公開日:2022年 2月3日
更新日:2024年 10月13日
本日は野球肘について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
野球肘の原因は、投球動作を繰り返すことです。肘には多くの骨や軟骨、靭帯、腱などがあります。骨や軟骨、靭帯、腱などは、投球動作を繰り返すことで負担がかかり野球肘を発症するのです。
ただし、野球をしている人全員に野球肘が起きるわけではありません。体の左右差や姿勢の異常、投球フォームなど色々なことが関係して負担が大きくなると発症します。
成長期の子供には、投球動作によって軟骨の障害が見られることが多いです。成人の場合は、軟骨そのものが障害を受けるよりも肘関節を構成する靭帯が損傷を受けて野球肘を発症するケースが多いです。
野球肘はゴルフやテニスや野球のような腕を使うスポーツで起こる症状です。
大体の人はストレッチをしたりマッサージをしたり注射を打ったり、ひどい場合には運動器カテーテル療法を使ったりといった様々なアプローチで対応しています。大谷選手が使っていた衝撃波のアプローチをしている人もいますが、鍼灸院には全部のアプローチを行って改善しなかった人が来院されます。
改善の仕方はある程度決まっています。上腕骨外側上顆炎、内側上顆炎は間接な過度な使用によって引き起こされる病気です。多くのアスリートや物理的な活動が多い人に見られます。
ゴルフをやって肘が痛い人はゴルフ肘、テニスをやって肘が痛い人はテニス肘というように非常に曖昧です。内側が痛い人はフォアハンドテニス肘、外側が痛い人はバックハンドテニス肘と言われます。
当院ではゴルフの人は右打ちで左手の外側が痛いというケースが多いです。その人がなんのスポーツをしていてどのように痛めたのかによって名前が変わるのです。
ただし、デスクワークや専業主婦でも何もしていなくても急に肘が痛むこともあります。この症状の実態は負荷のかけすぎなのか単純な筋肉の問題なのかは詳しいことがわかっていないのです。
症状の主な原因はラケットスポーツ、ゴルフ、それに類似する動作を繰り返すことによって発症します。
野球肘の症状は、投球動作を行うときや投球をした後に現れる肘の痛みです。ただし、肘関節は複雑な構成をしているため、痛みを感じる場所は違います。
損傷を受けた場所によって、肘の内側や外側、後ろ側など色々な場所に痛みが現れるのです。
肘の可動域に制限がかかり、肘の曲げ伸ばしが上手にできなくなることもあります。症状は急に現れ、突然肘を動かすことができないというようなケースもあります。
野球肘の改善方法は、手術です。初期段階で症状が軽い場合は、投球動作を控え、肘を休ませることで改善することもありますが、投球動作を控えなくてはいけない期間は数ヶ月以上になることもあります。
手術には、遊離した骨軟骨片を取り出しくっつけて新しい骨を作る骨釘固定術や他の部位の骨軟骨を移植し関節表面の軟骨を作る骨軟骨柱移植術、骨棘を切除したり遊離体を摘出したりし関節の動きを改善する関節形成術などがあります。
改善方法は、症状の程度や損傷を受けている部分などによって違います。
最近の研究では特定の物理療法やストレッチが非常に効果的でこの上腕骨内側上顆炎、外側上顆炎へのアプローチとしてストレッチやアイシングが効果を発揮することがわかっています。
肘を触っていただいて熱を持っている人はその熱を持っているところを思いっきり冷やします。面倒なため、人によっては湿布で対処している人がいますが湿布でやっている人は良く再発します。
湿布は消炎鎮痛剤という薬剤を皮膚から吸わせて症状のある部位を麻痺せようとするのが目的です。痛みがなくなると改善したために1回ゴルフやテニスをやろうとなってしまい、また悪化してということを繰り返すのです。その繰り返しでずっと湿布を貼っている人がいますが、中には湿布を貼りすぎてしまって皮膚がかぶれている人も多いです。
湿布ではなく、徹底的なアイシングが必要です。
ストレッチも非常に簡単です。肘の内側が痛い人は手のひらを反らしましょう。外側が痛い人は手首を曲げて外に捻るとよりストレッチ効果が増します。内側であれば反ってて外側であれば内に捻ることを行います。
肘の内側内側上顆炎、外側上顆炎から筋肉が5〜4個ほどでています。この4つの筋肉をきちんと把握してほぐさなければからなず再発してしまうのです。
痛いところは腱であるがその腱を引っ張る筋肉が硬ければまた再発しがちなため、筋肉のアプローチは必ずすることが必要です。この症状は痛みの対処とその再発を防ぐアプローチは別です。
・痛みへの対処→アイシングとストレッチ
・再発への対処→筋肉へのアプローチ
前腕の屈筋群である内側の痛みに対応するときは、円回内筋、尺側手根屈筋、橈側手根屈筋、長掌筋、浅指屈筋この5つの筋肉を徹底的にほぐす必要があります。
人差し指と親指を使って筋肉の皮膚を広範囲に伸ばしましょう。前腕は表層と深層で2層に分けれており、どちらにもアプローチをしていくことが大事です。
皮膚を伸ばしていくのも大事ですが少し深くつまんで表層の筋肉くらいもアプローチすることによって深層のアプローチができるため、まず伸ばすようにします。ギュッと押し込むより引っ張り上げたりつまむ感じ行います。
外側前腕伸筋群は、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、総指伸筋、尺側手根伸筋4つの筋肉がベースになります。厳密に言えば6〜7種類ありますが、覚えるのはこの4種類で良いです。
やり方は一緒で手の甲側の筋肉を摘んであげましょう。押すよりは摘んだほうが非常に効果的です。こっちの伸筋群に関しては層が浅いため皮膚だけつまむような形で十分です。
症状のある場所へのアプローチ、冷却、ストレッチにより回復が早まります。
これで改善が見られない人は、実は首からきていたり胸から来ていたり脊椎からきていたりするケースがあります。色々なケースを実際に現場で対応することがありますが、肘単体の問題であればこのアプローチで十分対応できます。
ステロイドを使ってアプローチする方法もあります。ステロイドで良くなる人もいますが、大体3回やって病院の先生が4回目をやらないケースが多いです。
注射を打ってしまうと靭帯が弱くなってしまうため、再発したり最悪断裂することもあるためです。病院の先生がステロイドをやりたくないといったら上記のアプローチとセルフケアをぜひ行ってみていただきたいです。
この症状は地味ではありますが、痛いと生活がままならなくなります。特にスポーツをしている人は致命傷になりやすかったり、再発してコントロールしながら行っている人がいっぱいいます。
完全に改善することで靭帯、筋肉自体が強くなり再発しなくなります。対処法は守って早く改善し、プレーに復帰してほしいと思っています。
・少海
・小海
・曲沢
少海は、自律神経を整える効果があります。そのため、ストレスによって起こる症状に対して効果を発揮します。手の冷えや耳鳴り、めまい、頭痛などを和らげたい時に刺激をすることをおすすめします。
目の充血を改善したり肺機能を高めたりするためにも効果的であるとされています。
小海は、前腕内側の痛みやこりを和らげるために効果的なツボです。さらに、尺骨神経麻痺や尺骨神経痛、下腹部の痛みや頭痛、耳鳴りなどに対しても効果的であるとされています。
そのため、野球肘で起きる肘の痛みにも効果が期待できます。消化や吸収の機能を高めるためにも有効です。
曲沢の意味は、肘の曲がるところで沢のようなくぼみがある場所という意味です。
曲沢は、動悸や息切れに効果を発揮するツボです。 さらに、胃の痛みや嘔吐を改善するためにも効果的です。
精神が不安定な時や肘の痛みがある時にも有効です。そのため野球肘にも効果的です。
少海は、肘の内側にあるツボで、肘を曲げた時内肘にしわが寄っている部分で小指側にある骨の突端の少し内側にあります。
押すときは、反対側の親指の腹を使って押します。気持ちの良い強さで止め、そのまま5秒間押し、離していきます。
小海は、肘関節の肘頭小指側にあるくぼみです。ひじを少し曲げると探しやすいです。
押すときは、親指と人差し指で挟むことができるため、奥に向かって押すイメージで押します。
曲沢の場所は、肘の内側を触ったときの関節の真ん中にある硬い筋の小指側、関節部にできる横じわの上です。
押すときは、親指を使います。 親指以外の4本の指は肘を支えるようにすると押しやすいです。