公開日:2022年 9月10日
更新日:2024年 2月 2日
本日デュピュイトラン拘縮について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
デュピュイトラン拘縮の原因には、体の中でコラーゲンの産生と分解のバランスが崩れることが関係していると考えられています。しかし、詳しくはまだ分かっていません。
手の平の皮下には腱膜があります。繊維性の組織が各指に向かって扇状に広がっており、腱膜が皮膚と強くくっついていることで皮膚の移動を防ぎ、物を手で握りやすくしています。
腱膜は、さらに深部の血管や神経の保護をする働きもしています。腱膜に繊維が過剰に増えることによって拘縮索ができて指を曲げてしまうと考えられているのです。
デュピュイトラン拘縮は、手のひらの組織が硬くなり、指が曲がった状態で固定されてしまう病気です。特に小指や薬指に多く見られます。この病気の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。
遺伝的要因:デュピュイトラン拘縮は遺伝的要素が強いとされています。家族歴がある人は発症リスクが高いと報告されています。
年齢:加齢とともに発症リスクが高まります。多くのケースでは、50歳以上の男性に多く見られます。
性別:男性に発症することが女性に比べて多い傾向にあります。
民族的背景:北欧系やスカンジナビア系の人々に多く見られるとされています。
喫煙とアルコール摂取:喫煙者やアルコールを多量に摂取する人は発症リスクが高まるという報告があります。
糖尿病:糖尿病はデュピュイトラン拘縮を発症するリスクが高いとされています。
外傷や手の使用過多:手に外傷を負ったり、特定の職業や趣味で手を過度に使用することが、組織の異常な増殖を促す可能性があります。
デュピュイトラン拘縮の症状は、手の平から指にかけてこぶのようなものができ、皮膚がひきつれてだんだんと指が伸ばしにくくなることです。
デュピュイトラン拘縮では痛みなどは現れません。症状がよく見られる指は、薬指と小指です。しかし、薬指と小指以外の指や足の裏にも症状が見られることもあります。
デュピュイトラン拘縮は、手のひらと指に影響を与える病気で、次のような症状が特徴的です。
結節の形成:手のひらに硬い結節が形成されます。これは通常、薬指や小指の付け根近くの手のひらに現れ、触ると硬く感じます。
皮膚の引きつれ:結節が発達すると、手のひらの皮膚が引きつれるようになり、皮膚のおうとつが目立つようになります。
指の曲がり:病気が進行すると、結節やコードが指を引っ張り、特に薬指や小指が自然に曲がった状態で固定されてしまいます。
運動制限:指が曲がった状態で固定されると、指の伸展が困難になります。これにより、物を握る動作や手の使用に影響が出ます。
痛み:デュピュイトラン拘縮自体は痛みを伴わないことが多いですが、結節の形成や指の曲がり始めの段階で軽い痛みや不快感を感じる人もいます。
両手の影響:症状は一方の手だけでなく、両手に影響を及ぼすことがあります。
デュピュイトラン拘縮の症状は徐々に進行し、初期段階では軽度の不快感や違和感から始まりますが、放置すると手の機能障害につながる可能性があります。
デュピュイトラン拘縮の改善方法は、手術です。指が変形することによって日常生活に支障が起きるようになると、皮膚の突っ張りをとることを目的に手術を行うのです。
手術をした後は、リハビリテーションを行ったり、夜間伸展位固を行ったりします。
デュピュイトラン拘縮の改善法は、症状の重さや進行度によって異なります。改善の目的は、手の機能を改善し、指の可動域を拡大することです。以下に、一般的な改善法を紹介します。
コラーゲナーゼ注射: コラーゲナーゼは、結合組織を分解する酵素で、拘縮した組織に直接注射して、結節やコードを柔らかくし、指の曲がりを改善します。
ステロイド注射: 炎症を抑え、結節の成長を遅らせるために使用されることがありますが、拘縮の改善には限定的です。
リハビリテーション:手のエクササイズが推奨されることがあり、指の動きを改善し、拘縮の進行を遅らせることを目指します。
針形成術: 針を使用して拘縮したコードを切断し、指の伸展を改善します。比較的簡単な手術で、局所麻酔下で行われることが多いです。
部分的な腱膜切除術: 拘縮した組織を部分的に切除する手術で、より進行した拘縮に対して行われます。
完全な腱膜切除術: 拘縮した組織を完全に切除し、指の機能を回復させるより複雑な手術です。重度の症例に対して行われることが多く、リハビリテーションが必要になります。
放射線:初期のデュピュイトラン拘縮に対して、放射線が有効であるという報告もあります。炎症を抑え、組織の増殖を遅らせることが目的です。
改善法の選択は、症状の重さ、年齢や全体的な健康状態、日常生活への影響など、様々な要因を考慮して行われます。
デュピュイトラン拘縮の改善に使用される薬には、主に以下のものがあります。
コラーゲナーゼ :コラーゲナーゼは、デュピュイトラン拘縮において拘縮した結節やコードを分解するために用いられる酵素です。この薬剤は、結合組織内のコラーゲンを分解し、拘縮を軽減します。改善後数日で指の動きが改善されることが期待されます。
ステロイド :ステロイド注射は、炎症を抑え、結節の成長を遅らせるために使用されることがあります。直接、結節やコードに注射され、痛みの軽減や炎症の抑制に有効ですが、コラーゲナーゼと比較して拘縮の改善には限定的な効果しかありません。
これらの薬剤は、デュピュイトラン拘縮の特定の段階で、または手術が適切でない場合において選択されることがあります。使用する際には以下の点に注意が必要です。
副作用:コラーゲナーゼ注射後には、注射部位の腫れ、痛み、瘢痕形成のリスクがあります。ステロイド注射には、皮膚の薄くなるリスクや、注射部位の感染リスクが伴うことがあります。
効果と限界:コラーゲナーゼは拘縮を有効に改善できる場合がありますが、すべての患者に効果的であるわけではありません。ステロイドは炎症や痛みを軽減するものの、拘縮の根本的な原因には対処しません。
改善方法の選択:改善方法は、状態、拘縮の程度、健康状態などに応じて、医師が適切な方法を選択します。
デュピュイトラン拘縮の改善においては、薬のほかにも手術が選択肢として考えられます。
デュピュイトラン拘縮では、痛みなどは起こらなくても、症状が進むと指が曲がって伸ばすことが難しくなるため、日常生活を送る上でたくさんの問題が発生することになります。
指が曲がると、繊細な手作業だけではなく、自動車の運転や握手、洗顔やメイク、ドアノブタイプのドアの開閉などいろいろなことに影響が出るのです。
自然に改善する病気ではないため、病気の進んでいる度合いに合わせて定期的に症状を観察し、日常生活の支障となることが多い場合は改善を行うことが大事です。
・井穴
・合谷
・内関
井穴は、神経繊維が集中しています。そのため、刺激をすることで瞬時に自律神経に伝わって自律神経のバランスを整える効果があります。そのため、神経に対して効果が期待できます。
井穴は、刺激をすることによってアトピー症状が出にくい状態になるとも考えられています。
合谷は、刺激をすることによって副交感神経が活発になります。そのため、自律神経を整える効果があります。
合谷は、 脳に刺激を与えるツボとも言われています。そのため、神経に対しても効果を期待できます。
内関には、精神を安定させて自律神経を整える効果があります。また、内臓を調節する働きもあります。
他にも、乗り物酔いや胃や喉の痛みの軽減、胃の不快感、二日酔いの軽減などの効果もあります。
井穴は爪の生え際から2mmほど下にあるツボです。
ハンドクリームをなじませて、指先を親指と人差し指でつまむようにして強めに押しましょう。指1本につき10~20秒間押しましょう。
合谷は、手の甲側、親指の骨と人差し指の骨が合流した場所にあるツボです。人差し指の骨のライン上できわにあります。
骨に向かって押したときにズンと響く場所にあります。
内関の場所は、手のひらを上に向けた際、手首にできるしわの真ん中から指3本分ほど離れた肘の方です。
押すとピリピリとした刺激を感じる場所です。親指で押しましょう。