円錐角膜の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 2月 1日

更新日:2023年 9月 5日

本日は円錐角膜について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 円錐角膜とは
  • 円錐角膜の原因
  • 円錐角膜の症状
  • 円錐角膜の改善方法
  • 円錐角膜のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

円錐角膜は黒目の中心部分が薄くなり角膜が前に円錐状に突出する

円錐角膜は、黒目の中心の部分が薄くなり角膜が前に円錐状に突び出る病気です。円錐角膜は、進行性で、多くの場合は思春期から青年期に発症し、40代までに少しずつ進んでいきます。

 

視力が下がっていき、症状が進むと眼鏡で矯正することが難しくなります。病気の進むスピードが早く、合併症などを起こす場合、角膜移植が必要になることもあります。

円錐角膜の多くは、両眼性です。しかし、発症と病気が進む時期が違うこともあり、病院で判断される段階では片眼だけのこともあります。

 

自覚症状として、近視や乱視が進み、裸眼の視力の低下が見られます。判断が難しい病気で、専門医でなければ判断が難しいため、裸眼で視力が低下した場合に初めて眼鏡を作るときや眼鏡を作り変える時には眼科にいくことをお勧めします。

円錐角膜は原因不明の病気

円錐角膜は、原因不明の病気です。遺伝性であると言われていますが、明らかにはわかっていません。

 

原因は不明ですが、角膜実質コラーゲンの架橋構造に異常があることや細胞外マトリックスの分解酵素活性が過剰になることが関係していると考えられています。

アトピー性皮膚炎やアレルギー性の病気を合わせて起こしている場合が多いことから、アレルギーとの関係性についても言われています。

 

目に対しての擦過や打撲などの機械的な刺激も円錐角膜を起こしたり、病気を進行させてしまう可能性があるとも言われています。

円錐角膜は、角膜の中央が突き出し、円錐形状になる病気です。正常な角膜は平坦な半球形をしており、光が網膜に焦点を合わせる役割を果たしています。しかし、円錐角膜の場合、角膜の形状が変わることで、光の屈折が不正確となり、視力が低下することがあります。

 

遺伝的要因: 円錐角膜は家族性を持つ場合があります。一部の研究では、円錐角膜を発症した人の30%以上が家族内で同じ病気を持つ者がいると報告されています。特定の遺伝子変異が円錐角膜のリスクを高めることが示されています。

 

ホルモン変動: ホルモンの変動が円錐角膜の発症や進行に関与するとの指摘もあります。例えば、思春期や妊娠、更年期などのホルモン変動が激しい時期に病状が進行することが観察されることがあります。

 

過度な目の摩擦: 強く目をこすったり、押し込む行為が円錐角膜のリスクを高める可能性があります。これは、過度な摩擦が角膜の微細な繊維を弱らせるためと考えられています。

 

環境要因: アレルギーによる目のかゆみや、乾燥、紫外線への曝露など、環境的要因も円錐角膜の進行に寄与する可能性が指摘されています。

 

コラーゲンの構造と代謝の問題: 角膜はコラーゲンというタンパク質でできています。円錐角膜の中には、コラーゲンの生成や構造、代謝に関わる異常を持つ者がいます。

 

酸素供給の不足: 一部の研究者は、角膜の酸素供給の不足が円錐角膜の原因となる可能性を指摘しています。例えば、長時間コンタクトレンズを使用することで角膜の酸素供給が不足し、これが円錐角膜の進行に関与する可能性が考えられます。

 

炎症反応: 一部の研究では、円錐角膜の角膜に炎症を示すマーカーが高いことが示されています。この炎症が角膜の変形を引き起こす可能性があります。

 

 

円錐角膜の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因、環境要因、生物学的要因などが複雑に絡み合って発症や進行に影響していると考えられています。

円錐角膜の主な症状は、角膜の変形による乱視や視力の低下

円錐角膜では、角膜が薄くなり、薄くなった部分が眼圧に耐え切れなくなり、前に突き出てきます。角膜が突き出てくると視力に影響が出ます。

 

初期の段階で現れる症状では、乱視が起こったと判断されることが多いため、ほとんどの場合は円錐角膜であると気が付きません。

 

さらに症状が進むと、角膜の突き出しが強くなります。すると、角膜の形が原因でコンタクトレンズをつけることが難しくなります。角膜の薄くなった部分とレンズが擦れることが原因で激しい痛みが起こることもあります。

 

円錐角膜を放っておくと、角膜の薄くなった部分が破れてしまいます。最悪の場合、失明する危険もあります。

円錐角膜の主な症状は、角膜の変形による乱視や視力の低下です。視力が下がったり乱視になっても、病気が進むと眼鏡での矯正ができなくなります。

 

角膜の突き出しが強くなると、角膜の中にあるデスメ膜が破裂することもあります。デスメ膜が破裂してしまうと、角膜の中に水がたまり、角膜が突然白く濁る急性水腫を引き起こしてしまいます。急性水腫を起こしてしまうと、視力が急激に低下します。

円錐角膜は、角膜が徐々に薄くなり、突き出して円錐形状になる眼の病気です。この変形は、光が正常に網膜上に焦点を結ぶのを妨げ、多くの視覚の問題を引き起こします。

 

乱視: 角膜の変形により、光が網膜上に正確に焦点を合わせられなくなるため、乱視の症状が現れます。乱視は、物がぼやけて見える、または歪んで見えるという症状を引き起こします。

 

視力低下: 初期段階では軽度の視力低下から始まり、病気が進行するにつれて徐々に視力が低下します。最終的には、強度な眼鏡やコンタクトレンズを使っても、適切な視力を得ることが難しくなることがあります。

 

夜間の視覚問題: 夜や暗い場所では、視覚の問題が特に顕著になることがあります。これには、ハローやグレア(眩しい光)といった症状が含まれます。

 

急激な視力の変化: 病気の進行とともに、短期間での視力の急激な変化や眼鏡の度数の変化が頻繁に必要となることがあります。

 

眼の不快感: 一部では、目のかゆみ、乾燥、刺激感を感じることがあります。

 

光過敏: 強い光や反射に対して過敏になることがあり、日常生活での不便や不快感を感じることがあります。

 

円錐角膜の症状は、角膜の変形によって引き起こされます。正常な角膜は、入射する光を適切に屈折させ、網膜上に鮮明な像を作成します。しかし、円錐角膜では、角膜の薄化と突き出しにより、光の屈折が不均一となり、像の乱れやぼやけを引き起こします。

 

また、角膜の不均一な薄化は、光の散乱を引き起こすため、夜間の視覚の問題や光過敏の原因となります。

 

円錐角膜の初期段階では、症状は軽度であるか、または全く気付かないことが多いです。多くの場合、定期的に眼科に行くことや視力の変化が原因で初めて病気が検出されます。病気が進行するにつれて、視力の低下やその他の症状が徐々に増加し、日常生活に影響を及ぼすようになります。

 

 

円錐角膜は、角膜の変形と関連する一連の視覚の問題を引き起こす病気です。症状は病気の進行とともに増加し、生活の質を著しく低下させる可能性があります。

円錐角膜はハードコンタクトレンズで改善する

円錐角膜は、ハードコンタクトレンズで改善することができます。非常に進んでしまった状態の円錐角膜ではコンタクトレンスでの改善は難しいですが、ほとんど場合はコンタクトレンズによる改善を行います。

 

円錐に突き出した角膜に対してフラットなカーブのハードコンタクトレンズを乗せることで物理的に前に突き出ることを防ぐ効果があります。ハードコンタクトレンズを使うことで眼鏡では矯正が難しい視力の矯正も可能です。

円錐角膜の症状が進んだ場合、突き出した角膜にコンタクトレンズが乗らず落ちてしまうことや、突き出した部分とコンタクトレンズが擦れることによって起こる痛みによって、コンタクトレンズをつけることが難しいことがあります。

 

コンタクトレンズを使うことが難しい場合、円錐角膜専用の特殊なレンズを使用すしたり、角膜とハードコンタクトレンズの間にソフトコンタクトレンズを乗せるピギーバック法でコンタクトレンズを使ったりします。

 

最近では、薬と紫外線を使って角膜のコラーゲンを強くする角膜クロスリンキングという方法や角膜内リング挿入術などの新しい改善方法もあります。

円錐角膜は、角膜が徐々に薄くなり、中央部が突き出して円錐形になる病態を指します。この病気に対する改善法は、症状の重さや病気の進行度によって異なります。以下は、円錐角膜の主な改善法に関する詳細な情報です。

 

眼鏡やコンタクトレンズ: 初期段階の円錐角膜では、眼鏡やソフトコンタクトレンズで視力を補正することが多い。しかし、病気が進行すると、特殊な硬質コンタクトレンズが必要になることが多い。硬質コンタクトレンズは、角膜の突き出し部分を覆い、平滑な前面を作ることで、光の屈折異常を補正します。

 

角膜クロスリンキング (CXL): これは、角膜の薄化や進行を停止または遅らせる手術方法です。この手術では、リボフラビン(ビタミンB2)の眼点滴と紫外線の照射を組み合わせて、角膜のコラーゲン繊維を強化し、さらなる薄化や変形を防ぐことを目的としています。

 

角膜移植: 病気が進行して角膜クロスリンキングや特殊なコンタクトレンズでの改善が効果的でない場合、角膜移植が検討されることがあります。移植手術には、ペネトレーティングケラトプラスチー(PKP)や深層前方角膜移植(DALK)といった方法があります。

 

角膜リングセグメント挿入: この手術では、小さなプラスチック製のリングを角膜の深部に挿入することで、角膜の形状を正常化し、視力を改善することを目指しています。

 

トポグラフィーガイドされた表層照射法: この手術では、エキシマレーザーを使用して角膜の表層を再形成することで、視力を改善することを目的としています。これは、特定の症例において効果的であることが示されています。

 

薬: 炎症や眼の不快感を和らげるための薬や、角膜の腫れを減少させるための塩化ナトリウム点眼液など、症状を軽減するための薬が考慮されることがあります。

 

低強度レーザー: 一部の症例で、低強度のレーザーが角膜の硬化や形状の正常化に効果的であることが示されています。

 

円錐角膜は、進行性の病気であり、改善方法は症状の重さや病気の進行度に応じて選択されます。初期段階では非外科的な改善方法が効果的であることが多いが、病気が進行すると外科的な改善方法が必要になることがあります。

円錐角膜の改善には、主に外科的な改善方法が中心ですが、一部の症状の管理や角膜の状態を安定させるための薬も用いられることがあります。以下に、円錐角膜の改善に使用される可能性のある薬物とその目的、効果について説明します。

 

塩化ナトリウム点眼液や軟膏

目的: 角膜の浮腫を減少させるため。

効果: 角膜の細胞間の液体を吸収し、角膜の浮腫を軽減する。これにより、一時的な視力の改善や不快感の軽減が期待できる。

 

非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) 点眼液

目的: 炎症や眼の痛みを和らげるため。

効果: 炎症を抑制し、眼の赤みや痛み、不快感を軽減する。

 

ステロイド点眼液

目的: 重度の炎症を抑制するため。

効果: 炎症反応を強力に抑制することができる。しかし、長期間の使用は副作用のリスクがあるため、使用は慎重に行われる。

 

人工涙液

目的: 乾燥や刺激感を緩和するため。

効果: 眼の表面を保護し、適切な涙の層を維持することで、乾燥や不快感を軽減する。

 

抗生物質点眼液

目的: 角膜の傷や手術後の感染リスクを低減するため。

効果: 眼の感染を予防し、存在する細菌を除去する。

 

以上の薬物は、症状や状態に応じて使用されます。眼科医の指示に従って、適切な用量と使用方法で使用することが重要です。

コンタクトレンズでの改善は根本的な改善にはならない

円錐角膜では、コンタクトレンズを使用して経過観察をする方法が一般的な改善方法です。しかし、コンタクトレンズを使用する目的は、円錐角膜が進行することによって起こる視力の低下や乱視が起きることへの対応をすることです。

 

コンタクトレンズでは、下がった視力や乱視を軽くすることはできますが、病気が進んでいる場合は根本的に改善をして病気の進行を止める必要があります。

コンタクトレンズでの改善は、根本的な改善方法ではありません。円錐角膜が進むと、角膜どんどん薄くなり手遅れになった場合は角膜移植が必要です。

 

円錐角膜は、最も角膜移植が必要となる目の病気です。病気が進行するのを防ぐためにも適切な改善方法を行うことが大事です。

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