公開日:2021年 2月23日
更新日:2022年 2月13日
本日は心因性失声症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
心因性失声症の原因のほとんどは、心理的なことにあります。主な原因は、職場での悩み、人間関係が上手くいかないことによっての悩みなどです。
周りとの関係で自分の欲求が満たされない時、突然起こることも多いです。
特にストレスを抱え込みやすい性格の人がなりやすいと言われています。
心因性失声症が起こる仕組みははっきりとはわかっていません。主な原因は、ストレスによって起こると言われています。精神的にショックな出来事があった時に突然起こることも多いです。
心因性失声症の人の中にはストレスがあるという自覚がある人もいれば、ストレスがあるという自覚がないままストレスが積み重なっている人もいます。
ストレスを自覚していない人の場合、ストレスが積み重なって体のストレス反応として失声症を起こすことがあるのです。
・ストレスや心理的圧力
強いストレスや緊張状態が、喉や声帯の正常な働きを妨げることがあります。特に職場や学校でのプレッシャー、人間関係の問題、試験や発表などの緊張を伴う状況がきっかけになることが多いです。
・トラウマや感情的ショック
大きな感情的ショックや過去のトラウマが原因で、声を出すことが心理的に難しくなる場合があります。家族の死、事故、暴力的な出来事などの強い感情的な影響がトリガーになることがあります。
・不安障害やうつ病
不安障害やうつ病などを発症している場合、心因性失声症が併発することがあります。自己表現への不安感や、他者とのコミュニケーションに対する恐れが、声を出せなくする要因になります。
・声に関する過去のトラブル
声が出なかった恥ずかしい出来事、発表での失敗など声に関する過去の経験が記憶として残り、再びそのような状況に直面すると声が出せなくなることがあります。
・身体の緊張や過緊張
喉周辺の筋肉や声帯が過剰に緊張している場合、声を正常に出すことが難しくなります。これは、心理的要因が身体的緊張として現れるために起こります。
・無意識の防衛反応
心因性失声症は、無意識のうちに自己を守るための防衛反応として現れることがあります。嫌な状況や避けたい対話から逃れたいという気持ちから無意識でも声が出なくなることがあります。
心因性失声症は、心理的ストレスによるダメージや心理的な葛藤などがあった時、突然声が出ない状態になります。
声が出たとしても、かすれ声やしわがれたような声になってしまいます。そのため、周りの人が聞き取ることが難しく、仕事や日常生活で会話をする時に支障が出ることがあります。
中には、過呼吸を起こしてしまう人もいます。
心因性失声症は、声が出るのにもかかわらず出ないふりをするといった偽の病気ではありません。
心理的な原因によって声を出したくても本当に声が出なくなる病気です。そのため、色々なことに支障が出てしまい非常に苦しい思いをする人が多いです。
心因性失声症では、声が出せないことで自分の考えや感情を伝える手段が制限されるため、言いたいことが伝えられないもどかしさや誤解される恐怖、自己価値の低下などを感じるようになります。
声を出せない状態が続くと、日常生活や社会生活でも支障が現れます。コミュニケーションのが難しくなったり職場や学校で孤立したり、声を使う仕事や授業で不便を感じたり、することで他人と距離ができることがあります。また、声が出せない不安から、会話が必要な場を避けるようになります。
心因性失声症は心理的要因で発症しますが、症状自体がさらに心理的苦痛を増やしてしまいます。自分を責める気持ちが強くなったり不安や恐怖に苦しんだり、声を出そうと努力しても出せないことに無力感を感じたりすることがあります。
声を出そうとすると喉や体に過度の緊張が生じ、喉の違和感や身体全体の緊張を感じたり呼吸が乱れたりすることがあります。
心因性失声症を改善する方法は、人によって異なります。特に改善に取り組むことがなくてもストレスが軽くなることなどにによって自然に回復することもあります。
改善するためには、声帯に異常がないとわかった時点で精神科や心療内科、音声専門外来に相談に行くと良いでしょう。
心因性失声症を改善するためには、カウンセリングや発声練習などをして様子を見て行くことが必要です。場合によっては精神安定剤を使うこともあります。
心因性失声症は心理的なことが大きく関係しているため、カウンセリングによって気持ちを軽くすることが大切であるとされています。周りがサポートすることや適切なカウンセリングをすることだけでも有効なこともあります。
改善するまでにかかる期間には個人差がありますが、ほとんどの場合は1週間~数ヶ月で自然に回復に向かいます。
・心理的アプローチ
①認知行動療法(CBT)
考え方や行動パターンを見直し、症状を引き起こしているストレスや不安を軽減します
②心理カウンセリング
ストレスや過去のトラウマに対処し、感情を整理します。
③トラウマフォーカス療法(TF-CBTなど)
トラウマが原因で失声症が発生している場合、トラウマそのものを解消します。
④リラクゼーション法
心と体の緊張を緩和し、喉や声帯の筋肉をリラックスさせることを目指します。
2. 声のリハビリテーション
①音声療法(Voice Therapy)
声帯や喉の筋肉をリラックスさせ、正しい発声方法を再学習します。
②発声練習
声を出す恐怖感を取り除きながら、声帯の動きを改善します。
③読唇法やジェスチャーの活用
声が出ない場合でも意思疎通が可能になることで、心理的負担を軽減します。
・薬
①抗不安薬
ストレスや不安が強く、声を出せない原因となっている場合に適応する薬です。
②抗うつ薬(SSRI)
うつ病や不安障害が基盤にある場合に適応する薬です。
・社会的サポートと環境調整
①家族や友人の理解
声が出せないことに対して無理に声を出させようとせず、筆談やジェスチャーを利用して、コミュニケーションを円滑に進めましょう。
② 職場や学校での配慮
声を使わない業務や活動への一時的な変更を提案し、必要に応じて筆談や代替手段を取り入れましょう。
・ライフスタイルの改善
①ストレス管理
定期的な運動や趣味を生活に取り入れましょう。十分な睡眠を確保し、疲労を回復させ流ことも必要です。
②栄養と健康管理
健康的な食事を摂り、ビタミンB群やマグネシウムなどのストレス軽減に寄与する栄養素を意識的に摂取することが大事です。
心因性失声症は、時間が経つにつれて自然に回復に向かうことが多いです。ふとした瞬間に突然声が出ることが多くあるのです。
しかし、長い期間、改善しないこともあります。その場合は、うつ病などを合わせて引き起こしてしまうこともあるため精神安定剤を使ったり、入院したりすることが必要になることもあります。
自分で判断せず、専門医に相談に行き、改善方法について話し合うと良いでしょう。
心因性失声症は自分の限界について改めて考える良い機会と言えます。精神的なショックは避けられないこともありますが、過剰なストレスなどは自分で避けることができるものもあります。
日頃から生活する中で自分の心身の状態に目を向けることを心がけましょう。失声症の症状が出てしまっても、焦らずゆっくりと受け止めましょう。
心因性失声症では、周りの人の支えも非常に大切になります。日頃から適度に周りの人とコミュニケーションをとり、支え合える人を周りに作っておきましょう。
さらに、ストレスを溜めすぎないよう、心に余裕を持って過ごすことを心がけることをお勧めします。
・神門
・合谷
・内関
・労宮
神門は、自律神経に対して効果を発揮するツボです。神門を刺激することで全身の自律神経を整え、心因性失声症の改善にもつなげるのです。
ストレスからうつや神経症などの心の病気になることも多いです。神門を刺激することで適度にストレスを解消しておくことが大事です。
合谷は、気持ちを落ち着かせる効果や自律神経の機能を正しくする効果があります。合谷に刺激をすることで、気持ちが荒れていても少しずつ平常心を取り戻すことが期待できます。
ストレスによって自律神経が乱れたときにも、自律神経を整え精神的な疲れの改善に効果的です。
内関は、精神をリラックスさせる効果があります。そのため、不眠や不安感、イライラなどを和らげたい時に効果的です。
乗り物酔いで起こる吐き気や二日酔いで起こる胃のむかつきなどにも効果を発揮します。頭が痛くて冴えない時には内関への刺激がおすすめです。
神門は、手首の横じわの小指側の少しのくぼみにあります。
押すときは、親指を当てて残りの指で手首をつかんで押します。痛気持ちいいと感じる強さで押しましょう。
合谷は、手の親指と人差し指の間にあります。
少し痛みを感じるくらいの強さで押しましょう。5秒ほどかけてゆっくりと5回ほど押すことをお勧めします。
内関は、手のひらを上に向けた状態で探します。手と手首の境目にあるしわの真ん中から指3本分ひじ側にいったところにあります。
押すときはゆっくりと親指で押します。お灸もお勧めです。