薬害性難聴の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  5月23日

更新日:2023年 11月10日

本日は薬害性難聴について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 薬害性難聴とは
  • 薬害性難聴の原因
  • 薬害性難聴の症状
  • 薬害性難聴の改善方法
  • 薬害性難聴のまとめ

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

薬害性難聴は、薬剤が原因で引き起こされる聴覚障害

薬害性難聴は、薬剤が原因で引き起こされる聴覚障害のことです。抗生物質などの病院でもらう薬も原因になります。

 

難聴は、日常生活であまり聞くことのない高音の領域から始まりまることもあります。そのため、気がつかない間に薬害性難聴が進んでいることもあります。

 

難聴は、内耳に起きる障害です。そのため、耳鳴りや耳の閉塞感などの症状はもちろん、同時に平衡障害によるめまいや浮動感などの症状が現れることも多いです。

薬害性難聴の原因は薬

薬害性難聴の原因は薬です。主に、抗菌剤であるアミノグリコシド系やグリコペプチド系などが原因になる可能性のある薬剤とされています。

 

心不全などに対して使われることのあるループ利尿薬、抗がん剤の白金製剤、解熱鎮痛剤として使われることのあるアスピリンなどのサリチル酸製剤も薬害性難聴の原因となる可能性がある薬剤です。

 

アミノグリコシド系の抗菌薬や白金製剤が原因の場合、改善することが難しい難聴が起こることが多いです。マクロライド系の抗菌薬やループ利尿薬、サリチル酸製剤が原因の場合は、一時的な難聴がほとんどです。

薬害性難聴は、特定の薬剤の使用によって引き起こされる聴覚障害です。これは、耳毒性と呼ばれる、薬剤による耳の機能への損傷によって生じます。主な原因となる薬剤には以下のものがあります。

 

1. アミノグリコシド系抗生物質

例: ゲンタマイシン、ストレプトマイシン、ネオマイシンなど。

これらは強力な抗生物質で、特に結核や重度のバクテリア感染症の改善に用いられますが、耳毒性が強いため、聴力損失を引き起こすリスクがあります。

 

2. 白金系抗がん剤

例: シスプラチン、カルボプラチンなど。

白金系抗がん剤は広範囲のがんの改善に用いられますが、耳毒性が知られています。

 

3. ループ利尿薬

例: フロセミド(ラシックス)。

これらの利尿薬は、急性腎不全や心不全の改善に用いられることがありますが、高用量では耳毒性を示すことがあります。

 

4. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

例: アスピリン、イブプロフェンなど。

これらは通常は耳毒性が低いですが、大量または長期間の使用により耳鳴りや一時的な聴力低下を引き起こすことがあります。

 

5. マラリア改善薬

例: キニーネ。

キニーネはマラリアの改善に用いられますが、耳毒性があり、特に高用量で使用された場合に聴力損失を引き起こす可能性があります。

 

耳毒性を持つ薬剤の使用には、特に注意が必要です。聴力損失は一時的なものから恒久的なものまであります。耳鳴りや聴力の変化が感じられた場合は、速やかに医師に相談することが重要です。

 

薬剤による聴力損失のリスクは、用量、投与期間、健康状態や既往歴によって異なります。

薬害性難聴の主な症状は、耳鳴りや耳の閉塞感

薬害性難聴の主な症状は、耳鳴りや耳の閉塞感などです。

 

中でも、アミノグリコシド系の抗菌剤や白金製剤を使った時に起きる難聴では、日常生活であまり使わない高音の領域の音が中心に聞こえにくくなります。そのため、その場合は難聴よりも耳鳴りや耳の閉塞感を先に感じることが多いです

 

ループ利尿剤やサリチル酸製剤を使った時に起きる難聴では、低音の領域の音から高音の領域の音まで全般的に難聴が起きます。

 

難聴や耳鳴りなどの耳の症状に合わせて、めまいや浮動感などの平衡障害の症状が現れることもあります。

薬害性難聴、すなわち特定の薬剤によって引き起こされる聴覚障害は、以下のような主な症状を伴います。

 

聴力低下: これは薬害性難聴の最も一般的な症状で、片耳または両耳で聴力が低下します。この症状は徐々に進行することも、突然発生することもあります。

 

耳鳴り(ティニタス): 耳鳴りは、耳なりの形で聴覚障害が始まることがあります。これは、キーンという音、サイレンのような音、または他の連続的な音として現れることがあります。

 

平衡感覚の問題: 薬害性難聴は時に平衡感覚にも影響を及ぼし、めまいやバランスの問題を引き起こすことがあります。

 

音の歪みや感度の変化: 特定の周波数の音が聞こえにくくなったり、普通の音が非常に大きく聞こえたりすることがあります。

 

これらの症状は、影響を受けた耳の数、薬剤の種類、使用量、使用期間によって異なる場合があります。薬害性難聴の症状が現れた場合は、薬の使用を中止し、医師の判断を受けることが重要です。

一般的に薬害性難聴の改善方法は、薬剤の使用の中止

一般的に薬害性難聴を改善するためには、薬剤の使用を中止することが必要です。

 

しかし、アミノグリコシド系抗菌剤や白金製剤が原因で薬害性難聴が起こった場合は薬剤を中止しても改善することは難しいです。そのため、早期発見することが大切です。

 

薬害性難聴を予防することも非常に大切です。家族などに薬害性難聴者が起こった人がいる場合は、薬を使う前に遺伝子を調べておくことで予防につながります。

 

さらに心配な場合は薬を使う前に耳鼻咽喉科に行き、聴力を調べ、薬を使ってからも定期的に調べに行くことで自分で聴力を管理しておくことをお勧めします。

薬害性難聴の改善方法は、主に原因となる薬剤の使用を中止し、損傷を最小限に抑えることに焦点を当てます。この状態の改善法は限られており、多くの場合、聴力損失は不可逆的です。一般的な改善法には以下のようなものがあります。

 

1. 原因薬剤の中止

薬害性難聴が疑われる場合、最も重要なステップは、原因となる薬剤の使用を直ちに中止することです。

 

2. 代替薬剤の検討

薬剤が重要な改善に必要な場合は、耳毒性のない代替薬剤への変更を検討します。

 

3. 聴力の評価とモニタリング

定期的な聴力の調べを通じて、聴力損失の程度を評価し、進行をモニタリングします。

 

4. 聴覚補助装置の利用

聴力損失が重度の場合は、補聴器などの聴覚補助装置の使用を検討します。

 

5. コミュニケーションのサポート

専門家によるコミュニケーションのサポートやリハビリテーションが提供されることがあります。

 

6. サポートとカウンセリング

聴覚障害に対応するためのサポートや心理的カウンセリングを提供し、生活の質を改善します。

 

薬害性難聴の多くは不可逆的であり、聴力が回復することは稀です。したがって、予防が重要です。耳毒性が疑われる薬剤を使用する際には、事前にリスクを評価し、必要に応じて定期的な聴力の調べを行うことが重要です。薬剤の耳毒性に関して疑問や懸念がある場合は、必ず医師に相談してください。

薬害性難聴の場合、聴力の損失が重度になると、聴覚補助装置の使用が必要になることがあります。これらの装置は、聴力を補うことでコミュニケーションの改善を目指します。以下に、一般的に使用される聴覚補助装置について説明します。

 

1. 補聴器

補聴器は、外耳道に装着し、周囲の音を増幅する装置で、軽度から重度の聴力損失に対応する様々なタイプがあります。補聴器には、耳掛け型、耳穴型、耳道型など多様な形状があり、患者の聴力レベル、耳の形、個人的な好みに応じて選択されます。デジタル補聴器は、特定の周波数を増幅するなど、カスタマイズが可能です。

 

2. 骨伝導補聴器

骨伝導補聴器は、音を骨を通じて内耳に直接伝えることで聴覚を補助します。伝導性難聴や混合性難聴のある人、または通常の補聴器を使うことができない人に適しています。

 

3. コクリアインプラント

コクリアインプラントは、重度の感音難聴に対する手術による方法です。内耳に電極を直接埋め込み、音を電気信号に変換して聴神経に直接刺激を与えます。聴覚が大幅に低下した人にとって、効果的な聴覚回復手段の一つです。

 

4. その他の補助装置

FMシステムや赤外線システムなど、特定の状況(例:教室や会議室)で使用される特別な聴覚補助装置もあります。電話、テレビ、警報システム用の補助装置も存在します。

 

聴覚補助装置の選択は、個々の聴力レベル、ライフスタイル、予算などによって異なります。聴覚補助装置の適切な利用には、専門家による適切なフィッティングと定期的な調整が必要です。これらの装置の使用には、適応期間が必要であり、効果的な使用には練習と時間が必要です。

 

薬害性難聴に対して聴覚補助装置を選択する際は、専門家と綿密に相談し、個々のニーズに最適なソリューションを見つけることが重要です。

聴力低下に気がつくきっかけ

薬害性難聴は難聴に自分で気がつくまでに時間がかかることもあります。その場合、気がつかない間に難聴が進んでしまっていたということになってしまう可能性もあります。

 

周りに、聞き返すことが多くなった、テレビを見ている時の音を急に大きくする、声をかけても気がつかなくなった、などの状態が見られる人がいた場合、その人は聴力が低下しているかもしれません。

 

気がついた場合は、病院に行くことを勧めてみても良いでしょう。

薬害性難聴に効果的なツボ

聴宮

・完骨

・聴会

聴宮

聴宮は、聴覚の要所という意味を持つツボであることがツボの名前の由来であると言われています。耳鳴りや難聴など、主に耳に現れる症状を改善するときに使われるツボです。

 

そのため、薬害性難聴に対しても改善の効果が期待できます。他にも、頭痛や歯の痛みにも効果的であるとされています。

完骨

完骨は、内臓への血流を促し、副交感神経を整える効果があります。内臓だけでなく、顔の周りの血流も促してくれるため、吹き出物などに対しても効果を発揮します。

 

耳の近くにあることから、耳の症状にも効果を発揮するといわれており、耳鳴りや難聴、めまいの改善に使われることもあります。そのため、薬害性難聴にも効果が期待できるのです。

聴会

聴会は、難聴や耳鳴りなど聴覚に関する症状に対して効果を発揮するツボです。そのため、薬害性難聴で聞こえが悪い時に刺激をすることで改善の効果が期待できるのです。

 

聴会は、他にも腰痛や膝の痛みにも効果を発揮すると言われています。

聴宮

聴宮は、耳の前に三角形の突起物がある前の口を開けるとくぼむ場所にあります。耳門というツボの指1本分下に下がったところが聴宮なのです。

 

耳鳴りや耳詰まりなど耳の不調を感じたとき、中指の腹を使って押しましょう。

完骨

完骨は両耳の後ろにある出っ張った骨の下の端の後ろ側のくぼんでいる場所にあります。

 

押すときは、親指でゆっくり上に押し上げるようなイメージで押しましょう。 完骨は幸せホルモンであるセロトニンの分泌を安定させる効果もあるため、リラックスしたい時にもお勧めです。

聴会

聴会は、耳珠の下のすぐ前で、下顎骨の後縁にあります。聴宮の少し下にあるツボなのです。

 

聴会だけを押すのではなく、聴宮と一緒に押すことでより効果が期待できます。聴会を人差し指を使って、聴宮を中指を使って一緒に押しましょう。

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