進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 10月 2日

更新日:2021年 11月20日

本日は進行性家族性肝内胆汁うっ滞症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 進行性家族性肝内胆汁うっ滞症とは
  • 進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の原因
  • 進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の症状
  • 進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の改善方法
  • 進行性家族性肝内胆汁うっ滞症のまとめ
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銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

肝細胞の中に胆汁がうっ滞し、肝細胞が障害される病気

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症は、肝細胞から胆汁を出すことができなくなり、肝細胞の中に胆汁がうっ滞して肝細胞に障害が起きる病気です。

 

肝細胞に障害が起きることで症状が現れます。特に強く現れる症状は痒みです。

 

胆汁うっ滞によって肝細胞への障害が続くと、肝臓はだんだんと線維化が進み、硬くなり、肝硬変になります。

 

原因となる遺伝子によってPFIC1型から5型までのタイプがあります。日本には、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症を発症している人は約100人ほどいると言われています。

原因は、肝細胞から胆汁を出す機能に関係している遺伝子の異常

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の原因は、肝細胞から胆汁を出す機能に関係している遺伝子の異常です。

 

遺伝形式は、常染色体劣性遺伝で、原因となる遺伝子によってPFIC1型から5型までのタイプがあります。

 

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の原因となる遺伝子の保因者である父親と進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の原因となる遺伝子の保因者である母親から生まれた子供は、4分の1の確率で進行性家族性肝内胆汁うっ滞症を発症します。

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症は、主に女性に多く発症する病気で、自己免疫性の病気とされています。原因は完全には明らかにされていませんが、遺伝的要因や環境的要因などが関与していると考えられています。

 

遺伝的要因:進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の発症に関連する遺伝子を持つ人々は、発症するリスクが高くなります。また、家族性に発症することがあり、同じ家族で複数の人が発症することもあります。

 

免疫系の異常:進行性家族性肝内胆汁うっ滞症では、肝臓の細胞に対する自己免疫反応が起こり、肝臓の細胞が攻撃され、炎症が生じます。この炎症によって、肝臓の細胞が破壊され、肝機能が低下していきます。

 

環境的要因:進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の発症に関わるとされているのは、喫煙や肥満、感染症、紫外線曝露などです。

 

以上のように、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因や免疫系の異常、環境的要因が関与していると考えられています。今後、これらの要因を詳しく解明し、新しい改善方法の開発につなげることが求められています。

初めの症状は、乳児期からの黄疸が長引くこと

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の初めの症状は、乳児期からの黄疸が長引くことです。その後、体重の増加不良や低身長、肝脾腫、強い痒みなどの症状が現れます。

 

血液を調べると、直接ビリルビン、総胆汁酸および肝逸脱酵素が高い値になります。一般的にγ-GTP値が上がることはありません。

 

 原因となる遺伝子によってタイプがあり、PFIC1型の場合は、胆汁うっ滞性肝障害だけではなく、下痢や膵炎、難聴などの症状が現れることもあります。

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症は、初期症状がなく、徐々に進行していく慢性的な病気であるため、症状が現れるまでに数年から数十年かかる場合があります。症状は、個人差があり、軽度の場合には症状がないこともありますが、以下に一般的な症状を挙げます。

 

疲れや倦怠感:疲れや倦怠感は、肝臓の機能低下により、身体に十分なエネルギーが供給されないためです。

 

かゆみ:かゆみは、肝臓内に蓄積された胆汁酸が皮膚に影響を与えることで引き起こされます。

 

黄疸:症状が進行すると、黄疸が現れることがあります。黄疸は、皮膚や目の白目が黄色く変色する症状で、胆汁の排出が十分に行われないために起こります。

 

腹部の膨満感:腹部に膨満感や不快感を感じることは、肝臓や胆嚢の腫れや炎症によって引き起こされます。

 

食欲不振:食欲不振は、肝臓の機能低下によって、消化や栄養吸収が不十分になるためです。

 

骨粗鬆症:骨粗鬆症は、胆汁酸の蓄積により、カルシウムやビタミンDの吸収が不十分になるためです。

 

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症は、初期症状がなく徐々に進行するため、症状が現れるまでに時間がかかる場合があります。しかし、症状が現れた場合は、早期の判断と改善が必要となります。

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の改善方法は、薬や手術

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の改善方法は、薬や手術です。薬では、ウルソデオキシコール酸やフェノバルビタールと脂溶性ビタミンなどがあります。ウルソデオキシコール酸は、肝障害を防ぐために早い段階で使います。

 

必須脂肪酸強化MCTフォーミュラを特殊ミルクとして使って改善を行うこともあります。抗結核薬であるリファンピシンも一時的に効果を発揮することも多いです。

 

手術では、部分胆汁瘻という手術を行います。部分胆汁瘻は胆汁が再吸収されないようにすることで、痒みを軽くしたり病気の進むスピードを遅くしたりするために効果的です。

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の改善方法は、症状や病気の進行度合いに応じて異なります。現在、改善方法は、症状の緩和と病気の進行を遅らせることを目的としています。

 

Ursodeoxycholic Acid(UDCA):UDCAは、胆汁酸を増加させ、肝機能の改善や炎症の緩和に効果があります。改善のためには高用量のUDCAが使用されます。UDCAは、PBCの進行を遅らせることができます。

 

Immunomodulatory Therapy:PBCは、免疫系の異常によって引き起こされるため、免疫の調整が有効です。免疫の調整には、ステロイド薬や免疫抑制剤が使用されます。これらの薬剤は、免疫系の機能を低下させることで、PBCの進行を遅らせることができます。

 

Liver Transplantation:PBCが進行し、肝機能が著しく低下した場合は、肝移植が必要になることがあります。肝移植は、PBCの改善方法の最終手段とされています。

 

Symptomatic Treatment:かゆみや腹部の膨満感などの症状を訴えることがあります。これらの症状に対しては、抗ヒスタミン剤や緩下剤が使用されます。また、骨粗鬆症を予防するために、カルシウムやビタミンDの補充も行われます。

 

以上のように、PBCの改善方法には、UDCA、免疫調整療法、肝移植、症状の緩和があります。改善方法は、症状や病気の進行度合いに応じて、個別に決定されます。

注意すること

改善を行なっても肝障害が進み、肝硬変になってしまった場合、肝移植を行うこともあります。

 

ビタミンK欠乏症によって血液凝固機能が下がっている場合は、頭部などの出血に注意することが必要です。さらにビタミンD不足にもなりやすいため、骨折にも注意することが必要です。

 

症状として現れる痒みは非常に強いため、皮膚を直接搔かないことも大事

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の改善例

ある病院で行われた研究では、PBCを発症している人にUDCAと免疫調整剤の投与を併用した改善が行われ、その結果、肝臓機能が改善し、病気の進行が遅らせられたことが報告されています。また、別の研究では、PBCを発症している人に対して、運動を行うことで、筋力や身体機能が改善され、生活の質が向上したことが報告されています。

 

さらに、胆汁酸吸着剤を使用した改善例もあります。あるPBCの発症者かゆみに悩まされていましたが、胆汁酸吸着剤を投与したところ、かゆみが緩和され、生活の質が向上したことが報告されています。

 

以上のように、PBCの改善法は多岐にわたりますが、適切な改善を行うことで、病気の進行を遅らせ、生活の質を向上させることができます。

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