上下斜視の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 8月11日

更新日:2023年 9月18日

本日は上下斜視について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 上下斜視とは
  • 上下斜視の原因
  • 上下斜視の症状
  • 上下斜視の改善方法
  • 上下斜視のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

上下斜視は、左右どちらかの眼の視線が上下にずれた状態

上下斜視は、右と左のどちらかの眼の視線が上下にずれた状態のことです。回旋斜視や水平斜視と合わせて起こることが多く、原因は眼球を動かす筋肉や脳の神経や眼球周辺の骨の異常、視力や両眼視機能の異常です。

 

上下斜視が小児に発症した場合、両眼の視機能の発達の妨害になったり、頭位異常が起こったりすることもあります。

 

小児で上下斜視を発症すると、多くの場合は学童期から成人に複視に移行します。

上下斜視の原因となる代表的な疾患の1つは下斜筋過動

上下斜視の原因は、様々です。眼球を動かしている上下直筋や斜筋などの筋肉が過剰に働いていることや眼球を動かしている上下直筋や斜筋などの筋肉の不全や麻痺、形態の異常、機械的な制限などが上下斜視の原因となり得ます。

 

上下斜視の原因となる代表的な疾患の1つに下斜筋過動があります。下斜筋過動は、生まれつき下斜筋の力が上斜筋よりも強いことが原因で眼球が上を向いてしまう疾患です。

 

上斜筋麻痺によって、目を下や内側に向けさせる筋肉が麻痺していることも、上下斜視の中でも非常に多い原因です。

上下斜視は、眼球が正常な位置から上方または下方に偏向してしまう状態を指します。この斜視の形態は、一方の眼だけが異常を示す一過性のものから、両眼が常時異なる方向を向いている状態まで様々です。

 

上下斜視の原因は多岐にわたりますが、大きく分けて以下のように分類できます。

 

・先天的原因

筋肉の異常: 眼球を動かす筋肉の一部が欠如している、または正常に機能しない場合、斜視が生じる可能性があります。

眼の器質的な異常: 眼の疾患や構造的な異常、眼球の大きさの不均衡などが原因で斜視が生じることがあります。

 

後天的原因

視力の不均衡: 両眼の視力に大きな差があると、視力の低い眼を使用しなくなる弱視となり、それに伴って斜視が生じることがあります。

神経筋の問題: 眼球の動きを制御する神経や筋肉の障害が後天的に生じることで、斜視が引き起こされる場合があります。これは、頭部の外傷や神経系の病気などにより発生します。

一般的な健康問題: 体全体の健康状態や代謝の問題、例えば甲状腺機能亢進症なども、眼の筋肉や神経に影響を及ぼし、斜視の原因となることがあります。

 

認知、感覚的原因

双眼協調の障害: 両眼での視覚情報の統合がうまくいかない場合、斜視が生じることが考えられます。

 

上下斜視の原因は多岐にわたり、先天的な要因から後天的な要因、さらには神経筋の問題や一般的な健康状態に関連する要因まで幅広く考えられます。

上下斜視の症状は、左右の眼の視線が合わないこと

上下斜視の症状は、左右の眼の視線が合わないことです。左右どちらかの眼の視線が目標物の方向ではない方向を向いてしまいます。

 

片方の黒目の位置が上下に向いており、両眼で見ることができず眼の疲れを感じる人も多いです。さらに、複視や弱視などが合わせて起こることもあります。

上下斜視は、眼球の一方または両方が正常な位置から上または下に偏向する状態を指します。このような目の位置の異常により、多様な症状が現れることがあります。以下に上下斜視の主な症状とそれに伴う体験について説明します。

 

視覚的な症状

二重像(双像): 最も一般的な症状の一つは、二重の像を見ることです。斜視の角度や程度により、二重像の感じ方が異なることがあります。重度の斜視の場合、二重像は常時発生することがあります。

視野の制限: 上下斜視の場合、特に眼球が上方に偏向する場合、天井や上方のものを見るのが困難になることがあります。反対に、眼球が下方に偏向する場合は、足元や下方の物体を見るのが困難になることが考えられます。

 

・物理的な症状

眼の位置のずれ: 一目でわかる症状として、眼の位置のずれが挙げられます。これは、他人からも容易に認識されることが多いため、自己意識の問題ともなることがあります。

頭の傾き: 上下斜視では、頭を前後に傾けることで視界を調整しようとすることがあります。これは、二重像を軽減するための無意識の動作として現れることが多いです。

 

・心理的な症状

自己意識の亢進: 眼の位置のずれや頭の傾きなどの物理的な症状が、日常生活の中で他者から注目されることにより、過度に自己意識を持つことがあります。

社交的な制限: 上記の自己意識の亢進により、人前に出るのが恥ずかしいと感じたり、社交的な活動を控えることが考えられます。

 

・生活への影響

読書や作業の困難: 二重像や視野の制限により、読書や細かい作業が困難になることがあります。

運転への影響: 斜視の度合いによっては、車の運転が困難になることがあります。

 

上下斜視は、単に眼の位置のずれという物理的な症状だけでなく、日常生活の中での視覚的な制限や心理的な影響をもたらすことがあります。

上下斜視の改善法は、眼鏡やコンタクトレンズ、点眼や手術

上下斜視を改善する方法は、眼鏡やコンタクトレンズ、点眼や手術です。

 

症状が軽い場合、視力の低下を改善するために眼鏡やコンタクトレンズを使って改善を行うことが多いです。他にも点眼薬を使い、視力が下がらないように取り組むこともあります。

 

症状が重い場合は、手術を行うことが多いです。手術は、視線の位置を調整することを目的に行われます。手術をすることによって、斜視の再発を防ぐことができ、完全な回復が期待できます。

上下斜視は、眼球の一方または両方が正常な位置から上または下に偏向する状態を指します。このような眼の位置の異常を正常に戻すための改善を行うことが必要です。上下斜視の改善方法は、その原因や程度、発症してからの経過期間などにより異なりますが、以下に主な改善方法を説明します。

 

眼鏡

一部の上下斜視は、遠視、近視、乱視などの屈折異常が原因で起こることがあります。この場合、適切な眼鏡を処方することで斜視を矯正できる場合があります。

プリズムレンズの利用: 斜視の角度が軽度である場合、プリズムレンズを用いて目の偏向を矯正することができる場合があります。

 

視覚トレーニング

視覚トレーニングは、目の筋肉を鍛えるエクササイズを指導するものです。このトレーニングを継続的に行うことで、斜視の程度を軽減させることが期待されます。しかし、すべての斜視の場合に効果的であるわけではなく、主に軽度の斜視や特定のタイプの斜視において有効とされています。

 

・筋肉手術

重度の斜視や、眼鏡や視覚トレーニングだけでは十分な改善が見られない場合、眼の筋肉を手術的に調整する方法が選択されることがあります。手術は、斜視を引き起こしている筋肉を弱める、または強めることで眼の位置を調整します。この手術は、斜視の原因や程度によって異なる手技が適用されます。

 

ボツリヌス毒素注射

一部の斜視に対して、ボツリヌス毒素を使用した改善が行われることがあります。この方法は、筋肉を一時的に弱めることで斜視を矯正します。効果は一時的で、数ヶ月後には筋肉の活動が元に戻りますが、何度も注射を繰り返すことで持続的な効果を得ることが期待されます。

 

経過観察

一部の斜視は、時間とともに自然に改善することが知られています。このような場合、特別な改善を行わずに経過を観察することが選択されることがあります。

 

上下斜視の改善方法は多岐にわたります。適切な改善を選択するためには、斜視の原因や程度、年齢や健康状態などの多くの要因を考慮する必要があります。

上下斜視の視覚トレーニングは、目の筋肉のバランスを改善し、双眼視を向上させることを目的としています。以下に、上下斜視の改善の一環としての視覚トレーニングの具体的な方法をいくつか紹介します。

 

ペンシルプッシュ

直立した姿勢で座り、ペンを垂直に持ちます。

このペンを目の前に持ち、徐々に顔に近づけていきます。

ペンの先端に焦点を合わせることを続け、ダブルビジョン(二重視)が始まるまでペンを近づけ続けます。

ダブルビジョンが始まったら、ペンを少し離して再度焦点を合わせます。

この動作を繰り返します。

 

双眼視のトレーニング

特製の3Dカードやステレオグラムなどを使用して、双眼での深みの感じ方を鍛えます。

これにより、両目を同時に使用する習慣を養成し、双眼の協調性を高めることを目指します。

 

ビームストリング

ビームストリングには、紐に小さなビーズを通したものを使用します。

紐の一方の端を鼻の近くに持ち、もう一方の端を遠くに固定します。

ビーズを目の前で動かしながら、それに焦点を合わせる練習を行います。

 

ブロックトレーニング

2つのブロック(立方体や長方形のもの)を使用します。

一つのブロックを片手に持ち、もう一つのブロックをもう片手で操作します。

2つのブロックを合わせたり離したりする動作を、目で追いかけながら行います。

 

反射鏡トレーニング

反射鏡を使用して、目の動きと鏡の反射を合わせる練習をします。

これにより、目の筋肉の協調性を向上させることを目指します。

 

視覚トレーニングは、日常的に継続的に行うことが効果的です。しかし、これらのトレーニングは単独で斜視が完全に改善するわけではなく、眼鏡矯正や筋肉手術と併用されることが多いです。斜視の程度や原因により、適切なトレーニング方法や頻度が異なるため、専門家の指導の下で行うことが推奨されます。

先天性の上下斜視の中で最も多い原因は、上斜筋麻痺

先天性の上下斜視の中で最も多い原因は、上斜筋麻痺であると言われています。この場合、子供の時は症状が軽く成長して大人になると複視の症状が現れることもあります。

 

上斜筋麻痺は、常に首を傾けているため肩こりが起こったり骨の発達に問題が起こったりすることもあります。座る動作ができるようになり始めた時、常に首を同じ方向に傾けている場合は上斜筋麻痺である可能性が非常に高いです。

 

何か気になる行動が見られたときは、早めに眼科に相談に行くことをお勧めします。

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