公開日:2022年 10月23日
更新日:2022年 11月 9日
本日は局所性ジストニアについて解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
局所性ジストニアは、長い期間、繰り返し同じ動作を行い続けることによって起こります。なぜ長い期間同じ動作を行うことでジストニアが起こるのかということはよくわかっていません。
音楽家など同じ動作を何度も反復して行う職業に見られることがあり、職業性ジストニアと呼ばれることもあります。
音楽家や塗装工、作家、タイピスト、美容師、スポーツ選手、漫画家、歯医者、時計修理士、料理人などの同じような動作を行い続ける色々な職業に見られます。
局所性ジストニアは、特定の筋肉群が不随意に収縮することにより、特定の体の部位に変形や動きの困難を引き起こす神経や筋の病気です。この状態は、顔、首、手、声帯など、特定の部位に限定されることが多いため、局所性と呼ばれます。ジストニアは原因不明であることが多いが、以下の内容では、現在知られている主な原因と潜在的な要因について詳しく探ることにします。
神経伝達物質の異常:脳は、神経伝達物質という化学物質を使って、神経細胞間のメッセージ伝達を行います。ドーパミンやアセチルコリンといった神経伝達物質のバランスの乱れが、ジストニアの一因と考えられています。
脳の構造的異常:一部では脳に微細な異常が見られることがあります。これらの異常は、脳の深部、特に大脳基底核と呼ばれる部位に集中していることが多いです。
遺伝的要因:一部の局所性ジストニアは、特定の遺伝子変異に関連しているとされています。例えば、DYT1遺伝子の変異は、初期発症型のジストニアの一因とされています。
外傷や感染症:事故や手術後、または感染症の後に局所性ジストニアが発症することがあります。これは、脳や神経組織に何らかのダメージが引き金となり、ジストニアを引き起こす可能性があるからです。
薬剤や物質:一部の薬剤、特に抗精神病薬や抗うつ薬など、中枢神経系に影響を与える薬剤の使用が、ジストニアのリスクを高める可能性があります。
二次的ジストニア:他の神経の病気や病気が原因となり、ジストニアが二次的に発症することもあります。パーキンソン病やウィルソン病など、他の神経変性の病気の存在下でのジストニアの発症は、このタイプに分類されます。
不明な原因:一部では、明確な原因が特定できない場合があります。これを原発性ジストニアと呼び、このタイプは特定の原因に起因しないと考えられています。
局所性ジストニアの原因は、一つの要因だけでなく、複数の要因が組み合わさって発症することもあります。
局所性ジストニアの症状は、以前は当たり前のようにできていた動作が筋肉が意図せず動いてしまうことでできなくなることです。
字を書いたりパソコンを行うときに手がこわばったり、楽器を演奏するときやスポーツのある動作を行うときに指や手首が曲がったり、伸びたり、こわばったりなどの症状が見られます。
イップスやクランプと言われている病態とほとんど同じであると考えるとわかりやすいでしょう。
ジストニアは神経や筋の病気であり、特定の筋肉の持続的または間欠的な不随意の収縮を特徴とします。局所性ジストニアは、この不随意収縮が特定の体の部位に限定されるタイプを指します。以下では、局所性ジストニアの主な症状について詳しく解説します。
顔面ジストニア:このタイプの局所性ジストニアは、顔の筋肉が影響を受けます。症状としては、まぶたの不随意収縮(ブレファロスパズム)、口の周りの筋肉の収縮、舌の不随意な動きなどが挙げられます。これにより、目の開閉が困難になったり、話すこと、食事の摂取が難しくなることがあります。
頸部ジストニア(トルティコリス):頸部の筋肉が不随意に収縮することで、首が一方向に曲がったり、前後に曲がったりすることが特徴です。これにより、日常生活での首の動きが困難になる場合があります。
手のジストニア(筆者痙攣):主に手や指の筋肉が影響を受けるタイプで、特に何かを書くときに症状が出現することが多い。ペンを持つことが困難になったり、文字が読めなくなることがあります。
声帯ジストニア:声帯や喉の筋肉が不随意に収縮することで、声の変調や声の出しにくさが生じることが特徴です。声がかすれたり、一時的に声が出にくくなる場合があります。
眼のジストニア:眼の周りの筋肉や、眼を動かす筋肉に影響が出ることがあります。眼球が不随意に動いたり、瞼が閉じにくくなることがあります。
下肢ジストニア:足の筋肉に影響が出るタイプで、歩行中に足が引っかかったり、歩くのが困難になることがあります。
ジストニアの症状は、個人によって異なり、症状の強さや頻度も様々です。また、ストレスや疲労、気温や湿度の変化など、外部の要因によって症状が悪化することもあります。
局所性ジストニアの改善方法は今のところ確立されていません。そのため、症状に対して改善を行うことになります。
筋肉の収縮を抑える薬などを使ったり、ボツリヌス毒素を不活化した局所注射を行ったり、手術を行ったりします。
手術は、目標とする脳深部の神経核に正確に細い凝固針を留置して、70℃前後の熱を与え脳深部を凝固する方法で行います。
ボツリヌス毒素を不活化した局所注射は、約2~4ヶ月で効果がなくなっていきます。そのため、繰り返し行うことが必要になります。
局所性ジストニアは、特定の筋肉の不随意収縮を引き起こす神経や筋の病気であり、日常生活にさまざまな困難をもたらすことがあります。以下に改善方法を記述します。
薬:
抗コリン作動薬: これはジストニアの症状を和らげるための主要な薬剤の1つであり、特にトリヘキシフェニジル(アルテーン)やベンズトロピンが一般的です。これらの薬物は神経伝達物質のバランスを調整して、筋肉の不随意収縮を減少させる効果があります。
ドパミン作動薬: 例えば、レボドパやプラミペキソールなどの薬剤がこのカテゴリに含まれます。これらは特定のタイプのジストニア、特にドーパ反応性ジストニアに有効であるとされています。
筋弛緩薬: バクロフェンやティザニジンなどの筋弛緩薬は、筋肉の緊張を和らげるのに役立ちます。
ボツリヌス毒素注射:
ボトックスは局所性ジストニアの改善で広く使用されています。これは、特定の筋肉に直接注射され、筋肉の収縮を一時的に弱めることで症状を軽減します。この改善の効果は数ヶ月間続きますが、定期的な注射が必要です。
物理的な方法:
物理的な方法は、ジストニアの症状を軽減し、筋肉の機能と可動域を向上させるのに役立つことがあります。専門的なストレッチングや筋肉強化のエクササイズ、さらには特定の動作パターンの再教育が含まれることが多い。
深部脳刺激:
重度のジストニアの場合、深部脳刺激が効果的な改善法として考慮されることがあります。この改善方法では、電極が脳の特定の部位、特に大脳基底核に埋め込まれ、電気刺激によって異常な神経信号を調整します。
神経ブロック:
神経ブロックは、特定の筋肉への神経信号を一時的に遮断することで、筋肉の収縮を減少させる改善法です。これは特に、他の改善法が効果的でない場合の選択肢として考慮されることがあります。
補助具や器具:
一部では、特定の動作をサポートするための補助具や器具が推奨されることがあります。これには、特定の筋肉をサポートするための装具や、日常生活の動作を容易にするための特別な器具などがあります。
心理的サポート:
ジストニアは物理的な症状だけでなく、精神的健康にも影響を及ぼすことがあります。カウンセリングやリラクゼーションテクニックなどの心理的サポートは、ジストニアの症状とその影響に対処するのに役立つことがあります。
局所性ジストニアの改善法は個人によって異なり、その症状の重さやタイプ、原因などに応じて選択される必要があります。治療の目的は、症状の軽減と日常生活の質の向上です。専門家との継続的なコミュニケーションと相談を通じて、最適な計画を立てることが重要です。
局所性ジストニアの症状を軽減またはコントロールするために使用される補助具や器具には、以下のようなものがあります。
首や頭部のサポート用のネックブレース:
目的: 頚部ジストニア(トルティコリス)において、首や頭部の不随意な動きを制限するために使用されます。
効果: 筋肉の不随意収縮による首の痛みや疲労を減少させ、頭部の安定を促進します。
手首や指のサポート用の装具:
目的: 手のジストニア、特に筆者痙攣の患者の手首や指の位置をサポートし、書くときなどの動作を助けるために使用されます。
効果: 不随意な手や指の動きを最小限に抑え、書くことの精度を向上させます。
特別設計された筆記具:
目的: 筆者痙攣を持つ患者が書く際の圧力を減少させるために使用されます。
効果: 書き取りの際の不快感や筋肉の緊張を減少させ、書くことの容易さを向上させます。
特別な靴やインソール:
目的: 足のジストニアの場合、歩行をサポートするために使用されます。
効果: 足の安定性を向上させ、歩行の際の不随意な動きや不均衡を減少させます。
眼鏡やビザーシールド:
目的: まぶたのジストニア(ブレファロスパズム)の症状を和らげるために使用されます。
効果: 眩しさや外部刺激から目を保護し、まぶたの不随意収縮や閉じる反応を減少させます。
これらの補助具や器具は、ジストニアの症状を軽減し、日常生活の質を向上させる役割を果たします。ただし、個人の症状やニーズに合わせて適切な補助具を選択し、専門家との相談を通じて最適なサポートを受けることが重要です。
ジストニアとイップスの共通する点は、自分の意識とは関係がなく無意識に筋肉が硬直して、思い通りのパフォーマンスを発揮することが出来ないということです。
イップスは、緊張や不安、自信の喪失などの精神的な側面が強調されてきましたが、筋電図などの研究が進み、現在は運動筋と拮抗筋のバランスが崩れるジストニアと似ているということが指摘されています。
局所性ジストニアの症状もイップスの症状も、ほとんど同じであると考えて良いでしょう。
・内関
・足臨泣
・心兪
・足三里
・曲池
内関は、精神を安定させる効果があるとされています。乗り物酔い、胃や喉の痛み、胃の不快感や二日酔いなどの症状に困っている時にも効果的なツボです。
内関に刺激をすると、精神を落ち着けて、自律神経を整えることが期待できるため、局所性ジストニアの症状に悩んでいる時や不安を感じている時におすすめのツボです。
足臨泣は、頭がぼーっとしてなかなか働かない時に効果のあるツボです。他にも、眠気や肩こり、生理不順、ストレスなどにも有効です。
さらに、片頭痛を和らげる効果も足臨泣の有名な効果で、頭痛を改善するツボの中でも即効性が高いと言われています。頭に対してアプローチできるため、局所性ジストニアにも役立つことが考えられます。
心兪は、循環器系の症状に効果を発揮するツボです。動悸や息切れ、のぼせや胸の痛みを和らげる効果や、貧血や高血圧などを改善する効果があるのです。
他にも、ノイローゼやヒステリー、胃下垂症、ストレスなどにも効果を発揮します。自律神経を整えてくれるため局所性ジストニアによって起こる不安やストレスに効果が期待できます。
内関は、手の平を上に向けた時、手首にできる皺の真ん中から指3本分ほど肘の方に進んだところにあります。
押すときは、親指を使います。大きな円を描くようにマッサージをしましょう。ゆっくりとマッサージをすることでより精神を落ち着けることができるでしょう。
足臨泣は、足の小指と薬指の骨の間から足首の方に少し上がった場所にあるくぼみにあります。
押すときは、足を掴むようにして親指を使って押します。強く押しすぎると非常に痛いため、強く押しすぎないように気持ち良いと感じる強さで押します。
心兪は、背骨と肩甲骨の間で肩甲骨の下部の高さにあるツボです。心臓の鼓動が感じられる辺りを探しましょう。
心兪は一部古典では、禁灸穴として紹介されています。発熱をしている時などは気を付けることが必要です。
しかし、臨床では改善に対して効果の高いツボであるといわれています。風邪の症状でも発熱がなく咳が出ている時などは心兪をほぐすことをおすすめします。
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