公開日:2022年 11月 3日
更新日:2024年 3月 2日
本日は一過性全健忘について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
一過性全健忘は、一時的に新しい記憶ができなくなる状態のことです。一時的に新しい記憶ができない状態で頭の外傷が原因ではない場合に一過性全健忘と言います。
ほとんどの場合は、自分や家族の名前、年齢、仕事などは覚えていても、今自分がどこで何をしているかがわからなくなります。
一過性全健忘を発症すると、自分がしていることを記憶することもできなくなるため、周りに自分が何をしているかを何度も聞いたり確かめたりすることもあります。
周りに何度も質問したりする行動から一過性全健忘であることがわかることもあります。
一過性全健忘の発症が多いのは、中年以降の男性であるといわれています。
一過性全健忘の原因は、海馬が一時的にショートすることであると考えられています。しかし、詳しくはわかっていません。海馬は、大脳側頭葉にある記憶や学習能力に関係している脳器官です。
一過性全健忘を発症するきっかけとして考えられていることには、アルコールの過剰摂取や特定の薬の使用、鎮静薬の服用、違法薬物の使用、精神的なストレスや肉体的なストレス、急に感情が高ぶること、性交渉などが挙げられます。
他にも、てんかんや脳虚血、片頭痛、低酸素症などがきっかけになることもあると言われています。
一過性全健忘は、突然発生する、短期間の記憶喪失のエピソードを特徴とする状態です。この状態では、新しい情報を記憶する能力が一時的に失われ、その間の出来事を覚えていることができません。一過性全健忘の正確な原因はまだ完全には理解されていませんが、いくつかの理論が提唱されています。
・循環器系の要因
脳への血流障害: TGAは、一時的な脳循環不全によって引き起こされる可能性があります。これは、脳の特定の部位への血流が一時的に減少することで、記憶形成に必要な機能が損なわれることが原因であると考えられています。
・脳内の神経学的変化
興奮性神経伝達物質の異常: 一部の研究では、興奮性神経伝達物質がTGAのエピソードに関連していることが示唆されています。これは、神経細胞間の通信過程における一時的な異常が記憶喪失を引き起こす可能性があることを意味します。
・心理的ストレス
感情的なストレス: 強い感情的ストレスや心理的トラウマがTGAの引き金になることがあります。ストレスは脳の機能に影響を及ぼし、記憶形成プロセスを一時的に妨げる可能性があります。
・その他の要因
運動後: 激しい運動の後にTGAが発生することがあります。
冷水への暴露: 冷水に急に浸かった後にTGAを経験するケースも報告されています。
性交渉: 性交渉後にTGAが発生することもあります。
一過性全健忘の症状は、何も前触れがなくすぐ数時間前のことを忘れてしまうことです。症状は大体24時間前後で改善します。
自分や家族の名前や年齢などについては忘れませんが、今日どこで何をしていたのかということや今何をしているのかなどということがわからなくなります。
発症している時には、その時自分がしていることなども記憶できません。周りの人に状況を説明してもらっても理解することができず、何度も同じ質問をすることも多いです。
さらに、自分の今の状況がわからなくなり、不安になって興奮状態になることもあります。
一過性全健忘は、突然の記憶喪失を特徴とする状態で、数時間から24時間持続することが一般的です。この期間、新しい情報を記憶する能力を失いますが、自己認識や身元認識の能力は保持され、日常的なスキルも影響を受けません。以下に、TGAの主な症状を詳しく説明します。
・短期記憶の喪失
新しい情報を記憶することができません。このため、同じ質問を繰り返ししたり、同じ話を何度もすることがあります。
・過去の記憶の一時的な喪失
TGAの期間中、最近の出来事に関する記憶を失うことがありますが、通常、幼少期の記憶などの遠い過去の記憶は保持されます。
・時間と場所に対する混乱
現在の時間、日付、または場所に混乱することがありますが、自分が誰であるかや周囲の人々が誰であるかを理解しています。
・自己認識の維持
TGAは自己認識を保ち、身体的な健康や身元に関する基本的な知識を失いません。
・情緒的な影響
記憶喪失の体験は不安や困惑を引き起こすことがありますが、しばしば落ち着いており、外見上は正常に見えることが多いです。
・物理的な症状は一般に伴わない
TGAは通常、発作や身体的な弱さなどの他の顕著な神経学的症状を伴わないことが特徴です。
一過性全健忘の改善方法は、特にありません。症状が24時間以内に自然に改善することが多いためです。
しかし、脳梗塞やてんかんが原因で一過性全健忘が起こっている場合など、改善を行うことが必要になることもあります。
一過性全健忘は、一般的には自己限定的な状態であり、特定の改善方法はありません。TGAのエピソードは通常、数時間から24時間以内に自然に解決し、完全な回復が見込まれます。しかし、TGAのエピソード中に安全であることを確保し、再発のリスクを最小限に抑えるために改善を行います。
・安静と監視
TGAのエピソード中、安全な環境で休息を取り、身体的および感情的ストレスを避けることが推奨されます。また、家族や病院のスタッフによる慎重な監視が必要です。
・再発予防
TGAの再発予防に特化した改善法はありませんが、ストレス管理技術の学習や健康的な生活習慣の維持が一般的に推奨されます。また、TGAのエピソードを引き起こした可能性のある激しい運動や感情的ストレスなどの特定のトリガーを避けることも有益です。
・症状管理
TGA自体には特定の改善法がないため、改善では主に症状の管理とサポートに焦点を当てます。不安や混乱を感じている場合、落ち着いた環境を提供し、状況を説明することが重要です。
・長期的なフォローアップ
一度TGAのエピソードを経験すると、将来的に再発するリスクがわずかに増加する可能性があります。そのため、医師との定期的なフォローアップが推奨されることがあります。
一過性全健忘のエピソードは自己限定的であり、通常は数時間から24時間以内に解決しますが、エピソード発生中に快適性を高め、安全を確保することが大事です。
TGAはしばしばストレスや感情的な出来事によって引き起こされることがあります。深呼吸や瞑想、軽いストレッチなどを用いて落ち着かせ、本人が何が起こっているのか、そしてそれが一時的なものであることを理解できるように状況を説明します。
しかし、不安や混乱を感じる場合は、情報を簡潔に保ち、まずは安心させることに焦点を当てます。
TGAの症状が初めて発生した場合、または脳卒中やてんかんなどの他の可能性のある病状を除外するために、病院に連絡することが必要です。解決した後も、後日、詳細な医学的評価を受けることが推奨されます。
また、TGAのエピソード中に起こったことの詳細な記録を保持することは、医師が原因を理解し、将来のエピソードの予防策を講じるのに役立ちます。
一般的なてんかん発作の場合は、意識を失い倒れてけいれんを伴うことが多いですが、一過性全健忘は短期記憶だけに一時的な障害が起こり、倒れたりけいれんしたりすることはありません。
一過性全健忘の多くは数時間で完全に元に戻ります。再発を繰り返すことは少ないとされており、脳波やMRIなどを見ても異常がありません。