公開日:2022年 7月 3日
更新日:2025年 7月 2日
本日はへバーデン結節について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
へバーデン結節の原因は分かっていません。今のところ、手を良く使う人に発症しやすいと考えられています。
遺伝性がある病気なのかどうかも分かっていませんが、血縁者にヘバーデン結節を発症した人がいる場合は、体質が似ているということから指先に負担をかけないということを意識することをおすすめします。
へバーデン結節の発症が多く見られるのは、40代以降の女性であるといわれています。
・関節軟骨の老化・摩耗(変形性関節症)
もっとも基本的な考え方は、関節の軟骨がすり減ることで炎症が起き、骨が過形成されるというものです。DIP関節は指の中で最も頻繁に使われることで負荷が蓄積し、軟骨が磨耗、摩擦や炎症が起こり骨棘が形成されることで結節ができるのです。
・ホルモンバランスの変化
特に閉経前後の女性に多発することから、エストロゲンの低下が関与していると考えられています。エストロゲンには関節軟骨の保護作用があるため、ホルモンバランスが崩れると関節の退行変性が進みやすくなります。
・遺伝的要因
母親や祖母もヘバーデン結節を患っていたというケースが非常に多く報告されています。特に、関節を構成するコラーゲンの質や代謝能力に差があるという遺伝的要因が関係していると考えられています。
・微細な外傷、過使用
指先を頻繁に使う職業で発症率が高いです。長年の小さな負担の積み重ねが、軟骨や関節包に炎症を引き起こします。
・慢性的な炎症反応
最近の研究では、ヘバーデン結節にも慢性的な軽い炎症が確認されています。炎症性サイトカインが軟骨を分解し、骨の再構築を促すことがわかっています。
・自律神経の影響
東洋医学や一部では、自律神経の乱れが血流障害を招き、関節の代謝が悪化すると考えられています。特に、ストレス・冷え・不眠があると、関節痛が悪化しやすい傾向があります。
へバーデン結節の症状は、第1関節が赤く腫れたり、変形して曲がったり、痛みに過敏になったりすることです。
他にも、指のこわばりを感じたり、強く握ることができなくなったりすることもあります。痛みは、安静にしている時でも感じることがあります。
人によっては、第1関節の近くに水ぶくれができたりすることもあります。また、症状が親指に見られることもあります。
①指の第一関節の腫れ、痛み
最もよく見られる初期症状で関節が赤く腫れたり、押すと痛んだりします。特に指を曲げたり使ったりすると痛みが強くなります。
②骨の結節の形成
痛みと腫れが落ち着いた後、関節の背側に硬いしこりが現れます。これがいわゆるヘバーデン結節で、しこり自体は痛みがないこともありますが、見た目の変形や動かしづらさの原因になります。
③指の変形、可動域制限
関節が硬くなって、まっすぐ伸びない、曲がらないなどの運動制限が出ることがあります。変形が進行すると、拘縮が起きることもあります。
④指先に力が入らない、細かい動作がしにくい
ペンを持つ、ボタンを留める、スマホ操作など、細かな手作業に違和感や使いにくさを感じることがあります。関節の痛みや変形により、つまむ、握る動作がしづらくなるのが特徴です。
⑤左右対称に複数の指に出ることが多い
片手だけでなく、左右の指に同時に症状が出ることが多いです。特に人差し指・中指・薬指に好発します。
⑥痛みは動かしたときに強くなる
動かさなければ痛みがないことも多いです。朝起きたときにこわばったり重い荷物を持った後に痛みが増したり、活動後に悪化しやすいのが変形性関節症の特徴です。
⑦進行しても全身症状は基本的に出ない
関節リウマチなどと異なり、発熱や倦怠感、体重減少などの全身症状は出ません。
へバーデン結節の根本的な改善方法は、手術です。手術を行う前に薬を使って改善を行ったりサポーターやテーピングで局所を安静にしたり、アイシングなどを行ったりします。
急性期に、少ない量の関節内ステロイド注射をおこなうこともあります。改善を行ってもなかなか痛みが改善せず、変形が強くなっていき、日常生活を送る上で問題が多くなった場合には、手術を行うのです。
・消炎鎮痛薬
ロキソニン、セレコキシブなどを痛みと腫れの抑制のために使用します。
・関節注射
痛みが強い場合、一時的にステロイド注射やヒアルロン酸注射が行われることもあります。ただし、DIP関節は非常に小さいため、注射は難しく、繰り返しは推奨されません。
・手術
強い痛みが持続し、日常生活に支障が大きい場合は、関節固定術などが行われることがあります。ただし、可動性を犠牲にする手術なので、適応は限定的です。
・痛みの軽減
指関節周囲の血流を改善し、神経興奮を鎮めます。
・炎症の緩和
肝経・脾経・腎経を整え、慢性炎症体質を改善します。
・自律神経の調整
ストレスや更年期によるホルモンバランスをサポートします。
・手指の循環改善
冷えや血流不全によるこわばりや痛みを和らげる効果があります。
へバーデン結節の原因は分かっていません。ただし、手をよく使っている人に多く見られると言われているため、普段から手指に過剰な負担をかけないように心がけることで予防につながると考えられます。
第1関節に痛みがある場合は、手指をできるだけ使わないようにして安静にしておくことが大事です。