VDT症候群の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 12月 3日

更新日:2024年 2月 7日

本日はVDT症候群について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • VDT症候群とは
  • VDT症候群の原因
  • VDT症候群の症状
  • VDT症候群の改善方法
  • VDT症候群の予防

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

VDT症候群は長時間パソコンなどの作業で現れる色々な影響

VDT症候群は、長い時間パソコンなどのディスプレイを使って作業することによって目や体や心に色々な影響が現れる病気のことです。IT眼症、テクノストレス眼症と呼ばれることもあります。

 

1日に連続して作業する時間が長くなれば長くなるほど目に関係する症状が多く見られます。

 

症状がひどくなると、目だけではなく体や心にも影響が出てくるため、近視や角膜炎、結膜炎、ドライアイなどの目の異常だけではなく、圧迫感やめまい、吐き気なども現れます。

VDT症候群の原因は、長い時間パソコンなどを見続けること

 VDT症候群の原因は、長い時間パソコンなどのディスプレイを見続けることです。

 

長い時間パソコンなどのディスプレイを見続けることは、目の使いすぎにつながります。また、長い時間同じ姿勢でいることになるため血流不良が起きたり、目や身体の不調が起こることで精神的なストレスを感じたりします。

 

そのため、目や体や心に色々な影響が現れるのです。

1. 長時間のデバイス使用: VDT症候群の主な原因は、長時間にわたるデバイスの使用です。現代社会では、仕事や学習、娯楽などさまざまな場面でデジタルデバイスを使用する機会が増えています。特にオフィスワーカーや学生は、毎日長時間デスクトップコンピュータを使用したり、スマートフォンやタブレットを頻繁に操作したりすることが一般的です。長時間のデバイス使用は、目の疲労や不快感、集中力の低下などを引き起こす可能性があります。

 

2. ブルーライトの影響: VDTにはブルーライト(青色光線)が含まれており、これが目に与える影響が問題となっています。ブルーライトは、目の水晶体や網膜に直接作用し、視覚機能や視力に影響を及ぼす可能性があります。特に夜間にデバイスを使用すると、ブルーライトによって睡眠の質が低下する可能性があります。

 

3. 不適切なディスプレイ設定: デバイスのディスプレイ設定が適切でない場合、目の負担が増加することがあります。輝度が強すぎたり、コントラストが不適切だったりすると、目が疲れやすくなる可能性があります。また、文字のサイズや表示の大きさが適切でない場合、焦点を合わせるために目を無理に使うことがあります。

 

4. 目のまばたき回数の減少: デバイスを使用する際には、まばたき回数が減少する傾向があります。まばたきは目を保護し、涙液を分泌して目を潤す重要な役割を果たしています。まばたき回数が減ると、目の表面が乾燥しやすくなり、ドライアイなどの症状が悪化する可能性があります。

 

5. ポストアイケアの不足: ポストアイケアとは、デバイスを使用した後に行う目のケアのことを指します。デバイスを使用する際には、適度な休憩を挟み、目を休ませることが重要です。また、目薬やアイマスクを使用して目を潤すこともポストアイケアの一環として有効です。しかし、多忙なスケジュールや意識の欠如により、ポストアイケアがおろそかにされることがあります。

 

6. ワーキングディスタンスの問題: デバイスを使用する際のワーキングディスタンス(デバイスと目との距離)が適切でない場合、目の負担が増えることがあります。デバイスを近くで使用すると、目が焦点を合わせるために無理をすることがあります。遠くで使用するようにするか、適切な補助グラスを使用することで、目の負担を軽減できる場合があります。

 

7. 姿勢の問題: デバイスを使用する際の姿勢が不適切である場合、首や肩の負担が増え、目の疲労にも影響を及ぼすことがあります。デバイスの高さや角度を調整することで、姿勢を改善し目の負担を軽減できる場合があります。

VDT症候群では、目や体や心に症状が現れる

VDT症候群では、目や体や心に症状が現れます。

 

目に現れる症状は、眼精疲労やドライアイ、視力の低下、目の痛みなどです。近視や角膜炎、結膜炎を引き起こすこともあります。

 

体に現れる症状には、首こり、肩こり、腰のこりや背中の痛み、頭痛や吐き気、圧迫感やめまい、手足のしびれなど色々な症状があります。

 

心に現れる症状は、イライラや不安感、抑うつ状態などです。

1. 眼の疲労感: VDT症候群の最も一般的な症状は、目の疲労感です。長時間デバイスを使っていると、目の筋肉が緊張し、目が乾燥しやすくなります。これにより、目が重たく感じられたり、眼精疲労が起こることがあります。

 

2. 目の乾燥やかゆみ: デバイスの画面を見つめている間、まばたき回数が減少することがあります。まばたきが少なくなると、目の表面が乾燥しやすくなり、かゆみや異物感を感じることがあります。これはドライアイと呼ばれる症状で、VDT症候群によく見られる特徴的な症状です。

 

3. 目の充血: VDT症候群では、目の充血が生じることがあります。デバイスを長時間使用すると、目の表面が乾燥して炎症を起こすことがあります。また、ブルーライトの影響により血管が拡張することも原因の一つとされています。

 

4. ダブルビジョン: 長時間のデバイス使用により、目の筋肉が緊張して目の焦点がずれることがあります。これにより、同じ対象物が二重に見えるダブルビジョンが起こることがあります。

 

5. 頭痛や肩こり: VDT症候群では、目の疲労だけでなく、頭痛や肩こりといった身体的な症状も現れることがあります。目と頭部の筋肉は密接に関連しており、目の疲労が全身の筋肉に広がることがあります。

 

6. 集中力の低下: 長時間デバイスを使用すると、集中力が低下することがあります。目の疲労や不快感により、作業効率が低下することがあります。

 

7. 視力の一時的な変化: VDT症候群では、長時間のデバイス使用により一時的な視力の変化が生じることがあります。特に近視の人は、目を酷使することで視力が一時的に悪化することが報告されています。

 

8. ブルーライトの影響による睡眠障害: デバイスの画面にはブルーライトが含まれており、夜間にデバイスを使用すると睡眠障害が起こることがあります。ブルーライトはメラトニンという睡眠ホルモンの分泌を抑制するため、睡眠の質が低下することがあります。

 

9. フォーカスの困難: 長時間のデバイス使用により、目の焦点を合わせることが難しくなることがあります。特にデバイスの画面を見つめ続けることで、遠くの対象物を見るときに焦点を合わせるのが困難になる場合があります。

VDT症候群の改善方法は、薬

VDT症候群の改善方法は、薬です。目の疲れを和らげて目にうるおいを与えるために点眼薬を使ったり、体や目の緊張をほぐすために飲み薬を使ったりします。

 

現れている症状に対しては、痛み止めや筋弛緩剤、血行促進剤、末梢神経を修復する薬などを使って改善を行なっていきます。

 

場合によっては、適切なメガネで視力を矯正したり作業用にメガネが処方されることもあります。

1. デバイス使用時間の制限: VDT症候群の改善には、デバイス使用時間の制限が重要です。長時間のデバイス使用は目の負担を増加させ、症状を悪化させる原因となります。適切なインターバルを設け、デバイス使用時間を定期的に制限することで、目の疲労を軽減することが期待されます。デバイスを使用する際には、20-20-20ルールとして知られる方法が有効です。20分ごとに20秒間デバイスを離し、20フィート(約6メートル)先の遠い対象物を見ることで目の休息が取れます。

 

2. ブルーライトカット眼鏡の使用: デバイスの画面にはブルーライトが含まれており、目の疲労や睡眠障害の原因になることがあります。ブルーライトカット眼鏡は、ブルーライトを吸収する特殊なレンズを備えた眼鏡で、ブルーライトの影響を軽減する効果が期待されます。デバイス使用中や睡眠前にブルーライトカット眼鏡を使用することで、目への負担を減らすことができます。

 

3. まばたき回数の増加: デバイスを使っているとまばたき回数が減少することがあります。まばたきは目を保護し、涙液を分泌して目を潤す重要な役割を果たしています。まばたき回数を増やすためには、意識的にまばたきをすることが必要です。また、まばたきを促すためのアプリやリマインダーを利用することも有効です。

 

4. 人工涙液の使用: ドライアイの症状がある場合には、人工涙液の使用が推奨されます。人工涙液は目の表面を潤し、乾燥やかゆみを軽減する効果があります。市販の人工涙液を使用する場合は、無添加や低刺激のものを選ぶと良いでしょう。ただし、医師の指導のもとでの使用が望ましい場合もあります。

 

5. 目薬や点眼液の使用: ドライアイなどの症状が進行している場合には、医師による処方箋を受けて特定の目薬や点眼液を使用することがあります。これらの目薬は、涙液の分泌を促進したり、目の表面を保護したりする効果があります。目薬の種類や使用方法は、個々の症状や状態によって異なりますので、医師と相談しながら使用することが重要です。

 

6. アイマスクの使用: アイマスクは、目をリラックスさせるために使われるアイテムです。デバイス使用後や就寝前にアイマスクを使用することで、目の疲労を緩和し、睡眠の質を向上させることができます。

 

7. 保湿や加湿: VDT症候群の原因の一つは目の乾燥です。デバイス使用中や就寝時に部屋の湿度を保つために加湿器を使用することで、目の乾燥を緩和することができます。また、目の周りを潤すために保湿クリームや目元専用の保湿製品を使用することも有効です。保湿クリームは目のまわりの皮膚を保護し、乾燥を防ぐことができます。

 

8. ピンホール効果を利用した目のトレーニング: ピンホール効果は、ピンホールを通して見ることで視力が一時的に改善される効果です。目をピンホールのような小さな開口部を通して使うことで、光が集中し、焦点が合いやすくなります。これにより、目の調整機能が働き、一時的に視力が改善されることがあります。ただし、これは一時的な効果であり、視力の改善を保持するには他の改善法との併用が必要です。

 

9. ビジョンセラピー: ビジョンセラピーは、目の筋肉をトレーニングして視力を改善するための訓練プログラムです。ビジョンセラピーは、目の焦点を合わせる能力を向上させ、眼精疲労を軽減する効果が期待されます。専門の眼科医が指導するビジョンセラピーは、VDT症候群の改善に役立つ場合があります。

 

10. 眼球運動のトレーニング: 長時間デバイスを使用することで目の筋肉が緊張し、眼球の運動範囲が制限されることがあります。眼球運動のトレーニングを行うことで、目の筋肉を強化し、眼球の運動範囲を広げることができます。これにより、目の疲労感やダブルビジョンなどの症状が改善されることがあります。

 

11. ポストアイケアの実施: デバイスを使用した後に適切なポストアイケアを実施することも、VDT症候群の改善に役立ちます。デバイス使用後に目を休ませるために、まばたきを増やしたり、目薬を使用したり、アイマスクを利用したりすることが大切です。また、目の周りのストレッチやマッサージを行うことで、目の疲労を軽減することができます。

 

12. 医師の判断と処方: VDT症候群の症状が重篤である場合や自己対処が不十分な場合には、眼科医の判断と処方を受けることが重要です。医師は症状の原因を詳しく調べ、適切な改善法や対策を提案してくれます。特にドライアイなどの症状がある場合には、適切な目薬や改善法の処方が行われることがあります。

長い時間パソコンなどのディスプレイを見て作業を行う場合

長い時間パソコンなどのディスプレイを見て作業を行う場合は、1時間ごとに10~15分は休憩を取るなど適度に休むことが大事です。さらに、時々適度に体を動かして、緊張をほぐすことも大事です。

 

作業を行うときは、十分な明るさで画面と目の距離は適度に離し、適切な姿勢で行うようにしましょう。画面の反射をさえぎるフィルターを使うこともお勧めです。

 

メガネやコンタクトレンズを使っている人はきちんと度の合ったものを使うように注意します。異常を感じた時は早めに眼科に行くことも大事です。

VDT症候群に効果的なツボ

魚腰

攅竹

太陽

魚腰

魚腰は眉毛の真ん中にあるツボのため、別名で眉中とも言われています。魚腰は目の疲れを取るツボです。 

 

目の充血、腫れ、痛み、目のかすみ、瞼の引き攣り、眼瞼下垂などに効果を発揮します。 

攅竹

攅竹は、目の痛みや見えにくさ、かすみ目などの症状を和らげる効果があるツボです。頭痛や頭重感、鼻づまり、高血圧やひえのぼせなどの症状に対しても効果を発揮します。

 

目が疲れている時やドライアイを感じるときなどにオススメのツボです。

太陽

太陽は、目の周りの筋肉の緊張をほぐしてくれるツボのため、目の疲れやかすみ目に効果を発揮します。

 

さらに、目の疲れや肩こりからくる頭痛緊張性頭痛に対しても効果的なツボです。

ツボの位置と押し方

魚腰

魚腰は、眉毛の真ん中にあるツボです。

 

押すときは、上に向けて押しましょう。目の近くにあるツボのため、強く押さないように注意してほぐすような刺激でマッサージすることもオススメです。

攅竹

攅竹は眉毛の内側にあるツボで、少しへこんでいる場所にあります。探すときは、鼻の付け根付近のくぼみをさがすと良いでしょう。

 

眼精疲労の人や鼻炎がある人などは、押した時に痛気持ち良いと感じることもあります。

太陽

太陽は、眉尻と目じりを結んだ線の真ん中にあるツボです。こめかみ寄りの部分の少しへこんでいる場所にあります。

 

押すときは、人差し指や中指を使って左右同時に押しましょう。少しずつ力を入れてゆっくりと押すことが大事です。

VDT症候群の改善例

Aさんは、29歳のオフィスワーカーで、毎日の業務でコンピュータを長時間使用しています。彼女は数ヶ月前から目の疲労感や乾燥、かすみ目、頭痛、肩こりといった症状に悩まされています。最近は、作業効率が低下し、集中力が欠如することにより仕事にも支障をきたしています。

 

Aさんは、VDT症候群の症状を経験していると考えられ、眼科に行くことにしました。Aさんのデバイス使用時間が1日に8時間を超えていること、まばたき回数が少なく目の乾燥を感じること、頭痛や肩こりがあることなどから、VDT症候群の可能性が高いと判断しました。

 

Aさんの症状を緩和し、VDT症候群の改善を目指して、医師は以下の計画を提案しました。

 

デバイス使用時間の制限と休憩の設定: 医師はAさんにデバイス使用時間を毎日6時間に制限するよう指導しました。また、1時間に1回の5分間の休憩を設定し、デバイスから目を離して休息するよう促しました。これにより、目の疲労を軽減することが期待されます。

 

ブルーライトカット眼鏡の使用: Aさんにはブルーライトカット眼鏡の使用を推奨しました。デバイスの画面からのブルーライトを吸収する特殊なレンズを備えた眼鏡は、ブルーライトの影響を軽減し、睡眠の質を向上させる効果が期待されます。

 

まばたき回数の増加と目薬の使用: 医師はAさんにまばたき回数を意識して増やすようアドバイスしました。また、ドライアイの症状があるため、目薬(人工涙液)の使用を促しました。目薬は目の潤いを保ち、乾燥やかゆみを軽減する効果があります。

 

ビジョンセラピーの導入: Aさんの目の筋肉のトレーニングと目の調整機能の向上を目指して、ビジョンセラピーの導入を提案しました。ビジョンセラピーは眼科専門家が指導する目のトレーニングプログラムで、VDT症候群の改善に効果が期待されます。

 

ポストアイケアの重要性: 医師はAさんに、デバイス使用後のポストアイケアの重要性について説明しました。作業終了後には目を休ませ、目薬を点眼したりアイマスクを利用したりすることで、目の疲労を軽減することができます。

 

Aさんは医師の指導に従い、計画を実行しました。デバイス使用時間の制限と休憩の設定をすることで、目の疲労感が軽減され、集中力が向上しました。ブルーライトカット眼鏡の使用により、夜間の睡眠の質が改善されました。まばたき回数の増加と目薬の使用により、目の乾燥やかゆみが軽減されました。また、ビジョンセラピーの導入により、ダブルビジョンが改善され、目の焦点の合わせやすさが向上しました。

 

継続的なケアと予防:AさんはVDT症候群の改善に向けて効果的な改善を受けましたが、継続的なケアが重要です。デバイス使用時間の制限やポストアイケアの習慣を維持することで、再発を予防することができます。

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