漏斗胸の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 12月 3日

更新日:2024年  2月 4日

本日は漏斗胸について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 漏斗胸とは
  • 漏斗胸の原因
  • 漏斗胸の症状
  • 漏斗胸の改善方法
  • 漏斗胸のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

漏斗胸は、胸の真ん中がへこんだ形状になる病気のこと

漏斗胸は、胸の真ん中がへこんだ形になる病気のことです。漏斗胸は女性よりも男性に発症することが多く見られます。発症する頻度は約1000人に1人と言われています。

 

生まれつき胸の変形が目立つ場合もありますが、成長するとともに変形が目立つように場合も多くあります。

 

漏斗胸の症状は、へこんだ肋骨や胸骨が肺や心臓を圧迫して心肺の機能に異常が起きることです。

 

症状が軽い場合は特に症状がないこともありますが、胸が変形していることが関係して日常生活や社会生活を送る上で問題となることもあります。

漏斗胸の原因は、胸の骨格や筋肉の発達の異常が関係している

漏斗胸の原因には、胸の骨格や骨格を支える筋肉の発達の異常が関係していると考えられています。そして胸の骨格や骨格を支える筋肉の発達の異常が起きる原因には、遺伝も多く関係しているとされています。

 

原因には過剰に肋軟骨が成長し胸の内側に巻き込まれるように変形するという説や肋軟骨が弱いために呼吸をすることで肋軟骨がへこんでいくという説などいくつかの説があります。ただし、漏斗胸の原因ははっきり分かっていない部分も多いです。

 

いびきをかきやすい小児が漏斗胸を発症しやすいという報告もあります。

漏斗胸は胸部の骨が異常に成長することで、胸骨が後方に窪み、胸の中央部分が凹む状態を指します。漏斗胸は先天性の異常であり、その原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因と環境要因が影響していると考えられています。

 

遺伝的要因

漏斗胸は家族性の傾向があり、遺伝的要因が大きく影響していると考えられています。親や兄姉に漏斗胸の人がいる場合、子供も漏斗胸になるリスクが高まります。遺伝子の変異や異常が漏斗胸の原因となることがあり、これにより胸部の骨や軟骨の成長に影響が出ると考えられています。

 

環境要因

漏斗胸の発症には環境要因も関係していると考えられています。胎児の成長過程での栄養状態や母親の健康状態が影響を与える可能性があります。また、胎児が特定の姿勢をとることで胸部の骨が異常に成長する可能性も考えられています。

 

その他の要因

漏斗胸はマルファン症候群やエーラス・ダンロス症候群などの遺伝性の結合組織障害と関連していることがあります。これらの病気では結合組織の異常があり、これが胸部の骨や軟骨の成長に影響を与える可能性があります。

 

漏斗胸の原因は多岐にわたり、患者の年齢や性別、家族歴などさまざまな要因が影響していると考えられています。そのため、漏斗胸の発症メカニズムを完全に解明することは難しいとされています。

漏斗胸の症状は、胸のへこみや猫背

漏斗胸の症状は、胸のへこみや猫背です。

 

症状が軽い場合は胸のへこみ以外の症状は現れませんが、症状が重い場合は肺や心臓を圧迫して肺活量が下がったり運動時に息切れや呼吸困難感を感じたり、胸の痛みや不整脈が起こったりします。

 

また、気道感染を繰り返しやすいという特徴もあります。胸のへこみは、乳幼児期から目立つケースもあれば、成長するにつれて少しずつ目立つようになるケースもあります。

 

猫背は、心臓の圧迫を軽くしようとすることによって起こります。猫背が悪循環になってさらに深くへこむことも多いです。

 

漏斗胸では、現れる症状や症状の現れ方、症状の進み方の個人差が大きい病気です。

 

症状が軽い場合でも、見た目の異常から自分に自信が持てず、日常生活や社会生活に支障を感じたり、大きな精神的負担を感じたりすることも少なくありません。

漏斗胸は胸骨が後方に窪み、胸の中央部分が凹む状態を指します。漏斗胸自体が直接的な症状を引き起こすわけではありませんが、その形状によってさまざまな症状が現れることがあります。

 

・呼吸障害

漏斗胸の窪みが大きい場合、肺の展開が制限されることがあります。そのため、息切れや呼吸困難を引き起こすことがあります。特に運動をする際に息切れが現れやすいとされています。

 

・循環器系の障害

漏斗胸により胸部の形状が変わることで、心臓の位置がずれることがあります。その結果、心臓の機能に影響が出ることがあります。具体的には心拍数の増加や動悸、血圧の変動などが見られることがあります。

 

・胸部の痛み

漏斗胸の影響で胸部の骨や軟骨が異常に成長することで、胸部に痛みが現れることがあります。特に胸骨や肋骨の接合部に痛みが現れることが多いとされています。

 

・心理的影響

漏斗胸の外見が気になることで、自己評価が低下し、心理的なストレスを感じることがあります。また、漏斗胸の外見からくるコンプレックスが社交的な活動や対人関係に影響を与えることもあります。

 

・その他の症状

漏斗胸は他の病気と合併していることがあり、その病気による症状も現れることがあります。例えば、マルファン症候群やエーラス・ダンロス症候群と合併している場合、これらの病気に特有の症状が現れることがあります。

 

漏斗胸の症状は年齢や性別、漏斗胸の程度によって異なることがあります。

漏斗胸の改善方法は、症状の重さや年齢によって違う

漏斗胸の改善方法は、症状の重さや年齢によって違います。症状が軽い場合は、特に改善を行う必要がないこともありますが、見た目の観点から改善を希望する場合は改善を行います。

 

肋軟骨が柔らかい小児の場合、大きな吸盤で吸引して胸を持ち上げる方法で改善を行います。

 

吸引してもへこみが改善しない場合や肋軟骨がある程度固くなっている場合は、へこんだ胸の骨の下にプレートを通して骨や肋軟骨を持ち上げる方法で改善を行います。

漏斗胸の改善法には主に保存法と手術があります。年齢や漏斗胸の重症度、それに伴う症状や合併症の有無によって適した方法を選択します。

 

□保存法

保存法には主に以下の方法があります。

・フィジカルセラピー

フィジカルセラピーは、漏斗胸の症状を緩和し、生活の質を改善することを目的としています。具体的には、胸部の筋肉を強化する運動やストレッチを行い、胸部の形状の改善や呼吸機能の向上を図ります。

 

・ 呼吸法

呼吸法は、漏斗胸により制限されている肺機能の改善を目指します。深呼吸や肋間筋のストレッチなどを行い、肺の拡張を促し、息切れや呼吸困難の改善を図ります。

 

・ブレース法

ブレース法は、漏斗胸の形状を改善するために、特殊なブレースを使用します。ブレースを身につけることで胸部の形状を整えることを目指します。

 

□手術

手術には主に以下の方法があります。

・ラヴェッシュ手術

ラヴェッシュ手術は、漏斗胸の形状を改善するために行う手術の一つです。胸骨を切除し、胸部の形状を整えることを目的としています。

 

・ヌス手術

ヌス手術は、漏斗胸の形状を改善するために行う手術の一つで、胸骨の下に特殊なバーを挿入し、胸部の形状を整えることを目的としています。

 

□総合的な方法

漏斗胸の改善方法は、症状や状態によって異なるため、医師と十分なコミュニケーションをとり、適した方法を選択することが重要です。また、手術を行う場合でも長期的なフォローアップが必要となることがあります。

手術には主に「ヌス手術」と「ラヴェッシュ手術」の2つの方法があります。

 

・ヌス手術

ヌス手術は胸骨の下に特殊なバーを挿入し、胸部の形状を整えることを目的とした手術です。

効果:ヌス手術は胸骨を外から押し上げることで胸部の凹みを改善する効果があります。手術後には胸部の形状が整い、呼吸機能の改善が期待できます。

注意点:ヌス手術はバーを挿入するための侵襲が大きい手術であり、術後に痛みや合併症が生じる可能性があります。また、バーは数年間身体の中に留めておく必要があり、その後に再手術を行いバーを取り除く必要があります。

 

・ラヴェッシュ手術

ラヴェッシュ手術は胸骨を切除し、胸部の形状を整えることを目的とした手術です。

効果:ラヴェッシュ手術は胸部の凹みを改善し、胸部の形状を整える効果があります。手術後には胸部の形状が整い、呼吸機能の改善が期待できます。

注意点:ラヴェッシュ手術は胸骨を切除するための侵襲が大きい手術であり、術後に痛みや合併症が生じる可能性があります。また、胸部の形状が整った後も、再び凹みが生じる可能性があります。

 

手術の方法や効果、注意点は年齢や漏斗胸の重症度、合併症の有無などによって異なるため、医師と十分に相談し、適切な方法を選択することが重要です。

漏斗胸の悪化を防ぐために

漏斗胸の発症には遺伝も大きく関係していると言われているため、予防法も確立していません。しかし、漏斗胸は成長するとともに症状が進むことも多いため、胸のへこみに気付いた時点でできるだけ早めに病院に行くことが大事です。

 

乳幼児期からのたすきなどによって姿勢を正すことで猫背を改善することは、漏斗胸の悪化を防ぐために役立ちます。

 

さらに、いびきをかきやすい小児に漏斗胸の発症が多く見られることもわかっているため、扁桃肥大やアデノイドが大きい小児は改善を行うことで漏斗胸の改善につながることもあります。

漏斗胸に効果的なツボ

天突

尺沢

肺兪

天突

天突は呼吸器系の症状に対して効果を発揮するツボです。のどの痛みを和らげる効果があるツボで、咳が止まらない時にもお勧めです。

 

 気管支の炎症や喘息などにも効果を発揮します。

尺沢

尺沢は、肺の気の流れの上にあるツボであると言われているツボです。昔から咳の症状に対して使われてきたツボであるとされています。

 

咳だけでなく、呼吸困難、痰や喉の痛み、口の渇きや喉の渇きなどに使われるツボです。

肺兪

 

肺兪の兪には輸送するという意味があます。背部にある肺兪が肺に繋がって肺に気を送るということから名付けられたと言われています。

 

肺兪の効果は、内臓機能や全身の機能を整えることです。さらに、胃腸の調子を整える効果やストレスを和らげる効果があります。

 

他にも、呼吸器系の症状を和らげる効果があり、息切れや呼吸困難、息苦しさにもオススメのツボです。

ツボの位置と押し方

天突

天突は、左右の鎖骨を結んだ中央のくぼんでいる場所にあります。

 

ツボを押す前の準備として背中の周りをカイロなどで温めると、高い効果が期待できると言われています。押すときは、優しく押すことが非常に大事です。

尺沢

尺沢の場所は、肘を曲げたときにできる内側のシワの上にあります。シワの中央から指2本分ほど親指の方に進んだ場所にツボがあります。

 

押すときは、ゆっくり押しましょう。中指の腹を使って下方向に押します。

肺兪

肺兪は、肩甲骨と背骨の中央にあるツボです。探すときは胸椎の3番目と4番目の間でへこんでいる部分から指幅2本分外側を探しましょう。

 

押すときは、自分で押す場合ソフトボールなどを使って刺激しましょう。背中の下にボールをおいてゆっくりと体重を乗せていきましょう。

おすすめ記事

営業時間

11時から21時

営業日
 

11時~21時迄

休業日

年末年始

お問合せ
080-1802-9798