公開日:2023年 7月23日
更新日:2023年 8月 3日
本日は脂肪塞栓症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
脂肪塞栓症の原因は、外傷時に脂質代謝が変化し血液内の脂肪が脂肪滴になることと、外傷部分の血管から骨髄などの脂肪が入り込むことであると考えられています。
脂肪塞栓症が起こることのきっかけになることが多いのは整形外科的な外傷で、長管骨骨折や髄内釘手術などによって発症することが多いと言われています。
全身性の脂肪塞栓症の原因としては、他にも、皮下脂肪組織の挫滅、脂肪肝による障害、急性膵炎、減圧症、広範囲の火傷、糖尿病、骨髄炎などもあります。
脂肪塞栓症は通常、大きな骨折や手術などの外傷後に発生し、脂肪粒子が血流に乗って肺、脳、皮膚、その他の器官に運ばれ、塞栓を引き起こす症状群です。
主な原因について説明します。
骨折: 大腿骨、脛骨、骨盤などの大きな骨の骨折が最も一般的な原因です。
外科手術: 骨の手術や関節置換手術など、特に長時間にわたる手術がリスクになります。
皮下注射: 長期的な皮下脂肪注射も塞栓症の原因となることがあります。
外傷: 車の事故や高所からの墜落などの重度の外傷が原因となる場合もあります。
病態脂肪分解: 焼けど、敗血症、急性膵炎などの症状が体内で脂肪の急速な分解を引き起こし、脂肪塞栓症を引き起こす場合があります。
脂肪吸引: 美容整形手術での脂肪吸引も、まれに脂肪塞栓症を引き起こすことが報告されています。
脂肪塞栓症が発症するメカニズムについて説明します。
物理的メカニズム: 骨折や手術などで脂肪細胞が破壊され、脂肪が血流に混入します。
化学的メカニズム: 外傷や病態によって放出されたカテコールアミンやフリーファッティーアシッドが、血中の脂肪を塞栓形成に導きます。
免疫反応: 脂肪の塞栓は、さまざまな炎症反応を引き起こし、その結果としてさらに器官障害が引き起こされる可能性があります。
脂肪塞栓症のリスクになると言われていることは以下の要因です。
年齢: 若い人が多いですが、年齢は明確なリスク因子とは言えません。
性別: 男性がやや多いとされていますが、これも確定的なリスク因子ではありません。
一般的な健康状態: 糖尿病、肥満、高血圧などの基礎的な病気があるとリスクが高まる場合があります。
手術の種類と時間: 手術が長時間にわたると、特にリスクが高くなる場合があります。
脂肪塞栓症の原因とその背後にあるメカニズムは非常に多様で、ひとりひとりで異なる可能性があります。
脂肪塞栓症の主な症状は、呼吸器症状、神経学的異常所見、点状出血です。
症状が現れるまでの時間は、外傷を受けてから24 〜 72 時間後に発生することが多いとされています。しかし、特に外傷がなく発症する場合もあります。
場合によっては命に危険が及ぶ可能性もあります。脂肪塞栓症を発症した時、命に危険が及ぶ確率は5 〜15%と言われています。
脂肪塞栓症の症状には多くのバリエーションがあるため、詳細な解説が必要です。以下に主要な症状とその特性について説明します。
一般的な症状
呼吸困難: 最も一般的に報告される症状の一つで、脂肪粒子が肺に到達すると呼吸困難が引き起こされます。
意識障害: 脳に塞栓が起こると、意識が曇ることがあります。これには混乱、集中力の低下、昏睡が含まれることもあります。
皮膚症状: 皮疹、紫斑、または皮膚の色調の変更が観察される場合があります。
高熱: 不明な原因で体温が急上昇することがあります。
筋肉痛と関節痛: 関節や筋肉に痛みを感じることがあります。
視覚障害: 脂肪粒子が眼底に到達した場合、視覚に影響を及ぼす可能性があります。
心臓症状: 心拍数の増加、血圧の低下など、心臓に影響を与える可能性があります。
症状は通常、関連する手術を行ったり外傷を受けたりしてから12〜72時間以内に発生しますが、必ずしも一定の時間の後に症状が現れるわけではありません。病歴と症状を注意深く調査することが重要です。
症状を判断する時には以下のことに気をつけることが大事です。
タイミング: 骨折や外科手術後の最初の数日間は特に注意が必要です。
症状の組合せ: 単一の症状よりも、複数の症状が同時に出ることが多いです。
テスト: 血液の調べ、心電図、CT、MRI、肺機能テストなどが行われることがあります。
さらに、脂肪塞栓症の症状が重篤な場合、以下のような状態が発生する可能性があります。
多臓器不全: 脂肪粒子が多数の器官に影響を与えると、多臓器不全が発生する可能性があります。
急性呼吸窮迫症候群(ARDS): 脂肪粒子が肺に多量に詰まると、急性呼吸窮迫症候群が引き起こされる可能性があります。
神経学的合併症: 脳に脂肪塞栓が発生すると、意識障害、昏睡状態、さらには命に危険が及ぶ可能性もあります。
脂肪塞栓症を改善するための基本は、輸液、酸素、人工呼吸器などです。ステロイドは感染症のリスクがあるため、使うことはほとんどありません。
長管骨の骨折をした後、呼吸不全、意識障害、出血斑が認められる場合は脂肪塞栓症を疑い、すぐに病院に行くことが大事です。
また、脂肪塞栓症の改善のためにも、骨折した時は早く手術を行ったり固定を行tたりすることが推奨されています。
脂肪塞栓症は、特に骨折や外科手術後に発生することが多い重篤な状態です。脂肪塞栓症の改善法に焦点を当て、どのように病気が判断されと改善を受けるのかについて詳しく説明します。
初期評価と判断
血液: 脂肪酸レベル、D-ダイマー、CRP(C反応性蛋白)など。
心電図: 心臓の機能を評価。
画像: CTスキャン、MRI、X線等。
一般的な改善方法
1. 酸素補充
最も基本的な改善法としては、酸素を補充する方法があります。これは、体の中の酸素量を増やし、組織の酸素供給を確保する方法です。
2. ステロイド
一部の研究で、ステロイドが炎症反応を抑制し、症状の進行を遅らせる可能性が示されています。
3. 抗凝固薬
抗凝固薬は、新たな塞栓を防ぐために使用される場合があります。
4. 気管挿管と機械的換気
重症の場合、気管挿管と機械的換気が必要となることがあります。
特定の方法
1. 外科手術
例えば、骨折が原因であれば、可能な限り早く骨折の修復を行うことが望ましいです。
2. 透析
極端な場合には、脂肪塞栓物質を体外に取り除くために透析が行われる場合があります。
3. 補完的な方法
心理的サポート、栄養補給、リハビリテーションなども重要です。
長期的な管理とフォローアップ
脂肪塞栓症を乗り越えた後も、定期的なチェックとリハビリテーションが必要です。
脂肪塞栓症は危険な状態であり、早急に改善を行うことが必要です。病状によっては、数種類の改善法を組み合わせることが一般的です。最も重要なのは、早期に適切な判断と改善を受けることです。
外科手術は脂肪塞栓症の改善において一般的な第一選択肢ではありません。しかし、特定の状況下で外科的介入が必要になることもあります。以下はそのような状況と手術の目的、方法、および効果についての説明です。
外科手術の目的
原因の除去: FESの最も一般的な原因は骨折です。手術によって、骨折を安定化し、脂肪がさらに血流に流れ込むのを防ぐことができます。
循環の改善: 重症の場合、脂肪塞栓が血管を詰まらせ、臓器への血液供給が不足している可能性があります。こうした状況では、塞栓を物理的に除去する手術が必要になる場合があります。
合併症の管理: たとえば、塞栓によって肺や脳に重大なダメージが発生した場合、その影響を最小限に抑えるために手術が行われることがあります。
外科手術の方法
骨折修復: 骨折が原因であれば、プレート、ネジ、釘などを用いて骨折部位を安定化します。
血管内手術: 極めて稀なケースで、血管を開いて塞栓を除去するための内視鏡手術が行われる場合があります。
その他の手術: 脳や肺など、他の臓器に生じた合併症に対応するための手術が必要になる場合があります。
効果とリスク
即時の安定化: 手術が成功すれば、すぐに病状が安定する可能性があります。
長期的な改善: 骨折などの原因を取り除くことができれば、FESの再発リスクも低減します。
リスク: しかし、手術自体もリスクを伴います。感染、出血、麻酔に関連する問題などが考えられます。
外科手術は、通常、その他の改善方法が効果を示さない場合や病状が非常に重篤な場合にのみ検討されます。手術は一般的に最後の手段とされ、総合的なチームによってその必要性とタイミングが慎重に評価されます。
脂肪塞栓症は、全長管骨骨折が起こった時にはの1 〜 22%に発症すると言われています。何らかの原因で中性脂肪が循環血液の中に入り組織循環に障害が起き、塞栓を起こすのです。
脂肪塞栓症を発症すると命に危険が及ぶことも少なくないため、骨折が起こった時にはすぐに病院に行くことが大事です。
11時から21時
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11時~21時迄 | ◯ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
年末年始