メープルシロップ尿症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  9月 2日

更新日:2024年  1月10日

本日はメープルシロップ尿症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • メープルシロップ尿症とは
  • メープルシロップ尿症の原因
  • メープルシロップ尿症の症状
  • メープルシロップ尿症の改善方法
  • メープルシロップ尿症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

メープルシロップ尿症は、異常な代謝物質が増える先天代謝異常症

メープルシロップ尿症は、体の中に異常な代謝物質が増える先天代謝異常症です。

 

体の中に増える異常な代謝物質は、分枝鎖アミノ酸とよばれるバリン、ロイシン、イソロイシンが分解されている過程で働く酵素に異常が起きることによって起こります。

 

初めの段階では、元気がなかったり哺乳力が下がったり機嫌が悪くなったり嘔吐をしたりする症状が現れます。改善が遅れると命に関わる場合もあります。

メープルシロップ尿症の原因は、遺伝

メープルシロップ尿症の原因は、遺伝です。遺伝形式は、常染色体劣性遺伝です。

 

遺伝子の異常によって、酵素の異常がおこり発症するのです。

メープルシロップ尿症は、分岐鎖アミノ酸の代謝に関わる酵素複合体の欠損によって引き起こされる遺伝性代謝異常症です。この病気の原因は以下の通りです。

 

遺伝的変異:メープルシロップ尿症は、分岐鎖α-ケト酸脱炭酸酵素複合体(BCKDC)をコードする遺伝子の変異により発症します。この酵素複合体は、バリン、ロイシン、イソロイシンといった分岐鎖アミノ酸の代謝に必要です。

 

酵素複合体の欠損:BCKDCの活性が低下または欠如すると、これらのアミノ酸が適切に分解されず、体内に蓄積します。これらのアミノ酸とその代謝産物が尿に排泄されると、特有のメープルシロップ様の臭いが生じます。

 

影響:分岐鎖アミノ酸の蓄積は、特に神経系に悪影響を及ぼし、未治療の場合、重篤な脳損傷や死に至ることがあります。

 

遺伝形式:メープルシロップ尿症は常染色体劣性遺伝のパターンに従います。つまり、両親から変異遺伝子のコピーを1つずつ受け継ぐ必要があります。

初めに元気のなさや哺乳力の低下、機嫌の悪さ、嘔吐がみられる

メープルシロップ尿症の症状は、さまざまです。初めの段階では、元気のなさや哺乳力の低下、機嫌の悪さ、嘔吐などがみられます。

 

症状が進むと、意識障害やけいれん、呼吸困難や筋緊張の低下、後弓反張などの症状が現れます。慢性的に現れる症状は、発達障害や精神運動発達の遅滞や失調症、けいれんなどです。

 

改善を行うまでに時間がかかると、命に関わる危険もあります。命にかかわらなくても、非常に程度の重い神経後遺症が残ることもあります。

メープルシロップ尿症は、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)の代謝異常によって生じる遺伝性の病気です。この病気によって引き起こされる症状は以下の通りです。

 

新生児期の症状:生後数日で、嘔吐、食欲不振、体重増加の停滞が見られることがあります。睡眠過多、けいれん、筋緊張の低下、ぐったりとした様子などの神経学的症状が現れることがあります。

 

特有の尿の臭い:メープルシロップや焦げた砂糖のような特有の臭いが尿に現れることがあります。これは病名の由来となっています。

 

知的発達の遅れ:改善を行なっていない場合、知的発達の遅れや学習障害が生じることがあります。

 

運動障害:歩行困難や調整運動障害など、運動能力に影響を及ぼすことがあります。

 

心理的・行動的な問題:精神的な問題や行動の異常が見られることがあります。

 

急性の代謝危機:高アンモニア血症を伴う急性の代謝危機が発生することがあり、これは生命を脅かす可能性があります。症状には、昏睡、けいれん、呼吸困難、異常行動などが含まれます。

 

肝臓の問題:一部では肝臓の機能障害が見られることがあります。

 

メープルシロップ尿症の症状は、病気の重症度によって異なります。重症型の場合は生後間もなく症状が現れることが一般的ですが、より軽度の形態では幼児期や子供の成長期、時には成人になってから症状が現れることもあります。

早く発見し、改善を行うことが非常に重要

メープルシロップ尿症の改善方法は、適切なカロリーの摂取と電解質の輸液、ビタミンの投与、蛋白の制限です。それらを行っても症状に改善が見られない場合は、肝移植や血液ろ過透析を行うこともあります。

 

ほとんどのメープルシロップ尿症は、新生児マススクリーニング で発見されています。改善が遅れると命に関わることもあるため、早く発見し、改善を行うことが非常に重要なのです。

 

肝臓移植を行うことで症状が改善することもあります。

メープルシロップ尿症の改善は、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)の体内蓄積をコントロールすることに焦点を当てています。

 

特別な食事法:分岐鎖アミノ酸の摂取量を厳しく制限する食事法が必要です。分岐鎖アミノ酸が豊富な食品(肉、魚、卵、乳製品など)の摂取量を制限し、特別に調製された低タンパクの代替食品やアミノ酸補給製品を使用します。食事法は、年齢、体重、健康状態、血液中のアミノ酸レベルに応じて個別に調整されます。

 

アミノ酸のモニタリング:定期的な血液の調べにより、血中の分岐鎖アミノ酸濃度をモニタリングします。これにより食事の調整が行われ、適切なアミノ酸バランスを維持します。

 

アミノ酸補給:必要に応じて、バリン、ロイシン、イソロイシン以外のアミノ酸を補給します。

 

急性発作の改善:アンモニアや分岐鎖アミノ酸の急激な上昇に対処するため、入院して改善を行うことがあります。高カロリーの静脈栄養、アミノ酸バランスの調整、必要に応じて血液透析や血漿交換が行われます。

 

長期的な管理:慢性的な合併症を予防するための定期的なフォローアップとモニタリングが必要です。

 

肝移植:重症のメープルシロップ尿症の場合、肝移植が検討されることがあります。これにより、正常な代謝能力を有する肝臓が得られ、食事制限の必要性が減少します。

 

これらの方法は年齢、症状の重さ、個々の健康状態に応じて個別に調整されます。

メープルシロップ尿症(MSUD)の改善における食事は、病気の管理に非常に重要な役割を果たします。主な目的は、血中の分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)の濃度を安全な範囲内に保つことです。

 

タンパク質の制限:通常の食品に含まれるタンパク質(特に分岐鎖アミノ酸が豊富なもの)の摂取を厳しく制限する必要があります。これには、肉、魚、卵、乳製品など、タンパク質が豊富な食品の摂取を制限することが含まれます。

 

特別な代替食品の使用:分岐鎖アミノ酸を含まない、または極端に少ない特別な低タンパクの代替食品が用いられます。これらの代替食品には、特別に調製された低タンパクの穀物製品、パスタ、パン、特殊な食品などがあります。

 

アミノ酸のバランスの調整:分岐鎖アミノ酸以外の必須アミノ酸を適切な量で摂取する必要があります。必要に応じて、これらのアミノ酸を含む特別なサプリメントが処方されます。

 

栄養状態のモニタリング:定期的な血液の調べにより、アミノ酸のレベルと栄養状態をモニタリングします。これにより、効果を評価し、必要に応じて調整を行います。

 

エネルギー摂取の確保:分岐鎖アミノ酸を制限するために全体的なタンパク質摂取量が減少するため、十分なエネルギー摂取が必要です。炭水化物や脂質を含む食品からエネルギーを補給します。

 

個別化された食事プラン:年齢、体重、健康状態、活動レベルに基づいて個別に調整されます。成長や発達に応じて、食事プランは継続的に更新される必要があります。

 

急性症状時の対応:体調不良や感染症の際には、通常の食事が摂取できないため、アミノ酸のバランスが崩れる可能性があります。そのため、病気の期間中は特別な食事管理が必要です。

 

食事による改善は専門家の指導のもとで行われるべきで、栄養士や代謝専門医の監督下で食事プランを作成し、定期的な評価を行います。適切な食事管理により、正常な成長と発達を遂げ、生活の質を改善することができます。

メープルシロップ尿症を発症した場合、気をつけること

メープルシロップ尿症を発症した場合、気をつけることは熱が出たり嘔吐や下痢を起こしたりしたとき、早めに病院に行くことです。

 

何か異変があったらすぐに病院に行き改善を行いましょう。

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