公開日:2021年 2月23日
更新日:2021年 5月 15日
本日は吃音について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
吃音は滑らかに話すことができない状態のことで流暢性の障害といわれることもあります。
吃音の呼び方や判断する時の名前は色々あり、米国精神医学会が作成する精神疾患や精神障害の分類マニュアル「DSM-5」では吃音のことは「小児期発症流暢症」という名前で呼ばれています。
小児期発症流暢症は、小児の時期に発症するものだけを指していて、神経発達症群として分類されています。小児の時ではなく、大人になって吃音が起こった時は「成人期発症の流暢症」という名前で呼ばれます。
吃音は、発達障害者支援法では支援の対象となります。
吃音は大きく分けて2種類に分けられます。1つは小児期発症流暢症と呼ばれる「発達性吃音」、もう1つは疾患や精神的なストレスなどによって発症する「獲得性吃音」です。吃音のほとんどは発達性吃音だといわれています。
吃音のほとんどである発達性吃音は2歳から4歳の頃に発症することが多いです。発達していく過程の中で起こる症状のため、成長するにつれて改善していく人も多くいます。
しかし、成長した後も症状が残ることがあります。その場合、考えられる原因は、遺伝や発達、環境などといわれていますが、明確な原因は現在もわかっていません。
獲得性吃音は、神経学的な疾患や脳の損傷などが原因で起こるものと、精神的なストレスや外傷体験が原因で起こるものがあります。
疾患や脳の損傷によって起こる吃音のことを獲得性神経原性吃音といい、精神的なストレスや外傷体験よって起こる吃音のことを獲得性心因性吃音と呼びます。
吃音には、代表的な特徴が3つあります。3つの特徴の中で1つ以上症状が見られます。
多くの場合は、まず連発の症状が現れ、次に伸発、最後に難発へと進んでいくといわれています。しかし、症状の現れ方には個人差が大きく、進み方や程度は人によって大きく異なります。
代表的な症状の1つ目は連発です。連発は、音や言葉の一部を繰り返すことで、「り、り、りんご」、「こ、こ、こんにちは」というように言葉を発します。
2つ目は伸発です。伸発は言葉を引き伸ばすことで、「りーーんご」というように言葉を発します。
3つ目は難発です。何発では、言葉が詰まって出てこない状態になることです。「(…………)っりんご」「(………)こっこんにちは」と言うような状態になります。
難発の症状がある場合、言葉を出すために顔をしかめたり、舌に力が入ったり、目元や口元、手や足を動かしたりする症状があることが多いです。
吃音では、話すこと以外に生活する上でも深く影響が現れます。
吃音の話し方によって話すという行為に怒りや悲しみ、恥ずかしさを感じることがあります。さらに、吃音の話し方によって自分でダメだと思い込んでしまい、自己肯定感を下げてしまうことにつながることもあります。
さらに、吃音の話し方のことをからかったりいじめの対象にされる場合も見られます。自分自身の心理的なことでも、周りの誤解や偏見によっても問題が起きることがあるのです。
吃音の原因や症状は、非常に個人差があり様々です。そのため、改善方法として確立されているものはいまだにありません。
吃音を軽くするための方法は、色々あります。軽くするために行う方法は、環境や年齢によって違います。何が効果を発揮するかということも人によって様々です。
小学校に通う年齢の場合は、小学校の通級指導教室での指導や支援を受けることができます。他にも病院などでも指導や支援を受けることができることがあります。
成人している場合は、リハビリテーション科のある病院や耳鼻咽喉科で指導や支援を受けることができます。指導や支援を行なっている病院などに問い合わせておくと良いでしょう。
吃音を改善するためには、話しやすい環境を作ることが大切です。注意したり言い直しをさせることはよくありません。
叱ることも絶対にしてはいけません。言いたい内容をよく聞いて話すときは、言葉の妨げないようにして最後まで聞くことが重要です。多くの場合は、ゆっくり返事をすることを意識して話しかけると効果的です。
吃音は、調子が良い時と悪い時の波があります。症状が変わることに対して不安になったり心配したりしないためにも、吃音の症状に波があるということを知っておくことが必要です。
調子が良い時と悪い時の波の現れ方は人によって様々です。時間や季節も個人差があり、調子が良い時が続く時間や悪い時が続く時間も様々です。
吃音のある人は、仕事の中でも特に話すことに対して苦手意識を持ちやすいです。置かれている環境や症状によっても様々な悩みを持つことが多くあります。
恐れや不安が大きくなってしまうことも多く、心身へ負担がかかったり社会とのコミュニケーションを避けるようになったりすることもあります。
その場合は、周りに吃音であるということを伝え、理解してもらうことが大切です。不安が減ると、吃音の症状が軽くなることも多いです。
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