公開日:2022年 4月 1日
更新日:2022年 4月15日
本日は成人スチル病について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
成人スチル病は、子供が発症する全身型若年性特発性関節炎と似ている症状が大人に現れる病気です。
成人スチル病が報告されたのは1971年で、比較的新しい病気です。リウマチ因子陰性の慢性関節炎やかゆみのない移動性の淡いピンク色の皮疹が特徴的な症状です。
さらに、午前中は特に熱がなくても、夕方から夜にかけて40℃に達するほどの高熱が現れるという特徴もあります。
以前は小児期に発症する全身型若年性特発性関節炎が改善せず、16歳を超えた場合も成人スチル病と呼んでいました。しかし、現在は16歳以降で発症した人だけが成人発症スチル病とされています。
現在、16歳未満で若年性特発性関節炎を発症した人が16歳を超えたとしても、若年性特発性関節炎とされています。2011年の調査では、日本で成人スチル病を発症している人は、4760名であると推定されています。
成人スチル病の原因はわかっていません。
考えられていることとしては、脳からの指示がないにもかかわらず、勝手に白血球の一部の単球やマクロファージが活動することで、大量の炎症を起こす物質ができることによって体の中で炎症が強く起こっていると考えられています。
親から子供に遺伝することはないと言われています。男性よりも女性の方が発症する割合が多く、発症する年齢の平均は46.5歳であると言われています。
若い人の発症が多いと言われていますが、高齢の人にも発症しているケースがあります。
成人スチル病の代表的な症状は、関節炎や皮疹、高熱です。他に現れる症状には、喉の痛みやリンパ節の腫れ、肝臓や脾臓の肥大などがあります。薬を使用した時、アレルギー反応が起こりやすくなることもあります。
血液を調べると、炎症反応が高い値を示し、白血球が増えたり肝臓機能障害があったりします。明らかに血清フェリチンが増えることも成人スチル病の特徴です。
フェリチンは、体の中に鉄が貯まっている状態を反映しています。白血球の一部のマクロファージが暴れ、炎症を起こしている時には明らかに数字が高くなるのです。
色々な合併症を発症することもあります。発症する可能性のある合併症で代表的な病気は、胸膜炎や心膜炎、間質性肺炎などです。
成人スチル病の改善の目的は、炎症を抑えることです。そのためには、副腎皮質ステロイドを使います。炎症が十分に改善しない場合は、副腎皮質ステロイドを大量に点滴したり合わせて免疫抑制薬を使ったりして改善に取り組みます。
効果が十分に見られた場合は、副腎皮質ステロイドの量を減らしていきます。しかし、早く減らしすぎると病気が再び活動することもあるため、薬を減らすときは慎重に行うことが大事です。
副腎皮質ステロイドの効果が見られない場合や減らすことができない場合、病気に再び活動が見られた場合などは、免疫抑制薬や抗リウマチ生物学的製剤を合わせて使い、改善に取り組むこともあります。
成人スチル病は、細菌やウイルスに感染することで悪化することがあります。そのため、日常生活を送る上でできるだけ感染しないように気をつけることが大事です。
外出して家に帰ったら手洗いうがいをして、バランスの良い食生活を心がけましょう。自分の体調を把握しておくことも大事です。
インフルエンザのワクチンの接種を推奨しますが、高用量の副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬、生物学的製剤などの薬を使っている場合は、医師と相談の上でワクチンの摂取をすることが大事です。