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公開日:2022年 8月20日
更新日:2025年 11月 2日
本日は炎症後色素沈着について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
炎症後色素沈着の原因は、肌に炎症が起こることです。きっかけとしては、怪我やニキビや湿疹、虫刺され、毛抜きやかみそり、ヘアアイロンでのやけどなどが多いです。しみを改善するためのレーザーもきっかけになることがあります。
他にも、慢性皮膚炎や乾癬、全身性エリテマトーデスなどで肌に炎症が起こったことや手術痕やQスイッチルビーレーザーの照射、強いピーリングなどで表皮に傷ができたことがきっかけになることもあります。
殺菌剤や寄生虫の駆除剤、抗うつ剤などの薬による影響や金、銀、ヒ素、ベンゾフェノンなどの化学物質への反応、香水やエッセンシャルオイルなどへ反応が関わっていることもあります。
皮膚に炎症が起こると、炎症部位に浸潤した白血球やマクロファージや肥満細胞から、炎症メディエーターという生理活性物質が放出されます。
炎症メディエーターは、白血球の遊走や浸潤、血管の拡張、血管透過性の亢進、組織の破壊などの作用があるため、メラノサイトを活発化させて多くの量のメラニンが作られると言われています。
すると、もともと肌が持つ新陳代謝の速さががメラニンを作る速さに対応できず、表皮にメラニンがたまることで色素沈着が起こるのです。
・メラニン色素の過剰産生
皮膚に炎症が起こると、その部分でメラニン色素の産生が刺激されます。炎症が原因で皮膚のメラノサイトという細胞が活発化し、その結果としてメラニン色素が過剰に産生されます。そして、このメラニン色素が皮膚の中に沈着することで、色素沈着が起こるのです。
・紫外線への露出
紫外線は、メラニン色素の産生を刺激する要因の一つです。炎症が起こった皮膚はすでに敏感な状態にあるため、紫外線を受けやすくなります。そのため、炎症の部位を紫外線から守らないと、さらにメラニン色素の産生が促進され、色素沈着が強まることがあります。
・皮膚の再生不良
炎症が改善する過程で、皮膚の再生が不完全だと色素沈着のリスクが高まります。炎症が原因で傷んだ皮膚組織が正常に再生されないと、その部分に色素が沈着しやすくなるのです。
・ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れも、色素沈着の原因となることがあります。特に女性ホルモンの影響を受けやすい皮膚では、ホルモンバランスが崩れるとメラニン色素の産生が亢進し、色素沈着が起こりやすくなります。
・摩擦や刺激
炎症が起こった部分をこすったり、刺激を与えると、皮膚のメラノサイトが刺激され、メラニン色素の産生が促進されることが知られています。このような外的なダメージも、色素沈着を引き起こす要因となります。
炎症後色素沈着の症状は、強い炎症が起きた同じ部位に灰褐色や茶褐色、紫褐色のシミのような色素沈着ができることです。
痛みやかゆみなどが起こることはなく、健康的には問題ありません。しかし、美容面では問題になることもあります。
・変色の発生
炎症後色素沈着のもっとも一般的な症状は、皮膚の変色です。特に炎症がおさまった後の部位に、茶色や灰色、時には青黒い色の斑点や斑状の変色が現れることがあります。これは、メラニンという色素が皮膚内に沈着した結果となります。
・発症部位の範囲
炎症後色素沈着は、炎症が発生した場所に限定して現れます。例えば、にきびや虫刺され、切り傷などの改善後、または皮膚の手術の跡などによく現れます。
・触感の変化
多くの場合、炎症後色素沈着の部位は、触感が変わらないか、もしくはわずかに凹んでいることがあります。しかし、皮膚がざらついたり、硬くなることは一般的ではありません。
・痛みやかゆみ
炎症後色素沈着自体は、痛みやかゆみを伴うことは少ないです。しかし、元々の炎症の原因や改善の方法によっては、沈着部位が敏感になることがあります。
・持続期間
炎症後色素沈着の持続期間は人それぞれ異なります。一般的には、数ヶ月から数年の間で自然に薄くなることが多いですが、完全に消えることは難しいこともあります。
・発症の傾向
肌の色やタイプによって、炎症後色素沈着の発症の傾向が異なることが知られています。例えば、濃い肌色の人々は色素沈着のリスクが高く、その持続期間も長くなる可能性があるとされています。
・関連する病気や状態
特定の皮膚の病気、例えばメラズマや太陽性色素沈着とは異なるものの、これらの病気も皮膚の色素沈着と関連しています。
炎症後色素沈着の改善で大事なことは、炎症をおさめること、色素細胞の活性化を抑えること、肌の新陳代謝を促進することです。
炎症をおさめるためには、色素沈着が起こっている部分を触らないことが大事です。
色素細胞の活性化を抑えるための方法としては、ハイドロキノンクリームとトラネキサム酸などの薬を塗る方法があります。薬を塗ることで、メラニン色素ができることを抑えることができ、色素沈着の改善につながるのです。
他にも、ビタミンCの内服薬を飲むことも改善の効果が期待できます。
肌の新陳代謝を促進するためには、トレチノインなどの外用薬を使ったりケミカルピーリングを行ったりフォトシルクプラスなどレーザーを使ったりします。
・トピカルクリームやジェル
ハイドロキノン: これはメラニン生成を抑制する成分で、色素沈着の軽減に効果的とされています。多くの美白クリームに含まれており、医師の処方箋が必要な強力なものもあります。
レチノイド: レチノイドは皮膚の細胞の再生を促進し、色素沈着を軽減します。使用初期には皮膚の赤みやピリピリ感が出ることがあるので注意が必要です。
ビタミンC: 抗酸化作用があり、メラニンの生成を抑制することで知られています。ビタミンCを含む美容液やクリームは、色素沈着の軽減に役立つとされています。
・ケミカルピーリング
表皮の古い細胞層を取り除くための薬剤を使用する改善法です。皮膚の表面層を新しくすることで、色素沈着を減少させることができます。ただし、適切な専門家のもとでの施術が推奨されます。
・レーザー
色素沈着部位に特定の波長のレーザーを照射し、色素の破壊と排出を促進する方法です。一般的には、数回のセッションが必要ですが、効果的な改善方法として知られています。
・マイクロニードリング
特殊なローラーを使用して皮膚に微小な穴を開け、皮膚の再生を促進する方法です。このプロセスにより、新しい皮膚細胞が形成され、色素沈着が減少します。
・紫外線対策
炎症後色素沈着の部位は紫外線に対して敏感です。そのため、日焼け止めを毎日塗ることで、さらなる色素沈着の悪化を防ぐことができます。
・美容皮膚科での処置
専門的なケアや改善が必要な場合は、美容皮膚科にいくことをおすすめします。医師から適切なアドバイスや改善を受けることができます。
・ハイドロキノン
ハイドロキノンは、メラニン色素の生成を抑制する作用があります。具体的には、メラニンの生成を担う酵素であるチロシナーゼの活動を阻害することで、色素の生成を減少させるのです。
・レチノイド
レチノイドはビタミンAの誘導体で、皮膚の細胞再生を促進し、表皮の再生速度を上げることで色素沈着を減少させる効果があります。また、メラニン生成も抑制する作用があるため、ダブルの効果が期待できます。
・ビタミンC
ビタミンCは、抗酸化作用があり、フリーラジカルによる皮膚のダメージを予防します。また、メラニンの生成を抑制する効果もあり、炎症後の色素沈着の予防や改善に役立ちます。
・太谿
・三陰交
・頭維
太谿は、ホルモンバランスを整えて内臓機能を高める効果があります。ホルモンバランスが整い内臓機能が高くなると、新陳代謝を促すため肌のターンオーバーを促進する効果が期待できます。
炎症後色素沈着を改善するためには、肌のターンオーバーを促進することが大事なため、太谿を刺激することで改善に役立つのです。
三陰交は、肌荒れに効果があるツボです。特に血行が悪いことで発生する肌荒れに効果的です。血行を良くすることは肌の新陳代謝の促進にもつながるため、炎症後色素沈着の改善にも効果が期待できます。
血の巡りが悪いとき、血が足りないことが原因のケースと血の巡りが滞っていることが原因のケースがあります。三陰交はどちに対しても効果的なため、色々な症状に有効であると言えます。
生理中に起こる肌荒れや血色の悪さにも有効です。
頭維は、眼精疲労や頭痛の時に効果を発揮するツボです。頭をスッキリさせたい時に、頭維を刺激することをお勧めします。
頭維はシミに対しても使われることがあるため、炎症後色素沈着に対しての効果も期待できると言えます。
太谿のある場所は、内側のくるぶしのすぐ後ろとアキレス腱の間のくぼんでいる場所です。
押すときは、膝を曲げて押す側と同じ側の手で足首をつかみながら、親指を使って押します。その上から反対側の親指を当てて押していくとより圧を与えていくこともできます。
三陰交は、足の内くるぶしから指4本分上に上がったところにあるツボです。すねと骨のきわで、骨の後ろのあたりにあります。
押すときは、心地よいと感じるくらいの力で押しましょう。時間がない人は、ドラッグストアや薬局で買うことができる鍼シールをツボに貼っておくだけでも効果が期待できます。
頭維は、額の生え際の角にあります。
押すときは、中指と薬指を使って心地よいと感じる程度の力で押しましょう。また、頭皮を動かすような感覚で小さな円を描くように刺激をすると、より頭がスッキリする効果が期待できます。