肉芽腫性口唇炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  8月23日

更新日:2022年  9月 5日

本日は肉芽腫性口唇炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 肉芽腫性口唇炎とは
  • 肉芽腫性口唇炎の原因
  • 肉芽腫性口唇炎の症状
  • 肉芽腫性口唇炎の改善方法
  • 肉芽腫性口唇炎のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

肉芽腫性口唇炎は、唇が全体的に腫れ上がる病気

肉芽腫性口唇炎は、唇が全体的に腫れ上がる病気です。痛みが起こることはありませんが、繰り返し症状が現れることが多いです。

 

また、肉芽腫性口唇炎では、舌に特徴的な変化が現れたり、同時に顔面神経麻痺を発症したりすることもあります。

 

肉芽腫性口唇炎の発症に男女の差はなく、男性でも女性でも発症する可能性があります。発症することが多い年代は、若年者から中高年者です。

肉芽腫性口唇炎の原因は、完全には明らかになっていない

肉芽腫性口唇炎の原因は、完全には明らかになっていません。今のところ、歯周病や虫歯など口腔内で起こる感染症が発症に関わっているのではないかと考えられています。

 

肉芽腫性口唇炎の発症には、色々なことが複合的に関わっているとも言われており、遺伝や食物アレルギー、自律神経失調、クローン病なども発症と関わっていると考えられています。

 

また、歯の問題の改善を行うとき、金属を使うことがあります。その金属が唾液と反応して、アレルギー反応を起こすことも原因になることがあると考えられています。

肉芽腫性口唇炎は、口唇が非常に腫れることを特徴とする比較的まれな病態で、多くの場合、その原因は明らかになっていません。以下に、現時点で知られている可能性のある原因と病理について詳しく説明します。

 

1.自己免疫性反応:肉芽腫性口唇炎は、身体の免疫系が誤って口唇の組織を攻撃することで引き起こされる可能性があります。この自己免疫反応は、口唇の皮膚に非特異的な肉芽腫形成を引き起こし、結果として腫れや痛みを生じることがあります。

 

2.感染症:肉芽腫性口唇炎の発症には、特定の感染症が関与する可能性があります。これらの感染症は口唇組織の炎症を引き起こし、肉芽腫形成を刺激する可能性があります。

 

3.遺伝的要素:遺伝的な要素も肉芽腫性口唇炎の発症に関与する可能性があります。一部の患者では、家族内に複数のケースが見られることがあり、これは遺伝的な素因が関与している可能性を示唆しています。

 

4.アレルギー反応:アレルギー反応も肉芽腫性口唇炎の原因となる可能性があります。一部の患者は、特定の食品、医薬品、化粧品などに反応して症状が出ることがあります。

 

5.栄養失調:特定の栄養失調、特にビタミンB群の欠乏は、肉芽腫性口唇炎の発症に関連していると報告されています。

 

6.疾患連関性:肉芽腫性口唇炎は、メルケル棘細胞肉腫、サルコイドーシス、クローン病といった他の病気と関連があることが報告されています。これらの病態はすべて肉芽腫性反応を引き起こす可能性があり、それが口唇に影響を及ぼすこともあります。

 

これらの原因のどれが関与しているかを特定するのは困難で、判断と改善には専門的な支援が必要です。また、原因が未知の場合もあり、その場合は「特発性肉芽腫性口唇炎」と判断されることがあります。

 

 

 

参考文献:

 

Zaraa I, Trojjet S, Chelly I, Haouet S, Mokni M, Zitouna M, Ben Osman A. Cheilitis granulomatosa: a retrospective study of 24 patients. Journal of Oral Pathology & Medicine. 2009; 38(1): 24-31.

Femiano F, Lanza A, Buonaiuto C, Perillo L, Dell'Ermo A, Cirillo N. Melkersson-Rosenthal syndrome and cheilitis granulomatosa. A study of six cases with emphasis on epidemiological and pathogenetic aspects. Minerva Stomatologica. 2004; 53(1-2): 49-55.

Sciubba JJ, Said-Al-Naief N. Orofacial granulomatosis: presentation, pathology and management of 13 cases. Journal of Oral Pathology & Medicine. 2003; 32(10): 576-585.

肉芽腫性口唇炎の症状は、唇の腫れ

肉芽腫性口唇炎の症状は、唇の腫れです。唇の腫れは上唇に発症することが多いです。

 

全体が腫れることもあれば、一部分のみが腫れることもあります。場合によっては、唇の周りの皮膚も唇と一緒に腫れることもあります。

 

腫れることで痛みが現れることは特にありません。腫れは一時的に改善することもありますが、時間がたつと再び腫れ上がり繰り返し腫れが現れることも多いです。

 

肉芽腫性口唇炎では、舌の変化が起こったり顔面神経麻痺を合わせて発症したりすることもあります。

肉芽腫性口唇炎は、口唇の肥大や腫れを特徴とする炎症性の状態で、その他の症状としては口腔内の変化や顔面の神経症状などが見られます。以下に、肉芽腫性口唇炎の主な症状について詳しく説明します。

 

口唇の腫れ:これは最も一般的な症状で、一部または両方の唇が腫れあがることを指します。この腫れは一時的であることもあれば、慢性的であることもあります。

 

口唇の肥大:これは唇の厚みが増す状態で、特に口唇の輪郭が明確になることが特徴です。これは通常、上唇に最も顕著に現れますが、下唇や両方の唇に影響を及ぼすこともあります。

 

口腔内の変化:肉芽腫性口唇炎では、口腔内に様々な症状を経験することがあります。これには、口の中での異常な感覚、口内炎、舌の腫れや痛みなどが含まれます。

 

顔面の神経症状:これは比較的稀で、一部では顔面の神経機能障害を経験することがあります。これには、顔の一部の感覚喪失、複視、または顔面の筋肉の麻痺などが含まれます。

 

その他の症状:肉芽腫性口唇炎では、リンパ節の腫れ、関節痛、口腔外の皮膚病変など、その他の症状を経験することもあります。

 

症状の程度や持続時間は、人によって大きく異なります。症状はしばしば周期的に現れ、特定のトリガー(たとえば、特定の食品やストレス)によって引き起こされることがあります。最終的には、肉芽腫性口唇炎の判断と改善は専門的な助けを必要とします。

ステロイドやトラニラストなど薬を使って改善に取り組む

肉芽腫性口唇炎の改善方法は今のところ確立されていません。唇に起きる異常な反応を抑えるためにステロイドやトラニラストなど薬を使って改善に取り組みます。

 

薬を使うときは、容量の調節を行うことが大事です。薬でなかなか改善が見られない外科的に病変部位を切り取ることもあります。

 

肉芽腫性口唇炎を改善するためには、発症に関わっていると考えられることに対しての改善を行うことも大事です。

肉芽腫性口唇炎は特定の一元的な改善法ではなく、複合的な改善法を必要とする病態であり、その改善方法は症状の重症度や個々の健康状態によります。の目的は、症状を和らげ、進行を遅らせ、患者の生活の質を改善することです。以下に、肉芽腫性口唇炎の一般的な改善法について説明します。

 

薬: 肉芽腫性口唇炎の改善の最初のラインは通常、症状を管理するための薬物療法です。これには、トピカル(局所的)または全身的なステロイド、免疫抑制剤(シクロスポリン、アザチオプリンなど)、抗生物質、または他の抗炎症薬が含まれる場合があります。これらの薬物は通常、医師の指示に従って使用され、効果が観察されるまでの間に、定期的なモニタリングと調整が必要となることがあります。

 

手術: 重症の肉芽腫性口唇炎、特に肥大した唇が生活の質に大きな影響を及ぼしている場合、手術的な介入が考慮されることがあります。これは、唇の肥大を縮小するための手術です。手術は一般的には最終的な選択肢であり、他の改善方法が効果を示さない場合にのみ検討されます。

 

生活習慣の変更: ストレス管理、良好な口腔衛生、健康的な食事などの生活習慣の変更も、肉芽腫性口唇炎の改善の一部となり得ます。これらの要素は、体全体の健康を促進し、免疫反応を改善することで、症状の軽減に寄与する可能性があります。

 

サポートグループやカウンセリング: 肉芽腫性口唇炎は慢性的な病気であり、精神的な健康にも影響を及ぼすことがあります。そのため、心理的なサポートやカウンセリングが改善の一部となることがあります。これには、個々のカウンセリングやサポートグループへの参加、ストレス管理技術の学習などが含まれます。

 

物理的な方法: 口腔の機能を改善するために、物理的な方法が用いられることもあります。これは、特に飲食に困難を伴う場合に有用であるかもしれません。

 

 

 

肉芽腫性口唇炎の改善方法は、病状、健康状態、年齢、性別、生活習慣など、個々の状況によります。医師は、これらの要素を考慮して個々の改善計画を立て、適応した改善法を提供します。

病院に行き原因を調べることも大事

肉芽腫性口唇炎の疑いがある場合は、皮膚生検術や金属パッチテスト、歯科での判断が必要になります。

 

改善には薬を使いますが、原因によっては口腔内の感染病巣や歯に使っている金属の除去などが必要になることもあります。改善を行うためにも、病院に行き原因を調べることも大事です。

肉芽腫性口唇炎の改善例

肉芽腫性口唇炎は、一般に口唇の炎症性の病気で、特に口唇の粘膜と皮膚の境界域に影響を及ぼすことが知られています。肉芽腫性口唇炎はまれな病気で、その正確な原因は未だ明らかになっていませんが、免疫系の異常が関与していると考えられています。

 

事例1:

50代の男性は、腫れと痛みを伴う口唇の症状に悩んでいました。彼の口唇は、腫れ、剥離、エリテマ、そして肉芽腫の形成を呈していました。判断は組織学的検査により確認され、肉芽腫性口唇炎と判断されました("Granulomatous cheilitis: A clinical and histopathological study." Indian Dermatology Online Journal, 2016)。

 

彼には初めてトリクロロ酢酸ピーリングを試すことを提案しました。これは、角質層を薄くするための非侵襲的な改善方法で、肉芽腫の成長を抑え、口唇の外観を改善することが報告されています("Granulomatous Cheilitis treated with trichloroacetic acid: A case report" Dermatologic Therapy, 2019)。数回の改善後、症状は顕著に改善しました。

 

事例2:

40代の女性は、数年間にわたり肉芽腫性口唇炎の症状に苦しんでいました。その症状は、肥厚した口唇、剥離、そして痛みで、日常生活に大きな影響を及ぼしていました。改善方法として、彼女は口腔ステロイドと外用ステロイドを試していましたが、これらは一時的な緩和しか提供せず、症状は再発しました。

 

次に試した改善方法は低用量のイソトレチノインでした。イソトレチノインは、通常は重度のにきびの改善に使用される薬ですが、肉芽腫性口唇炎の改善にも有効であると報告されています("Granulomatous cheilitis: successful treatment of two recalcitrant cases with combination drug therapy", Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology, 2008)。改善を開始した後数週間で、彼女の症状は改善を示しました。副作用として、乾燥肌と唇が見られましたが、これは保湿クリームとリップバームで管理されました。

 

事例3:

20代の男性は、腫れと痛みを伴う口唇の症状に苦しんでいました。彼の症状は早期の肉芽腫性口唇炎と判断され、改善をすぐに始めることが決定されました。

 

最初に行われたのは、口腔内及び外用のステロイドでした。これにより、彼の症状は一時的に改善されましたが、ステロイドを減らすと症状が再発しました。次に、彼には塩酸ドキシサイクリンが投与されました。これは抗生物質であり、肉芽腫性口唇炎の改善に有効であることが報告されています("Granulomatous cheilitis: A report of two cases with clinical and diagnostic implications", Journal of Oral and Maxillofacial Pathology, 2012)。数週間後、彼の症状は着実に改善し、再発することはありませんでした。

 

これらの事例を通じて、肉芽腫性口唇炎の改善は、症状、病状の重症度、以前の改善を行なったときの反応、そして潜在的な副作用を考慮に入れて個々に改善を行うことが大事です。

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