睡眠相後退症候群の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2023年  4月 3日

更新日:2024年  3月 6日

今日は睡眠相後退症候群について解説させていただきます。

☆本記事の内容

 ・睡眠相後退症候群とは

 ・睡眠相後退症候群の原因

 ・睡眠相後退症候群の症状

 ・睡眠相後退症候群の改善方法

 ・睡眠相後退症候群のまとめ

睡眠相後退症候群は、慢性的に入眠困難と覚醒困難が続く病気

睡眠相後退症候群は、慢性的に入眠困難と覚醒困難が続く病気です。寝る時間と起きる時間が常に遅くなる病気で早く寝ることもできなくなります。

 

例えば、午前3時に寝て午後1時に起きるなどの行動が見られるのです。睡眠相後退症候群が見られることの多い年代は、青年や若い成人です。

概日リズム睡眠障害の原因は、病気や時差ぼけ

睡眠相後退症候群の原因は、体内時計が遅れていることです。睡眠相後退症候群の発症には、家庭での生活リズムも関係しているといわれています。睡眠相後退症候群は、青年や若い成人に見られることが多い病気です。

 

思春期以降では、夜遅くまでの部活動や塾が始まった、深夜までゲームをするようになった、深夜にスマホを触っている、夜中のアルバイトを始めたなどによって睡眠リズムが後退するようになることが多いです。 

 

また、起立性調節障害などの影響で発症することもあります。

睡眠相後退症候群は、概日リズム睡眠障害の一種で、最も一般的な形態の一つです。この障害を持つ人々は、社会的に受け入れられている時間よりもはるかに遅くにしか眠りにつけず、また朝は通常よりも遅くに目覚めます。睡眠そのものの質は通常問題ないものの、標準的な生活スケジュールに合わせることが困難になります。睡眠相後退症候群の原因には以下のようなものがあります。

 

内因性要因

遺伝的素因: 研究によると、DSPSは家族内で見られることが多く、特定の遺伝子変異が関連している可能性が示唆されています。

概日リズムの調節異常: 体内時計が、光や他の外部環境からのシグナルに対して正常に同期しないことが原因で、睡眠周期が遅れることがあります。

 

外因性要因

光への露出: 夜間の人工光への露出は、体内時計をさらに遅らせ、DSPSの症状を悪化させることがあります。

不規則な睡眠習慣: 不規則な睡眠時間や睡眠環境は、概日リズムの乱れを引き起こし、DSPSの発症や悪化につながる可能性があります。

社会的および心理的ストレス: 高いストレスレベルや不安、抑うつなどの精神的な要因も、睡眠リズムに影響を及ぼし、DSPSの症状を引き起こすことがあります。

 

ライフスタイル

電子機器の使用: 就寝前のスマートフォン、タブレット、コンピューターの使用は、睡眠障害のリスクを高めます。

カフェインや刺激物の摂取: 夕方以降にカフェインやその他の刺激物を摂取することも、睡眠リズムを乱す一因となります。

夜遅くまで寝ることができず朝早く起きることができない

睡眠相後退症候群の症状は、夜遅くまで寝ることができず朝早く起きることができないことです。午前1時から3時過ぎまで寝れなかったり、正午近くまで寝ていたりするのです。

 

学校などのために無理やり起こされることによって、頭痛や頭の重さ、倦怠感、食欲のなさなどの状態になることも問題です。

 

睡眠相後退症候群では、必要な睡眠時間が確保されていないため、睡眠不足の状態になります。そのため、集中力や意欲が続かなくなることもあります。場合によっては、眠気の問題が続き、うつ症状につながることもあります。

睡眠相後退症候群は、概日リズム睡眠障害の一種であり、主に就寝時間と起床時間が極端に遅れることが特徴です。この障害を持つ人々は、通常の社会的要求や生活スケジュールに合わせることが困難です。具体的な症状には以下のようなものがあります。

 

入眠困難: 夜になっても眠れない、または通常の就寝時間よりもはるかに遅くにしか眠りにつけない。

 

覚醒困難: 朝、特に社会的または職業的な義務がある場合に起床するのが困難。

 

適切な睡眠の取得: 一度眠りについてしまえば、睡眠自体は深く、中断されることは少ない。しかし、社会的義務があるために睡眠時間が短縮され、十分な睡眠を取ることができない。

 

日中の過度の眠気: 不十分な睡眠により、日中に強い眠気や疲労感を感じる。

 

学業や仕事でのパフォーマンスの低下: 睡眠不足や日中の眠気により、集中力が低下し、学業や仕事の成績に悪影響を及ぼすことがあります。

 

気分障害: 長期間の睡眠障害は、うつ症状や不安感の増加につながることがあります。

 

社会的・家族間の問題: 家族や友人との関係に悪影響を及ぼし、社会的な活動に参加することが難しくなる場合があります。

 

生活の質の低下: 持続的な疲労感、社会生活との不一致、気分の問題などにより、全体的な生活の質が低下することがあります。

睡眠相後退症候群の改善方法は、生活習慣を見直すこと

睡眠相後退症候群の改善方法は、生活習慣を見直すことです。少しずつ就寝時間を早くできるように心がけることが大事です。

 

寝る前にカフェインを摂取しない、部屋の照明を少しずつ落としていく、夜には携帯ゲームやスマホをできるだけ触らないなどに取り組んでいきましょう。

 

 また、朝方に光を浴びることは、睡眠リズムをよくするために効果的です。そのことを使って、目が覚める1〜2時間前に照明を使って2時間光を浴びる方法もあります。

 

 場合によっては薬を使うこともあります。よく使われる薬はラメルテオンです。

睡眠相後退症候群の改善方法は、生活スタイルに合わせた睡眠リズムを確立し、維持することを目指します。改善法は人によって異なり、一人ひとりの生活習慣や症状の重さに応じて調整されます。以下に、DSPSの主な改善法を紹介します。

 

光法ボックスや自然光を使用し、毎朝一定時間、明るい光にさらす方法です。朝に明るい光にさらすことで、体内時計をリセットし、より早い時間に眠気を感じるように促します。

 

・メラトニン補充法

メラトニンは体内の暗闇のホルモンとも呼ばれ、睡眠を促進する効果があります。就寝前数時間にメラトニンを摂取することで、体内時計を調整し、早い時間に眠りにつけるようにします。

 

睡眠衛生の改善

規則正しい睡眠スケジュールの確立: 毎日同じ時間に就寝し、起床するようにします。

リラックスする就寝前のルーチン: 温かいお風呂、読書、軽いストレッチなど、睡眠を促進する活動を行います。

適切な寝室環境の整備: 寝室は暗く、静かで、快適な温度に保ちます。

 

認知行動法

不健康な思考や行動パターンを特定し、変更することで、睡眠を改善します。不安やストレスを管理し、睡眠に関連する不安を減らす手法を学びます。

 

睡眠相後退法

毎晩就寝時間を段階的に遅らせていき、目指す就寝時間に到達する方法です。これは、特に睡眠相が大幅に後退している場合に有効です。

 

生活習慣の変更

カフェインやアルコールの摂取制限: 特に夕方以降は避けます。

運動: 定期的な運動は睡眠の質を向上させますが、就寝数時間前の激しい運動は避けます。

睡眠相後退症候群の改善方法において、主に用いられる薬物はメラトニンです。メラトニンは体内時計を調整する効果があり、DSPSにおける睡眠パターンの改善に役立つことが知られています。ここでは、メラトニンの効果と副作用について詳しく説明します。

 

メラトニンの効果

メラトニンは、体内の概日リズムを調節する天然のホルモンです。DSPSにおいては、以下のような効果が期待されます。

 

睡眠調節: メラトニンは、自然な睡眠サイクルを促進し、より早い時間に眠気を感じさせることで、患者が通常より早く眠りにつけるようにします。

体内時計の調整: メラトニンの摂取は、体内時計をリセットし、DSPSによって遅れがちな睡眠リズムを正常化します。

 

メラトニンの副作用

メラトニンは比較的副作用が少ないとされていますが、一部の人には以下のような副作用が現れることがあります。

 

日中の眠気: 翌日に持続する眠気が生じることがあり、特に摂取するタイミングや用量が適切でない場合に発生しやすいです。

頭痛: 一部の利用者はメラトニン使用後に頭痛を経験することがあります。

めまい: 立ちくらみやふらつき感を感じることがあります。

胃腸の不快感: 吐き気や腹痛など、消化器系の副作用が現れることがあります。

短期的な感情の変動: 使用者によっては、気分の落ち込みやイライラ感を感じることがあります。

 

メラトニンの使用に際しては、適切なタイミングでの摂取が重要です。通常は就寝前の1~2時間に低用量から始め、医師の指導のもとで用量を調整します。また、メラトニンは睡眠の質を改善するための補助手段であり、睡眠衛生の改善や生活習慣の見直しと併せて行うことが、改善の成功には不可欠です。

 

改善を開始する前に、医師と相談し、個々の健康状態や他の薬物との相互作用を考慮することが重要です。メラトニン以外にも、症状や個々の状況に応じて、他の方法や薬物が推奨される場合があります。

日常生活に大きな影響が出る病気

学生の場合、睡眠相後退症候群になると、遅刻が多く休みが多くなることが多いです。そうなると、成績が下がったり進級が危なくなったりすることもあります。

 

大学生の場合、単位が足りなくなり留年や退学の可能性もあります。社会人の場合は、評価が落ち退職につながることもあります。

 

日常生活に大きな影響が出る病気であるため、就寝時間を一定にして夜更かしをしないことやカフェインや刺激物を避けること、スマホやゲームの時間を決めることなどのことを心がけ改善に取り組むことが大事です。

睡眠相後退症候群に効果的なツボ

神門

関元

少海

神門

神門は、不眠症に効果的なツボです。刺激をすることで精神の状態を安定させる効果があり、睡眠障害の症状の改善に役立つとされています。

 

さらに、精神を安定させる効果から、イライラしている時や不安な時などにも効果を発揮するツボです。

関元

関元は、全身の気が集まるツボであるとされており、重要なツボともいわれます。さらに関元は丹田とも言われます。

 

関元には交感神経の興奮を鎮めてリラックスさせる効果があります。そのため、睡眠障害に効果的なツボです。泌尿器の症状や生理痛などにも効果的です。

少海

少海は、自律神経を整える効果があるツボのため、睡眠にも効果的です。ストレスによって起こる手の冷えや耳鳴り、めまいなどにも有効です。

 

さらに、少海は、頸肩腕症候群や肩こり、目の充血などにも効果的です。

ツボの位置と押し方

神門

神門は手掌側の手首のしわの上で小指側にある腱の内側にあります。

 

押すときは、ゆっくりおしてゆっくり離すように押しましょう。軽い力で押しましょう。

関元

関元は、おへその下3~5cmあたりにあります。

 

押すときは、あぐらをかいて両方手の平を重ね、ツボに当てます。リラックスして、目を閉じてゆっくりと呼吸を行いましょう。

少海

少海は、肘を曲げたとき内肘にしわが寄っている部分で、小指側にある骨の突端の少し内側にあります。

 

押すときは、5秒押して3秒離しましょう。いた気持ち良いと感じるくらいの力がお勧めです。

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