身体集中反復行動症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2023年 3月 3日

更新日:2023年 3月20

本日は身体集中反復行動症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 身体集中反復行動症とは
  • 身体集中反復行動症の原因
  • 身体集中反復行動症の症状
  • 身体集中反復行動症の改善方法
  • 身体集中反復行動症のまとめ

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

身体集中反復行動症は、自分の体に影響を及ぼす行為を繰り返し行う

身体集中反復行動症は、爪をかんだり唇をかんだりするというような自分の体に影響を及ぼす行為を繰り返し行う病気です。

 

自分の体に影響を及ぼす行為を繰り返し行って何度もやめようとしてもやめられない場合や、行為によって日常生活に問題が起こっている場合、行為に対して苦痛を感じている場合などに身体集中反復行動症であると判断されます。

自分の体をむしったりかんだりすることで緊張や不安が和らぐ

身体集中反復行動症の原因ははっきりとは分かっていません。ただし、ストレスが発症に関わっていると考えられています。

 

これは、身体集中反復行動症を発症している人は、自分の体の一部をむしったりかんだりする直前に緊張や不安などがあると言われています。その不安な緊張が自分の体の一部をむしったりかんだりすることで和らぐと言われています。

身体集中反復行動症の原因は完全には解明されていませんが、複数の要因が組み合わさって発症すると考えられています。

 

生物学的要因

遺伝的要素: BFRBsは家族内で見られることがあり、遺伝が関与する可能性が示唆されています。特定の遺伝的変異がこれらの行動の傾向を高めることがあります。

脳の構造と機能の異常: BFRBsを持つ人々では、脳の特定の領域の機能的な異常が見られることがあります。特に、衝動制御やハビット形成に関与する部位の機能的な異常が見られます。

 

心理的要因

感情的な調節の問題: ストレス、不安、退屈、孤独などの感情を調節する手段として、これらの行動が行われることがあります。反復的な行動によって一時的な安堵感や満足感が得られることが、これらの行為を強化します。

完璧主義や不安: 完璧主義的な傾向や一般的な不安障害も、関連があることが示されています。

 

環境的要因

ストレスやトラウマ: 生活のストレスや過去のトラウマも、発症のきっかけとなることがあります。

模倣行動: 家族や友人など、身近な人の行動を模倣することによって、これらの行動が始まることがあります。

 

社会文化的要因

社会文化的な圧力: 外見に対する社会的な圧力や期待は、特に皮膚をむしったり、髪の毛を引っ張ったりする行為と関連があることがあります。

身体集中反復行動症の症状は、爪や唇をかむ、頬の内側をかむなど

身体集中反復行動症の症状は、爪をかむ、唇をかむ、頬の内側をかむなどの自分の体に影響を及ぼす行為を繰り返し行うことです。さらに、自分の体に影響を及ぼす行為について何度もやめようとします。

 

身体集中反復行動症を発症している人が自分の体に影響を及ぼす行為を行う時には、無意識に行う人もいれば、より意識的に行う人もいます。

 

行為を行う直前に緊張や不安があり、行為を行うことで緊張や不安が感情が和らぐことも多く、そのために行為を行うことに対して満足感を得てしまうのです。

 

ただし、自制心を失うことに対して苦痛を感じることも多いため、行為を何度もやめようとしたり頻度を減らそうとしたりすることもあります。しかし身体集中反復行動症を発症している場合やめることができないのです。

身体集中反復行動症は、自分の体の一部に対して行う反復的で衝動的な行動を特徴とします。これらの行動はしばしば自傷につながり、感情的苦痛や社会的な障害を引き起こすことがあります。以下に、一般的な症状とそれに含まれる具体的な行動を紹介します。

 

トリコチロマニア(抜毛症)

症状: 自分の髪の毛を引き抜く行為。これには頭髪、まつ毛、眉毛、ひげ、その他の体毛が含まれることがあります。

結果: 不均一な髪の長さ、薄毛や禿げた領域の出現、皮膚の損傷。

 

皮膚むしり症(皮膚摘み症)

症状: 皮膚をむしったり、摘んだり、引っかいたりする行為。しばしば小さな傷やニキビ、かさぶたを引っかいて悪化させます。

結果: 傷、瘢痕、感染、永続的な皮膚の損傷。

 

爪かみ症

症状: 爪をかむ、噛みちぎる、または引き裂く行為。

結果: 爪の損傷、短くなったり歪んだりした爪、時には爪床や周囲の皮膚の感染。

 

口内摘み症

症状: 口の内側の頬や唇を噛む、摘む行為。

結果: 口内の傷、潰瘍、感染のリスク。

 

その他

鼻をほじる、耳をいじる、体を叩くなど、他にもさまざまな反復行動がBFRBsに分類されることがあります。

 

一般的な影響

感情的苦痛: これらの行動はしばしば罪悪感、恥、不安を引き起こします。

社会的障害: 学校や職場での集中の困難、人間関係の問題、社会的な孤立。

身体的な合併症: 感染、永続的な皮膚や髪の損傷。

身体集中反復行動症の改善方法は、薬

身体集中反復行動症の改善方法は、薬です。改善のために使う薬は、抗うつ薬の選択的セロトニン再取り込み阻害薬やN-アセチルシステインなどです。

 

さらに、認知行動に対して介入することで、症状が軽くなることもあります。自分がしている行為に対する自覚を高めることや問題の行為を行うきっかけにになる状況を特定することなどを行います。

 

また、問題の行為を別の行為に置き換えることで改善していく方法などが行われることもあります。

身体集中反復行動症の改善方法は、個々の症状、その行動の原因、および生活状況に基づいてカスタマイズされます。以下に、一般的な改善方法を紹介します。

 

認知行動法(CBT)

ハビットリバーサルトレーニング(HRT): 最も効果的な改善法の一つで、自分の行動を認識し、それに対する代替行動を学ぶ手法です。衝動を感じたときに実践できるリラクゼーション技術や他の活動を含みます。

露出反応妨害(ERP): 行動を引き起こす刺激に故意にさらされることで、衝動に対する耐性を高める方法です。

 

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI): 不安やうつ病の症状を管理し、BFRBsを減少させることが示されています。

非定型抗精神病薬: 一部の症例では、これらの薬剤が効果的であることが示されていますが、副作用のリスクも高いため、慎重に使用されます。

N-アセチルシステイン(NAC): 抗酸化物質で、一部の人においてBFRBsの症状を減少させることが報告されています。

 

行動修正技術

自己モニタリング: 自分の行動やその前後の状況を記録し、パターンやトリガーを特定することで、意識的なコントロールを高める方法です。

環境管理: BFRBsを引き起こす可能性のある環境的トリガーを取り除くか、変更することで、行動の発生頻度を減らす方法です。

 

サポートグループと教育

本人と家族に対する教育は、BFRBsに関する理解を深め、支援を提供する上で重要です。サポートグループは、同じ問題を持つ他の人々との交流を通じて、孤独感を軽減し、 病気について学ぶ機会を提供します。

 

改善方法は個人によって異なる効果を示すため、計画は個人のニーズに合わせて柔軟に調整する必要があります。また、改善方法はしばしば複数のアプローチを組み合わせることで、より効果的な結果が得られることが多いです。

身体集中反復行動症に対する薬での改善は、症状を管理し、生活の質を改善するために使用されます。以下は、改善に用いられる一般的な薬物、それらの効果、および副作用についての詳細です。

 

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)

不安や抑うつ症状を軽減し、BFRBsを引き起こす衝動を管理するのに役立つことがあります。

副作用: 性的機能障害、吐き気、頭痛、睡眠障害、体重増加など。

 

非定型抗精神病薬

重度のBFRBsに対して、特に他の方法が効果を示さない場合に使用されることがあります。衝動制御の改善に役立つ可能性があります。

副作用: 体重増加、糖尿病のリスク増加、高コレステロール、不随意運動、催奇形性など。

 

N-アセチルシステイン(NAC)

抗酸化作用があり、脳内のグルタミン酸のバランスを調整することで、衝動的な行動を減少させる可能性があります。

副作用: 一般的には副作用は少ない。報告がある副作用は、腹痛、下痢、吐き気、発疹など。

 

抗不安薬(例: バスピロン)

不安を軽減し、その結果、BFRBsを引き起こす衝動を管理するのに役立つことがあります。

副作用: めまい、眠気、頭痛、吐き気など。

 

薬での改善は、症状や既存の健康状態、および他の使用している薬剤に基づいて慎重に選択される必要があります。特に、副作用のリスクや、特定の薬物に対する個人の反応は個人差があるため、医師と密接に協力して計画を立て、必要に応じて調整することが重要です。

身体集中反復行動症は 強迫症に似ている

身体集中反復行動症は 強迫症に似ている病気です。行為を行うとき、強迫的に行うためです。

 

何度も爪をかんだりむしったりすることを繰り返すため、爪が変形したり、爪にみぞや隆起ができたり爪の下に血液がたまったりすることもあります。

 

大人でも爪を噛むことを繰り返し行うことをやめることができない場合、身体集中反復行動症の可能性もあります。

 

抜毛や皮膚むしりも身体集中反復行動症ではありますが、身体集中反復行動症とは別の病気として分類わけされています。

身体集中反復行動症に効果的なツボ

完骨

合谷

神門

完骨

完骨は、自律神経を整える効果があります。精神的に疲れている時などにオススメのツボなのです。

 

また、完骨には幸せホルモンと呼ばれているホルモンであるセロトニンの分泌を安定させる効果もあり、ポジティブな考え方をするためにも役立ちます。他にも、肩こりやめまいに対しても有効です。

合谷

合谷には、ストレスによって乱れてしまった自律神経を整える効果があります。自律神経が整うと、リラックスをすることにもつながります。

 

さらに、気持ちを落ち着けることができるため、気持ちが荒れている時にも少しずつ平常心を取り戻すことができるために役立ちます。

神門

神門は、物忘れや不安、動悸などに効果を発揮するツボです。リラックスにも効果的で、刺激をすることで精神的に安定できるとされています。

 

気持ちが興奮して眠れない時やイライラを抑えることができない時などにオススメのツボなのです。

ツボの位置と押し方

完骨

完骨は、耳の後ろの出っぱっている骨の下側のくぼんでいるところにあります。

 

押すときは、親指を使ってゆっくり上に押し上げるようなイメージで押します。完骨だけを刺激するのではなく、完骨の周りを軽くマッサージする方法もオススメです。

合谷

合谷は、親指と人さし指の間にあります。親指と人さし指の骨の分かれているところから少し人さし指側です。

 

押すときは、親指を使って押します。揉むようにマッサージしても良いでしょう。

神門

神門は、手首の曲がりジワを小指側に向かって触った時、小指下の骨の出っぱりの手前にあります。

 

押すときは、ほどよい刺激を感じる程度の力加減がオススメです。ゆっくりおしてゆっくり離しましょう。

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