公開日:2022年 1月23日
更新日:2023年 12月21日
本日は一次性膜性増殖性糸球体腎炎について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
一次性膜性増殖性糸球体腎炎の原因は、不明です。しかし、共通した特徴として病変部分で補体が活性化しているという特徴があります。
一次性膜性増殖性糸球体腎炎と遺伝との関係性についても明らかになっていません。
一次性膜性増殖性糸球体腎炎は、どの年代層でも発症する可能性がありますが65歳以上の人の発症が約半分であるとされています。
一次性膜性増殖性糸球体腎炎は、腎臓の糸球体の構造が慢性的に変化し、それによって腎機能が障害される病気です。一次性MPGNは、特定の基礎疾患が原因でない場合に分類されます。以下に、一次性MPGNの原因について詳しく説明します。
免疫系の異常:一次性MPGNは、体内で異常な免疫反応が起きることにより発症すると考えられています。免疫複合体が腎臓の糸球体に沈着し、炎症反応を引き起こすことがあります。
補体系の異常:補体系とは、免疫反応に関与するタンパク質群です。一次性MPGNでは、補体系の異常が糸球体の損傷に関連していることがあります。特に補体C3の代謝異常が関連している場合があります。
遺伝的要因:一部の症例では、遺伝的な要因が一次性MPGNの発症に関与している可能性があります。
不明な原因:多くの一次性MPGNの症例では、明確な原因が特定されていません。一次性MPGNは、複雑な病気であり、その発症機序はまだ完全には理解されていません。
一次性膜性増殖性糸球体腎炎の症状は様々です。よく見られる症状としては、血尿や蛋白尿、突然の血尿と蛋白尿や浮腫などが挙げられます。
特に他の症状がなく、血尿や蛋白尿が現れることもあり、学校や職場で健康を調べたときに見つかることもあります。
二次性膜性増殖性糸球体腎炎は、他の病気や状態に関連して腎臓の糸球体に損傷を引き起こす状態です。この状態の主な症状は以下の通りです。
タンパク尿:腎糸球体の損傷により、尿中に大量のタンパク質が漏れ出ることがあります。これは泡立つ尿として観察されることがあります。
血尿:腎糸球体の損傷により、血液が尿中に漏れることがあります。尿が茶色や赤色に見えることがあります。
浮腫:足、足首、顔、または手に浮腫が現れることがあります。これはタンパク質の喪失と関連しています。
高血圧:腎機能の低下により、血圧が上昇することがあります。
疲労感:慢性的な疲労感や一般的な弱さが生じることがあります。
食欲不振:食欲の低下や体重減少が起こることがあります。
頻尿や夜間頻尿:腎機能障害により、昼夜を問わず頻繁に尿意を感じることがあります。
二次性MPGNは、感染症、自己免疫の病気、癌、遺伝的な病気など、他の健康問題によって引き起こされる可能性があります。
一次性膜性増殖性糸球体腎炎の改善方法は、今のところありません。これは、改善方法の根拠になるような十分な臨床試験の成績がないためです。
小児に発症した一次性膜性増殖性糸球体腎炎を改善するために、経口ステロイドやステロイドを使って2年間改善を行ったことで、約半分の人が尿所見が正しい状態になったという報告があります。
そのため、今のところ、成人にも同じような経口ステロイドやステロイドを使った改善方法が行われています。
二次性膜性増殖性糸球体腎炎の改善は、基礎となる原因に対処することが中心です。二次性MPGNは他の病気や状態によって引き起こされるため、それらの病態を改善することが重要です。
基礎的な病気の改善:二次性MPGNが感染症、自己免疫の病気、癌などによる場合、これらの病態を適切に管理することが最優先となります。
免疫抑制剤:自己免疫の病気が原因の場合、ステロイドやシクロフォスファミドなどの免疫抑制剤が使用されることがあります。
血圧管理:高血圧がある場合は、ACE阻害剤やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)などで血圧をコントロールします。
利尿剤:浮腫がある場合は、利尿剤により余分な水分とナトリウムを体外に排出することがあります。
低タンパク・低塩食:腎臓への負担を軽減するために、タンパク質と塩分の摂取量を制限することが推奨されることがあります。
脂質低下薬:高脂血症を改善するためにスタチンなどの薬剤が使用されることがあります。
抗血小板薬または抗凝固薬:血栓形成のリスクが高い場合、これらの薬剤が処方されることがあります。
透析:腎機能が著しく低下した場合、透析が必要になることがあります。
腎移植:最終的な選択肢として、腎移植が検討されることもあります。
改善方法は具体的な状態や基礎病気によって異なるため、医師の指導のもとで個別に計画される必要があります。
二次性膜性増殖性糸球体腎炎の改善に使用される薬剤は、基礎となる病気の種類や全体的な健康状態に基づいて選択されます。以下に、一般的に使用される薬剤の効果と副作用を詳しく説明します。
・免疫抑制剤(例:ステロイド、シクロフォスファミド)
効果:免疫システムの活動を抑制し、腎臓への免疫応答による炎症を減少させます。自己免疫の病気による二次性MPGNの場合に特に有効です。
副作用:高血圧、体重増加、骨の脆弱性、感染症のリスク増加、血糖値の上昇など。
・ACE阻害剤やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
効果:血圧を下げ、腎糸球体への圧力を減少させることで、腎機能のさらなる損傷を防ぎます。
副作用:咳、高カリウム血症、低血圧、腎機能の悪化など。
・利尿剤
効果:余分な水分とナトリウムの排出を促進し、浮腫を減少させます。
副作用:脱水、電解質バランスの乱れ、低血圧、腎機能障害など。
・脂質低下薬(スタチン)
効果:高脂血症を改善し、心血管の病気のリスクを減少させます。
副作用:筋肉痛、消化器障害、肝機能異常など。
・抗血小板薬または抗凝固薬
効果:血栓の形成を予防し、血流を改善します。
副作用:出血傾向の増加、消化器系の問題など。
これらの薬剤は、状態や基礎的な病気に応じて医師が選択し、合わせた用量が処方されます。副作用のリスクはありますが、病態の管理と生活の質の向上を目指して改善が行われます。
一次性膜性増殖性糸球体腎炎を発症した場合は、定期的に病院に行き、状態を調べることが大事です。
病院で指示された薬を必ず使うことだけではなく、感染症の予防を心がけることと感染症を発症した場合にきちんと改善を行うことが非常に重要です。
症状が安定した時には、塩分の制限をすることがすすめられています。感染症を予防するために、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを接種することもすすめられています。