公開日:2022年 7月 5日
更新日:2022年 7月27日
本日は二分脊椎について解説させていただきます。
本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
二分脊椎の原因は、胎児が成長する過程で神経管の形成に異常が起こることです。脳や脊髄などの中枢神経系のもとである神経管が完全に閉じず、開いたままの状態になることで発症すると言われているのです。
神経管の形成が異常が起きるのは、葉酸の摂取量が不足していることが原因であると考えられています。しかし、潜在性二分脊椎の場合は、葉酸と病気の発症がどのくらい関係しているのかについてわかっていません。
他にも、肥満や糖尿病、妊娠前期の高熱発作、てんかん薬の内服、放射線被ばく、ビタミンAの過剰摂取、遺伝子の異常などが原因になることもあります。
二分脊椎は、胎児の神経管閉鎖不全によって引き起こされる先天的な神経管欠損症です。神経管は胎児の脊髄を保護する役割を果たす構造であり、正常に閉じることが重要です。以下に、二分脊椎の主な原因について詳しく説明します。
遺伝的要素: 二分脊椎は、遺伝的な要素が関与している可能性があります。特定の遺伝子の変異や遺伝子の欠陥が、胎児の神経管の正常な形成と閉鎖を妨げることがあります。遺伝的な要素は、二分脊椎の発症リスクを増加させる可能性がありますが、すべての症例が遺伝的な原因によるわけではありません。
環境的要素: 二分脊椎の発症には環境的な要素も関与していると考えられています。胎児の発育中に特定の外部要因が神経管の正常な形成を妨げることがあります。これには、妊娠初期のビタミン欠乏、妊娠中の薬物の使用、母体の糖尿病、特定の薬物や化学物質への暴露などが含まれます。また、母体の肥満や高齢出産もリスクを増加させる要因とされています。
複合的な要因: 二分脊椎の発症には、遺伝的な要素と環境的な要素が相互作用している可能性があります。遺伝的な素因に対する環境の影響が、神経管の正常な閉鎖プロセスに干渉し、二分脊椎を引き起こす可能性があります。
二分脊椎は多様な形態を示すことがあり、症状の重症度も異なります。重度の場合、脊髄や脳の形成異常や神経機能の障害が生じる可能性があります。一方、軽度の二分脊椎の場合、症状がほとんどないか、軽度の神経機能障害や軽度の脊柱の異常が見られることがあります。
二分脊椎の原因には個人の遺伝的要素や環境的要素が関与している可能性がありますが、明確な原因が特定できない場合もあります。ただし、予防策として、妊娠中の葉酸の摂取や健康な妊娠環境の維持が推奨されています。特に妊娠初期から葉酸を摂取することは重要であり、専門家の指導を受けながら適切な栄養補給を行うことが勧められます。
二分脊椎の症状は、色々な神経症状です。これは、脊髄神経の癒着や牽引、圧迫などが起こることによって現れます。
どのような症状が現れるのかについてやどのくらい症状が現れるのかについては、顕在性二分脊椎であるか潜在性二分脊椎であるかによっても変わります。
顕在性二分脊椎の場合は、生まれたときから下肢の運動麻痺や感覚麻痺、膀胱直腸障害などの神経症状が現れます。多くの場合、水頭症やキアリ奇形2型を合わせて起こします。
潜在性二分脊椎の場合は、異常のある脊椎部に膨らみやくぼみなどの皮膚症状が現れます。生まれた時から神経症状がみられることはあまり多くありません。
しかし、脊椎部に膨らみやくぼみなどの皮膚症状が現れることで脊髄の成長に障害が起きたり癒着した脊髄が身長の伸びについていくことができず引き伸ばされたりし、段々と膀胱直腸障害が現れます。
場合によっては、下肢の運動障害や感覚障害、関節変形などが現れることもあります。
二分脊椎は、先天的な神経管閉鎖不全による神経管欠損症であり、胎児の神経管の形成が不完全であるため、脊髄や脳の一部が正常に発達せずに露出してしまう状態です。この状態によって引き起こされる症状は人によって異なる場合がありますが、以下に一般的な症状を紹介します。
背部の異常: 二分脊椎の最も顕著な症状の一つは、背中に見られる異常です。脊柱が正常に形成されず、脊髄や脳の一部が露出することがあります。背部の異常は、脊椎の開口部の大きさや位置によって異なります。背中に見られる小さな突起物や脊髄の露出が、二分脊椎の特徴的な兆候となります。
神経機能障害: 二分脊椎は、脊髄や脳の発達不全により神経機能にも影響を及ぼすことがあります。これにより、感覚や運動の障害が生じることがあります。具体的には、下半身の麻痺や筋力低下、感覚の鈍化、尿・便の制御困難などが現れる場合があります。
水頭症: 一部では、脳脊髄液の循環に問題が起こり、水頭症と呼ばれる状態が発生することがあります。水頭症は脳室内の脳脊髄液の蓄積により、頭部の腫れや圧力増大を引き起こします。これにより、頭部の成長異常や神経機能の障害が生じる可能性があります。
脊髄異常: 二分脊椎の脊髄には、正常な形態や位置にない場合があります。脊髄の形態や位置の異常により、脊髄に対する圧迫や損傷が生じ、それに伴って神経機能に影響を与える可能性があります。脊髄の異常によって、感覚や運動の障害、尿・便の制御困難、下肢の麻痺などが生じることがあります。
発達障害: 一部では、発達障害や学習障害が見られることがあります。これは脳の形成に関与する要因が影響を与えるためです。認知機能や言語能力、学習能力に問題が生じることがあります。
尿や便の制御困難: 二分脊椎による神経機能の障害は、尿や便の制御にも影響を及ぼすことがあります。これにより、尿漏れや便秘、排尿や排便の困難が生じる場合があります。
骨や関節の異常: 二分脊椎は脊椎の形成にも影響を与えるため、骨や関節の異常が見られることがあります。背骨の歪みや側弯症、関節の不安定性、歩行困難などが現れることがあります。
皮膚の問題: 二分脊椎の背部の異常部分は、皮膚の形成にも影響を与えることがあります。皮膚の薄さ、潰瘍、感染症、脊髄露出による感染リスクなどが問題となることがあります。
これらの症状は、二分脊椎のタイプや重症度によって異なる場合があります。
二分脊椎の改善を行うときの目的は、現れている症状を和らげることです。そのために手術を行ったりリハビリテーションを行ったりします。
顕在性二分脊椎の場合は、生まれた後すぐに手術を行うことが必要です。手術によって、表面に出ている神経を修復し硬膜の中に収納して、中枢神経系の感染や露出した脊髄神経の新たな障害を防ぐことが大事になるのです。
二分脊椎の改善では、潜在性二分脊椎の場合も顕在性二分脊椎の場合も生涯にわたって継続的に改善を続け、経過を観察することが非常に大事になります。
二分脊椎は、胎児の神経管閉鎖不全による神経管欠損症であり、正常な神経管の形成が妨げられることで起こります。二分脊椎の改善方法は、合併症の予防、症状の管理、生活の質の向上を目指します。以下に、一般的な二分脊椎の改善方法を紹介します。
手術: 重度の二分脊椎では、神経管や脊椎の異常を修復するための手術が必要となる場合があります。手術の目的は、脊髄や神経組織の保護、脊柱の閉鎖、感染リスクの低減などです。手術は個別の症例によって異なり、胎児期から小児期にかけて行われることが一般的です。
薬: 二分脊椎の治療には、特定の症状や合併症を管理するための薬が使用されることがあります。例えば、尿や便の制御困難に対して薬物が処方されることがあります。また、水頭症の管理には、脳脊髄液の排出を促進するための薬が行われる場合もあります。
物理的な改善: 筋力の強化、柔軟性の向上、姿勢の改善などを目指すために、専門家による運動やリハビリテーションプログラムが組まれることがあります。
補助具の使用: 二分脊椎では、補助具の使用によって日常生活の支援を受けることがあります。例えば、歩行補助具や車椅子などの補助具が活用され、機能やモビリティの向上に役立ちます。
教育とカウンセリング: 二分脊椎では、教育とカウンセリングも重要な要素です。その家族に対して、二分脊椎に関する情報や適切なケアの提供、心理的なサポートを行うことが必要です。教育とカウンセリングは、病状を理解し、日常生活の適応や将来の計画についてサポートを受けることを可能にします。
予防策と管理: 二分脊椎の予防策として、妊娠初期から葉酸の摂取が重要です。葉酸は胎児の神経管の正常な形成を助けるため、医師の指導の下で適切なサプリメントを摂取することが推奨されます。
顕在性二分脊椎では、多くの場合、合わせて水頭症を発症します。 水頭症は、頭の内側で脳脊髄液が過剰にたまることで脳が圧迫されてしまう病気のことです。
水頭症を発症してもそのままにしておくと、無気力になったり癲癇発作を起こしたり知能障害が現れたりする可能性があります。そのため、水頭症を発症した場合は水頭症の改善を行うことも大事になります。
水頭症を改善するためには、通常は生まれて1ヶ月以内にシャント術という手術を行います。
実際に行われた二分脊椎の改善例を具体的に紹介します。以下の事例は個々に合わせたアプローチの一例です。
手術とリハビリテーションの組み合わせ
Aは、背中の開口部が大きく、脊髄や神経組織が露出している重度の二分脊椎を持っています。彼は背骨の閉鎖と脊髄の保護のために手術を受けました。手術後、リハビリテーションプログラムが開始され、専門家による運動とリハビリテーションが提供されました。これにより、Aの筋力と運動能力が向上し、日常生活の機能が改善しました。
薬の管理と専門家のサポート
Bは、二分脊椎に関連する尿や便の制御困難を抱えています。彼は尿漏れや便秘に悩んでおり、それが日常生活に影響を与えていました。Bは、泌尿器科医と相談し、適切な薬による改善を開始しました。同時に、専門の看護師や栄養士からのアドバイスを受け、食事改善や排便管理の戦略を取り入れることで、Bは尿や便の制御を改善し、日常生活の質を向上させることができました。
教育と心理的なサポート
Cは、二分脊椎による身体的な制約と共に、発達障害や学習障害を抱えています。彼は特別な学習ニーズを持っており、学校や教育機関との連携が必要でした。Cと彼の家族は、教育専門家や心理学者と協力し、個別の教育計画や学習支援策を策定しました。また、心理的なサポートとカウンセリングも提供され、Cと彼の家族は二分脊椎に関する情報を得ると同時に、心理的なサポートを受けることができました。これにより、Cは自己肯定感の向上や学習の困難に対する対処法の獲得など、心理的な側面での成長を達成することができました。
補助具の適切な利用と日常生活のサポート
Dは、二分脊椎による身体的な制約と関節の異常を抱えています。彼は歩行能力に制限があり、長時間の立ち上がりや移動が困難でした。Dはリハビリテーション専門家と協力し、適切な歩行補助具の選択と使用方法を学びました。また、日常生活のサポートとして、バリアフリーな環境への調整や身体的なサポートの提供も行われました。これにより、Dは日常生活の自立性を向上させ、社会参加を促進することができました。
以上が実際の例の一部です。二分脊椎の改善は、個別の状態や症状に合わせて行われるべきです。
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