公開日:2022年 8月23日
更新日:2024年 1月 3日
本日は成長痛について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
成長痛は、幼児から思春期の成長期に起こる子どもの足に発生する特有の症状や特徴をもつ痛みの総称です。
幼児期に下肢の痛みが繰り返し起こっている時、特に骨や関節に改善が必要な病気がない場合、成長痛であると判断されます。
関節炎などで現れる痛みは痛みのある場所が特定できますが、成長痛で現れる痛みは痛みがある場所は漠然としていることが多いと言われています。
成長痛の原因は明らかになっていません。幼児は、下肢の発達がまだ未熟なため、運動をしたり活動をしたりすることで、筋肉が疲れ、下肢の痛みや不快感が現れると考えられています。
さらに、精神的なストレスが体の不調となって現れることもあります。大人の場合は、精神的なストレスが体の不調として現れるとき、腹痛や頭痛などの症状が現れますが、子供の場合は下肢痛の症状として現れることもあるといわれています。
・骨の成長と筋肉、腱の緊張という説
① 骨の成長速度と筋肉の引っ張り
成長期には骨の成長が速く進むため、骨の長さに対して筋肉や腱の伸びが追いつかないことがあります。このアンバランスによって筋肉や腱が引っ張られ、痛みが生じると考えられています。
② 骨端線への負担
骨の成長は骨端線という成長軟骨部分で行われます。成長期にはこの部位が活発に働くため、周囲の組織に負担がかかり、痛みを引き起こす可能性があります。
・運動による疲労と微小損傷という説
成長期の子どもは活発に動き回ることが多く、筋肉や関節に繰り返し負荷がかかることで、微小な損傷や疲労が蓄積します。この損傷や疲労が夜間になると強く感じられ、痛みとして現れると考えられています。
・血流循環の変化という説
成長期の子どもは日中に活発に活動し、夜間に体がリラックスして血流が変化することで、筋肉や関節に溜まった老廃物が刺激となり、痛みを感じやすくなるとする説です。
・神経過敏性という説
成長期には神経系が発達しており、感覚神経が過敏になることがあります。そのため、通常は痛みとして感じない程度の刺激を痛みとして感じてしまう可能性があります。
・骨密度の変化という説
成長期には骨が急速に長くなるため、骨密度が一時的に低下することがあります。この状態では、骨が衝撃や負荷に対して一時的に弱くなり、痛みを感じやすくなると考えられます。
・精神的要因という説
成長痛は、身体的な要因に加えて心理的要因も関与しているとされています。不安やストレスを感じている子どもは、痛みに対して敏感になることがあります。
・成長ホルモンの分泌と関係するという説
成長ホルモンは主に夜間の深い睡眠中に分泌されます。このホルモンの分泌によって骨や筋肉が成長しますが、その過程で一時的な痛みが生じる可能性があります。
成長痛の症状は、下肢の痛みです。痛みを訴える時間は、夕方や夜や朝方が多く、遊んでいる時や学校や幼稚園に行っているときは痛みを訴えることは少ないです。
常に痛みを訴えるわけではありません。痛みは月1~2回のこともあれば週1~2回のこともあります。また、痛みの程度も人によって違います。
痛みのある部分に腫れや圧痛などの炎症が起こることもなく、レントゲンを撮っても異常は見つかりません。
成長痛は主に膝の周囲、ふくらはぎ、太ももの前面、すねに見られます。これらの部位は、運動時に負荷がかかりやすく、成長期に筋肉や腱の緊張が起こりやすい部分です。
成長痛は夕方から夜間にかけて起こることが多く、日中にはほとんど痛みを感じないことが特徴です。痛みの程度は子どもによって異なります。成長痛は多くの場合、両側の下肢に痛みが現れます。夜間に痛みを訴えても、翌朝になると痛みが消え、何事もなかったかのように元気になるのが成長痛の特徴です。
子どもが痛みを感じることで不安になり、痛みや不安で一時的に眠れなくなることもあります。
成長痛の改善方法は、マッサージしたり足をさすったり、湿布をはったりすることです。他にも、足をクッションなどで上にあげた状態にしたり、お風呂に入って暖めたりすることも効果的です。
成長痛を改善するためには、親が成長痛は仮病でなく痛いものだと理解することです。ストレスが関係している場合、子供とスキンシップを取ることでストレスを和らげることができる可能性もあります。痛みや不快感のある場所を優しくさすってあげたり、触ってあげたりするだけで改善することもあります。
・痛みを和らげる方法
① マッサージ、ストレッチ
② 温める
③ 痛み止めを使用する
・生活習慣を整える
① 適度な運動
② バランスの良い食事
③ 十分な睡眠
・精神的なサポート
① 子どもの不安を取り除く
② 親子でリラックスする時間を作る
・再発を防ぐための対策
① 過度な運動を避ける
② 適切な靴を履く
・4歳~6歳(幼児期)
幼児期は骨や筋肉の成長が急激に進むため、成長痛が見られやすい時期です。また、この時期の子どもは運動量が増え、筋肉や関節に負担がかかりやすくなります。
・8歳~12歳(学童期)
第二の急成長期であり、特に脚の骨が伸びる時期です。運動量が多く、日中の活動によって疲労が蓄積し、夜間に痛みを感じやすくなります。
12歳頃(小学校高学年~中学生)になると、骨と筋肉のバランスが取れてくるため、成長に伴う痛みが減りおさまってきます。
成長痛の現れる年齢は、幼児期から児童期くらいです。特に3歳~5歳あたりは痛みが現れやすいと言われています。
痛みの現れる場所で1番多い部分は膝です。他にも、ふくらはぎやすね、足の関節、太ももなどに現れることがあります。いつも同じ場所が痛むわけではなく、毎回違う場所が痛むこともあります。
・内膝眼
・外膝眼
・足三里
内膝眼は、膝の痛みに有効なツボです。内膝眼は特に膝の内側に現れる痛みに対して効果的です。
成長痛によって膝の内側に痛みがある時に押すことで効果が期待できます。成長痛に対しては、外膝眼と合わせて押すこともおすすめです。
外膝眼は膝の痛みに効果を発揮するツボです。特に膝の外側の痛みを和らげる働きがあるため、成長痛で膝の外側が痛い時に押すことをおすすめします。
外膝眼は、変形性膝関節症にも使われるツボです。
足三里は、膝の痛みや成長痛、足のだるさに効果を発揮するツボです。習慣的に運動をする人やスポーツをする人にもおすすめのツボです。
足三里は他にも、胃の働きを促す効果や歯の痛みを和らげる効果もあります。
内膝眼は、膝のお皿のすぐ下の内側のくぼみにあります。
押すときは、押しやすい指を使ってゆっくり押していきましょう。強く押しすぎないように注意しましょう。成長痛の場合は優しくさすってあげるだけでも効果が期待できます。
外膝眼は、膝のお皿のすぐ下の外側にあるくぼんでいる場所にあります。
押すときは、強く刺激すれば良いというわけではありません。ゆっくり押していき、気持ち良いくらいの場所で約5秒キープしましょう。成長痛に対してはさすってあげるだけでも良いでしょう。
足三里は、膝のお皿に親指と人差し指を直角に当て、中指が当たる場所にあります。
押すときは、しっかりともみほぐしましょう。押すことも良いですが、お灸などで温めることもおすすめです。