公開日:2021年 3月23日
更新日:2021年 5月15日
本日は腸閉塞について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
腸閉塞の原因は色々あります。中でも多いと言われている原因は手術です。
腹部にある臓器の手術をした後、腸同士や腸と腸壁などがくっつくことがあるのです。腸同士がくっついて、腸が折れたりねじれたりすると腸が塞がってしまうため、腸閉塞を起こしてしまいます。
他にも、大腸がんや寄生虫や腸管に排出された胆石などの異物が腸につまることなどが原因で腸閉塞が起こってしまうこともあります。手術後の癒着の他にも、異常な開口部からの腸の一部の突出や腫瘍で腸閉塞を起こすことも多いです。
新生児や乳児に起きる腸閉塞の原因は一般的に、生まれつきの異常や腸の内容物の硬いかたまり、腸のねじれ、腸閉鎖、腸重積などです。
腸閉塞は、腸が正常に働かない状態を指し、これは消化物やガスが通常通りに通過できなくなる結果をもたらします。
1.閉塞の主な原因:物理的障害
物理的障害による腸閉塞は最も一般的です。これらは外科的手術や腸内にある他の物体が原因で、腸を物理的にブロックします。例えば、腸捻転、腸絞扼、外傷などが該当します。
腸捻転:これは腸が自身でねじれることによって起こります。腸がねじれると、その部分の血流が遮断され、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
腸絞扼:これは腸が体の他の部分、例えば癒着やヘルニアなどで絞り付けられる状態を指します。これも血流を遮断し、腸の損傷を引き起こす可能性があります。
外傷:直接的な腸の損傷、例えば事故による損傷や外科手術の結果、腸閉塞が発生することがあります。
2.腸の動きの障害(パラリティックイレウス)
物理的障害だけが腸閉塞の原因ではありません。腸の正常な動き(蠕動運動)が障害されると、パラリティックイレウスと呼ばれる状態が発生します。これは薬物の副作用、代謝異常、脳卒中、脊髄損傷などにより発生することがあります。
3.腫瘍
腫瘍は腸内で成長し、腸を物理的に閉塞する可能性があります。腫瘍は良性でも悪性でも腸閉塞を引き起こす可能性があります。特に大腸がんは、腸閉塞の一般的な原因の一つとなります。
4.炎症性の腸の病気
クローン病や潰瘍性大腸炎のような炎症性の腸の病気は、腸の炎症とともに発生し、腸の組織を腫らせ、最終的には閉塞を引き起こす可能性があります。
5.外来体の摂取
特に小児において、食物や玩具の部品などの外来体の誤飲は、腸閉塞の一般的な原因となります。
6.感染症
特定の感染症、特に結核や回虫症は、腸閉塞を引き起こす可能性があります。
以上のように、腸閉塞の原因は多岐にわたります。
腸閉塞の主な症状は、痙攣性の腹痛です。同時に腹部が膨満し、食欲がなくなります。
まず初めにお腹の張りを感じ、次にお腹の痛みを感じ、嘔吐するという順番で症状が現れる人が多いと言われています。腸が完全に閉じてしまうと便秘が起こり、部分的に閉じてしまうと下痢が起こることが多いです。
腸閉塞は、塞がってしまった部分から上に食べ物や胃液などの消化物がたまっていってしまうため、多くの場合は吐き気や嘔吐といった症状が見られます。
痛みの程度には個人差があります。軽い痛みしか感じない人もいれば、非常に激しい痛みを感じる人もいるのです。
腸管の血流障害が起きると、体の中へ血液を供給することが不十分になり、意識障害などが現れるショック症状があることも多いです。腸に穴が開いてしまった場合は、緊急手術が必要です。腸閉塞は場合によって命に関わることもある病気なのです。
腸閉塞は、消化管のある部分が部分的にまたは完全に閉塞され、食物や液体が通過できなくなった状態を指します。この状況は重大な問題を引き起こす可能性があります。腸閉塞の症状は一般的に急性であることが多く、速やかな医療介入が必要となります。以下に、腸閉塞の主な症状について詳しく説明します。
1.腹痛
腸閉塞の最も一般的な症状の一つは、腹痛です。閉塞部位の近くで発生するこの痛みは、しばしば強く、一貫性があります。腸の蠕動運動による強制的な試みが行われる際には、痛みは激しくなることがあります。
2.腹部膨満感とガス
腸閉塞は、消化物やガスの通過を妨げます。その結果、腹部の膨満感や不快感が生じることがあります。また、閉塞の上流ではガスが溜まることが多く、これが腹部の膨満感やガスの排出不良を引き起こします。
3.便秘と排便困難
腸閉塞は、固形物の通過を妨げるため、便通が悪くなることが一般的です。これは完全閉塞では明らかな便秘となり、部分的閉塞では排便困難となります。
4.吐き気と嘔吐
閉塞は消化物の正常な通過を阻害するため、しばしば吐き気を感じ、場合によっては嘔吐を伴うことがあります。嘔吐物は、飲食物の残渣、胆汁、さらには閉塞が下部にある場合には便のような物質を含むことがあります。
5.腹部の異常な膨らみ
部分的または完全な腸閉塞は、腹部の一部が不均一に膨らむことを引き起こすことがあります。これは閉塞の上流に消化物やガスが蓄積する結果として生じます。腹部を触ると、硬く感じることがあります。
6.体重減少
長期的な腸閉塞や繰り返す腸閉塞の場合、体重減少を経験することがあります。これは、食物の摂取や吸収が妨げられるためです。
7.発熱
発熱は腸閉塞の一般的な症状ではありませんが、腸の壊死や感染が生じると発熱を引き起こすことがあります。
8.衝撃症状
重度の腸閉塞は、最終的には腸の壊死や穿孔を引き起こす可能性があり、これにより衝撃症状(低血圧、冷たくて湿った皮膚、混乱など)が発生します。
これらの症状は、全ての人が腸閉塞を経験するわけではありません。症状は閉塞の程度、位置、持続時間などにより異なります。
腸閉塞の改善方法には、大きく分けて2種類あります。腸閉塞の症状の程度は個人差が大きいです。そのため、症状の程度によって、改善方法も違うのです。
1つ目は、絶食と点滴です。症状が軽い場合は絶食をし、点滴で栄養を補給して様子を見ます。腸管の中の圧力を下げるために、管を使って腸にたまっている食べ物や消化液などを出すこともあります。
2つ目は手術です。絶食や点滴をしても症状が改善しない場合や、症状が重い場合は、手術で改善を行います。
手術には、癒着を剥がしたり絞扼しているひも状の組織を切り取ったりなど閉じてしまった部分を外すことで改善するケースや開腹手術をして詰まっている部分の腸管を切りとり正常な部分をつなげることで改善するケースなどがあります。
症状に合わせて、手術を行い改善に取り組むのです。
腸閉塞は、消化管の一部が部分的または完全に閉じて、食物や液体が通過できない状態を指します。腸閉塞は時に重篤であり、適切な治療が不可欠となる状況です。以下に、腸閉塞の主な改善法について詳しく説明します。
1.保存的方法
全ての腸閉塞が直ちに手術を必要とするわけではありません。軽度であったり、特定の病態に対しては、最初に保存的方法を試みることがあります。これには、絶食、輸液補給、腸内容物の吸引などが含まれます。ただし、このアプローチが効果的でない、または患者の症状や状態が悪化する場合、手術が必要となることがあります。
2.外科手術
多くの腸閉塞の場合、外科手術が最終的な方法となります。手術は、閉塞の原因を直接的に解消することを目指します。
腸捻転や腸絞扼:これらの状況では、手術は閉塞の解除と、必要に応じて腸の再配置や修復を行います。
腫瘍:腸閉塞を引き起こす腫瘍の場合、外科手術は腫瘍の除去を目指します。これは、悪性腫瘍に対する改善の一部でもあります。
瘢痕組織や癒着:外科的手術は、これらの物理的な障害を除去し、腸の自由な動きを可能にすることを目指します。
手術は一般的に開腹手術または腹腔鏡手術の形で行われます。選択される手術法は、全般的な健康状態、閉塞の原因と位置、手術の緊急性などによります。
3.薬
特定の腸閉塞、特にクローン病や潰瘍性大腸炎のような炎症性の腸の病気に起因するものでは、薬が有用となることがあります。ステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤などが使用され、炎症の管理と腸の閉塞の解消を試みます。
4.栄養法
腸閉塞による食事制限や栄養不足の場合、特定の栄養補給法が必要となることがあります。経口または経管栄養補給、あるいは重度の場合は静脈栄養補給が行われることがあります。
5.腸ステント
腸閉塞を引き起こす悪性腫瘍の一部では、腸ステントの挿入が選択肢として選ばれることがあります。ステントは、閉塞部位を力学的に開放し、腸の通過を再確立します。これは、手術が困難または不可能な患者、あるいは一時的な解決策として使用されることがあります。
腸閉塞の改善方法は、その原因、重症度、患者の全般的な健康状態に基づいて個別化されます。
便秘は腸閉塞につながりやすいです。日頃から便秘を予防することを意識しましょう。便秘予防を意識した食生活を送ったり、決まった時間に排便をする習慣をつけることなどが便秘予防につながり、腸閉塞の予防にもなります。
適度な運動をすることや食べ過ぎないこと、水分をきちんと摂ることも大切です。食べ過ぎや早食いはしないように気をつけ、運動をする習慣をつけると良いでしょう。
排便が急に止まったなど何か不安なことがある場合は、病院に相談に行くことをお勧めします。
腸閉塞は消化管の一部が部分的にまたは完全に閉じ、食物や液体が通過できない状態を指します。実際のプロセスは具体的な状況や腸閉塞の原因によりますが、一般的な改善の進行について、以下に実例を挙げて説明します。
ケーススタディ1:腸絞扼による腸閉塞
70歳の男性が急性の腹痛を伴って救急部に搬送されました。症状は3時間前から始まり、吐き気と頻繁な嘔吐を経験していました。物理的な評価では、腹部は膨満しており、触った時に痛みを示しました。画像で小腸の部分的な閉塞が確認されました。この結果から、外科医は腸絞扼を疑い、直ちに手術を決定しました。手術では、絞扼された部分が確認され、腸の再配置が行われました。その後、順調に回復し、手術後数日で通常の食事を再開しました。
ケーススタディ2:癒着による腸閉塞
52歳の女性が、過去に開腹手術を数回経験していました。最近、慢性的な腹痛と食欲不振に悩まされ、しばしば便秘と吐き気を感じていました。これらの症状から、腸閉塞の可能性が疑われました。CTスキャンの結果、小腸の一部に閉塞が確認され、これは過去の手術による癒着が原因と判断されました。この場合、保存的方法を試みることになり、一時的に絶食となり、輸液と薬を行いました。それにもかかわらず、症状が改善しないため、手術を決定しました。
腹腔鏡手術にて、癒着による閉塞が確認され、その部分を剥離しました。手術後、症状は大幅に改善し、1週間後には通常の食事を再開しました。
ケーススタディ3:クローン病による腸閉塞
30歳の男性は、クローン病の判断を受けており、近くに痛みと便通の異常を報告しました。症状の進行と画像から、腸閉塞の可能性が示唆されました。初期には、ステロイド薬を増量し、一時的に絶食状態にしました。しかし、この改善による改善が見られなかったため、外科的介入が必要と判断されました。
手術では、狭窄部位を切除し、健康な腸同士を繋ぎました(小腸切除術と吻合術)。手術後、症状が改善し、1週間後には通常の食事を再開しました。その後のフォローアップでも、腸閉塞の再発は見られませんでした。
これらのケーススタディは、腸閉塞が多様な原因で発生し、それぞれに最適な改善法が異なることを示しています。最も重要なことは、適切な判断を行い、早期に改善を開始することで、症状を改善し、生命を脅かす合併症を防ぐことです。