公開日:2021年 9月20日
更新日:2021年 10月27日
本日は封入体筋炎について解説させていただきます。
本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
封入体筋炎の原因は明らかになっていません。
家族の中で封入体筋炎を発症している人がいることもありますが、非常に珍しいケースで、今のところ遺伝性はないとされています。
封入体筋炎は、筋肉の壊死や筋線維の脱落を引き起こし、歩行障害や手の機能低下などの症状をもたらします。封入体筋炎の原因は、現在も完全には解明されていませんが、複数の要因が関与していると考えられています。
・免疫学的因子
封入体筋炎の発症には、免疫学的因子が関与しているとされています。発症している人の血液中には、特定の自己抗体が検出されます。これらの自己抗体は、筋肉の細胞膜に存在するタンパク質に対するもので、細胞に対する攻撃性を持ちます。また、炎症細胞や免疫細胞が筋肉組織に集積し、炎症を引き起こすことが報告されています。
・遺伝的因子
封入体筋炎の発症には、遺伝的因子も関与していると考えられています。研究により、複数の遺伝子変異がこの病気と関連していることが明らかになっています。例えば、TDP-43遺伝子の変異が封入体筋炎の発症に関連していることが報告されています。これは、細胞内のタンパク質の代謝異常が原因で筋肉細胞に障害が生じるためとされています。
・老化
封入体筋炎は、主に高齢者に発症することが多く、老化が原因の一つと考えられています。年齢とともに、筋肉の機能低下や代謝異常が進行し、封入体筋炎の発症リスクが上昇するとされています。
封入体筋炎の症状は、大腿部や手指の筋肉が萎縮し筋力が下がることです。そのため、階段が登りにくくなったり、指先で物を取ることが難しくなったりします。
症状の進むスピードや程度は人によって違いますが、封入体筋炎は進行性の病気です。多くの場合は症状がだんだん進んでいき、5~10年で車椅子での生活になります。
筋力が下がることによって、嚥下障害や誤嚥性肺炎が起こる可能性もあります。さらに、転んだりして怪我や骨折をすることもあるため、注意することが大事です。
封入体筋炎は、筋肉の壊死や筋線維の脱落を引き起こし、歩行障害や手の機能低下などの症状をもたらします。以下に、封入体筋炎の主な症状を紹介します。
・歩行障害
封入体筋炎の初期症状の一つは、歩行障害です。歩行時に、足が地面から浮き上がりにくく、足を引きずるような歩き方をすることがあります。また、階段の昇り降りや、起き上がりが困難になることもあります。
・筋力低下
封入体筋炎では、四肢の筋肉の筋力が徐々に低下していきます。特に、手の筋肉の低下が顕著で、手を握ることが困難になったり、指の動きが鈍くなったりすることがあります。また、口や喉の筋肉が影響を受け、嚥下障害や発音障害が生じることがあります。
・筋肉の萎縮
封入体筋炎では、筋肉の萎縮が進行します。萎縮した筋肉は、触診すると柔らかくなっており、筋肉の厚みが薄くなっていることがわかります。
・筋肉痛
封入体筋炎では、筋肉痛が生じることがあります。この筋肉痛は、長時間の歩行や運動後に増悪することがあります。
・手足の感覚異常
封入体筋炎では、手足の感覚異常が生じることがあります。感覚異常としては、手足のしびれや痛み、温度感覚の異常、触覚の低下などがあります。
・体重減少
封入体筋炎では、進行するにつれて体重が減少することがあります。これは、筋肉の低下によって筋肉量が減少し、基礎代謝量が低下するためです。
・その他の症状
封入体筋炎では、その他にも以下のような症状が報告されています。
・喉頭や気管に炎症が起こり、声帯の機能低下や呼吸困難が生じることがある。
・尿失禁や便失禁が生じることがある。
・認知機能の低下が生じることがある。
以上が、封入体筋炎の主な症状です。症状は、病気の進行によって徐々に悪化していきます。
封入体筋炎の改善方法は、今のところありません。ステロイドを使って改善を行なっても反応しないことが多いです。
そのため、リハビリテーションや装具の活用によって症状の悪化のスピードを遅くしたり生活を送りやすくしたりします。
嚥下の問題がある場合は、食事の内容を工夫したり胃瘻を造設したりして対処を行います。
封入体筋炎は、現在の技術では完全な回復が困難な病気であり、改善方法も限られています。しかしながら、病気の進行を遅らせる方法は行われています。
・薬
ステロイド薬や免疫抑制剤などの薬が使われています。これらの薬は、免疫系に作用して、炎症を抑える効果があります。しかし、封入体筋炎には十分な効果が期待できないことが多いため、適切な薬剤の選択が必要です。
・物理的な方法
電気刺激や超音波、温める方法などが行われます。これらは、筋肉の血流を改善することで、筋肉の機能改善を促す効果があります。しかし、病気の進行を完全に防ぐことはできないため、定期的な継続的な改善が必要です。
・運動
封入体筋炎を発症している場合には、筋力トレーニングやストレッチなどの運動が推奨されています。これらの運動は、筋肉の維持や増強に役立ち、筋力低下や歩行障害などの症状の改善につながることが期待されます。しかし、運動には体力や病態に合わせた適切なプログラムが必要であり、無理な運動は筋肉を痛めることがあるため、医師の指導の下で行う必要があります。
・栄養管理
封入体筋炎を発症している人は、筋肉の症状により、体重が減少しやすいため、適切な栄養管理が重要です。高タンパク、低脂肪の食事や、必要な栄養素を補う栄養補助食品の使用が推奨されます。また、定期的な栄養相談や評価が必要です。
封入体筋炎は原因や改善方法などまだまだわかっていないことが多い病気です。
しかし、発症した場合は症状が進む病気のため、多くは5~10年で車椅子での生活になります。さらに症状が進むとともに嚥下障害や誤嚥性肺炎などの危険性も上がります。
転んだり骨折したりする危険性もあるため、生活を送る上で注意をすることが必要です。
初期の段階で封入体筋炎と判断されたAさんの初期症状は、歩行障害や手の筋肉の低下などでした。当初は、薬物や物理的な方法、運動などの改善法を用いて、病気の進行を遅らせることが試みられました。
薬はステロイド薬や免疫抑制剤を使用しました。しかし、効果があまり現れず、副作用のリスクも高かったため、継続的な投与は中止されました。
次に、電気刺激や超音波、温める方法などが行われました。これらは、筋肉の血流を改善し、筋肉の機能改善を促す効果があります。痛みを感じることなく、筋力の改善が見られました。
さらに、運動では、筋力トレーニングやストレッチなどが行われました。これらの運動は、筋肉の維持や増強に役立ち、筋力低下や歩行障害などの症状の改善につながることが期待されます。定期的な運動を受けることで、手の筋肉の機能が改善されたと報告がありました。
また、栄養管理にも力を入れました。高タンパク、低脂肪の食事や、必要な栄養素を補う栄養補助食品の使用が推奨されました。適切な栄養管理により、体重の減少が抑えられたと報告がありました。
封入体筋炎は、病気の進行を遅らせることができますが、完全に改善することはできないため、意識も重要です。
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