公開日:2023年 2月 9日
更新日:2023年 2月11日
本日は鼠径部痛症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
鼠径部痛症候群の原因は、鼠径部に大きな負担がかかり繰り返し物理的なストレスがかかることで炎症が起きることです。鼠蹊部は骨盤と下肢をつないでいるため、ボールを蹴る動作などによって大きな負担がかかるのです。
そのため、サッカーやラグビー、アメリカンフットボールなどのボールを蹴る競技で発症が多く見られます。ストレスがかかる原因は、股関節の可動域制限や筋力の低下によって股関節の動きにも異常が起きるためであると考えられています。
特に、過剰に股関節内転筋と腹直筋を使ってしまうと、痛みが起きることが多いと言われています。
鼠径部痛症候群は、鼠径部に生じる痛みを指し、様々な原因によって発生することがあります。以下に、鼠径部痛症候群の主な原因を挙げます。
筋肉や腱の損傷:鼠径部の筋肉や腱が過度の使用、ストレッチ、または急激な動きによって損傷を受けることがあります。
関節の問題:股関節の変形性関節症、関節唇の損傷など股関節の病気や損傷が鼠径部の痛みを引き起こすことがあります。
ヘルニア:鼠径ヘルニアやスポーツヘルニアは、鼠径部の痛みの一般的な原因です。
神経の圧迫:鼠径部の神経が圧迫されることで痛みやしびれが生じることがあります。
骨盤底の問題:骨盤底の筋肉の問題や機能障害が鼠径部痛を引き起こすことがあります。
炎症性の病気:関節リウマチや腱の炎症など、炎症性の疾患が鼠径部痛の原因になることがあります。
運動によるオーバーユース:特定のスポーツや運動による反復的なストレスが、鼠径部の筋肉や腱に過度の負担をかけ、痛みを引き起こすことがあります。
鼠径部痛症候群の症状は、痛みです。痛みは、ボールを蹴る動作によって骨盤と下肢をつなぐ鼠径部に負担が大きくかかることで、繰り返しストレスがかかるため、炎症が起こることによって発生します。
痛みがあるにもかかわらず、無理矢理運動を続けると、症状が慢性化することもあります。症状が慢性化すると、痛みと機能障害の悪循環に陥ってしまう可能性があるため注意が必要です。
鼠径部痛症候群は、鼠径部に生じる痛みを中心とした症状群です。この症候群の症状は原因によって異なりますが、一般的に以下のような症状が現れることがあります。
鼠径部の痛み:鼠径部に痛みや不快感が生じます。痛みは鋭いものから鈍いものまで様々です。
歩行や運動時の痛み:歩行、走行、特定の運動を行う際に痛みが悪化することがあります。
活動後の痛み:運動や活動の後に痛みが増すことがあります。
座ったり立ち上がったりする際の痛み:鼠径部への圧迫や伸展により、座ったり立ち上がったりする際に痛みが生じることがあります。
触った時の痛み:触ったときに圧痛を感じることがあります。
放散痛:痛みが下腹部や太もも、膝などに放散することがあります。
筋力の低下や筋肉の萎縮:痛みや運動制限により、関連する筋肉の筋力が低下したり、筋肉が萎縮したりすることがあります。
鼠径部痛症候群の改善方法は、まず1~2週間安静にし、炎症を抑えることが大事です。その後、アイシングを行ったり薬を使ったりして痛みをコントロールできるようにします。
痛みをカントロールできるようになったら、運動に復帰した後に再発しないことやパフォーマンスの改善を目的に運動も行います。
手術を行うこともありますが、手術で改善を行うことは珍しいです。
鼠径部痛症候群の改善法は、症状の原因や重さに応じて異なりますが、一般的には以下のようなオプションがあります。
物理的な方法:専門家による指導のもと、鼠径部の筋肉を強化し、柔軟性を向上させるためのエクササイズが行われます。筋肉のバランスを改善し、痛みを軽減することが目的です。
運動:痛みを引き起こす特定の活動を避け、運動の修正や調整を行います。適切な運動プログラムにより、鼠径部の筋肉を適切に使うことが重要です。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):痛みや炎症を和らげるために、イブプロフェンやナプロキセンなどのNSAIDsが使用されることがあります。
局所的な改善:鼠径部に痛みを局所的に和らげるために、冷却療法や温熱療法が用いられることがあります。
注射:痛みが強い場合や特定の症状に対して、ステロイド注射や麻酔薬の注射が行われることがあります。
手術:非外科的方法で改善が見られない場合や、ヘルニアなど特定の構造的な問題が原因の場合には、手術が検討されます。
活動の制限:症状が悪化するような活動を制限し、回復を促進します。
鼠径部痛症候群の改善には、個別の状況に応じたアプローチが必要です。
鼠径部痛症候群の改善に使用される薬は、主に症状の緩和と炎症の軽減を目的としています。以下に、鼠径部痛症候群の改善で使用される薬の種類とその効果について説明します。
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
効果: 痛みと炎症を和らげます。
例: イブプロフェン、ナプロキセンなど。
注意点: 長期使用は胃腸障害や腎機能障害などの副作用を引き起こす可能性があるため、用法用量を守ることが重要です。
・鎮痛剤
効果: 軽度から中等度の痛みを和らげます。
例: アセトアミノフェン(パラセタモール)など。
注意点: アセトアミノフェンは肝臓に影響を与える可能性があるため、過剰摂取に注意が必要です。
・筋弛緩剤
効果: 筋肉の緊張を和らげることがあります。
注意点: 筋弛緩剤は眠気やめまいなどの副作用を引き起こす可能性があるため、使用時は慎重に。
痛みが起きるのは、過剰なストレスが鼠径部にかかることが原因です。しかし、そもそも骨盤や股関節や体全体の使い方に問題があると、鼠径部へのストレスが強くなっている可能性が考えられます。
その原因には、股関節の周りの筋の硬さや筋力の低下、体幹の不安定性などが考えられます。
そのような問題点を改善するためには、股関節の周り筋のストレッチや筋力トレーニングを行うことも大事です。
トレーニングを行うことで立位でのバランスや体の使い方の指導をし、痛みがなくなったらできるだけ早く運動ができるような状態を目指します。
・衝門
・髀関
・陽陵泉
衝門の衝は衝くことを意味しており、衝門の門は経絡がお腹に入っていく門を意味しています。衝門は、動脈の拍動を触れるところでもあります。
衝門は、足の冷えやのぼせ足のむくみ、排尿困難などに効果的なツボです。鼠径部の近くにあるため、鼠径部痛症候群にも役立つと考えられます。
髀関は、太ももの前に位置し、歩いたり股関節を曲げたりする時の太ももの痛みを和らげる効果があります。
他にも、下肢の麻痺や委縮、腰痛、股関節痛などに効果があるため、鼠径部痛症候群にも有効であると考えられます。
陽陵泉は、足の痛みや疲れなどに効果的なツボです。足の筋肉が引きつっている時や腰の痛みがある時にも有効です。
陽陵泉を日常的に刺激することがおすすめの人は、座骨神経痛のある人やスポーツで足をたくさん使っている人です。
衝門の場所は、左右の鼠径部、鼠径溝、大腿動脈拍動部の外方です。触った時に拍動を感じるため見つけやすいと言われています。
わかりにくい場合は、太腿を曲げ、太腿の付け根にできる線の中央辺りで動脈の拍動が触れるところを探した外側です。
押すときは、太腿が温かくなるまで衝門をこすることがおすすめです。
髀関の場所は、太もものつけ根のシワのいちばん端から、指幅3本分斜め下に下がった場所です。
押すときは、親指を使って押します。椅子に座って太ももをつかみ、2秒~3秒かけて押します。椅子がない場所の場合は、正座をしても良いです。
陽陵泉は、足のくるぶし側にあるツボで、膝の真横を少し下がったところに、ある腓骨小頭の前の下にあります。
スポーツなどをして足が疲れているときや足がつるときに押すことをお勧めします。お灸もおすすめのツボです。
11時から21時
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