膝蓋骨脱臼の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  9月20日

更新日:2021年  9月25日

本日は膝蓋骨脱臼について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 膝蓋骨脱臼とは
  • 膝蓋骨脱臼の原因
  • 膝蓋骨脱臼の症状
  • 膝蓋骨脱臼の改善方法
  • 膝蓋骨脱臼のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

膝蓋骨脱臼は、膝関節のお皿が外側にはずれる病気

膝蓋骨脱臼は、膝関節のお皿が外側にはずれる病気です。はずれた時、膝には強い痛みや腫れが起こります。

 

脱臼は自然に整復されることも多いです。しかし、自然に整復されない場合は病院で整復することが必要になります。

 

脱臼は繰り返すことも多く、半分くらいの割合の人が繰り返すと言われています。何度も脱臼を繰り返す状態のことは反復性脱臼と呼ばれます。

膝蓋骨脱臼が起こる人の多くは、生まれつきの素因を持っている

膝蓋骨脱臼の原因は、生まれた時から脱臼しやすい素因を持っていることです。

 

多くの膝蓋骨脱臼が起こる人には膝蓋骨や大腿骨の形に異常があることや大腿四頭筋の作用する方向が膝蓋靭帯の方向と違うことなどの生まれた時から持っている素因があるのです。

 

膝蓋骨脱臼は、男性よりも女性に起こることが多く、女性の中でも中高生の年代に起こることが多いと言われています。初めての脱臼は10歳代の女性に起きることが多いです。

膝蓋骨脱臼は、膝関節の中で膝蓋骨が正常な位置から外れることを指します。この状態は、膝関節における膝蓋骨の位置が不安定であるために起こります。膝蓋骨脱臼の原因は多岐にわたりますが、以下のようなものがあります。

 

・外傷

膝蓋骨脱臼の最も一般的な原因の一つは、外傷によるものです。膝蓋骨が激しい衝撃を受けた場合や、スポーツ中の膝への衝撃、膝の捻りなどが原因となり、膝蓋骨が脱臼することがあります。外傷性膝蓋骨脱臼の多くは、スポーツ外傷が原因となります。

 

・内因性要因

膝蓋骨脱臼の原因の一つに、内因性要因があります。内因性要因とは、膝関節内部の構造に異常があることが原因で、膝蓋骨が正常な位置から外れることがあります。例えば、膝蓋骨遊離体症、膝蓋骨軟骨損傷、膝関節唇損傷、股関節筋のバランスの異常などが挙げられます。

 

・生理学的要因

膝蓋骨脱臼は、生理学的要因によっても引き起こされることがあります。例えば、骨格形態の異常、運動器系の発達不良、関節軟骨の変性、股関節の制限、下腿骨の異常などが挙げられます。

 

・運動器系の異常

膝蓋骨脱臼は、運動器系の異常によっても引き起こされます。例えば、膝関節周囲の筋力バランスの異常、靭帯損傷、膝蓋骨形態の異常、膝蓋骨滑車症候群などが挙げられます。

膝蓋骨脱臼の症状は、膝関節の痛みや腫れ

膝蓋骨脱臼の症状は、膝関節の痛みや腫れです。

 

膝蓋骨脱臼は何度も脱臼を繰り返し起きることも多いです。何度も脱臼を繰り返し膝蓋骨脱臼は起きることを反復性脱臼といいます。反復性脱臼では痛みや腫れなどが現れることは少なくなります。

 

しかし、反復性脱臼では日常生活で行う動作やスポーツなどで行う動作によって脱臼してしまう強い不安定感が起こることが多いです。

 

脱臼した時、膝蓋骨の内側を支える靱帯が断裂したり膝蓋骨や大腿骨の関節面の一部が骨折したりすることもあります。

膝蓋骨脱臼は、膝蓋骨が正常な位置から外れ、膝関節の機能障害を引き起こす症状です。膝蓋骨脱臼の症状は、膝蓋骨が外れた際の痛みや、膝の安定性の低下などが挙げられます。以下に膝蓋骨脱臼の代表的な症状を詳しく説明します。

 

・急な膝の痛み

膝蓋骨脱臼が起こると、突然膝の痛みが発生することがあります。特に、膝を曲げた状態から伸ばそうとする際に、痛みを感じることが多いです。

 

・膝の腫れ

膝蓋骨脱臼によって、膝の関節が外れると、膝周囲の組織が傷つくため、膝が腫れることがあります。

 

・膝の違和感

膝蓋骨が外れると、膝の違和感や不安定感を感じることがあります。特に、急な運動や回転運動などの際に、膝の異常を感じることが多いです。

 

・膝の痛みが長引く

膝蓋骨脱臼による痛みは、時に長引くことがあります。膝蓋骨が正常な位置に戻ったとしても、膝周囲の組織が傷ついているため、痛みが続くことがあります。

 

・膝が外れた痛み

膝蓋骨脱臼による最も代表的な症状は、膝が外れた痛みです。膝蓋骨が正常な位置から外れることによって、膝の機能が低下し、膝に痛みを引き起こすことがあります。

 

・膝の動きの異常

膝蓋骨脱臼によって、膝の動きが異常になることがあります。膝蓋骨が外れた状態では、膝の安定性が低下するため、膝の動きが制限されたり、膝が曲がりづらくなったりします。

 

膝蓋骨脱臼は、膝関節に痛みや不安定感を引き起こすため、日常生活や運動に支障をきたすことがあります。症状によっては、手術が必要となる場合があります。

膝蓋骨脱臼の改善方法は、整復をして固定すること

膝蓋骨脱臼の一般的な改善方法は、整復をして固定することです。整復は自然に起こることも多いですが、自然に整復しない場合は病院に整復してもらうために行く必要があります。

 

反復性脱臼の場合や初めてでも反復性脱臼になる可能性が高い場合などは、手術を行うこともあります。

 

膝蓋骨脱臼の改善方法は、年齢や症状によって違います。そのため、きちんと医師と相談して改善を行うことが大切です。

膝蓋骨脱臼の改善方法には、保存する方法や手術などがあります。以下に代表的な改善法を紹介します。

 

保存的な方法

軽度の膝蓋骨脱臼では、保存的な方法が行われることがあります。保存方法には、以下のようなものがあります。

・安静:膝蓋骨を保護するため、安静にすることが推奨されます。

・氷:痛みや腫れを軽減するため、氷を当てることが効果的です。

・テーピング:膝蓋骨を安定させるため、テーピングが行われることがあります。

・筋力トレーニングやストレッチ:筋力トレーニングやストレッチなどは、膝蓋骨の安定性を回復することが目的となります。

 

手術

重症の膝蓋骨脱臼や再発性の膝蓋骨脱臼には、手術が必要な場合があります。手術には、以下のようなものがあります。

・内視鏡下手術:膝蓋骨脱臼を修復するため、内視鏡下手術が行われることがあります。小さな切開で行われるため、術後の回復が早いというメリットがあります。

・オステオトミー:膝蓋骨を固定するため、オステオトミーが行われることがあります。骨を切断し、適切な位置に移動させることで、膝蓋骨の安定性を回復することが目的となります。

・人工関節置換術:膝蓋骨の損傷が著しく、手術による修復が困難な場合には、人工関節置換術が行われることがあります。膝関節を人工の部品に置換することで、膝蓋骨の安定性を回復することが目的となります。

 

膝蓋骨脱臼では、症状の程度や年齢や状態などに応じて、慎重に決定される必要があります。

 

参考文献:

 

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スポーツに復帰できるまでの期間は2ヶ月以上

膝蓋骨脱臼が起こった場合、スポーツに復帰はできるのは膝の痛みや腫れ、運動制限がなくなり筋力が回復したあとです。

 

スポーツに復帰できるようになるまでの期間は、一般的に2ヵ月以上であると言われています。改善のために手術を行なった場合は3~6ヵ月以上かかることが多いです。

 

膝蓋骨脱臼では、脱臼した時、膝蓋骨の内側を支える靱帯が断裂したり膝蓋骨や大腿骨の関節面の一部が骨折したりすることもあります。自分で勝手に判断せず、医師と相談の上で改善方法や今後の方針を決めていくことが大切です。

膝蓋骨脱臼の改善例

膝蓋骨脱臼は、一般に膝の蓋の位置がずれてしまう状態を指します。この症状は、スポーツ活動や日常生活における突然の動きによりしばしば引き起こされます。

 

Aさんは、20代の女性で、バレーボール中に膝をひねったことで膝蓋骨脱臼を起こしました。彼女は、強い痛みと共に膝蓋骨が異常な位置にあることを自覚し、すぐに病院に行きました。

 

まず膝蓋骨の位置を元に戻す還位を行いました。これは多少不快感を与えますが、早期に行うことで痛みの軽減と組織へのダメージを最小限に抑えることができます。還位後、MRIを行い、脱臼の程度や関連する組織の損傷を評価しました。幸いにも、Aさんは大きな損傷はなく、保存的な改善方法を選択しました。

 

改善は、安静にすること、冷やす方法、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による痛みと腫れの管理から始まりました。その後、膝の筋力と安定性を改善するための物理的な方法に移りました。彼女は、専門家の指導のもと、膝周囲の筋肉を強化し、バランスと協調性を改善するためのエクササイズを行いました。

 

Aさんの改善は非常に成功しました。彼女は、約3ヶ月のリハビリテーション後、元の活動レベルに戻ることができました。この経過は、膝蓋骨脱臼の早期の判断と適切な管理が、症状の改善と生活の質の向上にどれほど重要であるかを示しています。

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