公開日:2022年 1月23日
更新日:2024年 10月 2日
本日は外耳炎について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
外耳炎の原因は、細菌や真菌へ感染することです。
通常外耳道の皮膚にはバリア機能があります。そのため、感染を起こすことはありません。しかし、過剰に耳掃除を行なったり、耳の中を触ったりすることで、外耳道の皮膚に傷がつくと、細菌などが入り込み感染を起してしまうのです。
特にアレルギーなどがあり耳が痒くなりやすい人は注意が必要です。他にも外耳炎を起こす要因には、海水浴やプールなどで耳に水がはいることやヘアスプレーや毛染め剤などの刺激を受けたりすることなども考えられます。
過剰に耳掃除をすることや耳に傷のある状態で海水浴をしたりプールに入ったりすること、長い時間連続してイヤホンを使うことなどは外耳炎につながりやすいため注意が必要です。
・水分の滞留
水泳後などに外耳道内に水分が残ることで発症します。このケースが1番多いです。
・細菌感染
外耳道の湿度が高まると細菌が繁殖しやすくなり発症につながります。
・真菌感染
真菌による感染も外耳炎の原因となることがあります。
・皮膚の傷害
耳掃除での過剰な耳かき、耳の中を掻くこと、イヤホンの使用などにより外耳道の皮膚が傷つけられることで発症することも多いです。
・アレルギーや皮膚炎
皮膚にアレルギー反応やアトピー性皮膚炎などがある場合、外耳炎を引き起こしやすくなります。
・耳垢の詰まり
耳垢が過剰にたまり外耳道を塞ぐと、湿度が高まってしまうため発症につながります。
外耳炎の症状は、かゆみや痛み、耳だれです。ひどい場合には難聴を引き起こすこともあります。放置してしまうと中耳炎や骨髄炎といった重篤な病気に発展しがちです。
また、慢性外耳炎という状態になってしまい、外耳炎を繰り返す人もいます。繰り返してしまうと外耳道が変形してしまったり回復不可能な状態の難聴になってしまいます。
強い腫れの症状がある場合、夜眠れないなどということを訴える人もいます。真菌に感染することが原因で外耳炎を発症した場合、より強いかゆみが現れます。
・耳の痛み
耳の痛みは外耳炎の最も一般的な症状です。特に耳を触ったり、引っ張ったりすると痛みが増すことがあります。
・耳のかゆみ
感染した部位がかゆくなることがあります。
・耳の赤みと腫れ
外耳道の皮膚が赤くなり、腫れることがあります。
・排液
感染することで、透明、黄色、または膿のような液体が耳から排出されることがあります。
・聴力の低下
外耳道が腫れて狭くなることによって聴力が低下することがあります。
・耳の圧迫感
外耳道の腫れによって耳の中に圧迫感を感じることがあります。
・リンパ節の腫れ
耳の周りのリンパ節が腫れることがあります。
外耳炎の対策としては、耳の中の消毒や清潔な環境を保ったり抗生物質や原因によっては抗真菌剤など原因あった薬を処方したりすることが一般的です。
薬は、点耳薬や内服薬、抗生物質などを使います。膿などがある場合は、膿を取り除いた後に薬を使って改善を行います。症状が軽い場合は、外耳道の耳あかや耳だれなどの分泌物を取り除くだけで改善することもあります。
・薬
外耳炎が細菌感染によるものである場合、シプロフロキサシンやオフロキサシンなどの抗生物質を含む耳滴薬が処方されます。
外耳炎が真菌感染による場合、クロトリマゾールやミコナゾールなどの抗真菌性耳滴薬が用いられます。炎症を軽減するために、ステロイドを含む耳滴薬が処方されることもあります。
耳の痛みを和らげるために、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの経口鎮痛薬が使われることもあります。
・清掃とケア
医師が専用の器具を用いて、感染した耳から耳垢や分泌物を除去することがあります。感染した部位を乾燥させることが大事で、水泳やシャワーをした後は耳を優しく拭いて乾燥させましょう。
・生活習慣の変更
水泳や頭を洗う際に耳に水が入らないように耳栓を使ったり、耳の中の皮膚を傷つける可能性もある耳かきを避けたりしましょう。
・抗菌性耳滴薬
シプロフロキサシン耳滴薬: 幅広い細菌に対して効果があり、外耳炎の一般的な原因となる細菌に効果的でな薬です。
オフロキサシン耳滴薬: シプロフロキサシンに似た作用を持ち、多くの細菌に対して効果的です。
・抗真菌性耳滴薬
クロトリマゾール耳滴薬: 真菌感染が原因の外耳炎に使われる薬です。
アセタート耳滴薬: 抗真菌作用を持ち、真菌性外耳炎の改善に使われます。
・ステロイドを含む耳滴薬
ヒドロコルチゾンを含む耳滴薬: 炎症を軽減し、かゆみや腫れを和らげてくれます。
デキサメタゾンを含む耳滴薬: 強力な抗炎症作用があり、耳の痛みや腫れを和らげる効果があります。
鍼灸院には、病院で抗生物質や消毒を受けた方が来院します。病院に行った後も、耳の痛み、かゆみ、不快感が取れない人が多いです。
病院での改善が一通り終わっており病院ではやることがないため、病院の先生は時間経過で様子を見ることになりますが、様子を見てもなかなか改善しないために鍼灸院に来る人が多いです。
外耳炎の後遺症に対するアプローチは神経の興奮を落ち着かせることで良くなります。
外耳道は外側と内側で担当する神経が違います。三叉神経、舌咽神経、迷走神経、顔面神経4つの脳神経によって外耳道を担当しているのです。この神経にアプローチして神経の興奮を落ち着かせることでかゆみや違和感を消すことができます。
耳の周りのほぐし方
神経の興奮はどこからきているのかを見るときに1番のポイントは頭蓋骨を見ることです。頭蓋骨の耳周りを触れていくと、人によって違いますが異常に痛く痛覚が敏感なところがあります。そのポイントを削るようにほぐしましょう。
耳の周りに神経が張り巡らされているため、その神経のどこが興奮しているのかは目視では確認できません。神経が興奮していると明らかにそこに関連した部分が敏感になっているため、押されただけで痛いポイントがあります。
そのポイントが原因な場合もあります。痛い場所を無理して押すと悪化する可能性があるため、ぐりぐりと削るようにアプローチするのが効果的です。
人によってポイントが違います。耳周りから押し、耳周りを削るように揉み込みましょう。
坊主の方の場合、お灸をすることも多いです。温めることで神経の興奮が改善しやすいため、カイロなどで温めることもおすすめです。
前提としてこのアプローチは、病院の改善や抗生物質、耳の中の傷、炎症、化膿が全て無くなった人に行う方法です。耳の改善がまだ済んでない人は悪化する可能性があるため絶対に行わないようにしましょう。
外耳道炎は耳かきや耳をほじって傷つけてなっている人が多いです。耳の周りはなるべくいじらないことが大事です。なってしまった場合は病院の改善を受けて改善した後からセルフケアを行いましょう。
・翳風
・耳門
・完骨
翳風は、外耳道が化膿して痛みを感じるときに有効なツボです。
さらに、翳風は、全身の気の流れを良くし、水分を代謝して血流を改善する効果があります。そのため、クマやくすみ、顔のむくみを改善することにも効果的です。他にも、頭痛や肩こりにも使われることがあります。
耳門は、水分を調整したり、老廃物を外に出したりする働きがあります。そのため、浮腫に効果を発揮します。老廃物を外に出す効果によって、耳門を刺激することでリンパの流れが良くなるのです。
他にも、耳鳴りや眩暈にも有効です。
完骨は、不眠や頭痛、めまい、眼精疲労、顔のむくみ、肩こりなどに有効なツボです。内臓への血流を良くする働きもあるため、副交感神経を整える効果も期待できます。
さらに、顔の周辺の血流も良くします。そのため、吹き出物など顔の周辺のトラブルに対しても効果を発揮します。
翳風の場所は、耳の後ろのくぼみです。
押すときは、優しく押すことが大事です。強く押しすぎると、症状が悪化してしまう可能性もあるため、注意してください。
めまいが起こりやすい人は、翳風を押すことを習慣にすることで、予防効果も期待できます。
耳門の場所は、耳の穴の前の出っ張った軟骨の少し上にあるくぼみです。探すときは、軽く押さえてみるとわかりやすいです。押さえた時脈打つところを探しましょう。
ツボを指圧することはもちろんお勧めですが、耳を軽く回して刺激する方法もお勧めです。
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完骨の場所は、両耳の後ろにある出っ張った骨の下の端です。そこから約1cm下の内側に少しずれたところの髪の毛の生え際のへこみにあります。
押すときは、親指を使います。イメージとしては、ゆっくり上に押し上げるようなイメージで押すと良いでしょう。