公開日:2019年 12月23日
更新日:2024年 12月11日
本日は良性発作性頭位めまい症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
原因は内耳の三半規管になる耳石というカルシウムの塊が正常な位置から外れて別の部分に移動することです。耳石の異常な位置付けが頭の動きや体位変換によってめまいを起こすのです。
耳石の異常な動きは、加齢や頭部外傷、耳の感染、長期のヘッドホンの使用などによって引き起こすことがあります。
三半規管は耳の奥にあります。半規管と呼ばれる三つの車輪のような器官がつながった組織です。この三半規管の中はリンパ液で満たされています。
そこで頭が動くと、頭が動いたことに応じてリンパ液も三半規管の中を流れます。この動きを感知することで、人間は歩いたり走ったりすることができるというように三半規管は体全体のバランスを取っています。
その三半規管に耳石という炭酸カルシウムが入り込んでしまうと、リンパ液の流れが乱れが起きてしまいます。
その結果、感覚器と実際の体の動きが合わなくなります。この脳神経伝達のメカニズムのずれによって、めまいが生じると考えられています。 そのずれによって起きるめまいが良性発作性頭位めまい症の症状です。
良性発作性頭位めまい症の症状は、回転性のめまいです。これはグルグルと目を回した時のような目の回り方のめまいです。
良性発作性頭位めまい症は、炭酸カルシウムに耳石が入り込んだ半規管でリンパ液の流れが異常を起こし、めまいが起きる病気です。
この病気は、特定の方向に頭を動かしたときにだけ症状が見られるということが最大の特徴です。その際、患者自身の自分の意思と関係なく眼球が動く現象である眼振が起こるということも特徴です。
眼振は目を回した状態に近い状態になるため、乗り物酔いにも似た嘔吐感があることもあります。 耳鳴りや聞こえづらいなどの症状はなく、めまいだけ生じます。
①めまい
頭を動かすと突然発症し、数秒から1分程度持続するめまいが起こります。
②バランス喪失
めまいの影響で歩行が不安定になることもあります。
③吐き気や嘔吐
めまいが激しい場合に吐き気や嘔吐がともなうことがあります。
④目の異常な動き
ニスタグムスとも言われています。めまいが発生するときに目が自然に横に動きます。
⑤立ちくらみ
立ち上がると一時的にめまいが発生することがあります。内耳の三半規管にある異常な位置で起こる耳の動きや体位変換によって三半規管の中を満たしている内リンパ液が異常な流れを起こすことによって平衡感覚を司る神経が刺激され、めまいを引き起こすのです。
・三半規管型結石
耳石が三半規管内に入り込むことによって三半規管内を耳石がめぐってめまいが発生します。耳石の動きが止まるとリンパ液の流れが止まるため頭を動かさなければめまいは改善します。
・クプラ結石
クプラと言ってリンパ液の流れを感じる神経があります。この神経に耳石が付着することによって起こるめまいです。耳石が付着したクプラが横向きになるような状態になることで重力によってクプラが刺激され回転するようなめまいを発症します。
持続時間は大体2分以上と長く、耳石が付着したクプラが縦向きになると耳石が離れてめまいが改善します。
めまいという症状には種類があります。
・回転性めまい
・浮動性めまい
・立ちくらみのようなめまい
それぞれの症状と原因が異なります。
・回転性めまい
自分や周囲が回っているような感覚になります。耳が原因で起こることが多く、耳鳴りや難聴を伴う場合はメニエール病や突発性難聴が疑われます。耳鳴りや難聴が伴わない場合は良性発作性頭位めまい症です。メニエール病は内耳のリンパ液が過剰に溜まり、蝸牛や三半規管の機能が乱れることで発症します。簡単にいうと内耳のむくみなのです。めまいは30分以上続き、耳が詰まった感じ、難聴、耳鳴りが同時に起こります。発作が繰り返されると耳鳴りが残る可能性があるため早期改善が大事です。
浮動性めまいと動揺性めまいは当院でも多いです。浮動性めまいは体がふわふわ浮くような感覚になり姿勢を保つのが難しいです。まっすぐ歩けないといった症状が現れます。
浮動性めまいは中枢性、全身性、薬剤、性精神性の4つに分かれており、それぞれ原因が違います。
・中枢性めまい
小脳や脳幹に障害が生じます。脳梗塞や脳出血の原因になり、症状には嘔吐や頭痛、手足の痺れ、脱力があります。
・全身性めまい
体全体の問題から生じます。原因は自律神経、貧血、発熱だと考えられています。院長は全身性めまいの施術が非常に得意です。
・薬剤性めまい
薬の副作用によって起こるめまいです。抗生物質、精神薬、降圧剤などが関与していることがあります。
・心因性めまい
精神的なストレスや自律神経の乱れが原因です。症状が長く続く場合はうつ病や自律神経失調症につながる可能性があります。心療内科に行くケースが非常に多いです。
・立ちくらみのようなめまい
脳の血流が一時的に不足することで発症するめまいで、自律神経が乱れると血圧の調整が難しくなり症状が出やすくなります。
良性発作性頭位めまい症を改善するには、運動が有効です。
良性発作性頭位めまい症を改善する方法は、頭を決まった順番で決まった方向に傾けることです。この動作によって三半規管に入り込んだ耳石を体の外へ排出します。
この改善方法では、医師がゆっくりと頭を上下左右に動かします。そして、三半規管の中に入り込んだ耳石を移動させ、耳石を三半規管から出すように導きます。
三半規管に入り込んだ耳石の位置を判断する方法は、「フレンツェル眼鏡」と呼ばれる特殊な眼鏡や、小型CCDカメラなどを用いて眼球の動きを観察することです。
頸椎異常などによって頭位による改善方法が行えないこともあります。そのような場合は、抗めまい薬や抗不安薬などを使って改善を行います。
めまいの発作は、入り込んでいた耳石を三半規管から取り除くことで改善します。耳石が三半規管から取り除かれればめまいの発作はなくなるのです。
頭位を動かす動作によって改善する方法は耳石の位置が明らかにわかっている場合、約6割有効だと言われています。そのため、内服薬を使った改善方法を併せて行うことも多いです。
耳石が三半規管に入り込んでしまうという現象は誰にでも起こり得ることです。しかし、何度も症状が出る場合は内耳以外が原因の可能性もあります。
何度も症状が出るようであれば、専門医に相談に行ってください。
太陽は眉毛と目尻の延長線をつなげた場所にあります。
風池は頭蓋骨のキワにあるツボです。頭のキワあたりにあります。懲りやすいところのためぐりぐり押してあげましょう。
百会は頭のてっぺんの部分です。全身のエネルギーを調整しめまいや不安を緩和するとされているツボです。
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めまいに有効な栄養素は亜鉛、ビタミンB、ビタミンCです。めまいに良好とされています。
亜鉛は免疫機能の向上や細胞の修復に役立ち、内耳の健康を維持します。
ビタミンBは神経伝達の生成を助け、めまいや神経の緩和に役立ちます。
ビタミンCは抗酸化作用があり、細胞のダメージを防ぐことで内耳の健康を維持します。
なかなか改善しない人は耳ではないところから来ていることもあります。このようなケースは鍼灸でよく見るケースのため、悩んだ時はツボを押したり鍼で改善を目指しましょう。
良性発作性頭位めまい症は予防が大切です。予防には、まず、耳石を三半規管にためないことが重要です。
長時間同じ姿勢でいたり頭を動かさずにいたりすることが原因と考えられるため、そのような状態が続くことを避けることが有効です。
また同じ方向で横向きに寝ない事も大切です。リモートワークの増加などによって同じ姿勢で長時間の作業が続くことが多い人は、意識して適度に姿勢を変えリフレッシュすることもとても大切です。
予防には、寝返り運動を行うことも有効です。これは朝起きた後と夜寝る前に布団で行う運動です。左向き・あおむけ・ 右向き・あおむけの順番で各10秒ずつ数え姿勢を変えます。これを何回か続ける運動をすることが予防に効果があるという報告があります。