公開日:2023年 2月 3日
更新日:2024年 1月12日
本日は手根管症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
手根管症候群の原因で1番多いのは、手を使う労働者に発生する滑膜炎が原因の場合と原因がわからない場合です。原因がわからない手根管症候群は、中高年の女性の発症が多く見られます。
他にも、手首の骨折をした後、手根管内の腫瘍、リウマチによる滑膜炎で起こる手根管内の上昇などによって起こることもあります。
妊娠や糖尿病、アミロイドーシス、痛風などホルモンの変化や代謝性の病気に関係して発症することもあります。
手根管症候群は、手首の手根管内で正中神経が圧迫されることによって引き起こされる状態です。以下に、手根管症候群の主な原因を挙げます。
反復動作によるストレス:キーボードの使用、楽器の演奏、手仕事などの反復動作が、手根管内での圧力を増加させ、神経を圧迫することがあります。
手首の外傷や骨折:手首の外傷や骨折が手根管を狭め、正中神経を圧迫することがあります。
関節リウマチなどの炎症性の病気:関節リウマチなどの炎症性の病気が手根管内で炎症を引き起こし、神経を圧迫することがあります。
手根管の構造的な問題:手根管が生まれつき狭い場合、正中神経への圧迫が生じやすくなります。
妊娠やホルモンの変化:妊娠や更年期など、ホルモンの変化によって体液の保持が増加し、手根管内の圧力が上昇することがあります。
糖尿病や甲状腺機能低下症:糖尿病や甲状腺機能低下症などの全身性の病気が、神経の機能に影響を与え、手根管症候群を引き起こすことがあります。
腱の肥厚:手根管内の腱の肥厚や腱鞘の炎症が、神経を圧迫することがあります。
手根管症候群の主な症状は、母指から環指の親指側のしびれ感と感覚の低下です。初めに現れる症状は、中指のしびれ感であることが多く、だんだんと隣の指に症状が広がっていきます。
典型的な症例では、夜中や朝方に痛みやしびれ感が強くなることです。痛みで目が覚めることも多いと言われています。
症状が悪くなっていくと、母指球筋の筋力が下がります。麻痺が起こると、母指球筋が明らかに萎縮し、母指を開くことができなくなります。
母指を開くことができなくなると、ボタンをつけることが難しくなったり、小さいものをつまむことができなくなったりというような問題が日常生活を送る上でもたくさん現れます。
手根管症候群は、手首の手根管内で正中神経が圧迫されることによって引き起こされる状態で、以下のような症状が現れます。
手のしびれやピリピリ感:手のひら側、特に親指、人差し指、中指、薬指の一部にしびれやピリピリ感が生じます。
手の痛み:手や腕に痛みが生じることがあり、特に夜間や朝方に症状が悪化することがあります。
手のこわばり:手のひらや指のこわばりを感じることがあります。
手の力の低下:握力の低下や小さな物をつかむ際の困難さが生じることがあります。
夜間の症状:夜間に手のしびれや痛みが増すことが多く、睡眠を妨げることがあります。
手の症状の放散:症状が手首から腕にかけて、場合によっては肩や首にまで放散することがあります。
手のこすれる感じや感覚異常:手のひらにこすれる感じや熱感、冷感のような感覚異常が生じることがあります。
手根管症候群の症状は、症状の進行によって異なり、重度になると日常生活に支障をきたすことがあります
手根管症候群の改善方法は、ビタミン剤の服用や手関節を安静にすることです。ステロイド注射を手根管内に行うことも多いです。
改善を行ってもなかなか症状が良くならない場合は、手術を行うこともあります。手術では、手根靭帯の切離を行い、正中神経の圧迫を取り除きます。
従来は手根管部の3〜4cmの切開で直視下に靭帯を切っていましたが、最近では手関節部と手掌部の2つの1cm程度の切開で内視鏡下に靭帯を切る手術を行うことが多いです。
そのため、現在では、手術を行った後の痛みが少なく早く社会復帰することもできます。
手根管症候群の改善方法は、症状の重さや全体的な健康状態に応じて異なりますが、以下に一般的な改善方法を紹介します。
装具の使用:手首用のスプリントや装具を使用して、手根管内の圧力を軽減し、手首を安定させることがあります。特に夜間に装具を使用することで、症状の悪化を防ぐことができます。
薬:非ステロイド性抗炎症薬やコルチコステロイドの注射が行われることがあります。
物理的な方法:専門家による指導のもとで行う手のストレッチや筋力トレーニングが、痛みの軽減と手の機能の改善に役立ちます。
生活習慣の改善:日常生活での手の使い方を改善し、反復動作や手根管への圧力を減らすことが重要です。
手術:症状が重度で保存的方法で改善が見られない場合には、手根管を開放する手術が検討されます。手術によって手根管内の圧力を軽減し、神経の圧迫を解除します。
手根管症候群の改善には、これらの方法を組み合わせた多面的なアプローチが一般的です。計画は、症状の特性、生活習慣、個人的なニーズに応じてカスタマイズされます。
手根管症候群の改善に使用される薬は、主に痛みの管理と炎症の軽減を目的としています。以下に、手根管症候群の改善で使用される薬の種類、効果、および副作用について詳しく説明します。
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
種類: イブプロフェン、ナプロキセン、ディクロフェナクなど。
効果: 痛みと炎症を和らげます。
副作用: 長期使用は胃腸障害、心臓病リスクの増加、腎機能障害などの副作用を引き起こす可能性があるため、用法用量を守ることが重要です。
・コルチコステロイドの注射
効果: 炎症を抑え、痛みを一時的に軽減します。
副作用: 注射部位の痛みや感染、関節の損傷のリスクがあります。また、糖尿病患者では血糖値が上昇する可能性があります。
これらの薬剤は、手根管症候群に伴う痛みや炎症を管理するための対処として使用されます。薬は症状の緩和に役立ちますが、手根管症候群の根本的な原因を改善するものではありません。したがって、薬は物理的な方法、装具の使用、手術などの薬以外の改善方法と併用されることが一般的です。
薬を行う際は、医師の指示に従い、副作用や相互作用に注意することが重要です。また、手根管症候群の改善には、活動の修正、適切な手の使い方、物理的な方法など、薬以外の改善方法も重要な役割を果たします。
母指から環指の親指側にしびれ感と知覚の低下が起こっている場合、手根管症候群の可能性があります。
手根管症候群であることを判断するにはどの部分にしびれ感が起こっているのかを調べることが大事になります。
手根管症候群の可能性がある場合、頸椎の変形や胸郭出口症候群など中枢での神経の圧迫障害でないことも調べることが大事です。
・大陵
・曲池
・魚際
大陵の効果は、自律神経を調節することです。そのため、疲れの改善に使われます。 また、ストレスによるイライラや動悸を改善するため、刺激をすることで精神的にリラックスさせます。
さらに、消化器症状にも有効です。大陵への刺激は、正中神経の緊張と興奮を鎮めるため、手根管症候群にも有効です。
曲池は、上半身の血行を促進する効果があります。そのため、肩や首の痛みやだるさ、のぼせ感に有効です。
肘の拘縮や疼痛にも有効であるため、手根管症候群にも効果を発揮します。また、曲池には清熱作用があるため、発熱や感冒などの熱をさます作用もあるとされています。
魚際は、喉や肺の熱を緩和する効果があるため、呼吸を楽にするために有効です。 気持ちがイライラして呼吸が浅くなっている時におすすめなのです。 他にも、胃の不調や手から肩にかけてのだるさなどにも効果を発揮します。
拇指丘の萎縮にも有効であるため、手根管症候群にもおすすめのツボです。
大陵は足の中指と人差し指の間から約指幅2本分上にあります。手のひら側で、手首にできる横シワの真ん中にあるため、そのあたりを押してみましょう。押した時に痛い場合は、その部分がツボであると考えられます。
押すときは軽めの圧で押しましょう。
曲池は、ひじを曲げた時にできるしわの外側の端にあります。デスクワークの人などは、押した時に痛みを感じることもあります。
押すというよりは揉むように刺激をすることをお勧めします。
魚際は、親指の中手指節関節の上でへこんでいる場所にあります。喉が痛い時などに押すと痛みを感じることもあります。
押すときは呼吸を止めずに押しましょう。