二頭筋全体を行って回復に努めます。
炎症がひき、筋肉がほぐれやすくなるとストレッチで簡単に良くなります。
長頭をほぐして欲しいが、間接的に短頭も張っていることがあるため長頭と短頭どちらもほぐすこととが大事です。
内側と外側を人差し指と親指でぐりぐり皮膚をつまみましょう。長頭側は痛いこともあるが痛くても行って構いません。
筋肉ではなく皮膚を伸ばしましょう。たるみが出るくらいゆっくり伸ばします。痛いところに対して行っても良いがこの方法は筋肉アプローチのため、筋肉と皮膚の間を開けてあげるように上腕二頭筋全体を行って回復に努めます。
炎症がひき、筋肉がほぐれやすくなるとストレッチで簡単に良くなります。
上腕二頭筋長頭腱炎は上腕二頭筋長頭の腱が骨と擦れ合って痛みを感じます。
一番の問題は上腕二頭筋の筋スパズム(過剰緊張)が原因です。この筋肉内に起きる、筋スパズムの芯がトリガーポイントといいます。
☆筋スパズムをうむ原因
トリガーポイント鍼灸で筋スパズムの芯を取り除き、早期の回復を狙います。
尺沢は、手の肺経にあるツボで、喉の痛みや腫れ、咳やぜんそくなど呼吸器系の不調に効果を発揮することで有名なツボです。尺沢は上腕二頭筋腱上にあるツボのため、上腕二頭筋長頭腱炎にも効果的です。
尺沢は手のひらにあります。肘の内側が上になるようにして肘の内側の曲るときにできるしわの上です。
合谷は、東洋医学では万能のツボと呼ばれるほど、いろいろな症状に効果的です。手にあるツボではありますが、肩こりの改善にも効果を発揮するため、上腕二頭筋長頭腱炎の症状にも効果的です。
合谷は巻き肩にも効果的で、手の甲が前を向くことで肩関節が内旋し巻き肩になりますが、合谷を刺激すると手の甲が前に向くこと防ぐことができると言われています。
合谷は手の親指と人さし指の付け根にあります。
消レキは、全身の倦怠感や疲れ、食欲不振や無気力頭痛、顔面神経麻痺など頭顔面部の症状に効果を発揮するツボです。
背部痛にも効果的で、肩こりによる頭痛や頚背部の張り感や凝り、腰の痛みで起こる背中の突っ張りなどにも効果的であるため、上腕二頭筋長頭腱炎にも効果が期待できます。
消レキの場所は、上腕の後ろ側の真ん中です。
上腕二頭筋長頭腱炎の原因はひとつではありません。まず、冷やして筋肉の間に空間を作ること、ストレッチはしないことが大事です。早期の回復を望むなら、トリガーポイント鍼灸をお勧めします。
この症状は、難しい症状ではありません。生活に支障が出るレベルの病気ではないため、なかなか良くならなくて来院する人が多いが、上記の注意を守っていただければ順当に良くなります。
20代男性
1年前
草野球の練習中
レントゲンは骨に異常なし。上腕二頭筋長頭腱炎と判断。ロキソニンテープと野球の中止を指導される。
2015年3月から肩の痛みでお悩みだったEさん。趣味の野球をしていたところ、肩に違和感を感じ、整形外科に行きました。レントゲンにも異常がないため、上腕二頭筋長頭筋長頭炎と判断を受け、シップで様子を見ていました。
その後、肩の痛みも良くなり、野球を続けていたところ、11月にまた痛み出しました。整骨院の施術を受けたり、マッサージに通いましたが一向に収まる気配が出ませんでした。ついには安静にしてても痛みが引かなくなり来院されました。
・銀座そうぜん鍼灸院の対応・施術
カウンセリングと理学テストをしたところ、上腕二頭筋長頭腱炎で間違いありませんでした。
腕の痛みで来られる利用者は多くいます。特徴は痛み方が引かなくなってからこられるケースが非常に多いです。
上腕二頭筋長頭腱炎の原因は2つあります。
※首、腕、手首、背骨などさまざまなケースがあるため、原因を正確に見分ける必要があります。レントゲン、MRIの結果がすべて正しいわけではないので、難しいところです。
幸いにもEさんは筋肉による上腕の痛みだったため、2回の鍼灸で痛みは無くなりました。
「今までのやってきた施術はなんだったんだ。」
Eさんの印象的な言葉でした。
11時から21時
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