びまん性汎細気管支炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  2月13日

更新日:2023年 10月 7日

本日はびまん性汎細気管支炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • びまん性汎細気管支炎とは
  • びまん性汎細気管支炎の症状
  • びまん性汎細気管支炎の原因
  • びまん性汎細気管支炎の改善方法
  • びまん性汎細気管支炎のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

びまん性汎細気管支炎は、1969年に日本から初めて提唱された

びまん性汎細気管支炎は、肺胞につながる気管の末端の管である呼吸細気管支を中心にして慢性的な炎症が起こる病気です。

 

びまん性汎細気管支炎は、1969年に日本から初めて提唱された病気です。1980年代以降は早く病気を発見し改善に取り組むことでほとんど改善すると言われています。

 

びまん性汎細気管支炎の症状は、咳やたん、息苦しさなどです。びまん性汎細気管支炎と合わせて慢性的な副鼻腔炎を発症することも多いです。

環境や遺伝、人種や体質的な要因が関係している

びまん性汎細気管支炎の原因は詳しくはわかっていません。しかし、日本を含む東アジアでの発症が多く、ヨーロッパではほとんど発症が見られないため、環境や遺伝、人種や体質的な要因が関係していると考えられています。

 

慢性副鼻腔炎を発症している場合や、慢性副鼻腔炎や気管支の病気を持っている家族がいる場合にびまん性汎細気管支炎を発症しているケースも多いと言われています。

 

発症に男女の差はなく、男性でも女性でも発症する可能性があります。発症の多い年代は40〜50代ですが、若い人や高齢者でも発症が見られます。

遺伝的要因:DPBの発症には、HLA(ヒト白血球抗原)という特定の遺伝子が関与しているとされています。特に、HLA-B54やHLA-DR9という遺伝子の多型が、DPBの発症リスクを高めると考えられています。

感染症:様々な細菌やウイルスの感染がDPBの原因や増悪要因として指摘されています。特に、ヘモフィルス・インフルエンザ菌やマイコプラズマなどの細菌による感染が関与することが示唆されています。

環境要因:一部の研究で、環境の湿度や気温、大気汚染などの外部要因がDPBの発症や増悪に影響する可能性が指摘されています。

免疫応答の異常:DPBでは肺から、特定のサイトカインや炎症関連物質が過剰に産生されることが確認されています。これらの物質が、小気管支の炎症を引き起こす要因となっている可能性があります。

喫煙:喫煙は多くの呼吸器の病気のリスク要因として知られており、DPBの発症や増悪にも関連していると考えられています。

既往歴や共存している病気:DPBと関連する他の呼吸器の病気や全身の病気、過去の感染症の既往なども、DPBの発症リスクを増加させる要因として考えられています。

 

びまん性汎細気管支炎の原因は正確にはわかっていませんが、遺伝的要因や感染症、環境要因など、複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。特に、遺伝的要因はDPBの発症に深く関与しており、日本や東アジア地域での発症率が高い理由とも考えられています。

びまん性汎細気管支炎の症状は、長く続く咳やたん

びまん性汎細気管支炎の症状は、長く続く咳やたんです。たんは、初めの段階では少ないですが、細菌に感染すると黄色や緑色などの粘性が強い膿性に変わります。

 

症状が進むと気道が閉塞したり気道に細菌が定着したりして、運動をしたときに息切れが現れるようになります。症状が悪くなると、安静にしていても息切れが起こるようになり呼吸不全になることもあります。

 

びまん性汎細気管支炎では、慢性副鼻腔炎を合わせて発症することも多いです。

慢性の咳:DPBのもっとも一般的な症状は慢性の咳です。乾いた咳から始まり、次第に黄緑色の痰が伴うことが多い。痰の増加は、気道の炎症や感染の進行を示す可能性がある。

喘鳴:喘鳴は、気道の狭窄や炎症によって発生する高 pitched whistle-like soundです。深い呼吸や労作時に特に顕著になることが多いです。

息切れ:積極的な活動や運動時、さらには日常生活の中での軽い動作でも息切れを感じることがある。これは、小気管支の炎症や閉塞が進行することで肺の換気機能が低下するためです。

胸の圧迫感や痛み:一部では、胸部に圧迫感や軽度の痛みを感じることがあります。これは、気道や肺組織の炎症によるものと考えられています。

低酸素症:進行したDPBでは、酸素の取り込みが十分に行われないため、指先や唇が青紫色になる低酸素症の症状が現れることがあります。

一般的な症状:疲労感、体重減少、食欲不振などの全身的な症状が現れることがあります。これは、体が炎症や感染に対抗してエネルギーを消費しているために現れる症状です。

再発性の肺炎:DPBでは、再発性の肺炎を発症するリスクが高くなります。これは、気道の閉塞や炎症が進行することで、肺に感染症が起こりやすくなるためです。

身体のむくみ:進行した病態の場合、心や肺の機能低下により、足や顔、手のむくみが現れることがあります。

 

DPBの症状は、病気の進行とともに徐々に悪化していく傾向があります。初期段階では、軽度の咳や痰が主な症状であり、日常生活に大きな影響はないことが多いです。しかし、改善を受けないまま症状が進行すると、呼吸困難や喘鳴が増加し、日常生活の質が低下していきます。

 

また、DPBの症状は他の呼吸器の病気と似ているため、正確な判断が重要です。特に、持続的な咳や痰、息切れが現れた場合、早めに病院に行くことをおすすめします。

現在は、びまん性汎細気管支炎の予後は良好

びまん性汎細気管支炎の改善方法は、気道の炎症を改善するためにマクロライド系の抗菌薬を少しずつ長い期間にわたって服用することです。薬は、大体半年~2年以上服用すると言われています。

 

咳やたんなどの症状に対しては、喀痰調整薬やβ刺激薬を使い、ぜんそくに似ている呼吸の症状に対してはキサンチン製剤などの気管支拡張薬を使うこともあります。

 

気道の細菌感染に対しては、原因となる細菌に効果を発揮する抗菌薬を使って改善を行います。

 

以前はびまん性汎細気管支炎は、慢性気道感染によって呼吸不全が起き予後が不良になることが多い病気でした。

 

しかし、1980年代以降はマクロライド系の抗菌薬を少しずつ長い期間使うことでほとんど改善するようになり、現在では予後は良好であると言われています。

抗生物質:びまん性汎細気管支炎の基本的な改善法として、マクロライド系抗生物質が用いられます。特にエリスロマイシンやクラリスロマイシンが広く使用されます。この方法は、抗菌作用だけでなく、抗炎症作用や免疫調節作用も持つため、炎症の抑制や症状の改善に寄与します。

気管支拡張薬:喘鳴や息切れの症状を和らげるために、気管支拡張薬が使用されることがあります。これには、ショートアクティングβ2刺激薬(SABA)やロングアクティングβ2刺激薬(LABA)などがあります。

ステロイド:気道の炎症を抑えるために、吸入ステロイドや経口ステロイドが使用されることがあります。しかし、DPBの初期のかいぜんには一般的には使用されず、症状が重症化した場合や他の方法に反応しない場合に限定的に考慮されます。

酸素法:DPBが進行し、低酸素症が明らかになった場合、酸素法が必要となることがあります。家庭用酸素法(HOT)を通じて、日常生活を送りながら酸素を吸入することができます。

肺リハビリテーション:肺リハビリテーションは、呼吸訓練や運動法を中心とした総合的なプログラムを提供し、生活の質の向上や身体機能の維持・向上を目指します。

肺移植:DPBが極度に進行し、他の方法での改善が見込めない場合、肺移植の選択肢が考えられます。移植は大きな手術であり、適応となる人は限られていますが、成功すれば生命の質と予後が大きく改善する可能性があります。

ワクチン接種:DPBでは感染症に対するリスクが高まるため、季節性インフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種が推奨されます。

 

びまん性汎細気管支炎(DPB)の改善方法は、症状や病気の進行度に応じて複数の方法が組み合わされることが多いです。最も一般的な改善法は、マクロライド系抗生物質を使用するものですが、状態や症状に応じて、気管支拡張薬、ステロイド、酸素法などが追加されることがあります。

びまん性汎細気管支炎において、肺リハビリテーションは身体機能の維持・向上と生活の質の向上を目指す有効な方法の一つとして知られています。以下に、肺リハビリテーションで取り入れる具体的な方法とその効果について詳しく解説します。

 

・具体的な方法

呼吸訓練:肺の容量を増やすための呼吸法や、効率的に酸素を取り込むための呼吸法を学びます。これには、腹式呼吸や細く長い呼吸などが含まれます。

運動法:カーディオトレーニング(有酸素運動)や筋力トレーニングを中心とした運動プログラムが組まれます。特に、下肢の筋肉を強化することで、日常の動作や歩行時の息切れを軽減することができます。

気道クリアランス技術:痰の排出を助けるための技術や方法を学びます。これには、姿勢ドレナージ、呼吸器具を使用した訓練などがあります。

栄養指導:呼吸器の病気の場合に適切な栄養摂取のアドバイスや食事の工夫を指導します。

心理・社会的サポート:病気や改善に関する不安や疑問に対するカウンセリングや、ストレス管理のためのリラクゼーション法、グループ活動などを提供します。

 

肺リハビリテーションの効果

身体機能の向上:定期的な運動や呼吸訓練を通じて、筋力や持久力が向上します。これにより、日常生活の動作や運動時の息切れが軽減されることが多いです。

症状の軽減:呼吸訓練や気道クリアランス技術を習得することで、咳や痰、息切れなどの症状が軽減されることが報告されています。

生活の質の向上:肺リハビリテーションは、身体的な機能だけでなく、心理的・社会的な側面もサポートします。これにより、生活の質が全体的に向上することが期待されます。

再入院リスクの低下:肺リハビリテーションを受けた人は、症状のコントロールが向上することから、再入院のリスクが低下するとの報告もあります。

 

肺リハビリテーションは、びまん性汎細気管支炎の人にとって、身体機能の維持・向上や生活の質の向上を実現するための重要な改善方法の一つです。

風邪をひかないように注意をすることは非常に大事

びまん性汎細気管支炎の原因は明らかになっていないため、予防をする方法はありません。しかし、風邪をひかないように注意をすることは非常に大事です。さらに、インフルエンザのワクチン接種もお勧めします。

 

また、喫煙をしているかどうかということが発症に関係するとはされていませんが、気管支に刺激を与える習慣は避ける方が良いでしょう。

 

びまん性汎細気管支炎はそのまま放っておくと悪くなり呼吸不全になることもありますが、早く発見することで予後も良好であることが多いとされています。

 

咳が長く続いている時や黄色や緑色の膿性のたんが長い期間みられる時は病院に行くことをお勧めします。

 

びまん性汎細血管気管支炎に効果的なツボ

天突

肺兪

大椎

天突

天突は、咳や喉の痛みや息切れ、しゃっくりに効果的なツボです。特に咳を止めるための特攻ツボであるといわれています。

 

気管支喘息にも効果的で、息が苦しい時にも和らげてくれる効果があります。びまん性汎細気管支炎も気管支の炎症のため、天突の効果が期待できます。

肺兪

肺兪は、肺経のツボで、肺兪の兪は運ぶという意味を持っています。肺兪は、背部にあり肺に繋がって肺にエネルギーを送る場所であることがツボの名前の由来であると言われているのです。

 

肺兪の効果は、肺に関係する病気です。東洋医学では、肺だけではなく、鼻、喉、気管、皮膚は肺に関係する病気であると考えられています。

 

そのため、気管支炎や咳嗽、喘息、鼻炎、風邪、蕁麻疹などに効果を発揮するとされています。びまん性汎細気管支炎も肺に関係する病気であると考えられるため、肺兪の効果が期待できます。

大椎

大椎には体全体の免疫力を高める効果があります。びまん性汎細気管支炎を防ぐためには、免疫力を高めることが大事です。そのため、大椎を刺激することでびまん性汎細気管支炎の予防につながると考えることができます。

 

ほかにも、発熱、頭痛、感冒、咳嗽、喘息、うつ、皮膚発疹などに効果を発揮します。

ツボの位置と押し方

天突

天突の場所は、胸骨の上縁で喉の中央です。

 

天突の下には気管が通っているため、押し方には注意が必要です。垂直に押すと気管を圧迫してしまうため、やさしく押すことが大意です。

 

さらに、ツボを押す前に蒸しタオルなどで喉を温めておくことでより高い効果が期待できます。

肺兪

肺兪の場所は、肩甲骨と背骨の中間です。肩甲骨の中央の高さにあります。

 

押すときは、体を傾けて体重をかけ、自分の体重を使って押します。1回30秒ほど体重をかけて押すと良いでしょう。

大椎

大椎の場所は、第7頸椎と第1胸椎の棘突起の間です。

 

押して刺激をすることもよいですが、お灸がお勧めです。お灸がない場合はホットタオルなどで温めても効果が期待できます。

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