公開日:2020年 12月23日
更新日:2025年 4月 8日
本日は反り腰について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
反り腰は腰が反った状態になることです。反り腰では、元々閉じているはずの骨盤が横に開いたままになるため、正しい場所に内臓が収まりません。
反り腰には、姿勢を保つするための主要姿勢筋が大きく関わっています。主要姿勢筋が衰えていたり、使い方が上手でなかったりすると、体を支えることができないため前に倒れる状態になってしまいます。
体が前に倒れた状態になると、倒れてしまわないようにバランスをとろうとして、結果、腰のあたりで反る姿勢になるのです。特に、骨盤の後ろとつながっている大腿二頭筋が弱いと骨盤は前に傾いてしまいます。
24個の背骨のS字カーブのうち、腰椎の前弯が強い状態になると腰が反った反り腰の状態になります。
自覚がなくても、反り腰になっている人も多いです。反り腰は腰に負担がかかりやすく、腰痛以外にも色々な症状を引き起こす原因となります。
反り腰の主な原因は、筋肉の衰え、柔軟性の低下、急な体重の増加、ヒールの高い靴の使用です。
反り腰が起こる原因は、腰の反りを強くする筋肉が過剰な働きをすることで、お腹の筋肉が弱くなってしまった場合も反り腰になります。
筋肉の柔軟性が低下して硬くなっても、骨盤は前に傾きやすくなり、反り腰につながります。急に体重が増えてお腹が出た体型になることも、立っている姿勢で重心が前に傾き、体も前に傾いてしまうため反り腰につながってしまいます。
女性の場合、ヒールの高い靴を履くことも、反り腰の原因のひとつです。ヒールを履くと、つま先や足の前の部分に体重がかかりやすくなります。前に倒れないように体の傾きを正そうとするため、腰が反ってしまいます。
・骨盤の前傾
骨盤が前に傾くと、自然と腰椎が反りやすくなります。これは多くの場合、筋肉のアンバランスが原因です。
・筋肉のアンバランス
筋バランスにより、骨盤が前傾し腰が反ってお腹が出て見えたりお尻が突き出る姿勢になります。
・長時間の座り姿勢、悪い姿勢の習慣
長時間座っていると腸腰筋が硬く縮みやすくなります。猫背や足を組む癖は骨盤の歪みや腰椎の過剰前弯を助長します。特にデスクワークやスマホ姿勢が長い人に多いです。
・体幹の不安定さ
横隔膜、腹横筋、骨盤底筋など体幹深部筋が弱いと、腰部を支える力が足りず、腰を反って安定を取ろうとする代償が起きます。
⑤ ヒール、前重心の歩行
ハイヒールを履くと、重心が前方にずれ、腰を反らせてバランスをとるクセがつきます。同様に、前重心の歩き方でも腰を過剰に使うようになります。
・女性の骨格的特性、妊娠出産後の変化
女性は男性より骨盤が広く、前傾しやすい傾向にあります。妊娠・出産によって骨盤が開き、反り腰が定着しやすくなります。
・無意識の姿勢のクセ
姿勢をよくしようと胸を張りすぎたり、モデル立ちやお尻突き出しポーズなども反り腰の要因になります。
・腰痛、慢性疲労感
腰椎が反ることで腰椎の椎間関節に圧力が集中し脊柱起立筋が常に緊張状態になります。その結果疲労が取れず、だるさや重さに繋がります。
・ぽっこりお腹、下腹の出っ張り
骨盤が前に倒れることで腹筋がゆるみ、下腹部が前に突き出ます。インナーマッスルが弱くなり、内臓が下垂しやすいです。
・反張膝、脚の疲れやすさ
重心が前に偏ることで、膝が反るようになり、太もも前面やふくらはぎに負担が集中 し、脚が疲れやすくなります。
・肩こり、首こり
骨盤が前傾すると、バランスを取るために上半身が後ろに傾きます。結果として、肩が上がり、首が前に突き出た姿勢になります。猫背と同様、僧帽筋や肩甲挙筋が慢性的に緊張し肩こりや頭痛につながります。
・O脚、X脚の助長
骨盤の傾きによって股関節のねじれ・膝の角度にも影響します。結果としてO脚・X脚を悪化させる要因になることもあります。
・歩き方や立ち方が不自然に
お尻が突き出て、腰を反って立つような姿勢になり、足音がうるさかったり太ももに負担がかかったりします。
・睡眠の質の低下、自律神経の乱れ
腰部の緊張が抜けず、仰向けで寝ると腰が浮いて寝づらくなり、寝返りが減って筋肉が固まりやすくなります。すると睡眠の質の低下に繋がります。睡眠の質の低下は自律神経の乱れにも関係します。
反り腰を改善するためには、反り腰になっている原因を考えることが大事です。反り腰は原因となっていることによって改善する方法が違います。自分の体や生活習慣をよく振り返って原因を考えると良いでしょう。
反り腰を改善するために一番大切なことは、正しく筋肉を動かす方法を身につけることです。ストレッチや筋トレで正しく筋肉を動かすことができるようにしましょう。
反り腰を改善する方法は、衰えている筋肉を鍛えて凝り固まっている筋肉を伸ばすことが大事です。長い間反り腰の場合、お腹やお尻、太ももの裏の筋肉が弱くなり、股関節の前面や太ももの前にある筋肉、背筋は固まってしまいます。
自分の状態に合った適切な処置をすることで、筋肉のアンバランスな状態を改善することができ正しい姿勢をとることができるのです。
筋トレでお勧めの方法は、壁際でのスクワットです。前に壁があることによって膝がつま先より前に出ることがなく、正しい姿勢で屈伸することができます。腹筋や内側の筋肉を鍛えるために、意識的にお腹をへこませることを心がけて行うと良いでしょう。
ストレッチでお勧めの方法は、体育座りをして手で足の裏をつかんで行うストレッチです。このストレッチの目的は凝りのリセットのため、夜寝る前に行うと効果的です。
【腸腰筋ストレッチ】
①片膝を床につけ、もう片方の足を前に出してランジの姿勢にします。
②背筋を伸ばしたまま、骨盤ごと前にスライドします。
③後ろ足の股関節の前側が伸びていればOKです!
これを30秒×左右1〜2セット行います。腰を反らないように、おへそを軽く引き込む意識で行いましょう。
【大腿四頭筋ストレッチ】
①横向きに寝て、下の脚を伸ばします。
②上の脚の足首を持って、お尻に近づけるように膝を曲げます。
③太ももの前が伸びていればOKです。
30秒×左右1〜2セット行います。膝が開きすぎないように注意しましょう。
【脊柱起立筋リリースストレッチ】
①仰向けで寝て、両膝を立てます。
②両膝を胸に引き寄せ、背中を丸めます。
③さらに軽く左右にゆらゆら揺れるとリラックス効果が増します。
30秒〜1分キープしましょう。腰が伸びて床に沈む感覚を感じたらOKです。
自分で簡単にできる反り腰をチェックする方法に、仰向けで寝た状態で行う方法と、壁や柱に沿って立って行う方法の2つがあります。どちらも腰との隙間を確認するチェック方法です。
仰向けで寝た状態で行う方法は、ベッドと腰の隙間に手のひらを入れて、ベッドと腰の隙間に片手がすっぽり入りさらに余裕がある場合、反り腰の可能性が高いという判断になります。
壁や柱に沿って立って行う方法は、壁や柱にかかと、お尻、背中の3点がつくように真っ直ぐ立ち、壁と腰の隙間に手を入れて、壁と腰の隙間に片手がすっぽり入りさらに余裕がある場合、反り腰の可能性が高いという判断になります。
非常に簡易的な方法ですが、自宅で簡単に試すことができます。不安なことがある場合は専門家のもとに相談に行くことをお勧めします。
✅ 壁に背をつけて立つと、腰の後ろに手のひらがすっぽり入る
✅ 長時間立っていると腰が疲れやすい・痛くなる
✅ お腹が出て見える/お尻が突き出て見える
✅ ヒールの靴をよく履く/前重心になりやすい
✅ 無意識に腰を反らせて立っていることが多い
✅ 骨盤が前傾していて、股関節の前側が硬い・つっぱる
✅ 太もも前が張りやすく、太もも裏(ハムストリング)は弱い・硬い
✅ 寝るとき、仰向けだと腰が浮いて違和感がある
✅ 足音がドタドタしがちで、歩き方が硬いと感じる
✅ 猫背や巻き肩もある(上半身の代償姿勢)
3つ以上当てはまる → 反り腰の可能性が高いです
5つ以上当てはまる → 骨盤や姿勢の見直し・ケアが必要です。
・築賓
・腎兪
・照海
・中封
・崑崙
築賓には、下半身全体の血流を良くする効果があります。そのため、手足の冷えや浮腫に効果的です。腰や股関節の痛みにも効果を発揮するため、反り腰の改善にもつながります。
さらに体が疲れているときや乗り物酔いをした時にも有効です。
腎兪は、位置が腎臓に近く、腎の問題に効果的であることから名付けられたと考えられているツボです。
腰や下肢のだるさに効果的で、女性の場合は月経不順にも有効です。他にも、めまいや耳鳴りなどにも効果を発揮します。
肩外兪は、肩中兪と比べて肩甲骨の外にあるツボです。
不良姿勢によって肩こりが起こっている時には、肩甲挙筋に過剰な負担がかかっている状態になっています。そのとき、肩外兪を押すと改善が期待できるのです。
築賓は、ふくらはぎの内側にあるつぼです。内くるぶしから指5本分ほど上に上がったところにあります。
押すときは、指でゆっくり押します。アキレス腱あたりから築賓まで、ひざをつかって下から上にかかとでこするように押す方法で刺激をすることも効果的です。
照海は内くるぶしの骨の下から、親指一本分下がったところの骨がへこんでいる部分にあります。
押すときは、痛気持ち良い程度の力で押します。10秒程押した後5秒空け、もう1度10秒押すという動作を繰り返し、5回程押すと良いでしょう。