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公開日:2023年 3月13日
更新日:2025年 9月 4日
本日は胎便吸引症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
胎便吸引症候群の原因は赤ちゃんにストレスがかかることです。出産前後は、赤ちゃんが低酸素状況に陥りやすいため、ストレスを抱えやすいです。
低酸素を引き起こす原因は、臍帯が圧迫されて赤ちゃんへの血流が一過性に下がることや母親が感染症を発症していることなどです。
胎便吸引症候群は、予定日を超えた場合に発症する可能性が上がると言われています。予定日を超えると、胎盤の余力も下がり、より低酸素のリスクが高まるため、ストレスを抱えやすいのです。
さらに、低酸素状況になると、赤ちゃんは羊水の中にいるにもかかわらず呼吸をしようとします。そして呼吸をすると、赤ちゃんが羊水中に混入した胎便を吸引してしまい、胎便吸引症候群の発症につながるのです。
・子宮内低酸素
赤ちゃんが子宮の中で十分な酸素を得られないと、ストレス反応として腸の蠕動運動が亢進し、胎便が排泄されます。低酸素状態は、妊娠過期、胎盤機能不全、臍帯異常、分娩遷延などで起こりやすくなります。
・胎便を含む羊水の吸引
子宮内で胎便を排泄すると羊水が緑色に濁る。出生前や出生直後に、赤ちゃんが呼吸様運動でこの羊水を肺に吸い込むと、肺に胎便が入り込みます。胎便は粘り気が強いため、気道を詰まらせたり、炎症を引き起こします。
・分娩時のストレス
陣痛が強すぎたり、分娩が長引いたりすると、胎児の酸素供給が一時的に不足して胎便を排泄しやすくなります。吸引や鉗子分娩などの介助分娩が必要な状況でも、胎便吸引のリスクが高まります。
・妊娠過期
出産が遅れると、胎児が大きくなり胎盤機能が低下して、子宮内でストレスを受けやすくなります。その結果、胎便を排泄しやすくなり、MASの頻度が高くなります。
胎便吸引症候群の症状は、生まれた直後から現れる呼吸障害です。皮膚や唇に青みがかり、呼吸が速くなり、息を吐き出すときにうめき声を発します。
呼吸障害として現れる症状は、多呼吸やうなり声、尾翼呼吸、陥没呼吸、あえぎ呼吸、チアノーゼなどです。さらに、へその緒や顔面、体の表面に緑色の胎便が見られることもあります。
・出生直後からの呼吸障害
呼吸が弱い、または不規則になる、努力呼吸、チアノーゼなどが見られます。呼吸ができずに無呼吸発作を起こすこともあります。
・低酸素症による全身症状
体に酸素が行き渡らないため、全身の皮膚が紫色や青白くなります。活気がなく、泣き声が弱いです。心拍数の低下が見られることもあります。
・肺の障害による症状
胎便が気道に詰まることで、肺に以下のような変化が起こります。喘鳴や粗い呼吸音が見られます。胸部レントゲンで肺がまだらに白く写ったり、重症例の場合気胸や持続性肺高血圧症を合併したりすることもあります。
・そのほかの症状
羊水が緑色に濁っている状態が出生時に観察されるサインです。重症例では、低酸素の影響で脳や多臓器に障害が及び、けいれん、意識障害、腎不全などを合併することがあります。
胎便吸引症候群では、赤ちゃんが生まれてからできるだけ早く口腔内の胎便を吸引することが大事です。その後は、呼吸状態の程度や合併症などを考えて改善を行っていきます。
症状が重い場合は、人工呼吸管理が行われたり、サーファクタントを気管に投与したり、気管内の胎便を洗浄したりすることもあります。人工呼吸管理を行う時には、筋弛緩薬や鎮静剤を使うこともあります。
胎便吸引症候群によって細菌感染が起きることもあるため、抗生物質が投与される場合もあります。
・出生直後の処置
出生時に羊水が緑色で、赤ちゃんが呼吸不良を示す場合、すぐに対応が必要です。かつては気管内にチューブを入れて胎便を吸引する処置が行われていましたが、現在は重度の呼吸抑制がある場合に限定されています。まずは気道の確保と十分な酸素投与が最優先です。
・酸素投与、人工呼吸管理
酸素投与や持続的陽圧換気、人工呼吸器管理が行われます。
・肺高血圧への対応
MASでは持続性肺高血圧症を合併することがあります。その場合は一酸化窒素吸入法、高頻度振動換気、体外式膜型人工肺などが行われます。
・合併症の予防と対応
抗菌薬投与、栄養管理などが行われます。合併症が起これば速やかにドレナージなどで対応します。
母体への予防的対応として出産前から胎児仮死を予防する分娩管理が重要です。
分娩監視装置で胎児心拍をチェックし、異常があれば速やかに分娩を進めることがMAS予防につながります。
胎便吸引症候群によって緊張性気胸の発生が疑われる場合には、胸部に溜まった不要な空気を脱気させるために針を胸に刺す方法を行うことがあります。
胎便吸引症候群では、新生児仮死の状態で生まれてくる場合もあります。その場合は、脳の保護を目的に改善が行われることもあります。