公開日:2021年 5月23日
更新日:2021年 6月 6日
本日は心因性嘔吐症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
心因性嘔吐症は、嘔吐の原因となる異常がなく、心理的なストレスが原因で慢性的に何度も嘔吐することです。不安や緊張などを感じる場合に嘔吐することが多いですが、自分自身で心理的ストレスを自覚していないこともあります。
特に子どもはまだ精神が成熟していません。そのため、上手にストレスを処理することができず体に現れることが多いのです。
さらに、以前車の中で嘔吐したという経験から、車を見ただけで嘔吐するようになるということもあります。心因性嘔吐症は、特定の場所や時間に症状が現れることもあるのです。
ストレスを感じるところから離れると改善します。例えば、ストレスの原因が学校にある場合、学校に行く前に症状が現れ、行かない日は元気に過ごせることがあるのです。嘔吐以外に腹痛などの症状が合わせて現れることはあまりありません。
心因性嘔吐症の原因は、ストレスを上手に処理できないことです。
嘔吐は、脳にある嘔吐中枢や隣接するCTZへの刺激によって起きるものです。大脳に伝わった心理的なストレスを上手に処理できない場合、不快な感情が嘔吐中枢を刺激することにつながります。
そのため心理的なストレスを感じた時、嘔吐の症状が現れるのです。特に、子どもの中枢神経系は成熟していません。いろいろな刺激から受ける影響で、体に症状が現れやすいのです。
知的能力障害や自閉症スペクトラム障害などの発達の問題がある場合は、さらにストレスの処理が上手にできないことが多いです。そのため、心因性嘔吐症を引き起こす可能性も高くなります。
心因性嘔吐症の嘔吐には色々なタイプがあります。気持ち悪い、むかむかするなどの悪心がほとんどで実際に嘔吐することはあまりないタイプ、何度も繰り返し続けて嘔吐するタイプ、決まった時間や場面で習慣性に嘔吐するタイプなどです。
一般的には数日から数ヶ月症状が続きます。しかし、不安や緊張を感じる場面から離れると改善します。
症状は嘔吐のみのことがほとんどで、腹痛や便通の異常、体重の減少など他の症状が現れることはあまりありません。
嘔吐が頻繁に起こるようになると、胃酸によって食道の粘膜に障害が起こったり、虫歯が増えたりすることもあります。
さらに、嘔吐に恐怖を感じるようになってしまうと、食事が食べられなくなり摂食障害が起こってしまったり、人前で吐くかもしれないと心配になってしまい不登校やひきこもりになってしまったりすることもあります。
心因性嘔吐症の症状としては、嘔吐のみですが嘔吐によって、他の症状が出る場合も十分にあるため、注意が必要です。
心因性嘔吐症は、成長すると自然と改善することが多いです。一般的には予後は良好であると言われています。子どもの辛さを理解してあげた上で、成長すると改善するという考えを持つと良いでしょう。
症状が激しい場合は、鎮吐剤,抗不安薬などの薬を使ったりすることもあります。ストレスに対処する力をつけるために、カウンセリングなどをして改善に取り組むこともあります。
特定の場所や時間などの条件によって症状が現れている場合は、少しずつ慣れることで症状が出なくなるように改善を行います。
学校でのいじめなどストレスとなっている問題がはっきりと分かっている場合は、周りの大人が環境を整えてあげることが大切です。不登校や引きこもりなど嘔吐によって問題が起こっている場合は、専門家に相談することをお勧めします。
心因性嘔吐症では、親や兄弟など周りの大人が協力して見守ってあげることが重要です。
心因性嘔吐症と判断されるのは、病院で嘔吐の原因となる病気がないと判断され、症状が現れることに心理的なストレスが関係しているということがわかった時です。
慢性的な嘔吐は病気が原因で起こることもあります。上腸間膜動脈症候群や腸回転異常症、ケトン性低血糖症や尿素サイクル異常症、脳腫瘍やてんかん、摂食障害による自己誘発性嘔吐、周期性嘔吐症候群などは慢性的に嘔吐が起きる病気です。
心理的なストレスがあるからといっても心因性嘔吐症であるとは限りません。他の病気を見逃してしまわないためにも勝手に判断せず、まずは病院で調べてもらうことが大切です。
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