公開日:2021年 9月23日
更新日:2024年 1月 6日
本日はペットボトル症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
ペットボトル症候群は、急性の糖尿病です。ソフトドリンクケトーシスと呼ばれることもあります。
ペットボトル症候群は、ジュースや甘い炭酸飲料、スポーツドリンクなど、糖を含む清涼飲料水を多く摂取することで発症します。
ほとんどの清涼飲料水には非常に多くの糖が含まれています。例えば、コーラの場合、500mlのペットボトル1本で角砂糖14個分もの糖が含まれていると言われています。
清涼飲料水を飲むことは大量の糖を摂っていることと同じことなのです。
ペットボトル症候群を発症するリスクが高い人として考えららているのは、糖尿病の人や糖尿病の可能性を指摘されている人、メタボリック症候群の人などです。
健康にあまり関心のない若年層の肥満の男性や、日常的にジュースをたくさん飲む人にも非常に多いと言われています。
ペットボトル症候群の原因は、糖を多く含む清涼飲料水を大量に飲み続けていることです。清涼飲料水の中には非常に多くの糖が含まれています。そのため、日常的に飲み続けていると、血糖値が上がりインスリンの作用不足を引き起こすのです。
インスリンの作用不足が起きると、体の細胞は、細胞の中に糖質を取り込めなくなるため、糖質の代わりに脂肪を分解します。脂肪の分解によってケトン体ができ、ケトン体が血液の中に増えると、ケトーシスという状態になります。
ケトン体は酸性物質のため、ケトン体が体の中に溜まって血液が酸性になると、ケトアシドーシスという状態になり、様々な症状が現れるのです。
糖尿病の人や糖尿病の可能性を指摘されている人、メタボリック症候群の人などに発症することが多く、中でも若い肥満の人に多いです。
1. 清涼飲料水の過剰摂取
① 高糖質飲料の多量摂取
飲料に含まれる糖分が急速に吸収され、血糖値が急激に上昇します。繰り返し高糖質飲料を摂取することで、膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンが過剰に働くようになりますが、やがてインスリンの分泌が追いつかなくなり、高血糖状態が続きます。
② 血糖値の乱高下
急激な血糖値の低下により、空腹感や疲労感を感じ、さらに甘い飲料を飲むという悪循環に陥ります。長期間にわたる血糖値の乱高下は、インスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病のリスクを高めます。
2. 脂肪分解の促進とケトーシス
① インスリン不足による脂肪分解
脂肪分解によって生じた脂肪酸が肝臓で代謝され、ケトン体が大量に生成されます。ケトン体が増えすぎると血液が酸性に傾き、糖尿病性ケトアシドーシスという危険な状態に至ることがあります。
3. 脱水症状の悪化
① 高血糖による多尿
尿とともに大量の水分が失われるため、脱水状態に陥ります。脱水により喉が渇き、さらに甘い飲料を飲むことで、症状が悪化します。
4. 生活習慣の影響
① 暑い季節に冷たい飲料を多く摂取
水分補給のために清涼飲料水を飲むことで、知らず知らずのうちに糖分を過剰摂取してしまいます。
② 運動不足
余った糖分は脂肪として蓄積され、インスリン抵抗性を悪化させます。
③ 偏った食生活
糖質に偏った食事により、ビタミンやミネラルが不足し、代謝が悪化します。特にビタミンB群の不足は糖質代謝に影響を与え、疲労感を増大させます。
5. 心理的要因
① ストレスによる過食・過飲
糖分の摂取によりセロトニンが一時的に増加しますが、その後再び低下するため、さらに甘いものを求める悪循環に陥ります。
② 習慣化
甘い飲料を頻繁に摂取することで味覚が鈍くなり、さらに甘いものを求めるようになります。
6. 特定の飲料に含まれる成分
① フルクトースの影響
フルクトースは肝臓で直接代謝され、脂肪として蓄積されやすいため、肥満や脂肪肝のリスクを高めます。フルクトースはインスリンをほとんど刺激しないため、食欲を抑えにくくなり、過剰摂取につながります。
② カフェインの影響
カフェインによる脱水が喉の渇きを増し、甘い飲料の摂取量が増加します。
ペットボトル症候群の症状は、喉の渇きや尿量の増加、倦怠感、疲れやすさ、イラつき、吐き気、体重の減少などです。
喉の渇きが現れている時、ペットボトル症候群であると気がつかないこともあります。その場合、喉が渇くため、さらに多くの量の清涼飲料水を摂取してしまい症状が悪くなっていきます。
程度が重くなると、意識が朦朧とすることもあります。場合によっては、命に関わることもあります。
1. 初期症状
① 喉の渇き
② 頻尿
③ 倦怠感・疲労感
2. 進行した場合の症状
① 急激な体重減少
② 脱水症状
③ 腹痛・吐き気
3. 重篤な症状
① 呼吸の異常
② 意識障害
③ ケトン臭
4. その他の症状
① 集中力の低下
② 食欲の異常
③ 皮膚の乾燥・かゆみ
ペットボトル症候群を改善する方法は、水分の補充とインスリンの点滴です。ペットボトル症候群では、脱水状態になります。そのため、点滴によって失った水分を補充します。
さらに、ペットボトル症候群は高血糖の状態になります。そのため、インスリンの点滴を行うのです。
十分な量のインスリンが投与されると、比較的早く症状は改善します。経口血糖降下薬や内服がなくても経過観察できるようになることも多いです。しかし、改善方法を誤ると、非常に危険な状態になることもあるため注意が必要です。
・軽症の場合
① 清涼飲料水の摂取を控える
② 食生活の改善
③ 適度な運動
④ 水分補給
・中等症~重症の場合
① 点滴
② インスリン
③ 電解質補正
④ ケトアシドーシスの改善
・長期的な管理と予防
① 生活習慣病予防プログラム
② 定期的な血糖値と尿検査
・心理的サポート
① ストレス管理
② 習慣の見直し
WHOは、砂糖を摂取する量の上限を1日に摂取するカロリーの5%未満とするべきだという指針を発表しています。これは、平均的な成人の場合25g程度にあたります。
500mlのジュースを1本飲むだけでも簡単に1日の摂取量の上限を超えてしまうこともあります。できるだけ水やお茶など、糖分が含まれていない飲み物を選んで飲むことを心がけることが大事です。
糖分が含まれていない飲み物を飲むことで、血糖値が急激に上がることを抑えることもできます。
嗜好品として清涼飲料水を飲む時は、適量を守って飲むようにしましょう。
・果汁入り清涼飲料水(果汁10%未満のジュース)
糖分が多く、栄養価は低いため控えるべきです。
・スポーツドリンクやエナジードリンク
意外に糖分が多いため、1日200mlを超えないよう注意しましょう。
・炭酸飲料
500mlで50g以上の糖分を含むものも多く、1日の糖分摂取量を簡単に超えてしまいます。注意が必要です。