公開日:2021年 5月23日
更新日:2021年 6月 9日
本日は薬物依存症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
薬物依存症は、精神疾患の1つで、薬物を繰り返し使ったことによって体と心に何かの変化が起きた状態のことです。依存性のある薬物を何度も使い続けていると、やめたくてもやめられない状態になります。これが薬物依存症です。
薬物が体の中に存在することが薬物依存症の問題ではなく、薬物によって心身に変化が起きていることが薬物依存症の問題なのです。
薬物依存症は薬物をやめていても、薬物を使っていた場所や薬物仲間、薬物を使っていたときに必要であったものなどに出会った時、薬物への欲求を感じてしまうことがあります。
自覚した欲求がなくても、薬物を使っていた時に感じていた心拍数の上昇や発汗、落ち着きのなさなどの症状が出ることもあります。このように薬物を使ったことによって体も心も変わってしまった状態が薬物依存症なのです。
大麻や麻薬、シンナーなどの依存性のある薬物は何度も繰り返し使っていると、ほどほどにできなくなりやめたいと思ってもやめられない状態になってしまいます。
これは、意志が弱いことや性格に問題があることで起こることではありません。依存性のある薬物を使うと、誰にでも起こる可能性があります。
薬物依存症になってしまうと、薬物を使う量や薬物を使う頻度が少しずつ増えていきます。すると、体や心に非常に悪い影響を与えてしまうのです。人間関係も壊れ、自分も家族も生活していく上で良いことはありません。
薬物依存症は、脳の神経伝達物質として報酬系などに働く薬物に依存してしまうことで起こります。
薬物依存症は、法律で禁止されている薬物への依存はもちろん、医学ではそうでない薬物も含めてあらゆる薬物へ依存することを言います。
薬物依存症では、初めて使った時の気持ちよさを忘れられなくなり、また使ってしまうようになります。また高揚感を感じたいという思いや気分の落ち込みやイライラ、不安をなくしたいという思いのために、薬物を欲するようになります。
この状態を精神依存と言います。精神的に依存して薬物を使い続けると、同じ量ではだんだんと効かなくなってきます。同じ程度の効果を感じるためにはよりたくさんの薬物が必要になります。このようにして量が増え、依存も進むのです。
アルコールや睡眠薬、ヘロインなどは、摂らなくなると非常に苦しい離脱症状が現れます。これは身体依存と言います。
やめようと考えても離脱症状の苦しさに耐えられなくなり、症状を和らげるためにまた薬物を摂取してしまうのです。このような段階で薬物依存症は進んでいきます。
当然、薬物の種類や量、摂取していた期間は人によって違います。しかし、どのように摂取していたとしても、ほぼ全ての場合同じような段階で依存が進んでいきます。
依存性のある薬物には、法律で規制されている違法薬物の他に医療機関でもらう薬物などもあります。
違法薬物には、覚せい剤や大麻、合成麻薬、コカイン、ヘロイン、MDMAなどがあります。ハーブ、アロマオイル、バスソルト、お香、リキッドなどの名前で販売されている危険ドラッグにも依存性があります。
医療機関でもらう薬物では、睡眠薬や抗不安薬などの向精神薬などが依存性が強いです。他にも薬局などで買うことができる鎮痛薬や咳止め薬、風邪薬なども依存性のある薬物です。
薬物依存症は、薬物を使いたいという欲求を非常に強く持っている状態です。薬物をやめようとしたり、使う量を減らそうとしたりしても自分ではコントロールできなくなってしまいます。
薬物依存症の場合、薬物をやめたり使う量を減らしたりした時、離脱症状が出ます。
離脱症状は、眠れなくなる、眠りすぎる、抑うつ状態になる、不安、焦りなどの精神的な症状や、幻覚や妄想などの症状、筋肉や関節の痛み、けいれん発作や食欲の増加、脱力、嘔吐や下痢、異常な発汗などの身体的な症状まで様々です。
薬物依存症を改善するためにまず必要なことは、相談機関や自助グループや回復施設に相談することです。
薬物依存症の人は相談機関などに相談に行くまで時間がかかることも多いです。その場合は、まず家族が相談に行くと良いでしょう。
そして、薬物をきちんとやめられるように薬物を使わなくても生活をすることを続けることが必要です。相談機関などのサポートを受けながら薬物を使わずに生活していき、薬物のない生活を続けることができるように取り組みます。
さらに、社会と関わることも大切です。薬物依存症になると、社会との関わりがなくなっていきます。家族関係が悪くなることも多いです。家族や周りの人との人間関係を作りながら、社会と関わり、本来の自分を取り戻しましょう。
薬物依存症の多くは、周りの人も巻き込まれ一緒に苦しむことになります。特に、家族には大きな影響があり、家族も非常に大きなストレスを抱えることになります。
困った時は、家族が相談機関などに相談に行きましょう。家族の間だけで悩まず、相談することで、悩みを相談することもでき改善にもつながります。
1番大切なことは、家族が自分自身の健康や生活を大切にすることです。家族が健康できちんと生活を送れていることは本人の改善にもつながります。まず自分を大切に生活を送りましょう。
家族ができることは、相談機関などに相談に行き、薬物依存症についての正しい知識や対応方法を学び、常に一貫した態度をとることです。
危険を感じた時はその場から離れるようにしましょう。薬物依存症は、暴力的な行動をしてしまう人も多いです。危ない時には自分の身を守りましょう。
薬物依存症は、社会や周りの人との関わりがなくなっていきます。本人の回復を信じて、関係を良いものするためにできることをしていくことも必要です。日常のコミュニケーションの中で褒めたり話したりしていきましょう。
コミュニケーションの取り方や接し方で悩んだりしたときは、相談機関に相談することをおすすめいたします。
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