公開日:2021年 10月23日
更新日:2023年 8月 2日
本日は原発性免疫不全症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
原発性免疫不全症候群は、生まれつき免疫系のどこかの部分に欠陥がある疾患の総称です。障害される免疫担当細胞の種類や部位などによって300ほどの疾患があります。
原発性免疫不全症候群で1番問題であることは、感染に対しての抵抗力が下がることです。感染してしまうと、肺炎や中耳炎、 膿瘍 、髄膜炎などを繰り返してしまうのです。場合によっては命に危険が及ぶこともあります。
抗体が欠けていることによって起こる免疫不全症の場合発症する年齢は生後6ヶ月から2歳です。好中球やT細胞機能の異常によって起こる免疫不全症の場合発症する時期は生まれすぐのことが多いです。
原発性免疫不全症候群の原因の多くは、免疫系に働く蛋白の遺伝子の異常です。原発性免疫不全症の原因となる遺伝子は非常に多く、大体300くらいあるとされています。一時的な免疫系の未熟性が原因で起こる疾患もあります。
原発性免疫不全症候群は基本的には遺伝します。しかし、血縁者に原発性免疫不全症候群を発症している人がいないのにも関わらず発症することもあります。
原発性免疫不全症候群は、先天的または遺伝的な要因により、免疫系の一部または全体が正常に機能しない一群の障害です。これにより、感染症に対する抵抗力が低下し、しばしば重篤な感染症を引き起こします。以下、原発性免疫不全症候群の原因について詳しく探ります。
1. 遺伝子変異の役割
原発性免疫不全症候群の最も重要な原因は遺伝子変異であり、これにより免疫細胞の成熟、分化、機能が損なわれます。多くの場合、これらの変異は先天的で、親から子へと遺伝します。
2. 免疫細胞の損傷
B細胞の障害: B細胞は抗体を生成する細胞であり、B細胞の障害は抗体産生の異常を引き起こします。例としてX連鎖型凝集素不足症があります。
T細胞の障害: T細胞はウイルス感染などに対抗する細胞で、T細胞の障害は細胞性免疫の不全を引き起こします。例としてジョージ・シンドロームがあります。
自然殺細胞の障害: 自然殺細胞はがん細胞やウイルス感染細胞を攻撃する細胞で、その障害は特定の感染症への感受性を高めます。
3. 結合免疫不全症候群
結合免疫不全症候群では、T細胞、B細胞、および自然殺細胞のすべてまたはいくつかが障害されます。例として重症複合免疫不全症(SCID)があります。
4. 免疫系の調節異常
免疫系の調節異常は、自己免疫疾患や慢性炎症を引き起こすことがあります。IPEX症候群などが、このカテゴリーに該当します。
5. その他の因子
いくつかの原発性免疫不全症候群は、特定の遺伝子変異が原因となることが知られていない場合もあります。これらはさらなる研究が必要な分野であり、未解明な点が多いです。
原発性免疫不全症候群の主な症状は、感染しやすい状態になることです。風邪などに感染した場合、なかなか改善しせず発熱を繰り返すというような状態になります。
症状が重い場合、感染が改善せず命に危険が及ぶこともあります。好中球や抗体産生の異常による疾患の場合は、細菌感染をすることが多く、T細胞などの異常ではウイルス感染をすることが多い傾向があると言われています。
疾患によっては、 炎症や湿疹、自己免疫症状、リンパ節の腫れなどの症状が現れるものもあります。
1. 感染症への感受性の増加
原発性免疫不全症候群では、抵抗力が低下するため、普通であれば無害な微生物に対しても感染症を発症しやすくなります。
呼吸器感染症: 肺炎、気管支炎、副鼻腔炎などが頻発します。
皮膚感染症: 皮膚の細菌感染、ウイルス感染が繁発し、治りにくいことが特徴です。
消化器感染症: 下痢や腹部の不快感が続くことがあります。
2. 成長と発育の遅延
免疫不全による感染症の繁発は、特に小児期において、成長と発育の遅延を引き起こすことがあります。
3. 自己免疫の病気の発生
一部の原発性免疫不全症候群では、免疫系が正常な体細胞を攻撃し始めるため、自己免疫の病気が発症することがあります。関節炎、血小板減少症などがこの例です。
4. 癌のリスクの増加
免疫系の正常な監視機能の損失は、癌細胞の排除が不十分になることを意味するため、癌のリスクが高まります。
5. 血液異常
免疫系の一部である骨髄の障害が原因で、貧血、白血球減少、血小板減少などの血液異常が見られることがあります。
6. 特異的な症状
原発性免疫不全症候群は多岐にわたり、それぞれ特異的な症状を持つことがあります。
重症複合免疫不全症(SCID): 新生児期から感染症が重篤になり、未治療の場合、早期に命に関わることが多い。
慢性肉芽腫症: 皮膚、肺、消化管などに肉芽腫(結節)が形成されることが特徴です。
7. 心理的な影響
慢性的な健康問題により、本人とその家族に精神的ストレスがかかることがあるため、心理的な支援も重要となります。
原発性免疫不全症候群は病気の総称であるため、病気によって改善方法が違います。
症状が軽い場合、感染の予防として抗菌薬を使うことが効果的です。抗体が欠けていることによって起こる免疫不全症の場合、静注用ヒト免疫グロブリン製剤や皮下注用ヒト免疫グロブリン製剤を使って感染を防ぎます。
症状が重い場合は早い段階で造血幹細胞移植を行います。疾患によっては免疫抑制剤や副腎皮質ホルモンなどを使って改善を行うこともあります。
一般的な改善法
1. 感染管理
感染症が頻発するため、感染の予防と早期の改善が基本的な改善の一部です。抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬の適切な使用が必要です。
2. 免疫グロブリン補充法
免疫グロブリンの欠乏がある場合、定期的な免疫グロブリンの補充法が行われることがあります。これにより、感染症への抵抗力が向上します。
3. 骨髄移植
特定の原発性免疫不全症候群では、骨髄を健康なドナーの骨髄と置き換えることで免疫系の機能を回復することができます。
4. 健康的な生活習慣の促進
バランスの取れた食事、十分な休息、適切な運動などの健康的な生活習慣は、全体の健康を向上させ、感染への耐性を強化するのに役立ちます。
5. 精神的サポート
慢性的な健康問題に対処するための心理的サポートが求められることがあります。
特定の病気に対する改善法
1. 重症複合免疫不全症(SCID)の改善
新生児スクリーニングによる早期判断が重要で、生後数ヶ月以内に骨髄移植を行うと、多くの場合、免疫系の正常化が可能です。
2. 慢性肉芽腫症の改善
インターフェロン-γを使うことで、肉芽腫の形成を抑制し、感染の管理に役立ちます。
3. 共変性免疫不全症候群の改善
定期的な免疫グロブリンの補充により、感染症のリスクを減少させます。
免疫グロブリンの補充を行う目的
感染防御の強化: PIDsではしばしば感染症に対して脆弱で、免疫グロブリン補充は免疫系が感染を適切に戦う能力を高めるのに役立ちます。
免疫系の補完: 特定の免疫不全症候群では、体内で十分な免疫グロブリンが生成されない場合があります。この補充により、必要な免疫グロブリンを体内に供給することができます。
自己免疫の病気の管理: 一部のPIDsでは自己免疫の病気も併発することがあります。免疫グロブリン補充は、異常な自己免疫反応を抑制する効果がある場合があります。
免疫グロブリンの補充の効果
感染リスクの減少: 免疫グロブリン補充は、感染への抵抗を高めるため、感染症へのかかりやすさを減少させます。
感染の重症化の防止: 万が一感染が発生した場合でも、免疫グロブリンの補充によって感染の進行が抑制され、重症化を防ぐことが可能です。
生活の質の向上: 感染の頻度と重症度が減少することで、患者の日常生活の質が向上します。学校、仕事、趣味などの活動が容易になります。
病態の安定化: 継続的な免疫グロブリンの補充は、免疫系の全体的な安定化をもたらし、病態の波及や急激な変動を減少させることができます。
免疫グロブリンの補充は、原発性免疫不全症候群の改善において非常に重要な役割を果たします。免疫系が正常に機能しない場合、外部から免疫グロブリンを補充することで感染防御を強化し、生活の質を向上させ、全体的な健康状態を安定させることが可能です。
原発性免疫不全症候群で1番大事なことは、感染症に感染しないようにすることです。手洗いやうがいなどをきちんと行いましょう。
風邪や感染症に感染している人に会わないようにしたり、生肉や生魚、生卵を摂らないようにしたりすることも大事です。疾患によって日常生活を送る上で注意することが違うため、医師と相談しながら生活することが大事です。
冷えない性では、良かれと思ってやったことが適切ではないこともあります。長い時間の入浴や首から肩までを冷やしてしまうこと、首の詰まった洋服を着ることなどです。
長い時間の入浴は体が芯まで温まる前にのぼせてしまうことがあり、無理をするとお風呂から出た後めまいを起こす危険性もあります。
首から肩までを冷やすことは、自律神経の乱れや全身の冷えにつながってしまいます。首のつまった洋服ものぼせる感じやほてる感じのあったときに汗を逃がすことができないため逆に体を冷やしてしまうことになります。