公開日:2021年 6月11日
更新日:2025年 3月 1日
本日は角膜ヘルペスについて解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
角膜ヘルペスの原因は、角膜が単純ヘルペスウイルスに感染することです。ウイルスに対しての免疫反応が起こることによって角膜ヘルペスが起こるのです。
単純ヘルペスウイルスは身体の抵抗力が落ちた時に発症します。体調が悪くなったり強いストレスを感じる状況に置かれたり気温が下がったりすることがきっかけになることが多いです。
・ヘルペスシンプレックスウイルス(HSV)
ヘルペスシンプレックスウイルスは、角膜ヘルペスの主な原因とされています。このウイルスは2つの主要なタイプに分けられます。
HSV-1: 口唇や顔面のヘルペスが主な症状ですが、角膜ヘルペスの一般的な原因でもあります。
HSV-2: 性器ヘルペスが主な症状ですが、非常にまれに、これが角膜ヘルペスを引き起こすこともあります。
ヘルペスウイルスは非常に感染力があります。感染経路としては、密接な人対人の接触(キスや性交など)が考えられます。感染した個人の皮膚や分泌物と直接触れたり汚染された物品や表面を通じて感染するのです。
免疫力が低下していると、感染のリスクや症状が重くなる可能性があります。ストレス、他の病気、栄養不足などが免疫力に影響を与えることが知られています。
・再活性化
一度体の中に侵入すると、ヘルペスウイルスは完全に排除されることはありません。ウイルスは神経節に潜伏し、特定のトリガー(ストレス、他の病気、免疫抑制など)によって再活性化することがあります。
・二次感染と共感染
他の目の病気や感染症との共存(共感染)が角膜ヘルペスの症状を悪化させる場合もあります。
・既存の目の問題
既存の目の病気や手術、怪我が角膜ヘルペスの発症を引き起こす可能性もあります。特に、角膜に既に何らかのダメージがある場合、感染が広がるリスクが高まります。
・環境因子
極端な気象条件、紫外線、化学物質による刺激も、角膜を弱らせ、ヘルペスウイルスの感染リスクを高める可能性があります。
角膜ヘルペスには、上皮型と実質型があります。上皮型は、ウイルスが角膜の上皮層で増え、感染した上皮の細胞が抜ける角膜ヘルペスのことをいいます。
実質型は、ウイルスに感染した後実質層でウイルスに対する免疫反応が起こって炎症が起こる角膜ヘルペスのことをいいます。
上皮型の場合は、充血や目のごろつき、目の痛みなどの症状が現れます。実質型の場合は、充血や視界のぼやけなどの症状が現れます。上皮型は視力の低下がないことに比べ、実質型の場合は視力の低下も症状として見られます。
上皮型も実質型も特徴は、片目だけに起こり何度も再発を繰り返すことです。
・痛み
角膜ヘルペスの最も一般的な症状の一つは、痛みです。この痛みはしばしば鋭く、突然発生し、眼球を動かすとさらに悪化することがあります。光に対する過度な感受性が伴う場合もあります。
・赤みと炎症
眼球の赤みや炎症もよく報告される症状です。この赤みはしばしば一側だけに現れ、慢性的に続く場合もあれば急激に発生する場合もあります。
・涙と分泌物
角膜ヘルペスによって角膜が炎症を起こすと、涙の生成が促される場合があります。このため、涙が多くなることがあります。さらに、目から分泌物が出ることも報告されています。
・視力の変化
進行すると、角膜ヘルペスは視力に影響を与える可能性があります。最初は軽度のぼやけや歪みから始まり、重症化すると視力喪失に至ることもあります。
・その他の症状
瞼の腫れ、眼球の硬直感、イボや水疱の形成
上皮型の改善方法は薬です。抗ウイルス薬でウイルスが増えないようにすることで改善を行います。細菌感染を防ぐために抗菌薬の点眼も使います。
実質型の改善方法も薬です。ウイルスが増えないようにすることと炎症を抑えることを目的に抗ウイルス薬とステロイドで改善を行います。
・抗ウイルス薬
経口抗ウイルス薬: アシクロビル、バルアシクロビルなどの経口抗ウイルス薬が一般的に使用されます。
点眼薬: トリフルリジンやガンシクロビルなどの抗ウイルス点眼薬も一般的です。
静脈内抗ウイルス薬: 重症の場合には、静脈内投与が選択されることもあります。
・ステロイドと抗炎症薬
点眼ステロイド: 炎症を抑えるためにステロイド点眼薬が用いられる場合もありますが、使用は慎重に行われるべきです。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs): 炎症と痛みを軽減するための選択肢です。
・サイクロスポリンやタクロリムス
免疫応答を調整するための点眼薬や軟膏として用いられる場合があります。
・デブリードメント
角膜の表面にできたウイルス性の病巣を物理的に除去する手法です。
・角膜移植
重症の場合や、他の改善方法が効果を示さない場合は角膜移植が検討されることもあります。
・レーザー
角膜の表層を再形成するためにレーザーが用いられる場合もあります。
・その他の補助法
人工涙液: 眼の乾燥を防ぐ
帯状疱疹ワクチン: HSVと関連性があるため、一部の症例で用いられることもあります。
・予防薬
再発を防ぐための予防薬として、長期的に低用量の抗ウイルス薬が処方されることもあります。
・サポートケア
視力補助: 視力が低下する場合、適切な補助具や改善方法が必要です。
心理的サポート: 症状が重い場合、精神的なサポートも重要です。
角膜ヘルペスは何度も繰り返し起こります。改善したとしても油断しないことが大切です。
角膜ヘルペスを予防するためには、角膜ヘルペスを引き起こすきっかけとなる抵抗力を下げないことが重要です。まず、体調を整えるように気をつけましょう。
角膜ヘルペスが再発した場合は早めに眼科に行き早めに改善することが大切です。