公開日:2021年 2月11日
更新日:2023年 8月 1日
本日は虹彩毛様体炎について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
虹彩毛様体炎は、虹彩と毛様体が炎症を起こす病気のことです。虹彩と毛様体が炎症を起こすと腫れたり充血したりします。
ぶどう膜の一部分に茶目と呼ばれる部分があります。茶目は眼をのぞいたときに見えるもので、虹彩は茶目と呼ばれる部分のことです。
虹彩から眼の奥につながっていく部分が毛様体です。このどちらかに炎症が起こる病気が虹彩毛様体炎なのです。
虹彩毛様体炎はぶどう膜炎の一種です。そのため、虹彩毛様体炎は前部ぶどう膜炎と呼ばれることもあります。
虹彩毛様体炎という病名は原因から付けられたものではなく、炎症の起こっている部位から付けられたものです。
虹彩毛様体炎は原因によって、細菌やウイルス、真菌などが原因で起きる感染性虹彩毛様体炎や、免疫反応が原因で起きる虹彩毛様体炎など色々な種類があります。
虹彩毛様体炎の原因は色々あります。ウイルスの感染が原因のもの、免疫反応が原因で起きる虹彩毛様体炎などです。中には、はっきりとした原因のわからない一時的なものもあります。
虹彩や毛様体の炎症は肉眼ではわかりにくいです。そのため虹彩毛様体炎が疑われるときには、細隙灯顕微鏡で角膜と水晶体の間の前房水に炎症が原因の濁りがないかどうかを調べます。
同時に原因を明らかにするために、血液や胸部X線などを調べます。
虹彩毛様体炎は、目の前部、特に虹彩(虹彩)と毛様体(毛様体筋と毛様体プロセスからなる)に炎症が起こる症状です。
自己免疫の病気: 虹彩毛様体炎は、しばしば多発性硬化症、リウマチ性疾患、クローン病などの自己免疫の病気と関連しています。
感染症: 例えば、結核、ヘルペスウイルス、トキソプラズマなどの感染症もこの炎症の原因となることがあります。
遺伝的要因: 一部の遺伝的要素も関与している可能性があります。
環境要因: たばこや高度な紫外線曝露、化学物質による影響も考えられます。
薬物反応: 特定の薬物が虹彩毛様体炎を引き起こす可能性があります。
不明: 多くの場合、原因は明確でないことが多い。
自己免疫と感染: 一部の症例では、自己免疫反応と感染症が複合的に作用して炎症を引き起こす可能性があります。
年齢と性別: 中年以上の女性に多く見られる傾向があり、ホルモンの影響が指摘されています。
ストレス: 長期の心理的、物理的ストレスも免疫システムに影響を与え、炎症を引き起こすトリガーとなる可能性があります。
複数の病気の共存: ダイアベティック・レチノパシー、緑内障、乾燥眼症など、他の眼科の病気と併発するケースも報告されています。
個人の状況により、原因と改善法は異なる可能性があります。
虹彩毛様体炎の症状は、結膜の充血や目の赤みや違和感、視力の低下、目のかすみ、まぶしさ、眼の痛みなどです。
虹彩毛様体炎を発症すると、急に片眼や両眼の球結膜に充血が起こります。自覚症状としては、眼の痛みやまぶしさを感じる、見えにくくなる、眼のかすみなどです。
場合によっては、飛蚊症が現れたり合わせて白内障などの病気が起きたりすることもあります。
目の痛み: 虹彩毛様体炎は、しばしば目の痛みとして最初に現れます。これは、軽度から重度まで様々であり、しばしば急に発症します。
赤目: 目が赤くなることが一般的です。これは炎症の一症状であり、目の内部に炎症が起きている可能性を示します。
感光性: 光に対する過敏反応が起こり、特に強い日光や室内の明るい光が不快に感じます。
視力低下: 炎症が進行すると、視力が次第に低下していく可能性があります。
ぼやけた視界: 一部では、視界がぼやけると報告しています。
水ぶくれ、浮遊物: 視野内に小さな浮遊物が見える場合があります。
異物感: 目に何かが入っているような、不快な感覚がある場合があります。
涙の過剰な分泌: 痛みや不快感に対する反応として、涙が過剰に分泌されることがあります。
瞳孔の変化: 重症の場合、瞳孔の形が不規則になることがあります。
光弧症状: 光源を見た際に、虹色の光の弧が見える症状がある場合もあります。
虹彩毛様体炎の症状は一人一人異なる場合があり、複数の症状が同時に、または短期間で順番に現れることもあります。そのため、症状が軽度であっても、専門の医師に見てもらうことが大事です。
一部の症状は急激に現れることもあれば、長期間にわたって持続することもあります。
虹彩毛様体炎を改善するためには、主にステロイド剤や消炎鎮痛剤を使います。消炎鎮痛剤は、点眼や内服で使用します。
炎症が虹彩毛様体に限られている場合は、副腎皮質ステロイド薬の点眼をして改善を行うことが多いです。炎症が強い場合は、副腎皮質ステロイドを注射や内服で使うこともあります。
・薬
ステロイド点眼薬: 炎症を抑制するために一般的に処方されます。しかし、長期使用には副作用があるため、医師の指導が必要です。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs): 炎症を抑える効果があり、ステロイドが適用できない場合などに用いられます。
抗生物質: 二次感染を防ぐために、時には抗生物質も併用されることがあります。
抗ウイルス薬: 感染が原因である場合は、抗ウイルス薬が用いられます。
免疫抑制薬: 重症の場合や再発を防ぐために、免疫を抑制する薬が処方されることもあります。
・眼内注射
ステロイドや抗炎症薬を直接眼内に注射する方法もあります。これは通常、重症の場合や他の改善法が効果を示さない場合に用いられます。
・外科手術
虹彩毛様体の切除: 重症の場合、炎症を起こしている虹彩や毛様体の一部を外科的に取り除くこともあります。
シクロデストラクション: 極端なケースでの最後の手段として、毛様体を破壊して炎症を抑える手術も行われることがあります。
・免疫調整
特に自己免疫に関わる病気が関与している場合、全身的な免疫調整が必要とされる場合があります。
・サポートケア
人工涙液: 目の乾燥を防ぐための人工涙液が用いられることがあります。
痛み管理: 痛みを和らげるための薬が用いられる場合もあります。
改善法は症状、全身状態、合併症などによって異なる可能性があります。
・非ステロイド性抗炎症薬
ケトロラック、フラーバプロフェン、インドメタシンなどの薬は、炎症を抑制するだけでなく痛みを軽減する効果もあります。ただし、胃腸障害や腎臓への影響があるため、医師の監修のもとで使用する必要があります。
・鎮痛剤
アセトアミノフェン、イブプロフェンなどの一般的な鎮痛剤も痛みを和らげるために用いられることがあります。これらは炎症を抑制するわけではありませんが、痛みをコントロールすることはできます。
・オピオイド鎮痛剤
非常に痛みが強い場合は、コデイン、モルヒネなどが短期間処方されることがあります。しかし、依存性があるため長期的な使用は推奨されません。
・局所麻酔剤
リドカイン、プロパラカインなどは極端な痛みに対して用いられる場合があります。これは通常、手術などを伴う場合に限られます。
アトロピンは、瞳孔を拡張することで、虹彩の動きを制限し、それによって痛みを減少させる目的で使用されることがあります。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
ケトロラック(Ketorolac)
フラーバプロフェン(Flurbiprofen)
インドメタシン(Indomethacin)
これらの薬は、炎症を抑制するだけでなく痛みを軽減する効果もあります。ただし、胃腸障害や腎臓への影響があるため、医師の監修のもとで使用する必要があります。
鎮痛剤
アセトアミノフェン(Tylenol)
イブプロフェン(Ibuprofen)
一般的な鎮痛剤も痛みを和らげるために用いられることがあります。これらは炎症を抑制するわけではありませんが、痛みをコントロールすることはできます。
オピオイド鎮痛剤
コデイン(Codeine)
モルヒネ(Morphine)
非常に強い痛みの場合、オピオイド鎮痛剤が短期間処方されることがあります。しかし、依存性があるため長期的な使用は推奨されません。
局所麻酔剤
リドカイン(Lidocaine)
プロパラカイン(Proparacaine)
極端な痛みに対しては、一時的に局所麻酔剤が用いられる場合があります。これは通常、手術などの医療行為を伴う場合に限られます。
その他
アトロピン
瞳孔を拡張することで、虹彩の動きを制限し、それによって痛みを減少させる目的で使用されることがあります。
注意: 上記の薬物は全て医師の処方と指導が必要です。また、症状や持病、他に服用している薬などによっては、これらの薬が適していない場合もあります。したがって、専門医の診察を受けることが非常に重要です。
虹彩と水晶体がくっついてしまうことを防止するために散瞳薬の点眼も行います。
炎症をそのまま放っておいてしまうと、虹彩と水晶体がくっついて緑内障の原因になることがあります。自覚症状があるときは早めに眼科に行くことをお勧めします。