季節性うつ病の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2025年 10月 3日

更新日:2025年 10月14日

本日は季節性うつ病について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 季節性うつ病とは
  • 季節性うつ病の原因
  • 季節性うつ病の症状
  • 季節性うつ病の改善方法
  • 季節性うつ病のまとめ

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

季節性うつ病とは、秋から冬にかけてうつ症状が現れる

季節性うつ病とは、1984年に精神科医のローゼンタールらにより「冬季うつ病」として初めて報告された精神の病気です。特徴は、10〜11月頃からうつ症状が現れて春先の3月ごろになるとよくなるというパターンを繰り返す周期性のうつ病であることです。

 

季節性うつ病には、うつ症状を繰り返す「再発性うつ病」と、躁状態を挟むかたちで増悪を繰り返す「双極性障害」があります。

 

判断を行うためには、明らかな心理的原因となる出来事やライフイベントが原因となっていないことが必要です。

季節性うつ病の原因は、冬場の日照時間不足

季節性うつ病の原因は、冬場の日照時間不足が原因であると考えられています。秋冬になると日光を浴びる時間が減ることによって、脳内のメラトニン分泌が遅れ、睡眠リズムが後ろにずれることで心身に影響が出ると言われています。

 

またメラトニンレベルが1日を通して高くなり、日中のメラトニン増加が心身の不調と関連しているとも考えられています。メラトニンの影響にあわせて、セロトニンの働きの異常につながると考えられています。日照時間が短くなることで、ビタミンDが低下してセロトニンレベルが低くなります。

 

特に、現代の生活では屋内で過ごすことが多く、日光に当たる時間が少なくなっているためより季節性うつ病発症のリスクが高くなっていると考えられています。

季節性うつ病も他の型のうつ病と同じように、妊娠可能な年齢の女性に最も多く見られます。女性の方が男性より約3倍罹りやすいといわれています。

 

ホルモンや神経伝達物質の変化が季節性うつとどのように関係しているかは解明されていませんが、女性や若者の方が、運動不足など活動低下によるホルモンへの影響が大きいことが報告されているため、このことが季節性うつが多い要因かもしれません。

 

また、気温の低い高緯度地域で発症率が高いとも言われています。赤道付近の地域と比較すると、高緯度地域は日照時間が短いために発症リスクが高いのです。

冬季うつ病の症状は、過眠、過食、疲労や倦怠感、気分の波

冬季うつ病の症状は、過眠、過食、疲労や倦怠感、気分の波です。過食によって体重の増加が見られることもあります。

 

一般的なうつ病とは違い、意欲が低下し、思考が進まない、倦怠感があるなどの抑制症状が中心で、憂うつ感などの抑うつ症状は目立ちません。

 

過眠は、夜の睡眠時間の延長と日中の眠気の増加が同時に起こります。過食は、炭水化物に対して特徴的で白米やパン、パスタを異常に好みます。他にチョコレートなどの菓子類を好み、午後から夜にかけて増強するといわれてます。

季節性うつ病の第一選択の改善方法は高照度の光を照射する方法

季節性うつ病の第一選択の改善方法は、高照度光法です。これは1~2時間程度、2,500~10,000ルクスの高照度の光を照射するという方法です。照射時間は1〜2時間ほどですが、ずっと光を浴び続ける必要はなく、1分ごとに十数秒ほど光を見つめる程度で大丈夫です。

 

太陽光と似ていますが紫外線は出ないので、肌や瞳に影響はありません。この方法の有効率は高く、照度が高ければ1回の照射時間を短くしても効果があり、照度と抗うつ効果には正の相関があることが確認されています。さらに、薬での改善とも遜色ないとする報告もされています。

 

副作用は、あったとしても軽度で、ほとんどが一過性です。改善のの効果は比較的早く認められることもあり、1週間程度で改善することが多いといわれていますが、中断すると再発する可能性が高いので、冬季の間は連日行なうほうがよいとされています。

 

抑うつ症状が強い場合や光の照射では十分な効果が得られない場合には、SSRIなどの抗うつ剤を併用します。ただし、春や夏にはできるだけ抗うつ薬を減量ないし中止しましょう。発症が季節依存的に起きることを自分自身で認識し、減薬の不安を和らげる必要があります。

 

抑制症状が軽減してきたら外出する機会を増やすなどして自然光をできるだけ浴びるようにするとよいです。

冬以外の季節にだけうつ病が発生することもある

冬以外の季節にだけうつ病が発生することもあります。冬以外でも毎年決まった季節に悲しみが増す傾向がある人がいるのです。

 

例えば、春は仕事や学校の変化など社会環境の変化が原因となってうつ病にかかる人が多くなります。梅雨には湿度が高まり不快感が増したり気圧の変化が大きかったり雨による日照時間が低下したりすることでうつ病を発症してしまう人もいます。夏は強い日差しや暑さによって睡眠リズムが崩れることなどでうつ病を発症しやすくなると考えられています。

 

季節性うつ病は秋冬が一般的です。しかし、このように他の季節でもうつ病を発症しやすくなることもあります。秋と冬に限らず、少しでも異変を感じたら、相談することをお勧めします。

季節性うつ病に効果的なツボ

内関

百会

四神聡

内関

内関は、ストレスや不安を始めとした精神症状に効果を発揮するツボです。他にも、つわりを始めとした妊娠中の状態やED、頭痛や頭がぼーっとする状態、二日酔いや食べ過ぎ等の胃に関する痛みや吐き気や不快感などの改善に効果的です。

 

不安感やイライラを鎮め心を落ち着かせる効果があるため、季節性うつにも効果が規定できるのです。

百会

百会は、身体の働きを担っている百にも及ぶ多くの経絡が出会う場所という意味があります。鎮痛作用から消化器の病気の改善や精神安定作用まで多くの不調に対して改善効果が期待できるとされている万能のツボです。

 

百会は、精神面や肉体面のどちらにも効果が期待できるツボのため、ストレス、不安、イライラ、不眠、頭痛やめまい、高血圧、便秘などに効果的です。特に自律神経の乱れによって起こる不調に有効とされているため季節性うつ病にも効果的なのです。

四神聡

四神聡の神は精神を意味し、聡は聡明を意味しています。四神聡は精神を安定させるツボです。

 

頭部の血行不良から、自律神経失調症や統合失調症の改善、記憶力向上、頭痛、めまい、鼻詰まり、不眠症、健忘症などの改善に効果があります。四神聡は精神的な不調などの多くの症状に対応できる万能のツボなのです。

ツボの位置と押し方

内関

内関は手首の辺りにあるツボで、手のひらを上に向けて手首のしわの中央から、肘に向かって指3本分進んだところにあります。

 

押すときはゆっくり数秒かけて押していき同じ秒数をかけてゆっくり離しましょう。お灸で温めるのも有効です。

百会

百会は頭のちょうど真ん中にあるツボです。

 

押すときは両手の中指または人差し指を使って、やさしく押します。押すのにおすすめのタイミングは朝起きたときや寝る前などです。蒸しタオルなどで頭頂部をあたためながら刺激すると、よりリラックス効果が高まるため、おすすめです。

四神聡

四神総は、百会から親指1本分の幅で、前後左右それぞれにあるツボです。左右前後にあるため、ツボは4箇所にあります。

 

4箇所にあるツボを毎日10秒ずつ押すことをお勧めします。指でゆっくりと圧迫したり頭皮全体を軽く動かすようにマッサージしたりしましょう。

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